Xiaomi(シャオミ)の『Redmi Buds 6 Play』は、非常にリーズナブルなワイヤレスイヤホンです。標準価格は1380円。大手メーカー製でありながら、謎メーカーによる謎製品くらいの値段でしかありません。100均ショップで販売されている1100円のワイヤレスイヤホンと変わらないくらいです。
実際に使ってみたところ、音質面でも機能面でもお値段以上の印象を受けました。音質はほどほどですが、国内で普通に手に入る同価格帯の商品よりも上に感じます。
機能面では、専用アプリでアレコレできるのが便利です。なにより世界におけるスマホ出荷台数で3位(2023年)のグローバルメーカーである「Xiaomi(シャオミ)」製であるという点がポイント。謎メーカーの製品をバクチ感覚で買うくらいなら、コレを選ぶべきでしょう。
というわけで、この記事では筆者が購入した実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
おことわり
このレビュー記事では、機材を短期間試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。
スペック
発売日 | 2024年8月22日 |
---|---|
形状 | カナル型 |
重さ | 3.6g(片耳) / 32.8g(ケース収納時) |
ハイレゾ | 非対応 |
周波数特性 | 20Hz~20KHz |
ドライバー | 10mmダイナミックドライバー |
インピーダンス | 16Ω 定格電力5mw、最大電力10mw |
Bluetoothバージョン | 5.4 |
通信範囲 | 10m |
プロファイル | Bluetooth Low Energy / HFP / A2DP / AVRCP |
コーデック | SBC |
再生時間(イヤホンのみ) | 約7.5時間 |
再生時間(ケース充電合計) | 約36時間 |
防水性能 | IPX4(イヤホンのみ) |
ノイズキャンセリング | 通話時のマイク音声のみ |
タッチ操作 | 曲の再生/停止、通話のオン/オフ、モード切り替え |
外音取り込み | ○ ※アプリで操作 |
ワイヤレス充電 | × |
マルチポイント | × |
マルチデバイス | × |
低遅延モード | ◯ |
専用アプリ | ◯ |
片耳モード | × |
装着センサー | × |
通話 | ○ |
パッケージ
Redmi Buds 6 Playの付属品は、交換用イヤーピースのみです。充電用のUSBケーブルは付属していないので、別途自分で用意してください。ガジェットを買う機会が多いとUSBケーブルがすぐに何本も溜まってしまうので、ケーブルが付属しないのは個人的にはありがたいです。
外観とサイズ・重量
今回のレビューでは、ブラックのモデルを使用しました(ホワイトよりも写真撮影が簡単という理由です)。ブラックはいちばんノーマルなデザインですが、いかにもな安っぽさもあります。ホワイトのモデルであれば、印象はだいぶ変わるはずです。
接続と専用アプリ
接続はスムーズ
今回はiPhoneとAndroid(Pixel 8 Pro)で利用しました。どちらも接続処理はスムーズです。特にAndroid端末だと「Google Fast Pair」のおかげで、Bluetooth接続をあれこれ設定する必要がないのが便利でした。専用アプリ「Xiaomi Earbuds」をあらかじめインストールしておくと、さらにお手軽です。
専用アプリで設定を変更
Redmi Buds 6 Playはスマホ用アプリ「Xiaomi Earbuds」に対応しています。ジェスチャー(タッチ操作)を変更したり、プリセットからオーディオ効果を選んだりなど、さまざまな機能を利用できます。
着け心地と音質
※検証の前に、10時間ほどエイジングを行なっています
コンパクトで耳への収まりはいい
Redmi Buds 6 Playは本体がコンパクトで、比較的すんなりを耳に収まりました(成人男性の筆者の場合)。選択したイヤーピースはSサイズです。キッチリとしたフィット感を求めるなら、イヤーピースのサイズを大きくするといいでしょう。「寝ホン」ほどではないものの、装着時の圧迫感はあまり感じません。
音楽を聴かない場面でも、ちょっとした耳栓代わりに使えます。ANCほどではないものの、ただ耳に装着しているだけで、低音域の音がわずかにカットされていました。
バランスが良くお値段以上の音質
サウンドはクリアーではあるものの、全体的に平坦な印象を受けました。高音域にシャカシャカ感がありましたが、耳障りには感じません。低音域はそこそこパワフル。ですが、これまで使ったことがあるXiaomi製イヤホンよりもやや弱めです。各音域のバランスが良く音楽を聴きやすいという点では、1380円以上の仕上がりと言っていいかもしれません。値段の安さを考えれば、十分納得できるクオリティーだと思います。
オーディ効果はいまひとつ
専用アプリの「オーディオ効果」から音のバランスを変えられるのですが、個人的にはちょっとイマイチな印象です。通常時の「標準」に対して「高音強化」はシャカシャカ感が強まりすぎで、逆に「低音強化」は低音域がムダに響くように感じました。また「音声強化」は声のトーンが変わってしまいます。好みはそれぞれなので筆者とは違う印象を受けることもあるはずですが、個人的には極端なバランス変更で、音楽を聴くのには適していないように思います。ただビデオ通話など音楽再生以外の用途ならアリかもしれません。
低遅延でもゲームには不向き
Redmi Buds 6 Playは専用アプリから低遅延モードを選択できますが、それでもわずかな遅延が感じられました。低遅延モードで感じられる「間」は通常時の半分程度ではあるものの、微妙なズレを感じます。動きや操作に合わせて音が出るゲームのプレーは、避けたほうが無難かもしれません。
なお低遅延モードはスマホ用アプリから設定するため、パソコンからでは利用できませんでした。
Bluetooth接続感度は未確認
今回はまだ、電車や繁華街での利用を確認していません。検証する機会があったら、追記します。
バッテリーは実駆動で8時間
連続再生時間は約7.5時間とされています。iOS用のエージングアプリでピンクノイズを再生し続けたところ、約8時間再生し続けてバッテリー残量は残り10%でした。条件によって駆動時間は変わるはずですが、とりあえずは十分な結果だと思います。
ダイソー製イヤホンとの違い
Redmi Buds 6 Playは1380円の低価格モデルということで、似たような価格で販売されているダイソーのワイヤレスイヤホンと比較しました。ダイソーには何種類かのワイヤレスイヤホンが販売されているのですが、今回は機能の多そうな「DG036-01」を選んでいます。
スペックで見ると、ダイソー製イヤホンのほうが若干上の印象です。特にマルチペアリングに対応している点は便利ですし、低遅延モードは0.06s(公称値)と短くWindows PCでも使えます(ボタンによるモード切り替えのため)。実際にゲームで使ってみたところ遅延がないかは微妙なところですが、Redmi Buds 6 Playよりは遅れが短く感じました。
ただしGoogle Fast Pairや専用アプリを使えるなど、スペックに出てこない面ではRedmi Buds 6 Playのほうがバリューは上です。特にアプリでは「イヤホンを探す」やジェスチャーを変更したりできるのが便利。同価格帯の商品でこれらに対応しているのは、なかなかないでしょう。
ダイソー製ワイヤレスイヤホンとの違い
Redmi Buds 6 Play | DG036-01 |
1380円 | 1100円 |
カナル型 | |
3.6g(片耳) 32.8g(ケース含む) |
4g(片耳) 37.2g(ケース含む)※実測 |
10mmダイナミックドライバー | |
Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.1 |
SBC | |
約7.5時間(イヤホンのみ) 約36時間(ケース充電合計) |
約8時間(イヤホンのみ) 約24時間(ケース充電合計) |
IPX4 | ※表記なし |
専用アプリあり | 専用アプリなし |
マルチペアリング非対応 | 最大4台までマルチペアリング対応 |
低遅延モード対応 |
音の感じ方は人それぞれですが、個人的にはRedmi Buds 6 Playのほうが高音質に感じます。DG036-01は低音域が非常に強く、曲によっては後頭部に振動を感じるほど(気のせいかもしれません)。また、中~高音域がややこもって聞こえる場面もありました。低音重視の曲をカジュアルに楽しむのには適しているものの、全体的なバランスとしてはRedmi Buds 6 Playのほうが優れているように感じます。ただどちらも、1000円ちょっとのワイヤレスイヤホンとしては高い満足感を得られそうです。
考察とまとめ
安いのにちゃんとしてる
なんと言っても、グローバルメーカー製で1380円の安さが魅力です。普通はこのくらいの価格だと「安かろう悪かろう」なところがありますが、これと言って目立つ欠点が見つかりません。むしろ「この安さで、よくぞここまで」と感じます。万が一落としてなくしたり壊したりしても、ダメージは比較的少ないでしょう。アマゾンや100均ショップでやたら安いのをバクチ的に買うくらいなら、「もうこれでいいんじゃない?」と言いたくなるほど。予算1500円程度で、失敗したくない人に向いています。
サウンドはカジュアル派向け
音質については当然ながら、高級オーディオほどではありません。総合的にはお値段以上な感じはしますが、良くて3000円圏内レベルといったところでしょうか。音楽をじっくり聴く用ではなく、サブスクの音楽をカジュアルに聞くのに向いていると思います。スマホのスピーカーで聞いてる人には、劇的な違いが感じられるかも。