デルの「Inspiron 17 5000(5770)」は、17.3型で解像度1920✕1080ドットの液晶ディスプレイを搭載したノートパソコンです。一般的な15.6型モデルに比べて画面がひと回り大きく、文字が見やすいのがポイント。自宅や職場でじっくり作業したい人におすすめします。
大きな画面を搭載しているだけあって、重量は約2.79kgとやや重めです。とは言うものの、デスクに据え置きで使うには問題ありません。むしろ画面が大きいので作業しやすく、動画視聴の迫力も十分味わえるメリットがあります。端子の種類や数も豊富なので、ビジネスシーンでも活用できるでしょう。
Inspiron 17 5000のポイント
ここがイイ! | ここが残念 |
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今回はメーカーからお借りした実機を使って、Inspiron 17 5000(2017年秋発売モデル)の本体デザインや使い勝手、実際の性能などをレビューします。
この記事の目次
- 1:スタンダードな本体デザイン
- 2:大きな画面で文字が読みやすい
- 3:キーボードはやや小ぶり
- 4:端子の数は多い
- 5:高性能で使いやすい
- 6:まとめ
Inspiron 17 5000(5770)
税込み9~10万円台から
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スタンダードな本体デザイン
本体サイズが大きい
Inspiron 17 5000の本体サイズは、幅415.4✕奥行き279.2✕高さ25mm。ノートパソコンとしてはもっともスタンダードな15.6型よりも、ひと回り大きめです。実際に手に持ってみると、かなり大きく感じました。
ノートPCらしい無難なデザイン
本体デザインは、良くも悪くも標準的です。本体カラーはシルバーとブラックの2色が用意されており、ボディの材質はプラスチック。エッジ部分はやや丸みを帯びています。表面にはややザラつきのあるツヤ消し加工が施されていました。ノートパソコンとしてはスタンダードなデザインですが、外観からは安っぽさは感じられません。
重量は約2.8kg
カタログ上の公称値では、重量は2.79kgです。実際に重さを測ってみたところ、2.754kgでした。電源アダプター込みだと、3kgをオーバーします。日常的に持ち歩くのには向いていませんが、自宅やオフィス内で場所を変える程度なら問題ない重さです。
大きな画面で文字が読みやすい
17.3型の大画面
Inspiron 17 5000では、ノートパソコンとしては大きめの17.3型液晶ディスプレイが使われています。一般的な15.6型の液晶ディスプレイと比べて、面積比では約1.23倍。同じ解像度(および拡大率)であれば、15.6型よりも文字やアイコンが大きく表示されます。
高精細で鮮やかな映像
液晶ディスプレイの映像は、色鮮やかです。試しに写真を表示したところ、自然な色合いで細部まで精細に映し出されました。また文字表示もメリハリが効いているので、見やすく感じます。映像の明るさはほどほどですが、ジッと見つめて作業するにはちょうどいい明るさです。
眼に優しいノングレアパネル
液晶ディスプレイの表面は、光沢なしのノングレア(アンチグレア)タイプです。ノングレアは映り込みがないので作業に集中しやすく、また目が疲れにくとも言われています。長時間作業する人に適した仕様です。
キーボードはやや小ぶり
キーはモバイルノートPC並みの大きさ
キーボードは数値入力に便利なテンキー付きで、キーピッチ(キーとキーの間隔)は理想とされる19mmです。キーの間隔は十分なのですが、キーそのものの大きさが14mmとやや小さめ。モバイル向けノートパソコン程度の大きさです。タッチタイピングをマスターしているなら問題ないのですが、キーボードをあまり使わない人だと少し窮屈に感じるかもしれません。
またEnterキー周辺で、一部のキーが隣接しています。特にBackSpaceキーがほかより小さく、左側の「¥」キーを押し間違えてしまうことが何度かありました。この配列については、使い続けるうちに慣れてくるでしょう。
タイプ音はやや気になる
キーストローク(キーを押し込む深さ)は実測1.5mmで、標準的です。入力時にやや強めの「カクッ」としたクリック感があり、確かな手応えが感じられます。個人的にはある程度の手応えがあるほうが好みで、Inspiron 17 5000のキーボードはちょうどいいタイプ感でした。
タイプ音は「タクタクタク」を控えめです。しかしキーボードのホームポジション(「F」キーと「J」キー)から離れるほど、「カチャカチャ」とした音が聞こえてきました。おそらくキーを支える構造物の影響だと思われます。
またタッチが強いと、音が「ドスドスドス」と響きます。これは本体が大きいぶん、音が内部で反響しているのかもしれません。
タッチパッドはキビキビと動作
タッチパッドは比較的大きく、ダイナミックに操作できます。カーソルの追従性も高く、スムーズに操作できました。もちろんマルチジェスチャーも問題ありません。
表面はややザラついた手触りで、確かなグリップ感があります。ボタンはパッド部分と一体化されています。
端子の数は多い
4ポートのUSB端子と有線LAN対応
端子類としてはUSB 3.1 Gen1(Type-A)、USB3.1 Gen1 (Type-C)✕1、USB2.0、HDMI、SDメモリーカードスロット、100BASE-TX対応有線LAN、ヘッドホン出力に対応しています。USB端子が4つもあれば、多くのUSB機器を接続できるので便利ですね。有線LANにも対応していますが、転送速度が最大100Mbpsである点に注意してください。
スピーカーの音質は標準的
Inspiron 17 5000は本体が大きいので音質のいい大きめのスピーカーが使われているのではないかと期待したのですが、ほかのノートパソコンでも使われている標準的なスピーカーでした。
音質も、ノートパソコンとしては標準的です。低音はやや弱く、高音部ではシャカシャカとした薄い印象。スピーカーが底面部に配置されているので、音がややこもったようにも聞こえます。標準収録のWAVES MAXXAudio Proのユーティリティーを使えば多少は改善できますが、音質が劇的に改善するほどではありませんでした。
とは言うものの、動画やビデオチャットには問題ないレベルです。ただし音楽を楽しみたいなら、ヘッドホンや外付けスピーカーの利用をおすすめします。
基本的にはパーツ交換非対応
Inspiron 17 5000は、ユーザー自身によるパーツ交換は推奨していません。自分でメモリーを増設、ストレージを換装したりすると、メーカー保証のサポート外となるので注意してください。
ただし、公式サイトではパーツの外し方や取り付け方法がまとめられています。底面カバーや光学ドライブを取り外し必要があるので少々面倒ですが、自前のパーツで性能をアップグレードさせたい人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
関連リンク
- Inspiron 17 5000サービスマニュアル
高性能で使いやすい
ポイント
Inspiron 17 5000のスペック
OS | Windows 10 Home/Pro |
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CPU | Core i5-8250U または Core i7-8550U |
メモリー | 8GB(最大16GB) |
ストレージ | 128GB SSD + 1TB HDD |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 または Radeon 530(4GB) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
ディスプレイ | 17.3型、1920×1080ドット、非光沢 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB3.1 Gen1(Type-A)×2、USB3.1 Gen1(Type-C)×1、USB2.0✕1、HDMI、100BASE-TX対応有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
カメラ | 92万画素 |
サイズ/重量 | 幅415.4×奥行き279.2×高さ25mm/約2.79kg |
バッテリー駆動時間 | 42WHr |
Inspiron 17 5000のラインナップ
Inspiron 17 5000には全部で5種類のモデルが販売されていますが(2017年12月時点)、ベースとなるのは以下の2種類です。これらを基本として、オフィス付きモデルなどが用意されています。
Inspiron 15 7000の基本モデル
プレミアム | |
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税込み9~10万円台 | |
プラチナ | |
税込み11~12万円台 |
Inspiron 15 7000の価格は、そのとき実施されているキャンペーンによって大きく変動します。最新価格は以下のリンクから確認してください。
関連リンク
- Inspiron 17 5000のセール情報
Inspiron 17 5000のベンチマーク結果
今回のテストでは、Core i7-8550U搭載の「プラチナ」モデルを試用しています。Core i5搭載の「プレミアム」モデルでは、ベンチマークの結果が低くなるので注意してください。またベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングによって大きく変わることがあります。
バッテリーは実働8時間半
Inspiron 17 5000のスペック表には、バッテリー駆動時間は記載されていません。そこでPCメーカー各社で実施されている標準的なテストと近い内容でテストを行なったところ、8時間30分でバッテリー切れとなりました。据え置き用のノートパソコンとしては十分すぎる結果です。
バッテリー駆動時間計測時のテスト条件
- 電源モードは「バッテリー節約機能」
- 液晶ディスプレイの明るさを40%に設定
- 輝度(明るさ)の自動調節機能はオフ
- 無線LANとBluetoothはオン
- ボリュームは50%に調整
- 「BBench」で10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化
- 満充電の状態からテストを行ない、休止状態へ移行するまでの時間を計測
ただしこのテストはバッテリー消費量が少なめです。普通に利用するとおそらく2~3割程度短くなるでしょう。およそ6~7時間程度かもしれません。
熱はほとんど気にならない
ベンチマーク中のCPU温度を確認したところ、最大で98度にまで達していました。本体内部はかなりの高温です。
しかし本体の外側は、それほど熱くはありませんでした。キーボード面の温度を計測したところ、高負荷時でも最大39.6度で少しぬるい程度です。特に処理が行なわれていないときは20~23度と低め。おそらく内部の熱が効果的に排出されているのでしょう。
高負荷時のみ駆動音が目立つ
簡易騒音計を使って動作時の駆動音を計測したところ、通常時やYouTube視聴時ではまったく気になりませんでした。しかし3Dゲームや動画変換など負荷が非常に高い場合は、音が少し気になるかもしれません。
駆動音の計測結果(室温20度前後)
電源オフ時 | 36.8dBA | – |
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通常時 | 37.3dBA | ほんのわずかにファンの駆動音が聞こえる |
YouTube動画再生時(スピーカーオフ) | 37.6dBA | 通常時とほぼ変わらず。動画の音を再生していたら気が付かない |
FF14ベンチ実行時 | 50.5dBA | ファンの駆動音と排気口からの風切り音がけっこう目立つ |
見やすい&パワフルで使いやすい
ということで、今回はInspiron 17 5000のレビューをお届けしました。
最大のポイントはやはり、画面が大きくて見やすい上に映像が美しい点です。性能も非常に高く、メインのパソコンとしても十分活用できます。デスクトップパソコンは大きすぎるけど、大きな画面で仕事をサクサクこなしたい人におすすめです。
Inspiron 17 5000のまとめ
- 画面が大きくて映像がキレイ
- 端子の数が多くて便利
- SSD+HDDのデュアルストレージに標準対応
- バッテリーが長持ち
- キーボードのキーが小ぶり
- 大きくて重い
Inspiron 17 5000は、デルの公式サイトで販売されています。購入される場合や支払い方法、納期について知りたい場合は、公式サイトの販売ページでご確認ください。
Inspiron 17 5000(5770)
税込み9~10万円台から
※記事中の価格や構成は記事執筆時点のもので、変更される場合があります
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