「OMEN by HP Mindframeヘッドセットは(以下、”Mindframeヘッドセット”)は、7.1チャンネルバーチャルサラウンドに対応するゲーミングヘッドセットです。最大の特徴は”ペルチェ素子”と呼ばれる特殊な素材を使うことで、ハウジング(イヤーカップ)内に熱がこもらない点。実際に試したところ確かにハウジング内部はひんやりと冷たく感じました。
サウンドはクリアーで迫力も抜群。もちろんゲームで重要な前後左右の聞き分けも可能です。着け心地もいい上に、RGBイルミネーションなどゲーミングデバイスならでのギミックにも対応しています。
なおMindframe ヘッドセットは日本HP製OMENシリーズのゲーミングPC専用というわけではなく、ほかのPCでも利用可能です。
OMEN by HP Mindframe ヘッドセットの評価
総合評価: 3.6/5.0
(評者:こまめブログ)
デザイン | 金属製ハウジングの質感は高い。バンドが2本あるのでやや大きくて重い |
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装着感 | イヤーパッドは通気性が高く柔らかいクッション。位置調整が必要ないのが便利 |
定位感 | 前後と斜めからの音がほんの少しわかりづらい |
付属ソフト | ソフトで変更できるのはRGBイルミネーションの色のみ。サウンド設定は非対応 |
音質 | 音は非常にクリアーだが、低音部がやや弱め。ややシューター系寄りのサウンド |
今回はメーカーからお借りしたMindframe ヘッドセットの実機を使って、デザインや着け心地、ゲーム中のサウンドなどについてレビューします。
OMEN by HP Mindframe ヘッドセット
税込2万1384円
※価格は変更される場合があります
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内部に熱がこもらないので常に快適
まずはMindframe ヘッドセットの一番のウリどころである、「フロストカップテクノロジー」について紹介しましょう。
ハウジング内部で使われている「ペルチェ素子(ペルティエ素子)」とは、電流を流すことで片方の金属からもう片方の金属へ熱が移動する仕組みを利用した電子部品です。装置を小型化できる上に振動や音も発生しないため、精密機器を始めとするさまざまな製品で利用されています。
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Mindframe ヘッドセットではペルチェ素子によって、内部にある仕切板の熱をハウジング外部へと伝えています。ハウジングの外部フレームには熱伝導率の高いアルミ素材が使われており、この部分がヒートシンクとしての役割を果たすワケです。HPではこの一連の仕組みのことを「フロストカップテクノロジー」と呼んでいます。
実際に試したところ、Mindframe ヘッドセットをPCのUSB端子に挿してから数分後には内部の熱が下がり始めました。電源を入れたらスグに冷えるというものではないようです。
検証は12月中旬の冬場に行なったため(室温は23度前後)、劇的な効果は確認できませんでした。しかし夏の暑い時期なら、ヒンヤリ感を実感できるはずです。
なお、内部を冷やすほどハウジング外部は熱を帯びてきます。ペルチェ素子によって移動した熱のぶんだけ外部フレームが熱くなるわけではなく、そこに素子自体の発熱が加わるため、全体としてはかなりの高音になる場合もあるので注意してください。ただし外部フレームがいくら熱くなっても、プレー中に気になることはありませんでした。
また部屋の湿度が高かったり汗かきの人が使うと、内部で結露が生じます。水滴がどのような影響を及ぼすのかは不明ですが、気になる人はまめに拭き取るといいでしょう。
デザインと着け心地について
Mindframe ヘッドセットはシンプルでスッキリとしたデザインですが、ハウジング部分が大きいため、手に持ったときは少し大きく感じます。
ハウジングの外側にはRGBイルミネーションが仕込まれており、専用ユーティリティー「OMEN Command Center」で色を変更可能です。
重量は公称値で477g、実測では480gでした。やや重いのですが、これはUSBケーブルも重量に含まれているため。実際に装着すると多少の重みは感じるものの、特別重いわけではありません。実際に長時間使いましたが、特に首や肩のコリを感じることはありませんでした。
イヤーパッドは大きな密閉型で、耳全体がすっぽりと覆われます。パッド部分のクッションはかなり柔らかくて圧迫感がない上にフィット感もバッチリです。遮音性も高く、装着すると外部の音がほとんど気にならないほど。
ヘッドバンドの締め付けはややキツめでしたが、イヤーパッドが柔らかいので耳の痛みは感じませんでした。メガネを着けたままでも、違和感はありません。
ユニークなのはスライダーでイヤーパッドの位置を調整するのではなく、頭に装着するだけで自然な位置に移動する点。2本のヘッドバンドのうち内側のバンドが頭の位置に応じてフレキシブルに動き、イヤーカップが自然に耳を覆うようになっているのです。
ヘッドバンドが2本あるぶん、1本だけのヘッドセットに比べて重量は重く感じました。とは言え、気になるほどの違いではありません。また外側のヘッドバンドは厚みが薄めで、少し頼りなく感じます。
マイクについて
マイクは左ハウジング部分に接続されています。バーの上げ下ろしでマイクのオン/オフを切り替えられるミュート機能付きです。バーが長いので、装着時でも上げ下ろしは簡単。かと言って視界に入ることもなく、違和感は感じませんでした。
筆者は普段ゲームでボイスチャットをするフレンドがいない使わないため、ゲーム中での音質については確認していません。しかしボイスレコーダーアプリで試したところ、録音音声は非常にクリアーでした。ゲームでも問題なく利用できるでしょう。
使い勝手について
インターフェースは少なく、右ハウジングのボリュームコントローラーしかありません。必要最低限の構成です。
ただこのコントローラーが、非常に操作しやすく感じました。耳を澄ますように手を添えた位置にコントローラーがあるので、腕を自然な角度に保ったまま音量を調整できます。
接続はUSBケーブル方式です。ゲーム機やスマホなどでは利用できません。ケーブルの長さは十分で、取り回しも問題ありませんでした。ちなみにケーブルは編み込み式です。
個人的に残念だったのは、ハウジングが90度回転しない点です。使わないときはヘッドホンスタンドなどを利用するといいでしょう。
ゲームでのサウンドについて
Mindframe ヘッドセットでは、Windows 10 Creators Updateから導入された7.1チャンネルバーチャルサラウンド機能を利用します。そのためサラウンドの効き具合については、一般的なヘッドホンとあまり変わらないはずです。なお専用ユーティリティーの「OMEN Command Center」からは、サラウンドの設定は行なえません。公式サイトではDTS Headphone:Xにも対応しているとのことですが、どうすれば利用できるのかはわかりませんでした。
ただし音は非常にクリアーで、音の方角や距離感もしっかり感じられます。解像感が高いので、なんの音なのかもハッキリとわかりました。Mindframe ヘッドセットは2万円オーバーで値段が高めのモデルですが、音質については値段相応レベルだと思います。
ただ低音部分がやや軽く、迫力に欠けるように感じました。おそらくこれは足音やショットの音を聞き分けやすくするためのチューニングでしょう。シューターなど競技系ゲームには向いていますが、重厚なサウンドを楽しみながらプレーするソロ主体のゲームでは物足りなさを感じるかもしれません。と言っても1万円未満のゲーミングヘッドよりは確実に音がいいので、人によっては気にならないでしょう。
白熱のeスポーツ系ゲームにおすすめ
ということで、今回はMindframe ヘッドセットのレビューをお届けしました。
チューニングによる好みはあるものの、音質としては1万5000円~2万円程度のほかのゲーミングヘッドセットとあまり変わりません(オーディオ上級者であれば違いがハッキリわかるかもしれませんが)。
だとするとキモになるのは、やはり「フロストカップテクノロジー」による冷却効果でしょう。室温が高い環境であれば、間違いなくほかのヘッドセットよりも快適に使えるはずです。プレーに熱中するあまり気がついたら汗ばんでいた、という経験がある人におすすめ。またeスポーツの大会など会場が熱気であふれかえるようなシーンでの利用に向いています。
OMEN by HP Mindframe ヘッドセット
税込2万1384円
※価格は変更される場合があります
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