デルのInspiron 17 3000 (7380)は、17.3インチの大画面ディスプレイを搭載したノートPCです。一般的な15.6インチに比べて画面が大きく、文字や写真を見やすいのが特徴。CPUやストレージの性能も高く、ノートPCをデスクトップPC代わりに使いたい人に向いています。
Inspiron 17 3000 (3780)の注目ポイント
画面が大きく映像がキレイ
画面サイズは17.3インチで、一般的な15.6インチよりもひと回り大きめ。文字やアイコン、ボタンが大きく表示されるので作業しやすい上に、発色にも優れています。
DVDの再生と書き込みが可能
光学ドライブとして、DVDスーパーマルチドライブを搭載。市販DVDの再生や、ファイルのバックアップ/DVDビデオの作成などに活用できます。
Inspiron 17 3000 (3780)の評価
総合評価: 3.4/5.0
(評者:こまめブログ)
デザイン | スタンダードなデザインながら、安っぽさはあまり感じられない |
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性能 | 高性能な第8世代Core i5 / i7搭載。SSD + HDD構成にも対応 |
使いやすさ | キー配列にややクセはあるがサイズは十分。端子類も充実 |
軽さ | 重さは実測で約2.7kg。ノートPCとしては重い |
画面 | IPSパネルを使った映像はキレイ。画面が大きいので見やすい |
こんな人にオススメ
- 👍 文字や写真が見やすいノートPCを使いたい
- 👍 DVDを使う機会が多い
- 👍 持ち運ばずに自宅や職場で使う
今回はメーカーからお借りしたInspiron 17 3000 (3780) の実機を使って、本体デザインや使い心地、ベンチマーク結果などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶価格
- ▶本体の大きさやデザイン
- ▶画面の色と見やすさ
- ▶キーボードの使いやすさ
- ▶端子類の種類と使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶ゲーム性能
- ▶まとめ
Inspiron 17 3000 (3780)
税込9万円台から
Inspiron 17 3000 (3780)のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
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CPU | ・Core i5-8265U ・Core i7-8565U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | ・1TB HDD ・128GB SSD (PCIe) + 1TB HDD |
グラフィックス | ・Intel UHD Graphics 620 ・Radeon 520 (2GB) |
ディスプレイ | 17.3インチ、 1920×1080ドット、 タッチ非対応、非光沢、IPS |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac、 Bluetooth 4.1、 100BASE-TX対応有線LAN |
インターフェース | USB3.1 Gen1 (フルサイズ) ×2、 USB2.0 ×1、 HDMI、 有線LAN、 SDカードスロット |
セキュリティー | TPM2.0、 セキュリティースロット、 マカフィーリブセーフ 12ヵ月版 |
カメラ | 92万画素 |
サイズ | 幅415.4×奥行き279.2×高さ25mm |
重量 | 約2.79kg |
バッテリー駆動時間 | ※非公開 |
オフィス | ※搭載モデルあり |
サポート | メーカー保証1年間 |
※2019年3月22日時点。構成は変更される場合があります
スペック上の注意点
- 有線LANの通信速度は最大100Mbps
- オフィス付きモデルに付属するのはOffice Personal 2019 ※エディションの変更可能
Inspiron 17 3000 (3780)の価格
Inspiron 17 3000 (3780)には、パーツ構成やオフィスの有無などが異なる複数のモデルが用意されています。主なラインナップは以下のとおり。タイミングによっては期間限定の特別モデルや、納期の早い「即納モデル」などが販売されていることもあります。
主なラインナップと価格の目安
プレミアム | |
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8万円前後~ | |
プレミアム・Office付 | |
9万円台~ | |
プレミアム 128GB SSD+1TB HDD | |
9万円台~ | |
プレミアム 128GB SSD+1TB HDD・Office付 | |
10万円台~ | |
プラチナ 128GB SSD+1TB HDD | |
10万円前後~ | |
プラチナ 128GB SSD+1TB HDD・Office付 | |
11万円台~ |
※2019年4月23日時点
Inspiron 17 3000 (3780)の本体の大きさやデザイン
Inspiron 17 3000 (3780)の特徴は、17.3インチの大型液晶ディスプレイを搭載している点です。ノートPCとしては標準的な15.6インチに比べて画面がひと回り大きく、そのぶん文字やアイコンが大きく表示されます。またソフトのボタンやメニューも大きく表示されるため、操作しやすいのもメリットです。
本体カラーはプラチナシルバーのみ。ボディの素材は樹脂 (プラスチック)ですが、特に安っぽすぎるというわけでもありません。デル製ノートPCらしい、スタンダードなデザインです。
大型の液晶ディスプレイが使われているため、本体サイズもかなり大きめです。サイズ感はA3サイズ (幅420×奥行き297mm)よりやや小さい程度。A4用紙を2枚並べた状態よりもひと回り小さいとイメージするといいでしょう。
ノートPCの平均重量
画面サイズ | 平均重量 |
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11.6インチ | 1.06kg |
12.5インチ | 1.095kg |
13.3インチ | 1.209kg |
14インチ | 1.582kg |
15.6インチ (スタンダード) | 2.131kg |
15.6インチ (ゲーミング) | 2.413kg |
17.3インチ | 2.814kg |
※2018年1月~12月に当サイトが検証したノートPC(2-in-1を含む) の実測値より
Inspiron 17 3000 (3780)の画面の色と見やすさ
画面サイズは17.3インチで、解像度は1920×1080ドット。標準時のデスクトップの拡大率は100%です。実際にWebページやソフトを見たところ文字は大きく表示され、見づらさは感じませんでした。
映像の色合いは美しく、色鮮やかです。色のメリハリがあり、写真や動画を閲覧したり加工したりするのにも向いています。文字もボンヤリとかすんで見えることはありません。
Inspiron 17 3000 (3780)の色域測定結果
sRGBカバー率 | 92.3% |
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sRGB比 | 99.2% |
Adobe RGBカバー率 | 71.5% |
Adobe RGB比 | 73.5% |
液晶ディスプレイの表面は、光沢なしのノングレア仕上げです。眼精疲労の原因となる映り込みが抑えられており、長時間の作業にも向いています。
Inspiron 17 3000 (3780)のキーボードの使いやすさ
キーボードはエクセルなどで数値入力に便利なテンキー付きで、バックライトには非対応です。キーピッチ (キーとキーの間隔)は横19mmで縦18mm。若干キーが横長ですが、入力時に違和感は感じませんでした。ただし一部のキーが小さいため、使い始めのうちはタイプミスがあるかもしれません。
キーのタイプ感は軽めです。キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測約1.5mmと標準的なのですが、押し込む力 (押下圧)が低く、スコッと抜けるように感じます。また入力時にたわみと底打ち感が感じられました。格安モデルのInspiron 15 3000シリーズと同じキーボードが使われているようです。
タイプ音は軽めに打っても、カチャカチャと聞こえます。強めに打つと音がけっこう目立ちました。全体的にキーボードの仕上がりは、あまりいいわけではありません。普通に入力できるものの、キーボードにこだわらない人向けです。
Inspiron 17 3000 (3780)の端子類の種類と使いやすさ
インターフェースは最新の技術には対応していないものの、普通に使える十分な構成です。光学ドライブを搭載しているので、DVDの再生や書き込みに対応している点が魅力。ただし有線LANは転送速度が最大100Mbpsで、1000Mbpsではない点に注意してください。
左側面のインターフェース
- ① 電源コネクター
- ② HDMI
- ③ 100BASE-TX対応有線LAN
- ④ USB3.1 Gen1
- ⑤ ヘッドセット端子
右側面のインターフェース
- ① SDカードスロット
- ② USB2.0
- ③ 光学ドライブ
- ④ セキュリティースロット ※盗難防止用
Inspiron 17 3000 (3780)のベンチマーク結果
今回のテストでは、プレミアム 128GB SSD+1TB HDDモデルを使いました。主なスペックは以下のとおり。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります。あらかじめご了承ください。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
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CPU | Core i5-8265U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 128GB SSD (PCIe) + 1TB HDD |
グラフィックス | Radeon、 520 (2GB) |
ストレージ性能
試用機で使われていた128GB SSDと1TB HDDのアクセス速度は以下のとおりです。SSDは高速なPCIe (NVMe)接続とは言え、シーケンシャルライトがHDD並みの速度でした。
試用機で使われていたのは東芝のBG3シリーズで公式スペックによるとシーケンシャルライトは1300MB/秒、シーケンシャルライトは600MB/秒のはずですが、速度があまり出ていません。とは言えウィンドウズの快適さに大きく影響するランダムアクセスはHDDよりもはるかに高速ですので、問題なく利用できるでしょう。ちなみにこのSSDの転送モードはPCIe 3.0 x2ですが、M.2スロットがより高速なPCIe 3.0 x4に対応しているかは不明です。
ウィンドウズの起動時間は、平均17.18秒でした。SATA接続SSD並みの速さですが、HDDのみの場合だと40秒以上かかることもあるので、起動はとても速いと考えていいでしょう。ウィンドウズの快適さを重視するなら、SSD搭載モデルをおすすめします。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
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17.3秒 | 17.2秒 | 16.9秒 | 17.3秒 | 17.2秒 | 17.18秒 |
CPU性能
試用機で使われていたCore i5-8565Uは第8世代 (Whisky Lake)の4コア/8スレッドCPUで、性能は高めです。Inspiron 17 3000 (3780)ではベンチマークテストの結果がやや低かったものの、2年前に使われていたCore i7-7500Uを大きく上回っています。ちょっとした写真加工や動画編集、高度なデータ処理などにも利用できるでしょう。普段使いには十分すぎる性能です。重い処理をより快適に行ないたいなら、Core i7-8565U搭載モデルをおすすめします。
CPUベンチマーク結果
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
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Core i7-8565U |
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Core i7-8550U |
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Core i5-8250U |
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Inspiron 17 3780 (Core i5-8265U) |
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Core i7-7500U |
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Core i3-8130U |
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Core i5-7200U |
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Core i3-7100U |
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※そのほかのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
Inspiron 17 3000 (3780) のゲーム性能
Inspiron 17 3000 (3780)の一部のモデルでは、専用グラフィックス機能としてAMD Radeon 520が使われています。
ただし専用グラフィックス機能と言っても、性能はごく控えめ。3D性能を計測するベンチマークを試したところ、CPU内蔵のグラフィックス機能であるIntel UHD Graphics 620よりもちょっといい程度の結果でした。ゲームを本格的にプレーするにはパワーがまったく足りません。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strikeのスコア |
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GeForce MX150 |
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GeForce MX130 |
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Inspiron 17 3780 (Radeon 520) |
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UHD 620 (Core i7) |
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UHD 620 (Core i5) |
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※そのほかのGPUのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
ではなぜこのような機能が使われているかと言うと、Radeon 520に搭載されている2GBのビデオメモリーを利用することで、グラフィックス処理時におけるメインメモリーの消費量を減らすためです。たとえば外付けディスプレイを接続して2画面で利用する際などに効果を発揮します。クリエイティブ系ソフトの処理が体感できるほど改善されるわけではありません。
ゲームについても高い効果は期待できないものの、ごく軽めのゲームや2D描画主体のゲームなら快適にプレーできるでしょう。たとえばドラクエ10やLeague of Legendsなどなら、問題ありません。しかしフォートナイトやFF14など高いグラフィックス性能を必要とするタイトルではかなり厳しそうです。
ゲーム系ベンチマーク結果
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) ※中量級
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1980×1080 | 最高品質 | 1002(設定変更が必要) ※5.975 FPS |
高品質(ノートPC) | 1575(設定変更を推奨) ※9.949 FPS | |
標準品質(ノートPC) | 2438(普通) ※16.008 FPS | |
ドラゴンクエストX(DX9) ※軽量級
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1920×1080 | 最高品質 | 3737(普通) |
標準品質 | 5098(快適) | |
低品質 | 6014(快適) |
※FF14は平均60FPS以上が理想
バッテリー性能
Inspiron 17 3000 (3780)では、バッテリー駆動時間が公開されていません。そこで実際のバッテリー駆動時間を計測したところ、バッテリー消費の少ないテストでは5時間58分、バッテリー消費がかなり大きいテストでは4時間という結果でした。それほど長持ちするわけではありませんが、そもそも持ち運び向きのモデルではないため気にする必要はありません。
バッテリー駆動時間のテスト結果
公称値 | ※非公開 |
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BBenchによる計測 | 5時間58分 |
PCMark 8による計測 | 4時間 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
デスクトップPC代わりのノートPCに最適
ということで、今回はInspiron 17 3000 (3780)のレビューをお届けしました。
やはり特筆すべきは、画面の見やすさです。文字やアイコンが大きく表示されるので作業しやすいというだけなく、映像品質にも優れています。発色の良さを活かして、写真や動画の加工/編集に使うのもいいでしょう。メモリー容量が8GBなので本格的な映像制作には容量不足ですが、ちょっとした趣味のレベルであれば問題ありません。さらにSSD + HDDの両対応モデルであれば、容量不足や待ち時間の長さで困る場面も少ないはず。大きな画面でじっくりと作業したい人におすすめします。