デルのInspiron(インスパイロン) 14 5000(5480、2018年モデル)は、14インチで1920×1080ドットのフルHD液晶ディスプレイを搭載するノートPCです。自宅や職場で使う据え置き用のスタンダードタイプとしてはスリム&コンパクトで、重量が軽い点がポイント。さらに最新CPUを採用することで、高いパフォーマンスを実現しています。
価格は税込8万円台からで、高性能モデルとしてはリーズナブルです。しかしだからと言って、本体デザインが安っぽいわけではありません。ボディは樹脂製(パームレストはアルミ)ですが見た目や手触りがよく、本体サイズはコンパクト。液晶ディスプレイのベゼル(枠)が細く、見た目がスッキリとしています。
Inspiron 14 5000の注目ポイント
コンパクトで高品質なボディ
大きさはA4用紙よりもやや大きい程度。高さは比較的薄く、スリムなデザインを採用しています。本体カラーはバーガンディがおすすめ!
スタイリッシュな狭額デザイン
液晶ディスプレイのベゼル(枠)幅は実測で左右6.5mm。余計な部分が目に入らないので、作業に集中できるでしょう。動画鑑賞にもおすすめ。
Inspiron 14 5000の評価
デザイン | スリムかつコンパクト。ボディは樹脂製ながら見た目がいい |
---|---|
性能 | Whisky Lake世代のCore i5/i7を搭載。上位モデルはGPU対応 |
使いやすさ | 端子類は十分な構成。キー配列に少しだけクセがある |
軽さ | 14インチタイプとしては平均的。持ち歩けない重さではない |
画面 | 映像は高精細で鮮やか。狭額デザインで画面周りがスッキリしている |
今回はメーカーからお借りしたInspiron 14 5000の実機を使って、本体デザインや使い心地、ベンチマーク結果などをレビューします。
この記事の目次
Inspiron 14 5000(5480)
税込8万円台から
Inspiron 14 5000(5480)のスペック
OS | Windows 10 Home / Pro |
---|---|
CPU | Core i5-8265U / Core i7-8565U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD(PCIe) または 128GB SSD(PCIe)+1TB HDD |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 または GeForce MX250(2GB) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14インチ、1920×1080ドット、IPS、非光沢、ペン/タッチ非対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth |
インターフェース | USB3.1 Gen1(フルサイズ)×2、USB3.1 Gen1(Type-C)×1、USB2.0×1、HDMI、有線LAN、SDカードスロット、ヘッドホン出力 |
セキュリティー | セキュリティースロット、マカフィー リブセーフ 12ヵ月版 |
カメラ | 720p(92万画素) |
サイズ/重量 | 幅324.3×奥行き232×高さ18.77~19.1mm/約1.48kg |
バッテリー | 42WHr ※駆動時間は非公開 |
オフィス | ※オプション(付属モデルあり) |
サポート | メーカー保証1年間 |
※2018年11月28日時点。構成は変更される場合があります
Inspiron 14 5000(5480)のラインナップ
Inspiron 14 5000(5480)には10種類のモデルが用意されていますが、基本となるのは以下の2種類のみ。あとはオフィス付きモデルや納期が早い「即納モデル」、保証期間の長い「3年保守サービス付きモデル」などのバリエーションが用意されています。
ラインナップ
プレミアム | |
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税込8万円台 | |
プレミアム Office付 | |
税込9万円台 | |
プラチナ | |
税込10万円前後 | |
プラチナ Office | |
税込11万円台 |
※2019年4月23日時点
価格は、そのとき実施されているセールやキャンペーンによって変わります。最新のセール情報については、以下の記事でご確認ください。
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- Inspiron 14 5000 セール情報
本体の大きさやデザイン
Inspiron 14 5000は、14インチの液晶ディスプレイを搭載したモデルです。人気が高いのは15.6インチと13.3インチで、14インチはちょっとマイナーな存在に感じる人も多いでしょう。しかし最近は狭額デザインの影響で本体がコンパクトになってきており、13.3インチよりも画面が見やすく15.6インチよりも持ち歩きやすいということで、徐々に注目されています。
Inspiron 14 5000はスペック的にはハイエンド(上級者向け)クラスですが、値段はミドルレンジ(中級者向け)クラスです。つまりそのぶん「どこかが安く作られている」というわけですが、本体デザインからは安っぽさは感じられません。今回はバーガンディのカラーを試用しましたが、上品かつ優雅な印象でした。
ノートPCの平均重量
画面サイズ | 平均重量 |
---|---|
11.6インチ | 1.126kg |
12.5インチ | 1.131kg |
13.3インチ | 1.253kg |
14インチ | 1.518kg |
15.6インチ | 2.174kg |
ノートPC全体 | 1.551kg |
※2017年12月~2018年5月に当サイトが検証したノートPC(2-in-1を含む) 50台ぶんの実測値より
画面の色と見やすさ
画面サイズは14インチで、解像度は1920×1080ドットです。映像はコントラストが高く色鮮やかで、青みのない自然な色合いでした。モバイル向けで人気13.3インチよりも画面がわずかに大きい程度ですが、わずかに文字が読みやすい気がします。
画面の表面は光沢なしのノングレア仕上げです。光沢ありのグレア仕上げに比べて色の鮮やかさでは劣りますが、光の映り込みが抑えられている点がメリット。長時間の作業にも向いています。
キーボードの使いやすさ
キーボードはテンキーなしでバックライト非対応です。キーピッチ(キーとキーの間隔)は19mmと理想的なサイズでしたが、一部のキーが隣接している点が気になります。特に右上の「¥」キーを押そうとしてBackSpaceキー押してしまうことが何度かありました。この点については慣れれば問題なく使えるようになるのかもしれません。
キーストローク(キーを押し込む深さ)は実測で1mm強、おそらく1.2~1.3mm程度だと思われます。ストロークが浅くタイプ時に底打ち感がありますが、クリック感は固めで手応えはしっかり感じられました。タイプ音は控えめですが、強く叩けばそれなりに響きます。
端子類の種類と使いやすさ
インターフェース(端子類)は14インチタイプとしては十分な構成です。ただし光学ドライブは搭載していない点に注意してください。
左側面のインターフェース
- ① 電源コネクター
- ② USB3.1 gen1 Type-C
- ③ HDMI
- ④ USB3.1 Gen1
- ⑤ ヘッドホン出力/マイク入力
右側面のインターフェース
- ① SDカードスロット
- ② USB2.0
- ③ 1000BASE-T対応有線LAN
- ④ セキュリティースロット(盗難防止用)
ベンチマーク結果
今回の検証では、上位のプラチナモデルを試用しました。主なスペックは以下のとおりです。なお検証結果はパーツ構成や個体差、環境、タイミングなどによって大きく変わる点をあらかじめご了承ください。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i7-8565U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 128GB SSD+1TB HDD |
グラフィックス | GeForce MX150 |
ストレージ性能
上位のプラチナモデルでは、128GB SSD(PCIe接続)と1TB HDDが使われています。SSDは PCIe GEN3 x2タイプでアクセス速度は高速。HDDは標準的な速度です。
システムストレージにSSDが使われているだけあって、ウィンドウズの起動は高速です。HDDでは40秒以上かかることもあるので、ストレスなく使えるでしょう。ただしPCIe接続タイプとしてはやや遅く、起動時間は平均17.16秒とSATA接続なみの結果でした。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
13.9秒 | 24.8秒 | 18.2秒 | 15.0秒 | 13.9秒 | 17.16秒 |
CPU性能
試用したプラチナモデルのCore i7-8565Uは、開発コード「Whisky Lake」こと第8世代のCPUです。同じ第8世代でKaby Lake-R世代のCore i7-8550Uよりも最大動作周波数がわずかに高いのでパフォーマンスアップを期待していたのですが、Inspiron 14 5000ではやや低めの結果となりました。とは言え、普段の作業には十分すぎる性能です。
CPU性能比較(CPU Mark)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-8550U |
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Inspiron 14 5000(Core i7-8565U) |
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Core i5-8250U |
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Core i7-7500U |
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Core i5-7200U |
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※そのほかのスコアは当サイト計測の平均値
しかしCPUのベンチマークを何度か試すと、スコアがガクッと下がることがありました。そこで高負荷時のCPU温度とCPUの動作クロックを計測したところ、サーマルスロットリングのようにクロックが抑えられている症状が見られました。
たとえばCPUだけに高い負荷をかけ続けたところ、9分を過ぎたところでクロックが大きく下がっています。それより前はクロックを微妙に調整することでCPU温度をほぼ一定に保っていましたが、高負荷の状態が一定時間続くと熱によるCPUへのダメージを減らすためにクロックが下がってしまうようです。
FF14ベンチでも連続稼働が23分を過ぎたころからCPUとGPUのクロックが大きく下がり、以降はほぼ固定されました。それより前でもクロックがかなり激しく上げ下げしていることから、シビアな温度管理が行なわれていることがわかります。
おそらく熱が上がりすぎるのを防ぐために、徹底した温度管理が行なわれているのでしょう。これは本体がスリムな上に、熱を通しにくい樹脂素材を使っているためだと思われます。ほかの第8世代Core i7に比べてパフォーマンスがやや控えめなのも、この温度調節が理由かもしれません。
ベンチマーク中は内部を冷やすための空冷ファンが、かなり大きな音をたてていました。軽い作業のときは音が少し聞こえる程度なのですが、高負荷時はけっこう気になります。また高負荷の状態からスリープへ移行すると、ファンが止まらない症状も見られました。
駆動音の計測結果(室温21.5℃)
電源オフ | 36.9dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 39.3dBA | 排気音が少し聞こえる |
FF14ベンチ | 45.9dBA | 排気音がけっこう大きい |
上記の結果および考察から、Inspiron 14 5000は高スペックではありますが、高負荷な作業を長時間続けるには適していないと言えます。ただしこれはあくまでも動画編集や3Dゲームなどにおいてのこと。普段の作業にはまったく問題はないはずです。 また試用機固有の症状である可能性もあります。
3D性能
上位モデルのプラチナモデルでは専用グラフィックス機能としてGeForce MX250が使われていますが、テストではGeForce MX150搭載の古いモデルを使いました。MX250の性能については、MX150を少し上回る程度だと思われます。
GeForce MX150にはそこそこゲームを楽しめる高クロック版と3D性能が控えめな低クロック版の2種類があるのですが、3Dベンチマークの結果を見るとInspiron 14 5000では低クロック版が使われているようです。
3D機能の性能比較
CPU | 3DMark Fire Strikeスコア |
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MX150(高クロック) |
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MX150(低クロック) |
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Inspiron 14 5000(MX150) |
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UHD 620(Core i7) |
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CPU内蔵のIntel UHD Graphics 620に比べるとスコア比は2.8倍で性能は高いのですが、前述のとおり高負荷な状態が続くとCPUクロックが低下するのでゲームには向いていません。あくまでもグラフィックス処理をサポートするためのものと考えたほうがいいでしょう。
ゲーム系ベンチマーク結果
ドラゴンクエストX(DX9) ※軽量級
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1920×1080 | 最高品質 | 1650(重い) |
標準品質 | 2521(やや重い) | |
低品質 | 5987(快適) |
バッテリー駆動時間計測結果
当サイトでの計測方法でバッテリー駆動時間のテストを行なったところ、最長で9時間7分という結果でした。ただしこの結果はバッテリー消費量が少ないので、実際のところは6~7時間程度だと思われます(PCMark 8のテストはバッテリー消費量がかなり大きいので)。駆動時間が長いわけではありませんが、ちょっと持ち出すには十分なスタミナです。
バッテリー駆動時間のテスト結果
公称値 | ※非公開 |
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BBenchによる計測 | 9時間7分 |
PCMark 8による計測 | 5時間23分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
コンパクトなスタンダートモデル
ということで、今回はInspiron 14 5000のレビューをお届けしました。
ベンチマーク結果はあまりふるわなかったものの、ビジネスや普段使いには問題ないパフォーマンスです。なによりコンパクトかつ画面が見やすく、見た目がいいのは大きな魅力でしょう。15.6インチではちょっと大きすぎると感じる方におすすめします。