
デルの「Inspiron 14 3000」は、14型で解像度1366×768ドットの液晶ディスプレイを搭載したノートパソコンです。いくつかのモデルがあるなかでもっとも安いのは、CPUとしてCeleron N3350を搭載したエントリーモデル。税込み3万円台後半で買える、非常にリーズナブルなモデルです。

税込み3万円台で買えるInspiron 14 3000 エントリーモデル
激安価格で買えるこのノートパソコンが実際にどれほどの性能を持っているのか、ベンチマーク結果を交えながら紹介します。
この記事の目次
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- inspiron-14-3467-laptop(2017/1/20発売)
 

Inspiron 14 3000のスペック
Inspiron 14 3000は、パーツ構成の異なる3種類のベースモデルが用意されています。それぞれオフィス付きモデルや即納モデル(注文後2~3日で発送)などのバリエーションもありますが、基本となるスペックは下記の表のとおりです。
| エントリー | スタンダード | プレミアム | |
|---|---|---|---|
| CPU | Celeron N3350 | Core i3-7100U | Core i5-7200U | 
| メモリー | 4GB | 4GB | 8GB | 
| ストレージ | 1TB HDD | ||
| ディスプレイ | 14型、1366×768ドット、非光沢 | ||
| グラフィックス | Intel HD Graphics 500 | Intel HD Graphics 620 | |
| 光学ドライブ | なし | DVDスーパーマルチドライブ | |
| 通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN(433Mbps)、Bluetooth 4.1 | ||
| インターフェース | USB3.0×2、USB2.0×1、HDMI、SDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力 | ||
| サイズ | 幅345×奥行き243×高さ23.35mm | ||
| 重量 | 1801g | 1956g | |
| バッテリー | 4セル40WHrバッテリー搭載(実測10時間) | ||
本体デザインやバッテリー駆動時間については別の記事でまとめていますので、そちらをご覧ください。
ベンチマーク結果をチェック
今回テストに使ったのは、もっとも安いInspiron 14 3000 エントリーモデルです。CPUはCeleron N3350でメモリーは4GB、ストレージには1TBのHDDを搭載しています。比較用にCeleron N3050搭載のInspiron 15 3000(3552) エントリーモデルと、Celeron 3855U搭載のLenovo V310(15.6型)のベンチマーク結果もまとめました。どれも3万円台で購入できる格安モデルです。
| Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Inspiron 15 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
|---|---|---|---|
| CPU | Celeron N3350 | Celeron N3050 | Celeron 3855U | 
| メモリー | 4GB | 4GB | 4GB | 
| ストレージ | 1TB HDD | 500GB HDD | |

Inspiron 14 3000 エントリーモデルのシステム情報
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Windows 10の快適さ
| Windowsエクスペリエンスインデックス(システム評価ツールの結果) | |||
| Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Inspiron 15 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
|---|---|---|---|
| プロセッサ | 5.9 | 5 | 6.3 | 
| メモリ | 5.9 | 5.9 | 5.9 | 
| グラフィックス | 4.1 | 4.1 | 4.5 | 
| プライマリハードディスク | 5.9 | 5.9 | 5.9 | 
「メモリ」と「プライマリハードディスク」のスコアはそれぞれ変わりませんが、CPU性能を表わす「プロセッサ」と3Dグラフィックス性能を表わす「グラフィックス」でわずかな差が出ました。
Inspiron 15 3000 エントリーモデルで使われているCeleron N3050は、Inspiron 14 3000のCeleron N3350よりもひと世代古いCPUなので、スコアが若干下がるのは妥当な結果です。一方のLenovo V310で使われているCeleron 3855UはSkylake世代で、こちらもひと世代古いCPU。しかしCeleron 3855Uはノートパソコン向けに作られたCPUで、タブレット向けのAtomと同じアーキテクチャ(CPUの製造技術)で作られたApollo Lake世代のCeleron N3350よりも性能面で上回っています。そんなCPUの違いが現われる結果となりました。
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ただし3機種とも結果はWindows 10が「それなりに使える」というレベルで、特別快適というわけではありません。
CPUの性能

CPUの計算性能を計測する「CINEBENCH R15」では、下記の表の結果となりました。数値としてはそれほど高いわけではありませんが、Inspiron 14 3000 エントリーモデルは格安モデルのなかでは平均的な性能を持っていると言ってもよさそうです。
| CINEBENCH R15ベンチマーク結果 | |||
| Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Inspiron 15 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
|---|---|---|---|
| CPU | 94cb | 42cb | 125cb | 
| CPU(シングルコア) | 50cb | 31cb | 67cb | 
HDDのアクセス速度

1TB HDDのアクセス速度を計測してみたところ、シーケンシャルリードで103.8MB/秒という結果でした。HDDのアクセス速度としては、平均的な結果です。ただしWindows 10のアップデートなどでファイルの書き込みが頻繁に行なわれると、全体的な速度が著しく低下します。
可能であればパソコンを利用する30分前くらいに電源を入れておき、その間にアップデートを行なうなどすれば、待ち時間でイライラする場面が減るはずです。
| CrystalDiskMarkベンチマーク結果 | |||
| Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Inspiron 15 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
|---|---|---|---|
| Seq Q32T1リード | 103.8MB/秒 | 98.9MB/秒 | 109.6MB/秒 | 
| Seq Q32T1ライト | 103.2MB/秒 | 96.5MB/秒 | 108.5MB/秒 | 

1TB HDDの使用状況

テスト機ではシーゲート製の1TB HDD(ST1000LM035)が使われていました
パソコンとしての総合性能
総合的なパフォーマンスを計測する「PCMark 8」では、かなり低めの結果となりました。問題ないのは動画再生性能ぐらいで、CPU処理やグラフィックス処理、ファイル操作など全般的にパフォーマンスは低めです。

「PCMark 8」の「Home accelerated」ベンチマーク結果

「PCMark 8」の「Creative accelerated」ベンチマーク結果
| PCMark 8ベンチマーク結果 | |||
| Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Inspiron 15 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
|---|---|---|---|
| Home accelerated | 1744 | 1605 | 2435 | 
| Creative accelerated | 1697 | 1637 | 2558 | 
それでも、格安モデルのなかでは中位クラスの結果です。Celeron N3050の性能が極端に低かった、ということでしょうか。
同じく総合的なパフォーマンスを計測する「PassMark PerformanceTest 8.0」と 「PassMark PerformanceTest 9.0」でも、低めの結果が出ています。
| PassMark PerformanceTest 8.0ベンチマーク結果 | |||
| Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Inspiron 15 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
|---|---|---|---|
| CPU Mark | 1317 | 1020 | 1875 | 
| 2D Graphics Mark | 200.6 | 139.8 | 290.9 | 
| 3D Graphics Mark | 329.9 | 266 | 545 | 
| Memory Mark | 938 | 667 | 1243 | 
| Disk Mark | 568 | 736 | 721 | 

「PassMark PerformanceTest 9.0」ベンチマーク結果
| PassMark PerformanceTest 9.0ベンチマーク結果 | |||
| Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Inspiron 15 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
|---|---|---|---|
| CPU Mark | 1279.2 | 628.4 | 1330.1 | 
| 2D Graphics Mark | 282 | 191.8 | 407.7 | 
| 3D Graphics Mark | 324.9 | 356.5 | 881.7 | 
| Memory Mark | 920.9 | 647.8 | 1184.6 | 
| Disk Mark | 618.8 | 715.6 | 664.8 | 
ゲーム性能をチェック
Inspiron 14 3000 エントリーモデルでは、グラフィックス機能としてCPU内蔵のIntel HD Graphics 500を使用します。と言っても、性能はかなり低め。もともとAtomと同じ流れを組むCeleron Nシリーズはグラフィックス性能が弱く、3Dゲームのプレーには向いていません。

Intel HD Graphics 500の詳細情報
3DMarkベンチマーク結果
総合的な3D性能を計測する「3DMark」では、かなり低い結果となりました。2D主体の軽めのゲームであればなんとか遊べますが、3Dゲームについては考えないほうがいいでしょう。
| 3DMarkベンチマーク結果 | |||
| Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Inspiron 15 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
|---|---|---|---|
 Fire Strike | 
294 | 237 | 395 | 
 Sky Diver | 
1070 | 1037 | 1842 | 
 Cloud Gate | 
2017 | 1552 | 2632 | 
 Ice Storm | 
22535 | 17842 | 24421 | 
ドラクエ10ベンチ

「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」では解像度640×480ドットの低品質で「普通」という評価です。ただしこの画質では画面がかなり荒く、満足にプレーできる状態ではありません。
FF14ベンチ

「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」では、1280×720ドットの標準品質で「設定変更が必要」という評価でした。実質この設定が(プリセットのなかでは)最低レベルなので、やはりプレーは難しいと考えたほうがいいでしょう。
軽めのゲームならなんとか遊べる
Inspiron 14 3000は3Dゲームを快適に楽しめるほどのパワーはありませんが、2D描画主体のゲームや処理が軽いUWPアプリ(Windows 10アプリ)であれば、なんとかプレーできる場合もあります。息抜きとして楽しむ程度なら問題ないでしょう。

2D描画主体の「艦これ」は問題なくプレーできました

UWPアプリ版の「Minecraft Windows 10 edition」は多少のカクつきはあるものの、フルスクリーンにしなければ普通にプレーできます
軽めの作業向けに気軽に買えるノートパソコン
ということで、今回は3万円台で買える「Inspirion 14 3000 エントリーモデル」の性能について検証しました。パソコン全般で見れば性能は低めですが、同価格帯の格安モデルのなかでは中位クラスのパフォーマンスです。ネットの調べ物や動画視聴はもちろん、オフィスを使った文書作成やごく軽めのゲームにも利用できます。ときどきちょこっと使う程度になら、価格的にも性能的にもちょうどいいのではないでしょうか。

3万円台でもそれなりに使えるInspiron 14 3000シリーズ
Inspiron 14 3000は、デルの公式サイトで販売されています。このモデルを購入される方や支払い方法や納期などを知りたい方は、公式サイトの商品ページをご確認ください。
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