デルのALIENWARE AURORA R8は、柔軟なカスタマイズに対応するゲーミングデスクトップPCです。CPUやGPU、メモリー容量などの選択肢が多く、ユーザーのこだわりを手軽に実現できる点が魅力。ハイエンド向けのゲーミングPCとしては本体デザインがスタイリッシュで、ゴツさを感じさせない点もポイントです。
この記事ではメーカーからお借りしたALIENWARE AURORA R8の実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
※2019年3月15日時点。構成や価格は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください
ALIENWARE AURORA R8のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
---|---|
CPU | ・Core i5-8400 ・Core i7-8700 ・Core i7-9700K ・Core i9-9900K |
チップセット | Intel Z370 Chipset |
メモリー | ・8GB ・16GB ・32GB ・64GB |
ストレージ | ・HDD:なし / 2TB ・SSD:128GB ~ 2TB ※デュアル可 |
グラフィックス | ・GeForce GTX 1050 Ti (4GB) ・GeForce GTX 1060 (6GB) ・GeForce GTX 1070 (8GB) ・GeForce GTX 1080 (8GB) ・GeForce RTX 2070 OC (8GB) ・GeForce RTX 2080 OC (8GB) ・GeForce RTX 2080 Ti (11GB) ・GeForce RTX 2080 OC 2-way SLI |
光学ドライブ | ・DVDスーパーマルチドライブ ・ブルーレイディスクドライブ |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac、 Bluetooth 4.1、 1000BASE-T対応有線LAN |
インターフェース | USB3.1 Gen1 (フルサイズ)×6 (前面×3+背面×3)、 USB3.1 Gen2 (フルサイズ)×1(背面)、 USB3.1 Gen2 (Type-C)×1 (背面)、 USB3.1 Gen1 (Type-C)×1 (前面)、 USB2.0×5 (背面)、 有線LAN、 ヘッドホン出力/マイク入力、 オーディオ端子類、 S/PDIFデジタル出力 (同軸/光学) ※7.1ch対応 ※映像出力はグラフィックス機能によって異なります |
拡張スロット | PCI Express x16 ×2、 PCI Express x4 ×2、 M.2 2230スロット (WLAN用)×1、 M.2 2280スロット (ストレージ用)×1 |
ドライブベイ | 3.5インチ×1、 2.5インチ×2 |
電源 | 850W |
サイズ | 幅212×奥行き360.5×高さ472.52mm |
重量 | 約14.819kg |
セキュリティー | TPM2.0 |
サポート | メーカー保証1年間 |
※2019年3月15日時点。構成は変更される場合があります
スペック上の注意点
- キーボード/マウスなし
- SDカードスロット非搭載
- 購入時に空冷から液冷を選択 (シャーシ オプション)
ALIENWARE AURORA R8の価格
ALIENWARE AURORA R8には、パーツ構成の異なる4種類のモデルが用意されています。注意していただきたいのは、標準構成ではすべて8GBメモリー+2TB HDDである点。CPUとGPUの性能をフルに発揮するならメモリーは16GB以上に、ストレージにはSSDを追加することをおすすめします。
なおもっとも価格の安い「フルカスタマイズ」モデルは、すべてのパーツオプションを選択できるモデルです。そのほかのモデルでは、選択できないパーツがあります。
ラインナップ
プレミアム・RTX搭載 | |
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税込22万円台~ | |
プラチナ・RTX搭載 | |
税込25万円台~ | |
スプレマシー・RTX搭載 | |
税込34万円台~ | |
フルカスタマイズ | |
税込13万8294円 |
※2019年3月15日時点
価格はそのとき実施されているキャンペーンによって大きく変わります。現在の価格については公式サイトでご確認ください。
リンク
NEW ALIENWARE AURORA スプレマシー VR(R8) (2018年11月20日発売)
ALIENWARE AURORA R8の本体デザイン
ALIENWARE AURORA R8は、デスクトップPCとしてはかなり大きめの「ミドルタワー型」に分類されます。本体は非常に大きいのですが、標準的なミドルタワー型に比べればコンパクトです。
デスクトップの主な分類
ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 |
拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎ |
拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○ |
拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△ |
拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△ |
ALIENWARE AURORA R8のインターフェース
インターフェース(端子類)はとても充実しています。USB端子は全部で14ポート。こんなに必要かどうかはさておき、USB端子の数が少なくて困ることはないでしょう。またS/PDIFデジタル出力にも対応しているほか、スピーカーを用意すれば7.1chのサラウンド環境も実現可能です。
映像出力はグラフィックス機能によって異なります。GTXシリーズの場合はDisplayPort、HDMI、DVI-Dの構成で、RTXシリーズの場合はDisplayPort、HDMI、USB Type-Cの構成です。なおSDカードスロットには非対応である点に注意してください。
前面のインターフェース
- ① USB3.1 Gen1
- ② マイク入力 / ヘッドホン出力
- ② USB3.1 Gen1 Type-C
背面I/Oパネルのインターフェース
- ① オプティカル S/PDIFポート
- ② 同軸S/PDIFポート
- ③ USB2.0×5
- ④ 1000BASE-T対応有線LAN
- ⑤ DisplayPort ※非使用
- ⑥ USB3.1 Gen2 Type-C
- ⑦ USB3.1 Gen2
- ⑧ USB3.1 Gen1×3
- ⑨ オーディオ端子類
- ⑩ USB Type-C ※映像出力
- ⑪ DisplayPort
- ⑫ HDMI
- ⑬ 電源コネクター
- ⑭ 電源診断ボタン
ALIENWARE AURORA R8の本体内部とパーツ交換について
ALIENWARE AURORA R8ではミドルタワー型の大型筐体が使われていますが、ケースがいくらか小さいぶん、ドライブベイの数が多くはありません。とは言え最大4台のストレージを利用できるので、特に問題はないでしょう。
メンテナンスは非常に簡単で、ネジは背面レバーの1本程度。パーツを簡単に交換、増設できます(パーツによってはネジが必要です)。
マザーボードのスロット類
- ① PCI Express x16
- ② PCI Express x4
ALIENWARE AURORA R8のベンチマーク結果
テスト機の主なスペックは以下のとおり。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります。あらかじめご了承ください。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i9-9900K |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD+2TB HDD |
グラフィックス | GeForce RTX 2080 OC(8GB) |
ストレージ性能
試用機で使われていた512GBのSSDはPCIe (NVMe)接続で、アクセス速度は爆速です。ゲームはもちろん、ウィンドウズや負荷の高いソフトも快適に利用できるでしょう。
実は今回の検証の前にALIENWARE AURORA R8を8GBメモリー+2TB HDDの構成で借りたのですが、HDDへのアクセスが頻繁に発生しハイエンドモデルとは思えないほど動きがもっさりとしていました。標準構成では8GBメモリー+2TB HDDの構成ですが、16GB以上のメモリーとSSDの追加を強くおすすめします。
CPU性能
試用機で使われていたCore i9-9900Kは8コア16スレッドの超高性能CPUで、マルチコア性能を計測するCINEBENCH R15のテストでは非常に優れた結果が出ました。
ただしシングルコア性能まで含めたPassMarkのテストでは、Core i7-9700Kの平均値よりも若干低い結果が出ています。本体がスリムなので、おそらく内部の熱が上がりすぎないようにパフォーマンスを調整しているのかもしれません。とは言えその差はわずかですし、高温によるパーツの劣化を抑えられることを考えれば納得できる範囲です。
ALIENWARE AURORA R8ではCore i5-8400やCore i7-8700も選択できますが、グラフィックス機能にRTXシリーズを選択するなら、第9世代のCore i9-9900KまたはCore i7-9700Kをおすすめします。これはCPU性能が高いほど、高性能GPUのパワーを十分に引き出せるからです。
CPUの性能比較 その1
CPU | CINEBENCH R15のCPUスコア |
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Core i9-9900K |
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ALIENWARE AURORA R8 (Core i9-9900K) |
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Core i7-9700K |
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Core i7-8700 |
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Core i5-8400 |
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Core i7-7700 |
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※ほかのCPUの結果は当サイト計測の平均値
CPUの性能比較 その2
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
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Core i9-9900K |
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Core i7-9700K |
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ALIENWARE AURORA R8 (Core i9-9900K) |
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Core i7-8700 |
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Core i7-8700K |
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Core i5-8400 |
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Core i7-7700 |
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※ほかのCPUの結果は当サイト計測の平均値
なおCPUに高い負荷がかかると、駆動音(ファンの回転音や排気音)がかなり大きくなりました。重量級のゲームではヘッドセットとしていれば気にならないレベルですが、動画の出力やエンコードなどでは音が気になるかもしれません。
駆動音の計測結果(室温22℃)
電源オフ | 36.6dBA | - |
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待機中 | 42.7dBA | ファンの音が聞こえるがうるさくはない |
CINEBENCH R15実行時 | 71.3dBA | ビックリするほど音が大きい |
ALIENWARE AURORA R8のゲーム性能
試用機で使われていたGeForce RTX 2080の3Dベンチマークの結果は以下のとおり。3DMarkのFireStrikeではGeForce GTX 1080 Tiのほうが若干スコアが高いのですが、これはビデオメモリーの違いによるものでしょう。
今後発売される重量級ゲームを楽しみたいのなら、最新のRTXシリーズ (2070以上)がおすすめです。現在人気のゲームが中心でなおかつコスパを重視するのであれば、GTX 1070 / 1080あたりを選ぶといいでしょう。ローエンド~ミドルレンジのGTX 1050 Ti / 1060も選択肢として用意されていますが、ハイエンドなALIENWARE AURO R8で使うならGPUもハイエンドクラスを選ぶべきだと思います。
3D機能の性能比較 その1
GPU | 3DMark Fire Strikeのスコア |
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GTX 2080 Ti(11GB) |
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GTX 1080 Ti(11GB) |
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ALIENWARE AURORA R8(RTX 2080 8GB) |
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RTX 2070(8GB) |
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GTX 1080(8GB) |
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GTX 1070(8GB) |
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GTX 1060(6GB) |
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※ほかのGPUの結果は当サイト計測の平均値
3D機能の性能比較 その2
GPU | 3DMark Port Royalのスコア |
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RTX 2080 Ti |
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ALIENWARE AURORA R8(RTX 2080) |
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RTX 2070 |
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※ほかのGPUの結果は当サイト計測値
ゲーム系ベンチマークテストの結果は以下のとおりです。RTX 2080であれば、重量級ゲームでもフルHDの最高画質でも楽しめます。4K解像度ではタイトルによっては画質をかなり落とす必要がありそうです。
ゲーム系ベンチマーク結果
FF15 (DX11) ※重量級
|
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1920×1080 (フルHD) | 高品質 | 9113(とても快適) |
標準品質 | 12270(非常に快適) | |
軽量品質 | 14330(非常に快適) | |
3840×2160 (4K) | 高品質 | 4277(普通) |
標準品質 | 5144(やや快適) | |
軽量品質 | 7201(快適) | |
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) ※中量級
|
||
1920×1080 (フルHD) | 最高品質 | 17932(非常に快適) ※127.357 FPS |
高品質 | 18477(非常に快適) ※133.205 FPS | |
標準品質 | 21641(非常に快適) ※164.201 FPS | |
3840×2160 (4K) | 最高品質 | 7919(非常に快適) ※52.886 FPS |
高品質 | 9227(非常に快適) ※61.536 FPS | |
標準品質 | 16014(非常に快適) ※108.553 FPS | |
アサシンクリード オデッセイ (DX11) ※重量級
|
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1920×1080 (フルHD) | 最高 | 57 FPS |
中 | 90 FPS | |
低 | 93 FPS | |
3840×2160 (4K) | 最高 | 37 FPS |
中 | 55 FPS | |
低 | 62 FPS | |
Far Cry New Dawn (DX11) ※中量級
|
||
1920×1080 (フルHD) | 最高 | 101 FPS |
中 | 114 FPS | |
低 | 123 FPS | |
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー(DX12) ※重量級
|
||
1920×1080 (フルHD) | 最高 | 114 FPS |
中 | 121 FPS | |
最低 | 141 FPS |
※平均60FPS以上が快適に遊べる性能の目安
とことんこだわれる柔軟なカスタマイズが魅力
ということで、今回はALIENWARE AURORA R8のレビューをお届けしました。
このモデルの魅力は、豊富なカスタマイズオプションでとことん性能にこだわれる点です。特にひとつのモデルでGPUの選択肢をこれだけ用意しているモデルはなかなかありません。たとえばCore i9+64GBメモリー+2TB SSD&HDD+RTX 2080 2-way SLIなんて超絶ハイスペック構成も実現できます。もっとも、価格は80万円を超えますが……。
それはともかく、ALIENWARE AURORA R8はユーザーのこだわりを手軽に実現できるモデルです。パーツの組み合わせやパフォーマンスを重視したい人におすすめします。標準では8GBメモリー+HDDの構成なので、16GB以上のメモリーとSSD追加のアップグレードをお忘れなく!
※2019年3月15日時点。構成や価格は変更される場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください
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