デルの「ALIENWARE 15 ゲーミングPC ノート(以下、ALIENWARE 15)」は、GeForce GTX 10シリーズを搭載した15.6型ゲーミングノートPCです。優れたゲーム性能と高品質で使いやすい本体デザインが魅力。国内外の人気ゲームをじっくり楽しみたい人に向いています。
■ALIENWARE 15のポイント
ここがイイ! | ここが残念 |
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今回はメーカーからお借りした「ALIENWARE 15 プレミアム VR」を使って、実際のゲーム性能や本体デザイン、各部の使い勝手などをレビューします。
この記事の目次
ALIENWARE 15
税込18~20万円台から
ALIENWARE 15のスペック
ALIENAWARE 15には、パーツ構成の異なる4種類のモデルが用意されています。それぞれの主な仕様は以下の表のとおりです。
■ALIENWARE 15のスペック
CPU | スタンダード VR(下位モデル) | プレミアム VR(中位モデル) | プラチナ VR(上位モデル) | スプレマシー VR(最上位モデル) |
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CPU | Core i5-7300HQ | Core i7-7700HQ | Core i7-7820HK | |
グラフィックス | GeForce GTX 1060(6GB) | GeForce GTX 1070(8GB) | GeForce GTX 1080(8GB、Max Q) | |
メモリー | 8GB(最大16GB) | 16GB(最大32GB) | ||
ストレージ | 180GB SSD(SATA) | 256GB SSD(PCIe) | 256GB SSD(PCIe)+1TB HDD | |
光学ドライブ | なし | |||
ディスプレイ | 15.6型、1920×1080ドット、非光沢 | |||
通信機能 | 1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN(11ac時最大867Mbps)、Bluetooth 4.1 | |||
インターフェース | USB3.0(Type-A)×2、USB3.0(Type-C)×1、Thunderbolt 3対応USB3.1(Type-C)×1、HDMI、、Mini DisplayPort、Alienware Graphics Amplifier接続用ポート、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン/オーディオ出力 | |||
カメラ | 92万画素、Windows Hello対応IRカメラ | |||
サイズ/重量 | 幅389×奥行き305×高さ25.4mm/約3.49kg |
それぞれのモデルは、購入画面でパーツをアップグレードできます。ストレージをSSD+HDDのデュアル構成にしたり、液晶ディスプレイを120Hz&G-SYNC対応に変更したりすることが可能です。
今回のレビューでは、Core i7+GTX 1060搭載の「プレミアム VR」モデルを試用しました。パーツ構成や環境、タイミングが変わるとベンチマーク結果が大きく変わることがある点を、あらかじめご了承ください。
海外の重量級ゲームもOK!
3DMarkベンチマーク結果
総合的な3D性能を計測する「3DMark」の結果は以下のとおりです。
3DMarkベンチマーク結果 | |
Time Spy(DX12) | 3,678 |
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Fire Strike(DX11,FHD) | 9,788 |
Sky Diver(DX10) | 24,667 |
Cloud Gate(DX10) | 25,470 |
Ice Storm(DX9) | 114,729 |
■当サイトでの計測結果
GPU | Fire Strikeスコア(平均値) |
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GeForce GTX 1070 |
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GeForce GTX 1060 |
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GeForce GTX 1050 Ti |
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GeForce GTX 965M |
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GeForce GTX 1050 |
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GeForce GTX 960M |
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ゲーム系ベンチマーク結果(国内タイトル)
国内で人気のFF14とドラクエ10のベンチマークを試したところ、どちらもフルHDの最高画質で快適に遊べるという評価となりました。
ファイナルファンタジーXIV:紅蓮の解放者 ベンチマーク | ||
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10369(非常に快適) ※平均71.29FPS | 1920×1080ドット、標準品質、DirectX 11 | |
ドラゴンクエストXベンチマークソフト | ||
17350(すごく快適) | 1920×1080ドット、最高品質 |
ゲーム系ベンチマーク結果(海外タイトル)
海外ゲームでは、グラフィックス重視の最新ゲームだと若干厳しい結果が出ています。理想とされる平均60FPSを超えるには、画質を調整したほうが良さそうです。
Ghost Recon Wildlands | ||
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37.35 FPS (最小27.86 FPS) | 1920×1080ドット、最高画質 | |
Tom Clancy’s The Division | ||
54.7 FPS | 1920×1080ドット、DirectX 12、最高画質 | |
Far Cry Primal | ||
59 FPS (最小47 FPS) | 1920×1080ドット、最高画質 | |
GRID Autosport | ||
98.99 FPS (最小72.8 FPS) | 1920×1080ドット、最高画質 |
試しに「Ghost Recon Wildlands」で画質を変えてテストしてみたところ、「高」画質で平均60FPSを超えました。最小FPSが60を割り込まないようにするには、「低」画質まで調整する必要があります。
Ghost Recon Wildlandsのベンチマーク結果 | ||||
解像度 | 画質 | 平均FPS | 最小FPS | 最高FPS |
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1920×1080ドット | ウルトラ | 37.35 | 27.86 | 42.03 |
非常に高い | 55.38 | 45.77 | 63.24 | |
高 | 62.79 | 51.43 | 71.08 | |
中 | 67.35 | 57.71 | 77.30 | |
低 | 89.91 | 71.08 | 106.26 |
海外ゲームでも概ね問題なくプレーできますが、より快適に楽しみたいのであればGTX 1070以上を搭載したモデルをおすすめします。
VR性能について
ALIENWARE 15は、全モデルでVRコンテンツを楽しむのに十分な性能を持っているとされています。実際にVR向けのベンチマークを試してみたところ、VRコンテンツを快適に楽しめるという評価が出ました。
そのほかのベンチマーク結果
熱と駆動音について
ベンチマーク中における内部の熱を計測したところ、CPUで最大97度、GPUで最大87度にまで達していました。パーツの温度はかなり高めです。
しかし表面温度は、それほど高くはありません。内部の熱が効果的に排出されているためだと思われます。
駆動音については、やや大きく感じました。負荷の高いゲームでは、駆動音が気になるかもしれません。ゲームプレー時にはヘッドセットの着用をおすすめします。
簡易騒音計による駆動音の計測結果
電源オフ時 | 38.5 dBA |
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通常時 | 39.4 dBA |
ファイルダウンロード時 | 48.5 dBA |
FF14ベンチ実行時 | 56 dBA |
イルミネーション満載で光りまくり
続いては、ALIENWARE 15の本体デザインについて。
各部の色は、付属ソフトの「AlienFX」でカスタマイズ可能です。色がグラデーションを描きながら移り変わったり点滅したりなど、イルミネーションによるさまざまな表現が可能です。
G-Sync対応で動きがなめらか
液晶ディスプレイは15.6型で、解像度は1920×1080ドット。発色に優れるIPSパネルが使われていますが、IPSパネルは応答速度がやや遅いという欠点があります。しかし実際にゲームをプレーしてみたところ、残像が残るようには感じませんでした。
ALIENWARE 15の液晶ディスプレイは、NVIDIAの「G-SYNC」と呼ばれる機能に対応しています(一部のモデルでは追加オプションで対応可能)。この技術に対応していると、映像の乱れ(ティアリング)や低FGPS時のカクつきを押さえることが可能です。重量級のゲームで60FPSを割り込むときでも、なめらかな動きでプレーできるでしょう。
また購入時のオプション画面から、液晶ディスプレイのリフレッシュレートを120Hzにアップグレードできます(別途追加料金が必要)。ちなみに120Hz対応ディスプレイはIPSパネルではなく、TN+WVAパネルが使われています。応答速度もIPSパネルより向上しますので、FPSなどでよりなめらかな動きを実現したい人におすすめです。
さらにGTX1070搭載のALIENWARE 15プラチナVRモデルでは、3840×2160ドットの4Kディスプレイを選択できます。
キーボードのタイプ感は最強
キーボードのキーピッチ(キーとキーの間隔)は実測で19mmでした。キーストロークは約2.2mmと、ノートパソコンとしてはかなり深め。底打ち感がまったくなく、キーを打ち抜くように強く打っても指への反発がありません。タイプ音はそれなりに聞こえるものの、高音域の耳障りな音はなく、静音性は高めです。ノートパソコン全体のなかでも、かなりクオリティーの高いキーボードだと言えます。
またキーボードは、nキーロールオーバーに対応しています。複数のキーを同時に押してもそれぞれがしっかり認識されるので、キーが認識されないなどでストレスを感じることはありません。
豊富なインターフェースを用意
ALIENWARE 15には、豊富なインターフェース(端子類)が用意されています。その構成はUSB3.0(Type-A)×2、USB3.0(Type-C)×1、Thunderbolt 3対応USB3.1(Type-C)×1、HDMI、、Mini DisplayPort、Alienware Graphics Amplifier接続用ポート、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン/オーディオ出力など。電源コネクターなど主要な端子は背面に用意されているので、ケーブルの取り回しが簡単です。
Alienware Graphics Amplifier接続用ポートには、外付けのVGAボックス「Alienware Graphics Amplifier」を利用するためのものです。デスクトップPC向けのグラフィックボードを挿すことで、本体のグラフィックス性能をパワーアップすることができます。
スピーカーは本体前面部分に配置されています。音質は思ったよりもよく、カジュアルに音楽を聴くには十分なクオリティです。付属ユーティリティー「Alienware Sounde Center」から音質を変えられるので、好みの音にカスタマイズするといいでしょう。
ただしゲームプレー中の駆動音が大きいので、BGMや効果音はよく聞こえません。特に高音域の音が目立たなくなります。ゲーム中はヘッドセットの利用をおすすめします。
まとめ
ということで、今回はデルの15.6型ゲーミングノートPC「ALIENWARE 15」をレビューしました。試用機のGTX 1060搭載モデルでは海外の重量級ゲームを最高画質で楽しむには少々厳しいものの、GTX 1070/GTX 1080搭載モデルであれば快適に楽しめるはずです。グラフィックス機能をはじめCPUやメモリー、ストレージ構成などはカスタマイズできますので、予算や用途に合わせて変更してみてください。ノートパソコンとしての品質も高いので、ワンランク上のゲーミングノートPCを探している人におすすめです。
ALIENWARE 15は、デルの直販サイトで販売されています。納期や支払い方法などについては、公式サイトの販売ページでご確認ください。またお得なキャンペーンがたびたび実施されていますので、公式サイトをこまめにチェックすることをおすすめします。