ファーウェイの「HUAWEI GR5」は、5.5型サイズのSIMフリースマートフォンです。プロセッサーに8コアのSnapdragon 615を搭載したミドルレンジ機で、標準価格は3万4800円(税別)、実売価格では3万円台前半で販売されています。
格安なスマートフォンということで、実際の性能が気になるところ。そこで今回は実機を使ったベンチマーク結果を紹介します。
プロセッサーは8コアのSnapdragon 615
HUAWEI GR5ではプロセッサーに、QualcommのSnapdragon 615(MSM8939)を採用しています。このプロセッサは8個のコアを持つ「オクタコア」と呼ばれるタイプ。負荷が低い時は1.2GHzの低速なコアを動かすことで消費電力を抑え、高いパワーが必要なときはさらに1.5GHzの高速な4個のコアが動く「big.LITTLE」仕様になっています。
コアの数が多いほどプロセッサーの性能が高い、というイメージを持っている人は多いかもしれません。しかし最新のSnapdragon 820が4コア(クアッドコア)であるように、近頃は「やっぱ8コアもいらないよネ」的な流れになってきています。
もっともこれは、コアの性能が大きく向上したからという側面もあります。ちなみにSnapdragon 615に搭載されているARM Cortex-A53は2012年に開発されたコアで、最新技術と比べると性能はそれほど高くはありません。しかも、動作周波数も低めに抑えられています。そのため、8コア内蔵であっても性能はほどほど、という結果となるのです。
とは言うものの、Snapdragon 615はGPUとして Adreno 405を内蔵しているほか、メインコアの代わりにさまざまな処理を行なうHexagon DSPにも対応しています。ミドルレンジのプロセッサーとは言え、性能はそれほど低くはないでしょう。ミドルレンジのなかでも上位に属する「ミドルハイ(Middole-High)」と言えるかもしれません。実際に検証している最中でも、特にストレスなく使うことができました。
HUAWEI GR5ベンチマーク結果
続いて、HUAWEI GR5のベンチマーク結果について紹介しましょう。なお各ベンチマーク結果はタイミングやアプリのバージョンによって大きく異る場合があります。結果を保証するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
AnTuTuベンチマーク
定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(v6.0.4)」の結果は「35661」でした。最新ハイエンドモデルでは10万を超えることを考えれば、確かにミドルレンジの性能と言えるでしょう。
ちなみに同じファーウェイから発売された人気モデル「P8lite」(2015年6月発売)と比べると、新しいHUAWEI GR5のほうがさすがに高いスコアとなっています。
Geekbench 3
Geekbench 3では、シングルコアで「693」、マルチコアで「3040」という結果です。マルチコアで考えれば性能的に「Nexus 6」相当で、2014年5月当時のハイエンドモデル「Galaxy S5」を超えています。2年以上前のスマートフォンを使っているなら、買い替え対象として検討してみてはいかがでしょうか。
PassMark PerfomanceTest Mobile
PassMark PerfomanceTestでは、総合スコアが「4614」でした。プロセッサーのスコア(CPU Mark)は比較的高く、「95099」という結果です。よく使われるベンチマークアプリではありませんが、参考までに掲載しました。
3DMark
3Dゲームの快適さを計測する「3DMark」では、上記の結果となりました。結果としては、あまり高くありません。ハイエンドクラスの端末では「Ice Storm」は軽すぎることを考えると、3D性能に大きな差があることがわかります。
ただし、いま人気のゲームは比較的軽めに作られているので、HUAWEI GR5でも十分快適に楽しむことができます。ハイエンド端末向けのゲームは対象機種が限られることになるので、それほど多くはありません。2~3年は問題なく利用できるはずです。
GFXBench
詳細な3D性能を計測する「GFXBench」でも、軒並み低めの結果となりました。低レベルのテストでもスコアが伸びませんでしたが、一般的なアプリであれば問題はないでしょう。
PCMark
ネット閲覧や動画視聴、ちょっとしたメモなどの作業の快適さを計測する「PCMark」の「Work perfomance」では、「3822」という結果でした。同程度のスコアが出ている端末を調べてみると、Xperia Z Ultra(2014年1月発売)やGalaxy S5(2014年5月発売)などが見当たります。HUAWEI GR5は現在のミドルレンジモデルですが、2年前のハイエンドモデルと同じレベルの性能を持っていることがわかります。
「PCMark」のバッテリーテストでは、8時間44分という結果となりました。あまり長くないように思えるかもしれませんが、上記「Work perfomance」のベンチマークを連続実行した上での結果ですので、バッテリーにかかる負荷はけっこう高めです。現在のハイエンドモデルでは7時間を切っていることもありますので、バッテリー性能は比較的優れていると言えるでしょう。
公式ではHUAWEI GR5は3000mAh大容量バッテリーを搭載しているとのこと。2000mAh前後のモデルがまだ販売されていることを考えると、HUAWEI GR5を選ぶメリットは大きいと言えるでしょう。
そのほかのベンチマーク
HUAWEI GR5は普通にストレスなく使える性能
ということで、今回はHUAWEI GR5のベンチマーク結果を紹介しました。ハイエンド端末と比べると結果は低めですが、普通に使うぶんには十分な性能です。むしろハイエンド端末ではオーバースペック(性能が高すぎること)になる人も多いでしょう。人気のアプリを利用する程度なら、このレベルで満足できるはずです。
現在の端末価格やそのほかの検証結果については、こちらの記事をご覧ください。
関連記事