ファーウェイの「HUAWEI Y6」は、5インチ(解像度1280×720ドット)の液晶ディスプレイを搭載するSIMフリースマートフォンです。最大の魅力は、標準価格が税別で1万5980円(税込み1万7258円)と非常にリーズナブルな点。格安SIMと併用して通信比を抑えるために、購入や買い替えを検討している人もいるのではないでしょうか。
そこで今回はHUAWEI Y6の実機を使って、本体デザインや各種機能、実際の性能などについてレビューします。なお検証に使った端末は、当サイトで購入したものです。
HUAWEI Y6の主なスペック | |
液晶ディスプレイ | 5インチ、1280×720ドット、IPS |
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本体サイズ/重量 | 幅72.1×奥行き143.5×高さ8.5mm/155g |
カラー | ホワイト/ブラック |
OS | Android 5.1/Emotion UI 3.1 |
CPU | Qualcomm Snapdragon 210(MSM8909) |
メモリー/ストレージ | 1GB/8GB |
カメラ | リア800万画素(開口部 F2.0)、フロント200万画素(開口部 F2.8) |
通信機能 | IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.1、テザリング対応(最大8台) |
Webカメラ | フロント30万画素 |
インタフェース | microUSB、microSD/SDHC対応メモリーカードスロット(最大32GB)、ヘッドホン出力 |
バッテリ容量 | 2200mAh(連続待受時間約300時間) |
通信速度 | 下り最大150Mbps/上り最大50Mbps |
対応バンド | LTE:バンド1/3/5/7/8/19/28 |
まずは利用前の準備から
HUAWEI Y6は、SIMフリースマートフォンのなかでも非常に低価格なモデルです。実売価格は1万5000円台から。インパクトのある値段なのですが、いまひとつ人気が出ていない気がします。メディアの情報やレビュー記事も、ほかのモデルに比べて少ない状況です。
そんな理由から、自分でチェックするために実機を購入しました!
購入価格は、NTT-Xストアで1万5525円でした。しかも32GB microSDカードのオマケ付きです。いまならさらに、545円割り引きのクーポンが用意されているのでお得ですよ!
リンク
- HUAWEI Y6/White SCL-L02/Y6/White(NTT-Xストア)
- HUAWEI Y6/Black SCL-L02/Y6/Black(NTT-Xストア)
箱の中身をチェック!
さて実機の箱の中身はというと、非常にシンプルな構成です。実際には紙のマニュアルが付いているのですが、付属品は必要最低限といったところ。
付属品というわけではありませんが、液晶ディスプレイにはあらかじめ透明の保護シートが貼られています。このまま使ってみましたが、とくに問題ありませんでした。ガラス製の保護シートのほうが丈夫ですが、張り替えに自信がない人は、このまま使ってもいいのではないでしょうか。
バッテリーは取り外し可能! 劣化したら交換できる!!
上の写真をご覧いただくとわかるように、HUAWEI Y6ではバッテリーが取り外せます。つまり、長年使用してバッテリー容量が減ったとしても、別途購入した新品のバッテリーに交換できるのです。ただし現在のところ、別売りバッテリーに関する情報は入ってきていません。
HUAWEI Y6のセットアップを行なう
箱から取り出したところで、利用するための準備を行ないます。まずはSIMカードの取り付けから。
補足:HUAWEI Y6で使えるSIMカードについて
利用するSIMカードのサイズは、マイクロSIMです。HUAWEI Y6はSIMロックのかかっていない”SIM(ロック)フリー”端末ですので、基本的にはキャリアによる通信制限の影響は受けません。ただし対応するバンド(周波数帯)によって、使えるサービスが変わる点に注意してください。
HUAWEI Y6の対応バンド(LTE) | |||
バンド | NTTドコモ | au | ソフトバンク |
---|---|---|---|
1 | ◯ | ◯ | ◯ |
3 | ◯ | - | ◯ |
5 | - | - | - |
7 | - | - | - |
8 | - | - | ◯ |
19 | ◯ | - | - |
28 | ◯ | ◯ | ◯ |
いちおう国内大手キャリアすべての帯域を利用できますが、auについては実質的にバンド1しか対応していません。バンド28は3キャリアとも対応していますが、まだ広く普及しているとは言えない状況です。そのため通信の安定性を重視するなら、HUAWEI Y6ではNTTドコモ系のMVNOかソフトバンク(ワイモバイル)系のMVNOを利用するのがいいでしょう。
ちなみにバンド5とバンド7についてですが、これらは海外(主にオーストラリアや韓国)で利用されているバンドです。特にオーストラリアへ頻繁に旅行するという人には便利かもしれません。
SIMカードとmicroSDカードの取り付け
マイクロSIMカードとmicroSDカードのスロットは、背面カバーの下に用意されています。カバーを取り外したあと、バッテリー用の空きスペースからカードをセットしてください。
電源オン&初期設定
準備ができたら、いよいよ電源投入です。初回起動時は初期設定を行なう必要がありますので、あらかじめGoogleのアカウント(Google Playの利用、つまりアプリのダウンロードなどに必要)を用意しておきましょう。
HUAWEI Y6のデザインをチェック
ここからは、本体デザインに関する感想を紹介します。
しっかりホールドできる本体サイズ
HUAWEI Y6は5.0インチの液晶ディスプレイを搭載したスマートフォンで、大きさとしては標準的。ただしハイエンド向けの高性能なモデルは5.5型の液晶ディスプレイを採用していることが多く、それらと比べれば若干小ぶりです。
画面の端(横方向)にまで指が届く
5.0インチの画面はそれなりに大きいのですが、片手操作時に指が届かないほど大きいというわけではありません。縦方向はちょっと厳しいですが、横方向なら画面の端にまで指が届きます。ただし手の大きさは人によって異なるので、あくまでも参考程度に捉えてください。
質感は値段相応か
背面の素材には、格安モデルでよく見る樹脂(プラスチック)製の素材が使われていました。ドットテクスチャー付きのカバーの上に、光沢のコーティングが施されています。その影響で、背面はツルッツルのテッカテカです。質感は高くはありませんが、安っぽすぎるというほどではありませんでした。
側面のフレームはメタル風
側面部分はメタル調の雰囲気です。軽く叩いてみると、ほかの部分よりも強度が高いように感じました。ひょっとしたら金属が使われているのかもしれませんが、重さや質感はアルミではありませんし、マグネシウムを使うのは値段的に厳しいので、やっぱり樹脂ではないかと。ただし確信はありません。
ベゼルはやや細めでも特筆するほどではない
液晶ディスプレイのベゼルは、非表示部分を含めて実測で4mmでした。太くてヤボったいというほどではありませんが、だからと言って「スリムでカッコいい!」というほどでもありません。同じ5.0インチなら、P8liteのほうが狭額でスッキリしています。
標準的でほどほどの重さ
カタログ上の公称値では、重量は約155gとされています。実際に計測してみたところ、公称値と同じ155gでした。
HUAWEI Y6を手に持った瞬間は「軽いな」と感じたのですが、数値的には平均レベルです。特に苦もなく持ち歩けるでしょう。
数値以上にスリムな印象
高さ(厚さ)は8.5mmで、特に薄いというわけではありません。P8liteが7.7mm、HUAWEI GR5が8.1mmであることを考えれば、むしろちょっと厚めだと言えます。
しかし背面からエッジにかけてゆるやかなカーブを描くデザインの影響により、実際に手に持つとそれほど厚くは感じませんでした。むしろエッジの立ったP8liteのほうが、手に持ったときの存在感を強く感じます。
インターフェース類をチェック
インターフェースはmicroUSB端子とmicroSIMカードスロット、microSDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力と、標準的な構成です。
スピーカーの音はそれほど大きくない?
HUAWEI Y6ではスピーカー部分に独自チャンバーを構造を採用することで、従来比150%アップのボリュームを実現したとされています。確かに音は大きく聞こえるのですが、試しにP8liteと比べてみたところ、P8liteのほうが大きく感じました。
同じ音源で聴き比べたわけではないので正確な検証ではありませんが、P8liteのほうが爆音でした。
特筆点はないが1万5000円台なら合格
以上のように、デザインに関しては特に注目するべき点はありませんでした。しかし1万5000円台の端末であることを考えれば、十分納得できると思います。
ただ積極的に使いたいというほどではなく、妥協できるレベルということです。
液晶ディスプレイの映像品質をチェック
HUAWEI Y6は、解像度1280×720ドットの液晶ディスプレイを採用しています。最近は価格が安くても1920×1080ドットのフルHDディスプレイを採用するモデルが増えていることを考えれば、スペックはやや低めです。しかし端末の値段を考えれば、仕方がないかもしれません。
画面が大きくて文字が見やすい
筆者はメインの端末を4インチのiPhone SEに変えたのですが、スマホ老眼(ただの老眼じゃありませんよ!)の影響で、文字が小さくて読みづらく感じています。使い始めてから1ヵ月以上たった現在でもまだ慣れていないどころか、ますます見えづらくなっているような気がします。
しかし5インチのHUAWEI Y6では、画面の文字が小さく感じることがありませんでした。画面が4インチよりも大きいというのもありますが、解像度が低い(1280×720ドット)のも影響しているかもしれません。
画面は若干暗め
液晶ディスプレイの明るさについては、HUAWEI Y6だけを見た限りでは、特に気になる点はありません。しかし輝度の高い高級モデルなどと比べると、暗く感じてしまいます。また解像度が低いこともあって画面にシャープさはなく、暗くぼんやりした印象を受けました。
映像の色合いは青が強い
映像の色合いについては、青被り(青色が強く出ている状態)が生じています。HUAWEI Y6は発色に優れるIPSパネルを採用しているのですが、映像品質はイマイチに感じました。
値段相応の画質
映像の品質については、個人的に満足できるレベルではありませんでした。しかし端末の値段を考えれば、HUAWEI Y6の3倍であるiPhone SEのほうが優れているのは当然のことです。むしろ実売1万5000円程度であれば、十分検討していると言えるでしょう。写真や動画などを見る際、画質はあまり気にしないという人なら問題なく使えるはずです。
ベンチマーク結果をチェック
続いて、HUAWEI Y6の性能について紹介します。プロセッサーはQualcommのSnapdragon 210(MSM8909)で、クアッドコアの動作周波数は1.1GHz。Snapdragon 210自体は2014年に発表されたエントリー向けのプロセッサーで、そもそもの性能はそれほど高くありません。またメモリーは1GBで、ストレージの容量は8GBと控えめなスペック構成となっています。
Antutuベンチマーク
定番ベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」の結果は「22152」となりました。これはかなり低めの結果です。HUAWEI Y6はスペックの低いエントリーモデルなので、仕方がないでしょう。
プロセッサーにHiSilicon Kirin 620(ARM A53/1.2GHz)を搭載したP8liteでは、「30139」という結果でした。また最新のA9チップを搭載したiPhone SEでは「122610」と、5倍以上の差がでています。
3DMark
ゲームの快適さに大きく影響する3D性能を調べるために「3DMark」を試したところ、もっとも負荷の軽い「Ice Storm」で「5266」という結果に。そのほかの機種と比べても、だいぶ大きな差があります。
iPhone SEは性能的にハイエンドで、HUAWEI GR5はミドルクラスの性能です。P8liteは2015年発売のモデルですが、当時でもエントリークラスという位置付けでした。つまりHUAWEI Y6は、型落ちのエントリーモデルよりも3D性能が低いということになります。
そのほかのベンチマークアプリでも計測中
とりあえず今回は定番どころの「AnTuTuベンチマーク」と「3DMark」の結果を紹介しました。そのほかのアプリでも計測中ですので、まとまりしだい随時更新していきます。
それにしても、HUAWEI Y6は思っていた以上に性能が低めでした。実際に使っているときも、少し「間」があるのをたびたび感じています。ただ遅くてイライラするほどではないので、ある程度割りきって使える人なら、大丈夫かもしれません。
引き続きHUAWEI Y6の性能や機能を検証中
だいぶ長くなってしまったので、ここでいったん終了し、後日あらためて更新します。いまは以下の内容を検証中です。
- カメラ機能
- ホームアプリや独自機能の使い勝手
- 実際のゲームの動き
- そのほかのベンチマークソフト
- バッテリー駆動時間の検証
いまのところ外観面については及第点ですが、性能面ではなんとも言えません。スペックが低くても機能でカバーできることもあるので、そのあたりを検証してみます。随時更新しますので、こまめにチェックしてみてください。