富士通のESPRIMO(エスプリモ) WD2/C1は、スリム型のデスクトップPCです。本体の幅が狭いので、大きな設置スペースが必要ない点が魅力。机の上に置いてもジャマになりません。
本体はコンパクトですが、性能面は大型デスクトップPC並みにパワフルです。CPUは省電力性能の高いCeleronから高性能なCore i7までを選択できるほか、専用グラフィックス機能としてNVIDIA GeForce GTX 1050 / Quadro P600を追加できます。
ESPRIMO WD2/C1の特徴
幅が細い
本体の幅はわずか8.9cm、5インチのスマホよりも少し大きい程度です。小さなスペースにも設置できます。
高性能GPU対応
NVIDIA GeForce GTX 1050 / Quadro P600を追加可能。グラフィックス性能が向上し、ゲームや3D制作も快適に行なえます。
3年間の保証&セキュリティソフト付き
メーカー保証は3年間で、マカフィーリブセーフ3年版が付属。長期間安心して利用できます。
今回はESPRIMO WD2/C1の実機を使って、本体デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
https://komameblog.jp/desktop-slim/
ESPRIMO WD2/C1のスペック
OS | Windows 10 Home / Pro |
---|---|
CPU | Celeron G3930 / Core i3-7100 / Core i5-7500 / Core i7-7700 |
メモリー | 4 / 8 / 16 / 32GB(最大32GB) |
ストレージ | 500GB / 1TB / 2TB HDD または 256GB / 512GB / 1TB SSD ※デュアル可 |
グラフィックス | Intel HD Graphics 630(CPU内蔵) / NVIDIA GeForce GTX 1050 / NVIDIA Quadro P600 |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ / ブルーレイディスクドライブ |
通信機能 | 1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN + Bluetooth 4.1 ※無線機能はオプション |
インターフェース | USB3.0✕6(前面×2+背面×4)、USB2.0×2(背面)、DisplayPort、DVI、HDMI(GTX1050選択時)、Mini DisplayPort(Quadro P600選択時)有線LAN、PS/2×2、ヘッドホン出力/マイク入力 |
拡張スロット | PCI Express x16 ×1、PCI Express x1 ×1、SATA×2、M.2×1 |
ドライブベイ | 5インチ×1、3.5インチ×1 |
電源 | 250W |
サイズ/重量 | 幅89×奥行き343×高さ332mm/約6.8kg ※設置台を含まない場合 |
※2018年4月7日時点。構成や価格は変更される場合があります
ちなみに、GeForce GTX 1050は自分で取り付け&ドライバーをインストールする必要があります。
パーツカスタマイズ対応
ESPRIMO WD2/C1は、注文時にパーツを選択する必要があります。未選択のまま注文すると一番スペックの低い構成になるので注意してください。
パーツの選び方がわからない人は、以下の構成例を参考にしてください。CPUについてはCeleronがもっとも性能が低く、Core i3、i5、i7と「i」のあとの数字が増えるほど性能が高くなります。
構成例と価格の目安
最安構成 | |
---|---|
税込6万9076円 | |
Core i3構成 | |
税込9万3506円 | |
Core i5構成 | |
税込13万3224円 | |
Core i7構成 | |
税込16万8136円 |
※2018年4月7日時点。シークレットクーポン適用時
注文時に「電話サポート」の「ミニマムサポート」を選ぶと1年間無料の電話サポートが初回から有料になる代わりに、上記の価格からさらに5000円が割り引かれます。電話サポートが不要なら、価格を安くできるのでお得です。
本体の外観と内部
場所を取らないスリム型
ESPRIMO WD2/C1は、本体の幅が10cm以下の「スリム型」に分類されるデスクトップPCです。標準的なデスクトップPCに比べて幅が半分程度で、デスク上に配置してもジャマになりません。机を広く使いたい人、大きな設置スペースを確保できない人におすすめします。
デスクトップの主な分類
ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 |
拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎ |
拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○ |
拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△ |
拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△ |
前面のインターフェース
- ① USB3.0
- ② ヘッドホン出力/マイク入力
背面I/Oパネルのインターフェース
- ① 電源コネクター、サービスコンセント
- ② DVI端子(グラフィックボード搭載時は非使用)
- ③ USB2.0+USB3.0
- ④ DisplayPort端子(グラフィックボード搭載時は非使用)
- ⑤ DVI端子(GTX1050搭載時)
- ⑥ DisplayPort端子(GTX1050搭載時)
- ⑦ HDMI端子(GTX1050搭載時)
- ⑧ USB3.0
- ⑨ 1000BASE-T対応有線LAN端子
- ⑩ PS/2端子
- ⑪ ライン入力/ライン出力
スリムでも拡張性は高い
ESPRIMO WD2/C1はスリム型でも、十分なスロットやポート類が用意されています。中身はギッチリ詰まった感がありますが、メンテナンスや分解はそれほど難しくありません。
なお専用グラフィックス機能としてGeForce GTX 1050を選んだ場合、グラフィックボードを自分で取り付ける必要がある点に注意してください。個人的には、取り付け作業はそれほど難しくはないと思います。
利用には液晶ディスプレイが必要
ESPRIMO WD2/C1は液晶ディスプレイを搭載/付属していないので、別途自分で用意する必要があります。手持ちの液晶ディスプレイがない場合や買い替えを検討しているなら、本体との同時購入がおすすめ。ESPRIMO WD2/C1とのデザイン的な相性は抜群です。もちろん、他社製品も利用できます。
標準ではUSB接続のキーボードとマウスが付属しますが、ワイヤレスタイプに変更すればケーブルがジャマになりません。周辺機器を同時に購入すると、本体と同じく22%オフ(シークレットクーポン適用時)となるのでお得です。
消費電力と駆動音、CPU温度について
今回の検証では、以下の仕様のモデルを使いました。かなりハイスペックな構成ですので、結果もだいぶ極端になっています。CPUが変わると、検証結果も大きく変わるでしょう。
なお検証/ベンチマーク結果はパーツ構成や個体差、環境、タイミングなどによって大きく変わることがあります。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Pro |
---|---|
CPU | Core i7-7700 |
メモリー | 32GB |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | GeForce GTX 1050 |
消費電力は少し高い
消費電力を計測したところ、Core i7搭載機としては少し高めの結果となりました。これはGeForce GTX 1050を搭載していることが大きく影響しているものと思われます。
1分間の平均消費電力
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム | |
---|---|---|---|---|
ESPRIMO WD2/C1(Core i7-7700) | 36.6W | 39.6W | 92.4W | 126W |
※参考 Slim Magnate GE(Core i7-7700) | 22.2W | 24W | 115.8W | 54W |
※消費電力の計測方法はコチラ
高負荷時の駆動音が大きい
駆動音(ファンの回転音や排気音など)は低負荷時ではやや大きめ程度ですが、気になるほどではありません。しかしCPUに高い負荷がかかると、かなり大きくなりました。
駆動音の計測結果
電源オフ | 36.8dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 41.8dBA | 回転音がわずかに聞こえる |
動画視聴 | 42.8dBA | 同上 |
動画変換 | 62.3dBA | 回転音と排気音が非常に大きい |
3Dゲーム | 56.0dBA | 回転音がけっこう大きい |
※駆動音の計測方法はコチラ
CPU温度は高め
CPUの最大温度は94度で、かなりの高温です。ただし高負荷時には冷却ファンがフル稼働するので、ほかのパーツへの影響は抑えられていると思われます。
CPUの最高温度
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム |
---|---|---|---|
54℃ | 66℃ | 94℃ | 79℃ |
※本体温度の計測方法はコチラ
SSDなら起動が早い
起動時間(電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまでの時間)は、平均18.16秒でした。SSD搭載機としては標準的です。システムストレージがHDDの場合は起動時間がこの倍以上になることもあるので、快適に使いたいならSSDの利用をおすすめします。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
18.3秒 | 18.5秒 | 17.9秒 | 17.9秒 | 18.2秒 | 18.16秒 |
ESPRIMO WD2/C1のベンチマーク結果
ストレージ性能
試用機ではストレージに2.5インチのSSDが使われていました。SATA接続としては順当な結果です。マザーボード上のM.2スロットがPCIe接続に対応しているかどうかは検証できませんでした。
基本性能
パワフルな第7世代Core i7-7700を搭載しているだけあって、CPU性能は文句なしの結果です。現在では第8世代がリリースされていますが、十分現役レベルの性能と言えます。
(参考)CPUの性能比較 ※当サイト計測の平均値
CPU | CINEBENCH R15のCPUスコア |
---|---|
Core i7-7700 |
|
Core i7-7700T |
|
Core i5-7400 |
|
Core i3-7100 |
|
(参考)CPUの性能比較 ※当サイト計測の平均値
CPU | Passmark PerformanceTest 9.0のCPU Mark |
---|---|
Core i7-7700K |
|
Core i7-7700 |
|
Core i7-7700T |
|
Core i5-7400 |
|
Core i3-7100 |
|
3D性能
ESPRIMO WD2/C1は専用グラフィックス機能として、GeForce GTX 1050かQuadro P600を追加できます(追加料金が必要)。
一般的にQuadroシリーズはOpenGLに最適化されているので3D制作やCADなどに有利と言われていますが、Quadro P600とGeForce GTX 1050のOpenGL性能はほぼ同レベルです。ゲーミング性能はGeForce GTX 1050のほうが有利ですから、普通に使うぶんにはGeForce GTX 1050を選んでください。
ただしQuadroシリーズに最適化された3Dソフトを使う、あるいはマルチディスプレイ環境で4画面使う場合にはQuadro P600を選ぶといいでしょう。
処理が重い重量級のゲームは厳しいものの、中規模クラスまでのタイトルであれば問題なくプレーできそうです。
ゲーム系ベンチマーク結果(フルHD)
FF15ベンチ (DX11) | |||
---|---|---|---|
高品質 | 標準品質 | 軽量品質 | |
2174(重い) | 3291(普通) | 4604(やや快適) | |
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) | |||
最高品質 | 高品質(デスクトップPC) | 標準品質(デスクトップPC) | |
7152(非常に快適)※48.281 FPS | 8423(非常に快適)※56.695 FPS | 14899(非常に快適)※102.262 FPS | |
ドラゴンクエストX | |||
最高品質 | ー | - | |
18921(すごく快適) ※最高評価 | - | - |
VR性能
2018年3月発売のESPRIMO WD2/C1から専用グラフィックス機能としてGeForce GTX 1050に対応したわけですが、これはWindows Mixed Reality Ultraの動作環境をクリアーするためです。2017年11月に富士通からWindows MRヘッドセット+コントローラー(FMVHDS1)が発売されたのは、この布石だったのかもしれません。
ESPRIMO WD2/C1でWindows Mixed Realityを利用するには、Bluetoothへの対応が必要です。標準ではBluetooth非対応ですので、注文時に無線LAN内蔵モジュールを追加するか、別途Bluetoothアダプターを用意してください。
実際にWindows Mixed Realityのコンテンツを試したところ、サクサクと快適に動作しました。現在は負荷の高いコンテンツがないため大作ゲームについてはわからないものの、公開されているコンテンツは問題なく動作するようです。
Windows Mixed Realityの動作については問題ないものの、Oculus RiftやHTC Vive向けのVRコンテンツについては厳しそうです。
3年間のメーカー保証とセキュリティソフト付き
富士通の直販サイトでESPRIMO WD2/C1を購入すると、通常は1年間のメーカー保証が自動的に3年間(通常1年間+延長2年間)に延長されます。長期間安心して利用できますね。
また通常のメーカー保証では自然故障にしか対応していませんが、有料の「ワイド保証」に申し込むことで落下や水こぼしなどによる故障でも無料で修理してもらえます。より安心して使いたいなら、申し込むといいでしょう。
さらにセキュリティーソフト「マカフィーリブセーフ」の3年版が付いているのもポイント。ESPRIMO WD2/C1だけでなく自分が所有するほかのPCやスマホ、タブレットなど台数制限なく利用できます。
意外にコスパは高い
富士通のPCは値段が高い、とイメージしている人は多いかもしれません。確かにトータルの購入価格は、他社製品に比べると2~3万円程度高くなる場合もあります。
しかし3年間のメーカー保証や台数無制限で使えるセキュリティーソフトの3年版、1年間回数無制限の電話サポート、そしてなにより「富士通」という国内大手ブランドの安心感を考えれば、コスパは決して悪くありません。安さよりも安心感を優先したい人におすすめのモデルです。
ESPRIMO WD2/C1のまとめ
- スリムなボディ
- 高い品質と安心感
- 高負荷時の音が大きい
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購入時に当サイト向けのシークレットクーポンを入力すると、ESPRIMO WD2/C1を通常よりもお得な価格で購入できます。ぜひご利用ください。
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