ASUS W203MA/E203MA発売中
この記事で取り上げているVivoBook E200HAはすでに販売が終了しており、現在は新モデルのASUS W203MAおよびASUS E203MAが販売されています。詳しくは以下のリンクから、レビュー記事をご覧ください。
ASUS W203MAのレビュー
ASUS E203MAのレビュー
ASUSの「VivoBook E200HA」は、軽くて薄くて超安いノートパソコンです。価格はアマゾンで2万6680円(2017年1月26日時点)と、パソコンとしてはありえない価格で販売されています。
[wpap type=”detail” id=”B01L6DW2FA” title=”エイスース 11.6型ノートパソコン ASUS VivoBook E200HA ダークブルー(KINGSOFT Office Standar) E200HA-…”]
アマゾンのノートパソコン人気ランキングで常に上位にランクインしていたので以前から気になっていまして、このたびついに自腹で購入しました。安いからたいしたことないんだろうなーと思っていたのですが、実際に使ってみたところ……、本体デザインは薄くて軽くてかなりイイです。本体のデザインは。
ぶっちゃけると、処理は遅いしキーボードのキーは小さいしで、いろいろと使いづらさはあります。しかしネットを見ることが中心でキーボードをあまり使わない人だとか、メールやちょっとしたメモ、ブログの更新が中心でソフト/キーボードをガッツリ使わない人であれば、特に気にならないかもしれません。ま、いわゆるネットブックってヤツですね。
VivoBook E200HAのチェックポイント | |
とにかく小さくて軽い! | キーボードのキーがちっちゃ~い |
バッテリーが長持ち! | 処理が遅~い |
安い! 安すぎるッ!! | 容量が少な~い |
そんなわけで、今回はVivoBook E200HAのレビューをお届けします。今回はちょっと辛口気味かもしれませんが、とりあえずイイところだけチェックしたいという方は記事の後半あたりでページを閉じることをおすすめします。
この記事の目次
VivoBook E200HAのスペック
まずは、VivoBook E200HAのスペック(仕様)から。パソコンに詳しくない方は、ちゃーっと読み飛ばしていただいて結構です。
CPU | Atom x5-Z8300 |
---|---|
グラフィックス | Intel HD Graphics(CPU内蔵) |
メモリー | 2GB |
ストレージ | 32GB eMMC |
ディスプレイ | 11.6型、1366×768ドット、光沢あり |
無線機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN(11ac時最大433Mbps)、Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB3.0×1、USB2.0×1、ヘッドホン出力、microHDMI、microSD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット |
バッテリー駆動時間 | 12時間 |
サイズ/重量 | 幅286×奥行き193.3×高さ17.5mm/約980g |
Atom+2GBメモリー+32GB eMMCの構成ということで、パソコンとしてはかなり低めのスペックです。最近は低価格モデルでも4GBメモリーや500GB HDDを搭載しているモデルがあるので、性能的にはひと世代前という感じがします。まあそのぶん、価格が安くなっているんでしょうけれども。
本体デザイン&使いやすさについて
次に、VivoBook E200HAの外観面について紹介します。このモデルにはカラーバリエーションとしてゴールドとダークブルー、ホワイトの3色が用意されていますが、今回はダークブルーのモデルを購入しました。選んだ色によって、印象が異なる可能性がある点に注意してください。
薄くてちっちゃい11.6型モデル
VivoBook E200HAは、11.6型の液晶ディスプレイを搭載したコンパクトなモデルです。大きさはA4用紙(幅297×奥行き210mm)をふた回り小さくした程度。普通のバッグであれば、難なく納められます。一般的な書類が入る引き出しやケースにも収納できるでしょう。
11.6型のモデルはノートパソコン全体のなかではかなり小さい部類に入るのですが、VivoBook E200HAはそのなかでも特にコンパクトです。
重量は実測で964g! 軽い!!
カタログ上の公称値では、重量は約980gとされています。実際に重さを計測してみたところ、964gでした。ノートパソコンとしては非常に軽く、持ち歩きが苦にならない軽さです。
安っぽさを感じさせない質感
VivoBook E200HAでは、本体の素材に樹脂(プラスチック)が使われています。格安ノートパソコンではおなじみの素材ですが、表面にサラサラとしたツヤ消し加工が施されているので、低価格モデルにありがちな安っぽさは感じされません。筆者が購入したダークブルーのモデルでは、どちらかと言うと落ち着いた印象を受けました。
液晶ディスプレイは値段相応
液晶ディスプレイのサイズは11.6型で、解像度は1366×768ドット。フルHD(1920×1080ドット)と比べるといちどに画面に表示される情報量(文章の多さ)は少ないのですが、スマホよりは多くの情報が表示されます。熱心に情報収集するのでない限り、問題ないでしょう。
解像度が高くはないので、写真の精細さはそれなりです。また映像の色合いについても、格安ノートパソコン相当でした。スマホやタブレットのほうが、キレイに映し出されるでしょう。確認用であれば問題ありません。
キーは小さいけど使い心地は案外悪くない?
VivoBook E200HAのキーボードはテンキーなしの全87キー構成で、標準的な日本語配列です。右ShiftキーがちゃんとEnterキーの下にあったりカーソルキーが逆T字型になっているなど、本体が小さいながらも一般的なキーボードのお約束を踏襲している点は好感が持てます。
ただし、キーがかなり小さいのが欠点。横のキーピッチ(キーとキーの間隔、キーの入力しやすさの目安となる)は18.5mmで、11.6型としては十分な広さです(デスクトップ向けのキーボードは19mm)。しかし縦のキーピッチが18mmと短く、横と縦のバランスが合っていません。そのため、縦方向に指を動かしすぎる場面がたびたびありました。
実はこの記事はVivoBook E200HAで書いていまして、ここまで約3000文字くらい入力しています。使い始めのころは打ち間違いが多かったのですが、だんだん普通に使えるようになってきました。ただキーがかなり小さめですので、まだ思わぬ場所を押してしまうことがあります。このあたりについては、徐々に慣らしていくしかなさそうですね。
キーは小さいのですが、タイプ感は悪くありません。キーストローク(キーを押す深さ、深いほどタイプ感に優れると言われる)は実測で約1.5mmと、標準的な深さが確保されていました。底打ち感とたわみはわずかにありますが、気になるほどではありません。押下圧(キーを押しこむのに必要な力)はやや強めに調整されており、入力時に確かな手ごたえを感じます。
また液晶ディスプレイを開くとキーボード部分がやや持ち上がるようになっており、キーボード全体を見渡しやすくなっています。キーボードを見ながら入力する方でも、スムーズに作業できるでしょう。
タッチパッドはかなり大きくて、動きがなめらかです。パッド部分とボタンが一体化したタイプで、使用感は悪くありません。ただ筆者はマウス派なので、検証や記事の執筆作業にはマウスを使っています。
インターフェースは必要十分な構成
VivoBook E200HAはインターフェースとしてUSB3.0×1、USB2.0×1、ヘッドホン出力、microHDMI、microSD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロットを用意しています。HDMI端子が小型のmicroHDMIですが、11.6型ノートパソコンとしては標準的な構成ですね。多いわけではありませんが、問題なく使えるでしょう。
バッテリーは実働(ほぼ)12時間!
カタログ上の公称値では、バッテリー駆動時間は12時間とされています。実際の駆動時間を以下の条件で計測したところ、11時間55分とほぼ公称値どおりの結果となりました。使い方によっては駆動時間が短くなる可能性がありますが、フル充電しておけば丸1日は問題なく利用できるでしょう。
実は今回の検証が終わってから3日間くらいスリープ状態で放置していたのですが、それでも33%のバッテリーが残っていました。その状態から2~3時間使って、バッテリー残量が20%にまで減っています。スタミナについては十分なレベルと言えるでしょう。
バッテリー駆動時間計測時のテスト条件
- Windows 10の電源プランを「省電力」に
- 液晶ディスプレイの明るさを40%に設定
- 輝度(明るさ)の自動調節機能はオフ
- 無線LANとBluetoothはオン
- ボリュームは50%に調整
- 「BBench」で10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化
- 満充電の状態からテストを行ない、休止状態へ移行するまでの時間を計測
VivoBook E200HAのベンチマーク結果
続いては、実際の性能の目安となる各種ベンチマーク結果について。先に結論を言うと、CPU性能は悪くないのですがグラフィックス性能が極端に低いので、全体的なパフォーマンスはかなり低めです。2万円台のモデルとしては仕方がないでしょう。
Windowsエクスペリエンスインデックス(システム評価ツールの結果) | |
プロセッサ | 5.8 |
---|---|
メモリ | 5.5 |
グラフィックス | 4.1 |
プライマリハードディスク | 6.85 |
CINEBENCH R15の結果の目安(「CPU」のスコア) | |
Celeron 3855U | 120cb前後 |
---|---|
Celeron N3060 | 70cb前後 |
Celeron N3050 | 60cb前後 |
3DMarkベンチマーク結果 | |
Fire Strike(DX11,FHD) | 210 |
---|---|
Sky Diver(DX10) | 896 |
Cloud Gate(DX10) | 1526 |
Ice Storm(DX9) | 16463 |
CPU性能については(格安モデルとしては)それほど悪くはないのですが、グラフィックス性能が極端に低く、それが全体的なパフォーマンスに大きく影響しています。特に多くの画像を表示するような場面では、処理の遅さが気になりました。CPU性能ではCeleron Nシリーズのほうがスコアは低いのですが、体感速度ではCeleronシリーズのほうが上です。
内部の発熱について
最後に、本体内部の熱について。VivoBook E200HAは完全ファンレス仕様で動作音はまったくないのですが、そのぶん熱によるパフォーマンスの低下が気になります。しかし実際にベンチマーク中の温度を調べてみたところ、内部が高温になる場面はありませんでした。しかしCPUのクロック(動作周波数)がかなり細かく調整されており、それが原因で全体的なパフォーマンスが低くなっているものと思われます。
ネット利用には十分だけど、本格的な作業には向かない
とういことで、今回はVivoBook E200HAのレビューをお届けしました。実機を使ってここまで書くのに約5時間半、いつもよりもだいぶ長い時間がかかっています。キーボードの使い勝手についてはだいぶ慣れたのですが、やはり処理の遅さがネックですね。この記事はWordPressというシステムを使って書いているのですが、途中で何度か止まってブラウザーを再起動しています。いやほんと、ここまで書けたのが奇跡というしかないレベル。
このようにガッツリと作業するにはまったく向かないのですが、単にネットを利用するには十分ではないかと思います。実際にYouTubeも普通に視聴できますし、ネットのニュース記事を読むぐらいなら(遅いかな? と感じる場面はあったものの)ほぼ問題ありませんでした。ブログの更新にしても、今回の記事のように画像を何十枚も使わなければ(おそらく)大丈夫でしょう。あくまでも、軽めの作業を行なうためのパソコンです。
持ち運びやすさを活かして、外出先での文書作成やメモ作成用に利用するのもいいかもしれません。軽さと薄さ、そしてバッテリー性能についてはバツグンのデキですので、利用シーンがハマれば十分に活用できるはずです。
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