日本HPのHP Pavilion 15-cs0000は、15.6インチの液晶ディスプレイを搭載したスタンダードタイプのノートPCです。特徴はほかの同クラス製品に比べて、本体デザインが高品質である点。見た目はエレガントで質感も高く、さらにスリム&コンパクトです。
パフォーマンス面も優れています。CPUは高性能な第8世代Core i5/i7で、メモリー容量は8GBまたは16GB。しかも標準で高速なSSDと大容量HDDの2台を搭載しています。
HP Pavilion 15-cs0000の注目ポイント
フルHDのIPSディスプレイ
15.6インチでフルHDの液晶ディスプレイを搭載。映像の色合いは鮮やかかつ自然な発色で、写真や動画を楽しむのに適しています。
上質な本体デザイン
ホワイトとゴールドを組み合わせた、エレガントなデザインを採用。サイズはコンパクトで、質感(見た目や手触り)も上々です。
当サイトの評価
デザイン | サイズや質感、カラーが素晴らしい。スタンダードPCとしての完成度は高い |
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性能 | CPUは高性能な第8世代Core i5。標準でSSD+HDDを搭載 |
使いやすさ | 光学ドライブは非対応。端子類はやや少ない |
軽さ | 2kg切りの1.82kg(公称値)。15.6インチタイプとしては軽い |
画面 | 映像が美しく高精細。スタンダードタイプとしては標準的 |
今回はメーカーからお借りしたHP Pavilion 15-cs0000モデルの実機を使って、本体デザインや使い心地、ベンチマーク結果などをレビューします。
この記事の目次
HP Pavilion 15-cs0000
税込8万円台から
HP Pavilion 15-cs0000のスペック
OS | Windows 10 Home |
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CPU | Core i5-8250U / Core i7-8550U |
メモリー | 8GB(最大8GB) / 16GB(最大16GB) |
ストレージ | 256GB M.2 SSD(PCIe) + 1TB HDD |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 / GeForce MX150(4GB) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ、1920×1080ドット、IPS、光沢、タッチ非対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2、1000BASE-T対応有線LAN |
インターフェース | USB3.1 Gen1(フルサイズ)×2、USB3.1 Gen1(Type-C)×1、HDMI、有線LAN、SDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
セキュリティー | TPM 2.0、セキュリティースロット、マカフィーリブセーフ30日版 |
カメラ | 200万画素 |
サイズ/重量 | 幅361×奥行き246×高さ18~20mm/約1.82kg |
バッテリー駆動時間 | 約9時間 |
※2018年11月12日時点。構成や価格は変更される場合があります
HP Pavilion 15-cs0000のラインナップ
HP Pavilion 15-cs0000にはパーツ構成の異なる2種類のモデルが用意されています。それぞれの主なスペックと価格は以下のとおり。どちらもメモリー容量を8GBから16GBにアップグレードできるほか、オフィスを追加可能です(要追加料金)。
HP Pavilion 15-cs0000のラインナップ
スタンダードモデル オススメ! | |
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税込8万円台~ | |
パフォーマンスモデル | |
税込11万円台~ |
※2018年11月12日時点
本体の大きさやデザイン
HP Pavilion 15-cs0000の最大の特徴は、本体デザインがとても素晴らしい点です。フォルムはスリムかつシャープで、優雅さは同じ15.6インチタイプのなかでもトップクラス。ホワイトとゴールドのカラーはエレガントで、パソコンっぽさを感じさせません。スタンダードノートPCをデザインで選びたいなら、まずこのモデルから検討するべきでしょう。
ノートPCの平均重量
画面サイズ | 平均重量 |
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11.6インチ | 1.126kg |
12.5インチ | 1.131kg |
13.3インチ | 1.253kg |
14インチ | 1.518kg |
15.6インチ | 2.174kg |
ノートPC全体 | 1.551kg |
※2017年12月~2018年5月に当サイトが検証したノートPC(2-in-1を含む) 50台ぶんの実測値より
画面の色と見やすさ
液晶ディスプレイの大きさは15.6インチで、解像度は1920×1080ドット。この価格帯のスタンダートノートPCとしては、標準的なスペックです。画面には発色に優れるIPSパネルが使われており、写真や動画が自然かつ鮮やかな色で映し出されました。文字もクッキリと表示されて読みやすく、ビジネスからホビーまで幅広い用途に適しています。
液晶ディスプレイの表面は光沢あるのグレアです。グレアタイプは映像のコントラストに優れる反面、光の映り込みが目立つ点が欠点です。作業中に気になる場合は、光が映り込まないように画面の角度を変えて作業するといいでしょう。
キーボードの使いやすさ
キーボードはテンキーありの日本語配列で、バックライトに対応しています。配列は標準的で、違和感なく利用できました。ただしカーソルキーがもう少し大きければ、もっと使いやすいと思います。
キーのタイプ感は軽めです。押した瞬間に軽いクリック感がありますが、押し込む力は弱いので、個人的には少し物足りなさを感じました。とは言え、軽い力で作業できるので疲れにくいというメリットもあります。
タイプ音は控えめでした。強めに打つと「タスタスタス」という音が聞こえますが、弱めのタッチだと「タクタクタク」という感じでほとんど気になりません。総合的には静かなキーボードだと言えます。
端子類の種類と使いやすさ
15.6インチタイプとしては、インターフェース(端子類)がやや少なめです。と言っても、普段の作業で困る場面は少ないでしょう。光学ドライブには対応していない点に注意してください。
左側面のインターフェース
- ① HDMI
- ② 1000BASE-T対応有線LAN
- ③ USB3.1 Gen1 Type-C
- ④ ヘッドホン出力
右側面のインターフェース
- ① SDカードスロット
- ② セキュリティースロット(盗難防止用)
- ③ USB3.1 Gen1
- ④ 電源コネクター
スピーカーはキーボード上面に配置されています。サウンドは音の広がりが素晴らしく、個々の音がクリアーに聞こえました。ただし中音域の表現力は高いのですが、低音域と高音域の迫力に欠けます。とは言うものの、作業中のBGMとして音楽を聞くには十分なクオリティーです。
駆動時間や発熱、騒音
ここからは、HP Pavilion 15-cs0000の性能テストの結果を紹介します。試用機の主なスペックは以下の表のとおり。検証/ベンチマーク結果はパーツ構成や個体差、環境、タイミングなどによって大きく変わる点をあらかじめご了承ください。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
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CPU | Core i5-8250U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD + 1TB HDD |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
バッテリー駆動時間計測結果
バッテリー性能は15.6インチタイプとしては優秀です。本来は据え置き用ですが、15.6インチタイプの標準よりも軽くて薄いので、持ち歩きに使うのもアリかもしれません。
バッテリー駆動時間のテスト結果
公称値 | 9時間 |
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BBenchによる計測 | 8時間3分 |
PCMark 8による計測 | 6時間14分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
本体の温度について
高負荷時にはキーボード面の温度が少し高くなりますが、問題のない範囲です。低温やけどを心配する必要もないでしょう。表面温度は低めです。
表面温度(室温22.6℃) ※画像クリックで拡大
待機時 | 動画視聴 | 動画変換 |
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最大26.4℃ | 最大28.2℃ | 最大36.1℃ |
駆動音の計測結果
駆動音(ファンの回転音や通気口からの排気音)はまったく聞こえないわけではありませんが、控えめです。作業中に気になることはないでしょう。
駆動音の計測結果(室温23.9℃)
電源オフ | 37.4dBA | - |
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待機中 | 38.3dBA | 回転音がうっすらと聞こえる |
動画視聴 | 37.7dBA | 同上 |
動画変換 | 41.5dBA | 排気音と回転音が少し聞こえる |
ベンチマーク結果
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i5-8250U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD+1TB HDD |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
ストレージ性能
HP Pavilion 15-cs0000は標準でSSDとHDDの両方を搭載しています。高速なSSDの影響でシステムの立ち上がりは早く、作業は快適に行なえました。また1TBの大容量HDDが使われているので、容量不足で困る場面も少ないはずです。
試用機で使われていた256GB SSDはPCIe(PCIe 3.0 x4)接続タイプで、一般的なSATA接続のSSDに比べて高速です。1TB HDDは標準的でした。
CPU性能について
CPU性能を計測するテストでは、優れた結果が出ています。前世代のCore i7-7500Uを大きく上回っており、負荷の高い作業でも快適にこなせるでしょう。
CPUベンチマーク結果 その1
CPU | CINEBENCH R15のCPUスコア |
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HP Pavilion 15-cs0000 (Core i5-8250U) |
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Core i7-8550U |
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Core i5-8250U |
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Core i7-7500U |
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※そのほかのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
CPUベンチマーク結果 その2
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
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Core i7-8550U |
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Core i5-8250U |
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HP Pavilion 15-cs0000(Core i5-8250U) |
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Core i7-7500U |
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※そのほかのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
グラフィックス性能について
総合的な3D性能を計測する「3DMark」を試したところ、CPU内蔵のグラフィックス機能としては標準的な結果となりました。ごく軽い3Dゲームならなんとかプレーできますが、重い3Dゲームを快適に遊べるほどではありません。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strikeのスコア |
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GTX 1060 |
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GTX 1050 |
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HP Pavilion 15-cs0000(Intel UHD Graphics 620) |
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※そのほかのGPUのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲーム系ベンチマークテストではごく軽いドラクエ10で快適という結果でした。少し重いFF14ではかなり厳しい結果です。
ゲーム系ベンチマーク結果
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) ※中量級
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1920×1080 (フルHD) | 最高品質 | 857(動作困難) ※4.941 FPS |
高品質(ノートPC) | 1523(設定変更が必要) ※7.703 FPS | |
標準品質(ノートPC) | 1623(設定変更を推奨) ※10.305 FPS | |
ドラゴンクエストX(DX9) ※軽量級
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1920×1080 (フルHD) | 最高品質 | 3658(普通) |
標準品質 | 4900(普通) | |
低品質 | 5829(快適) |
動画変換や写真加工の快適さ
動画出力(書き出し)
動画出力にかかった時間
かかった時間 | |
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HP Pavilion 15-cs0000 (Core i5) | 7分03秒 (ソフトウェア) |
Core i7-8750H+GTX 1050 | 4分23秒 (CUDA) |
※「Adobe Premiere Pro CC 2018」を使って、FF14ベンチをキャプチャーした6分44秒のフルHD動画に画像とテロップ、音声を追加した合計7分のゲーム実況風動画を作成。書き出し設定は「H.264」で、「YouTube 1080p HD」のプリセットを使用。
動画変換
動画変換にかかった時間
CUDA | ソフトウェア | |
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HP Pavilion 15-cs0000 (Core i5) | ※非対応 | 10分46秒 |
Core i7-8750H+GTX 1050 | 3分47秒 | 6分46秒 |
※Adobe Media Encorder CCで5分間の4K映像(XAVC-S、3.51GB)をプリセット「YouTube 1080p HD」で変換するのにかかった時間
RAW現像
RAW画像の現像にかかった時間
HP Pavilion 15-cs0000 (Core i5) | Core i7-8550U |
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2分40秒 | 1分44秒 |
※Adobe Photoshop Lightroom Classic CCで5184×3456ドットのRAW画像を長辺1920ドット、画質80%、解像度240、シャープ出力 強のJPEGファイルに出力するのにかかった時間(フィルター類適用なし)
総合的なクリエイティブ性能
PCMark 10では各スコアが3000を超えれば本格的な作業をなんとか行なえるレベルです。写真加工と動画編集では多少時間がかかるものの、小規模な作品なら問題ないでしょう。より快適に作業するならCore i7+16GBメモリーのモデルをおすすめします。
PCMark 10ベンチマーク結果(一部抜粋)
Digitala Content Creation(総合スコア) | 2648 |
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Photo Editing(写真編集) | 3269 |
Rendering and Visualization(3D制作) | 1844 |
Video Editing(動画編集) | 3081 |
普段使いには高コスパなCore i5モデルがおすすめ
ということで、今回はHP Pavilion 15-cs0000のレビューをお届けしました。
本体デザインの仕上がりは素晴らしく、パフォーマンス面も十分。しかもSSD+HDDのデュアルストレージ構成なのに、本体価格は税込8万円台(2018年11月12日時点)からとコスパが高いのも魅力です。同クラスの他社製品であれば、余裕で10万円をオーバーすることでしょう。特にデザイン面が抜群に優れているので、見た目にこだわりたい人におすすめします。
ネットの調べ物や文書作成などの用途には、Core i5搭載のスタンダードモデルで十分です。ちょっとした動画編集やRAW現像を行なうのであれば、Core i7搭載のパフォーマンスモデルを選びメモリーを16GBにアップグレードするのがおすすめ。オフィスは標準では付属していないので、必要に応じて追加してください。