ディスプレイレビュー

【ざっくり比較】激安モバイルディスプレイは1万円以上と1万円以下でどう違うのか?

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激安モバイルディスプレイは格安ディスプレイとどこが違うのか?

1万円以上と以下に違いはあるか?

先日とある商品のページで、「モバイルディスプレイには品質にばらつきのあるリファビッシュ(分解再生)品のパネルを使ったものがある」という謳い文句を目にしました。新品のパネルを使っている自社製品をアピールするものですが、筆者も思い当たる節があります。

実は筆者は過去に1万円未満の激安品を2回購入し、うち1枚の映像品質が悪かった経験があるからです。「やはりそうなのか」と感じたものの、その真偽を確かめるべく、今回は2種類のモバイルディスプレイを比較しました。

激安モバイルディスプレイは格安ディスプレイとどこが違うのか?

検証で使った2枚のモバイルディスプレイ。「ウチは新品ですよ」とアピールしているのは左側

 

ただし個人的な理由により、検証用・撮影用の機材を調達できませんでした。そのため、あくまでも体感的な違いを述べただけの「ざっくり」とした検証です。本来であればカラーキャリブレータ―を使って色域を調べたり、AI補正のないカメラで撮影するべきでしょう。しかし今回は色味は目視だけで、写真はスマホ(Pixel 9 Pro XL)で撮影しています。その点をあらかじめご了承ください。

映像品質の違い

検証に使用する機材

比較する2枚のディスプレイはいずれも安物であるため、映像比較用にOLEDパネル使用のモバイルディスプレイを追加しました。OLEDパネルのほうが色鮮やかで、スマホやタブレットで見た印象に似ているはずです。

 

激安モバイルディスプレイは格安ディスプレイとどこが違うのか?

映像品質の比較用に、高品質な(はずの)OLEDパネルを追加

 

使用機材の色域(公称値)

機器名 色域 明るさ 価格
cocopar zs-156 sRGB 72% 400nit(㏅/㎡) 1万1980円 ※購入時
boway GS156DM3-D 100% sRGB 350㏅/㎡ 6980円 ※購入時
UPERFECT 160B01 100% DCI-P3 500nit(㏅/㎡) 3万4245円 ※購入時

 

明るさは激安タイプ(1万円未満)・格安タイプ(1万円以上)ともに最大、OLEDタイプは明るすぎるので65%に設定しています。色合いはすべて標準設定のものを使用しました。また電力を補うために、映像入力以外のType-Cで電力を供給しています。

 

なお筆者の経験上、激安タイプの「100% sRGB」は信用しないほうがいいでしょう。明るさについても「〇〇nit」とか「〇〇㏅/㎡」と書かれているのは、鵜呑みにしてはいけません。そういうものだと割り切って使うか、計測結果を提出できるなら返品交渉をしてみてください。

映像の違い

正直なところ、パッ見た感じでは激安タイプ(1万円未満)・格安タイプ(1万円以上)とで大きな差は感じられませんでした。同じ画像をじっくり眺めると、激安タイプのほうがやや白っぽく(コントラストが低い?)、格安タイプのほうが黒がしまって見える(コントラストが高い?)に感じます。また激安タイプのほうが、ごくわずかに黄色く見える場合がありました。とは言え、それほど大きな違いは体感的にはないように思います。

 

激安モバイルディスプレイは格安ディスプレイとどこが違うのか?

風景画像の比較 ※表示画像はAIで生成

激安モバイルディスプレイは格安ディスプレイとどこが違うのか?

果物画像の比較 ※画像はAIで生成、OLEDの赤みが強いのは、パネル特性によるもの(sRGB系は赤が抑えめ)

激安モバイルディスプレイは格安ディスプレイとどこが違うのか?

人物画像の比較 ※画像はAIで生成

視野角も同程度

パネルを斜めから見たときの見え方も、激安・格安で同程度でした。視野角についても大きな違いはないと思います。

 

激安モバイルディスプレイは格安ディスプレイとどこが違うのか?

激安・格安タイプで視野角は同程度

Type-C1本のみ時の明るさが異なる

モバイルディスプレイは、接続がType-C 1本だけだと画面がチラついたり映像にノイズが生じることがあります。そこで電源供給用のType-Cを外したところ、激安タイプでは映像が暗くなりました。格安タイプでは、ほとんど変わっていません。激安タイプでは電源回りで、動作が安定していない可能性があります。

激安モバイルディスプレイは格安ディスプレイとどこが違うのか?

映像入力用と電源供給用に2本のType-Cを使っていた状態から、電源供給用を抜いた状態

ビルドクオリティーが異なる

当然と言えば当然なのですが、筐体の作りとしては格安タイプのほうが高品質でした。フレームはアルミ製で、ベゼルも細く、本体もスリムです。ただこれはカテゴリーの違いというよりも、商品の違いによるところが大きいかもしれません。つまり「cocopar zs-156」が優秀ということですね。

 

激安モバイルディスプレイは格安ディスプレイとどこが違うのか?

左の薄くてスタンドがスッキリしているほうが、格安タイプの「cocopar zs-156」

 

とは言え、個人的には「ビルドクオリティーよりも端子の位置に注目するべき」だと思います。Type-CやHDMI(miniHDMI)の位置は、左右側面のどちらか側。モバイルディスプレイの配置や映像入力ケーブルの引き込み方向によっては引っかかったり干渉したりするので、購入前によくチェックしておきましょう。

品質が安定していない可能性

今回はあまり大きな差が見られませんでしたが、激安タイプのパネルは品質が安定していない可能性が大です。以前に購入したモバイルディスプレイ(購入時の価格は8499円)では画面がかなり暗く、色が青みがかって見えました。ノートPCのパネルでも安定していないことが多いので、あまりにも安いものには当たり / ハズレに大きな違いがあると考えたほうがいいでしょう。

 

[まとめ]激安タイプはリスクを考えて選ぶ

今回検証した2枚のディスプレイでは、値段の違いが映像品質からは感じられませんでした。このくらいの価格差だと、違いはあまりないのかもしれません。

ただし、今回使った機材のパネルがたまたま良好な個体だった可能性もあります。過去の例のように1万円未満の製品には品質のばらつきが見られることがあり、画面の暗さやコントラストの低さを感じるかもしれません。それでも使えることには使えますが、「ハズレ個体」の存在を意識するべきでしょう。

安さは魅力ではあるものの、『安かろう悪かろう』となる可能性も十分あり得ます。モバイルディスプレイを検討する際は、まずメーカーの信頼性の面から考えてください。また万が一の場合に備えて対応がしっかりしているショップを選ぶなど、トラブル時のリスクも考えることが大切。確実性を求めるなら、もう少し予算を上げて標準的な製品を選ぶのが無難です。

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記事を書いた人
こまめ

お買い得パソコン評論家。毎日各メーカー・各ショップのWebページを500p以上チェックして、安くてお得なパソコンを探しています。元雑誌・書籍編集者で、PC系フリーライターでもあるオジサン。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月

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