デルのNew Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップ(5477)は、液晶ディスプレイとパソコンをひとつにまとめた一体型のデスクトップPCです。23.8インチのディスプレイを搭載しているに関わらず、スッキリとしたデザインが特徴。ゲームやクリエイティブな作業にも向いています。
Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップの特徴
極細ベゼルのディスプレイ
23.8インチの液晶ディスプレイは、動画やゲームの迫力が抜群。ベゼル(枠)が狭く見た目がスッキリとしている上に、一体型PCとしては本体がコンパクトです。
HDMI入力に対応
HDMI入力端子を標準搭載。ゲーム機やHDDレコーダーなどを接続できるほか、アダプターがあればスマホやタブレットの画面も表示可能です。
GTX 1050対応
上位モデルは専用グラフィックスとしてGeForce GTX 1050を搭載。人気の3Dゲームを楽しめるほか、3D制作や動画変換などにも威力を発揮します。
今回はメーカーからお借りしたInspiron 24 5000 フレームレスデスクトップの実機を使って、本体デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
- 1:スペックとラインナップ
- 2:本体の外観について
- 3:消費電力と駆動音、CPU温度について
- 4:ベンチマーク結果
- 5:まとめ
Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップ
スペックとラインナップ
Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップのスペック
OS | Windows 10 Home ※Proに変更可 |
---|---|
CPU | Core i3-8100T / Core i5-8400T |
チップセット | Intel H310 Chipset |
メモリー | 8 / 16GB(最大32GB) |
ストレージ | 128GB M2.2 SSD+1TB HDD または 2TB HDD |
液晶ディスプレイ | 23.8インチ、1920×1080ドット、非光沢、タッチ対応 |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 630 または GeForce GTX 1050(4GB) |
光学ドライブ | なし |
通信機能 | 1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.1 |
Webカメラ | HD(720p、92万画素)、Windows Hellow対応 赤外線カメラ(顔認証用) |
インターフェース | USB3.1 Gen1(フルサイズ)×3(左側面×1+背面×2)、USB3.1 Gen1(Type-C)×1(左側面)、USB2.0×2、HDMI×2(入力×1+出力×1)、有線LAN、SDメモリーカード、ヘッドホン出力、ライン出力 |
拡張スロット | M.2スロット(PCIe Gen2 x2/Optane対応) |
電源 | 180W(アダプター) |
サイズ/重量 | 幅540.2×奥行き52.8(※)×高さ423.9mm/7.85kg(スタンドあり) または 8.28kg(スタンドなし) ※スタンドなしの場合。スタンドを含めると実測254mm |
セキュリティー | TPM2.0、セキュリティースロット、マカフィーリブセーフ12ヵ月版 |
サポート | メーカー保証1年間 ※有料サービス対応 |
※2018年7月18日時点。構成は変更される場合があります
Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップは基本的にパーツカスタマイズに対応していません。ただし本体のカバーを外せば、ストレージの換装やメモリー増設は行なえるでしょう。
ひとつ注意していただきたいのは、光学ドライブ非搭載である点。DVDやブルーレイを利用する場合は、別途外付けの光学ドライブが必要です。
スペック上の注意点
- パーツカスタマイズ非対応
- 光学ドライブ非搭載
ラインナップ
Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップには、以下の2機種が用意されています。さらにそれぞれにOffice Personal 2016が付属する「Office付」モデルも用意。合計4機種がラインナップされています。
ラインナップ
スタンダード・タッチパネル | |
---|---|
税込9万円前後から | |
プレミアム・タッチパネル | |
税込11万円台から |
※2018年7月18日時点。構成や価格は変更される場合があります
本体の外観について
23.8インチのフルHDディスプレイ搭載
Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップは、本体と液晶ディスプレイがひとつにまとまった「一体型(オールインワン、AIO)」タイプのデスクトップPCです。本体と液晶ディスプレイが分かれた「分離型」よりも接地面積が小さく、配線が電源ケーブル1本だけですむ点が魅力。またノートPCよりも高性能で、画面が大きくて見やすい点もポイントです。
HDMI入力に対応
USB端子は合計6ポートと、十分な数が用意されています。1000BASE-T対応の有線LANやSDメモリーカードも利用できるほか、11acの無線LANとBluetoothにも対応しています。
注目したいのは、外部機器の映像をInspiron 24 5000 フレームレスデスクトップの液晶ディスプレイに表示するHDMI入力に対応している点です。HDMIケーブルで接続すれば、ゲーム機やHDDレコーダー、ネットワークプレーヤーを利用できます。
背面のインターフェース
- ① HDMI出力
- ② HDMI入力
- ③ 1000BASE-T対応有線LAN端子
- ④ USB2.0
- ⑤ USB3.1 Gen1(フルサイズ)
- ⑥ ライン出力
- ⑦ 電源コネクター
左側面のインターフェース
-
- ① SDメモリーカードスロット
- ② USB3.1 Gen1(Type-C)
- ③ USB3.1 Gen1(フルサイズ)
- ④ ヘッドホン出力
また92画素のWebカメラに加え、Windows Hello対応の赤外線カメラにも対応しています。あらかじめユーザーの顔を登録しておけば、カメラをチラッと見るだけでサインインできるのでとても便利です。
スピーカーは音量が大きく、真正面でなら25%程度のボリュームでも十分な大きさです。ボリュームを上げれば、大きな部屋でもハッキリと大音量で聞こえるでしょう。
サウンドは音に広がりがあり、厚みも十分。特に低音域から中音域にかけての情報量が多く、迫力も感じました。ノートPC向けのスピーカーとは、ひと味もふた味も違います。音楽をじっくり聞くのはもちろん、ゲームや映画も迫力のサウンドで楽しめるはずです。
消費電力と駆動音、CPU温度について
今回の検証では、Core i5-8400T+GeForce GTX 1050搭載のプレミアム・タッチパネルモデルを試用しました。検証・ベンチマーク結果は個体差や環境、タイミングなどによって大きく変わることがあります。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i5-8400T |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 1TB HDD |
グラフィックス | GeForce GTX 1050 |
消費電力について
CPUには省電力性能の高い「Tシリーズ」が使われています。同じCore i5シリーズでも、CPUの消費電力は通常版(Sシリーズ)のCore i5-8400よりも控えめです。
ただしInspiron 24 5000 フレームレスデスクトップは液晶ディスプレイとGeForce GTX 1050を搭載しているため、分離型PCよりも消費電力が高くなりました。専用グラフィックス機能非搭載のモデルであれば、もう少し消費電力は下がるはずです。
1分間の平均消費電力
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム | |
---|---|---|---|---|
Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップ | 39W | 46.2W | 78.6W | 112.2W |
※参考 Inspiron スモールデスクトップ(Core i5-8400) | 15W | 18.6W | 94.8W | 43.2W |
※消費電力の計測方法はコチラ
駆動音について
低負荷時でも駆動音(ファンの回転音や排気音など)は少し聞こえますが、気になるほどではありません。しかし負荷の高い処理を長時間続けると、音はかなり大きく聞こえます。また電源をオンにした瞬間やスリープから復帰した際にも、一時的に駆動音が50dBA程度に大きくなることがありました。
駆動音の計測結果(室温28.4℃)
電源オフ | 37.8dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 40.1dBA | ファンの回転音が少し聞こえる |
動画視聴 | 40.0dBA | 同上 |
動画変換 | 42.3dBA | ファンの回転音がはっきりと聞こえるが、うるさくはない |
3Dゲーム | 56.9dBA | 回転音と排気音がかなり大きい |
※駆動音の計測方法はコチラ
CPU温度について
CPU温度は全体的にやや高めです。消費電力を抑えた「Tシリーズ」のCPUを使っているためCPU自体の発熱はそれほど高くはないはずですが、分離型デスクトップPCほど効果的に排熱されていないのかもしれません。とは言え、熱によるパフォーマンスの低下やパーツの劣化については、気にするレベルではないでしょう。
CPUの最高温度(室温28.4℃)
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム |
---|---|---|---|
57℃ | 59℃ | 83℃ | 82℃ |
※本体温度の計測方法はコチラ
起動時間について
電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまでの時間を計測したところ、平均は29.18秒でした。高速スタートアップが効くと25秒前後と速いのですが、Windows Updateやアプリの更新のあとでは40秒以上かかることがあります。
普通に使えるレベルではありますが、長期間使うほど起動時間が長くなる可能性もあります。快適に使い続けるなら、アクセスの速いSSDがおすすめです。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
41.8秒 | 30.8秒 | 25.3秒 | 24.2秒 | 23.8秒 | 29.18秒 |
ベンチマーク結果
ストレージ性能
公式スペックでは2TB HDDは5400回転/分タイプが使われているとのこと。アクセス速度を計測したところ、標準的な5400回転/分タイプよりも遅い結果となりました。さすがに遅すぎるので、試用機の調子が悪かったのかもしれません。おそらく個体差によるものでしょう。
CPU性能
試用機で使われていたCore i5-8400Tの性能を計測したところ、分離型デスクトップPCで使われているCore i5-8400よりもやや劣る結果が出ました。それでもワンランク下のCore i3よりも高いスコアが出ており、さらにノートPCでよく使われるCore i7-8550Uを上回っています。よほど高度な作業でない限り、十分な性能です。
上位モデルで使われているCore i7-8700Tについては未計測のため正確にはわかりませんが、分離型デスクトップPCで使われているCore i7-8700よりもやや下程度で考えていいでしょう。
CPUの性能比較 その1
CPU | CINEBENCH R15のCPUスコア |
---|---|
Core i7-8700 |
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Core i5-8400 |
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Inspiron 24 5000(Core i5-8400T) |
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Core i3-8100 |
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Core i7-8550U |
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※ほかのCPUの結果は当サイト計測の平均値
CPUの性能比較 その2
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
---|---|
Core i7-8700 |
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Core i5-8400 |
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Inspiron 24 5000(Core i5-8400T) |
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Core i7-8550U |
|
Core i3-8100 |
|
※ほかのCPUの結果は当サイト計測の平均値
3D性能
3D性能を計測したところ、試用機で使われていたGeForce GTX 1050は、平均値よりもやや低い結果が出ました。おそらくこれは、ノートPC向けのGTX 1050が使われているからかもしれません。
PCゲームを本格的に楽しむなら、GeForce GTX 1060程度のパフォーマンスがほしいところです。とは言え、軽め~中規模クラスのゲームをカジュアルに楽しむには十分。PCゲームをプレーしない、あるいはクリエイティブな作業は行なわないのであれば、CPU内蔵のIntel UHD Graphics 630でもOKです。
3D機能の性能比較
GPU | 3DMark Fire Strikeのスコア |
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GTX 1060 |
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GTX 1050 |
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Inspiron 24 5000(GTX 1050) |
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UHD Graphics 630 |
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※ほかのGPUの結果は当サイト計測の平均値
ゲーム系ベンチマークを試したところ、軽めのタイトルではフルHDの最高画質でもストレスなく楽しめるという評価でした。FF14などの中規模クラスになると、画質を落とすことで、問題なくプレーできるようです(FPSは60以上が理想)。負荷の高い重量級のタイトルでも画質を下げればプレーできないわけではありませんが、解像度を下げたほうがサクサク動くようになるかもしれません。
なおGeForce GTX 1050が搭載されないCore i5モデルについては、ドラクエ10などの軽めのゲームならなんとかというレベルだと思われます。
ゲーム系ベンチマーク結果(フルHD)
FF15ベンチ (DX11) ※重いゲームの目安 | |||
---|---|---|---|
高品質 | 標準品質 | 軽量品質 | |
2250(重い) | 3319(普通) | 4392(普通) | |
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) ※中規模クラスの目安 | |||
最高品質 | 高品質(デスクトップPC) | 標準品質(デスクトップPC) | |
6236(とても快適)※42.131 FPS | 7247(非常に快適)※48.950 FPS | 11056(非常に快適)※78.320 FPS | |
ドラゴンクエストX ※軽めのゲームの目安 | |||
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
15015(すごく快適) | 15777(すごく快適) | 17310(すごく快適) |
クリエイティブ性能
動画変換
動画変換にかかった時間
X264 | QSV | NVENC | |
---|---|---|---|
Inspiron 24 5000(i5-8400T+GTX1050) | 10分13秒 | 7分26秒 | 7分14秒 |
Inspiron 3670(i7-8700+GTX1060) | 7分17秒 | 5分41秒 | 5分25秒 |
Inspiron 3470(i5-8400) | 7分42秒 | 5分47秒 | - |
※5分間の4K映像(XAVC-S、3.51GB)をYouTube向けの1080p(1920×1080ドット)映像に変換するのにかかった時間
総合的なクリエイティブ性能
総合的なクリエイティブ性能を計測するPCMark 10では、各スコアが3000を超えれば本格的な作業をなんとか行なえるレベルです。評価的にはギリギリですが、GTX1050搭載であればそこそこ本格的なクリエイティブな作業にも活用できます。
PCMark 10ベンチマーク結果(一部抜粋)
Digitala Content Creation(総合スコア) | 3910 |
---|---|
Photo Editing(写真編集) | 4069 |
Rendering and Visualization(3D制作) | 4897 |
Video Editing(動画編集) | 3002 |
オールジャンルで使える万能PC
一体型PCはケーブルを1本つなげれば使える手軽さと、意外に設置スペースが小さくてすむ点が魅力です。分離型PCのほうがパフォーマンス面では有利ですが、省スペース性や手軽さを重視したい人には一体型のほうが向いています。
加えて、Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップは一体型PCとしては性能が高い点もポイント。GeForce GTX 1050を搭載した上位モデルであれば、ゲームからクリエイティブな作業まで幅広く活用できます。趣味から仕事まで、じっくりと作業したい人におすすめです。
Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップのまとめ
- 23.8インチのタッチ対応ディスプレイ
- 一体型としては省スペース性が高い
- GTX 1050対応