レノボのIdeapad C340 (15)は、15.6インチの液晶ディスプレイを搭載した2-in-1タイプのノートPCです。
最大の特徴は価格が超安い点。タブレットとしても使える上に画面は大きくて見やすく、さらに高性能なCPUと高速なSSDを搭載しています。それでいて値段は税込5万円台半ばからと、他を圧倒する安さ。ぶっちゃけ、大型2-in-1はもうこれでいいんじゃないでしょうかね。
注目ポイント
- 色鮮やかなIPSパネルを使用
- 手書き入力用のペンが標準付属
- 10秒以内の高速起動
- 指紋センサー標準搭載
今回はメーカーからお借りしたIdeaPad C340 (15)の実機を使って、デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
※2019年8月10日時点。値段はタイミングで変わるため、最新価格は公式サイトでご確認ください
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IdeaPad C340 (15)のスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i3-8145U ・Core i5-8265U ・Core i7-8565U |
メモリー | ・4GB ・8GB |
ストレージ | ・128GB PCIe SSD ・256GB PCIe SSD ・512GB PCIe SSD |
グラフィックス | UHD 620 |
幅×奥行き | 364×250mm |
厚さ | 20.5mm |
重量 | 約2.0kg |
バッテリー | 約14時間 |
※2019年8月10日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | プラチナ |
---|---|
画面の表面 | 光沢 |
パネルの種類 | IPSパネル |
光学ドライブ | ー |
テンキー | ー |
有線LAN | ー |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.1 |
USB3.1 | ー |
USB3.0 | 2 |
USB2.0 | ー |
USB Type-C | USB3.0×1 |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | あり |
オフィス | ※付属モデルあり |
デザインと使いやすさ
安いのに完成度の高い仕上がり
IdeaPad C340 (15)は税込5~8万円台の15インチタイプノートPCですが、一般的にこのクラスの機種はデザインがそれほどいいわけではありません。通常はボディの素材が樹脂 (プラスチック)で高級感に乏しく、本体は大きい上に厚みがあってヤボったく感じることもあります。
しかしIdeaPad C340 (15)は同価格帯の他社製品と比べて、デザイン面では圧倒的に勝っています。本体はコンパクトな上に見た目の良さも上々。一部は樹脂製ですが、安っぽさは感じられません。また本来であれば2-in-1タイプは厚みと重さが増すのですが、一般的なノートPCとほぼ同じ。なぜこの値段でこれだけのクオリティーを実現できるのか、疑問に感じるほどです。
大きさは幅364×奥行き250mmで、B4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりもちょっぴり小さい程度。一般的なB5サイズのノートを見開きにした大きさと考えれば、サイズ感をイメージしやすいでしょう。高さは20.5mmで、普通の15インチノートPCと変わりません。重さも2.0kgでほぼ同じくらいです。
IPSパネルを使った鮮やかなフルHDディスプレイ
液晶ディスプレイのサイズは人気の高い15.6インチで、解像度は1920×1080ドットです。5~8万円台のノートPCには解像度が1366×768ドットの機種もありますが、それらに比べてデスクトップを広く使えるぶん作業効率が上がります。
液晶ディスプレイには、発色に優れるIPSパネルが使われています。格安モデルで使われているTNパネルに比べて、メリハリがあって自然な色合いが特徴。写真や動画を楽しむのに向いています。
画面の明るさは、実測値で281nitでした。公式スペックには明記されていませんが、想定値としては250nitあたりでしょうか。IPSパネルでは300nitあたりが平均的ですのでIdeaPad C340 (15)はやや暗く感じますが、特に気になるほどではありません。作業や動画視聴には十分な明るさです。
普通に使える手書きペン
IdeaPad C340 (15)には、標準で手書き入力用のアクティブペンが付属します。2-in-1タイプにはペンが別売りの場合が多いのですが、これだけ安いのにペン付きなのは驚きです。
ペンのスペックについては公開されていないため、筆圧感知が何段階なのかは不明です。ただ実際に使ってみたところ、おそらく1024段階あたりだろうと感じました。本格的なイラスト制作には向きませんが、ちょっとしたメモやマウス代わりの操作には十分です。
ユニークなのは、USB端子に挿して使えるペンホルダーが付いている点です。ペンを挿し込むための穴が上と側面に付いているので、ペンを立てたり寝かせたまま収納することができます。
15インチでもテンキーはなし
IdeaPad C340 (15)のキーボードには、テンキーがありません。普通の15インチタイプには付いているのですが、おそらく本体の小ささと強度を重視したため省略されているのでしょう。
キーピッチ (キーとキーの間隔)は19mmと十分なサイズで、入力時に窮屈さを感じません。ただEnterキー周辺で一部のキーが隣接しており、慣れないうちはタイプミスが何度かありました。またカーソルキーの上下がかなり小さい点もちょっと残念です。
キーのタイプ感は悪くありません。ストローク (キーを押し込む深さ)は1.3~1.4mm程度と浅い (平均は1.5mm)のですが、クリック感や押し込みが固いので手応えはしっかりしています。ただ軽いタッチでタイプする人には、少し重く感じるかもしれません。
タイプ音はとても静かです。強く叩くとトントンと音が聞こえますが、軽いタッチであれば音は気になりませんでした。
端子類は少ないが必要十分な構成
周辺機器接続用の端子 (インターフェース)類は多くありません。しかし手に取って使うことが多い2-in-1タイプであれば、必要十分な構成と言えるでしょう。
USB端子は合計3ポート (うち1ポートはType-C)です。フルサイズのSDカードにも対応しているため、デジカメ写真のインポートも可能です。有線LANと光学ドライブには対応していない点に注意してください。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | C340 – プラチナ |
---|---|
OS | Windows 10 Home |
CPU | Core i5-8265U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD (PCIe) |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 (CPU内蔵) |
CPU性能
IdeaPad C340 (15)では、インテルの第8世代Core iプロセッサーが使われています。Core i5搭載の試用機でCPU性能を計測するベンチマークを試したところ、Core i7-8565Uの平均を上回る結果となりました。
CPUは高熱によって性能が大きく変わるため、IdeaPad C340 (15)は熱を抑えることでCPUの性能をうまく引き出しているのかもしれません。ただしテストで使った試用機の機嫌がたまたま良かったという可能性もあります。
CPUベンチマーク結果
名称 | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
IdeaPad C340 (Core i5-8265U) |
9847
|
Core i7-8565U |
9672
|
Core i5-8265U |
8595
|
Core i7-7500U |
5564
|
Core i3-8145U |
5549
|
Core i5-7200U |
4948
|
Celeron N4000 |
1554
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPU選びの目安
Celeron | ・Webページを見る ・ネット動画の視聴 ・ごく簡単な文書作成 |
---|---|
Core i3 | ・事務処理 ・文字中心の資料作成 ・写真の簡単な加工 |
Core i5 | ・写真や画像の加工 ・データ処理 ・画像入り資料の作成 |
Core i7 | ・プロ用ソフトの利用 ・大規模なデータ処理 ・企業向け機能の利用 ・小規模な動画編集 |
ストレージ性能
試用機では256GBのSSDが使われていました。接続方式はPCIe 3.0 x4の爆速タイプで、アクセス速度を計測するテストでも、非常に優れた結果が出ています。
ただしSSDは容量が大きいほどアクセス速度が向上する特性があるため、128GB SSDの下位モデルでは少し結果が異なるかもしれません。
起動時間
ウィンドウズの起動時間を計測したところ、平均9.02秒と非常に高速でした。SSD搭載機種なら速くても13秒程度、平均では17秒程度ですので、非常に優れています。電源を入れたらパッとついてスグに使えるのは魅力です。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 9.4秒 |
---|---|
2回目 | 8.9秒 |
3回目 | 8.8秒 |
4回目 | 9.0秒 |
5回目 | 9.0秒 |
平均 | 9.02秒 |
3Dグラフィックス性能
ゲームに強く影響する3Dグラフィックス性能はごく控えめです。CPU内蔵のグラフィックス機能としては標準的ですが、ゲーム用GPUとしては下位クラスのGTX 1050 / 1650と比べると大きく劣ることがわかります。ゲームでの利用は基本的に考えないほうがいいでしょう。
GPUの性能比較
CPU | 3DMark Fire Strikeスコア |
---|---|
GTX 1650 |
7974
|
GTX 1050 |
5176
|
MX250 |
3261
|
MX150 |
3091
|
MX130 |
1952
|
Radeon 530 |
1605
|
Radeon 520 |
1456
|
UHD 620 (Core i7-8565U) |
1162
|
IdeaPad C340 (UHD 620、Core i5) |
1076
|
UHD 620 (Core i5-8265U) |
1061
|
※そのほかのスコアは2019年8月時点での当サイトの平均値
ゲーム系ベンチマーク結果
3Dグラフィックス性能は低いとは言え、ドラクエ10などのごくごく軽めのゲームであれば画質や解像度を調整すれば快適に楽しめるという結果が出ました。ちょっと重めのゲームはかなりカクつきそうです。
FF14:漆黒のヴィランズ (DX11) ※中量級
|
||
---|---|---|
フルHD | 最高品質 | 1122(設定変更が必要) ※6.80 FPS |
高品質 | 1632(設定変更を推奨) ※10.44 FPS | |
標準品質 | 2302(普通) ※14.82 FPS | |
ドラゴンクエストX(DX9) ※軽量級
|
||
1920×1080 | 最高品質 | 4864(普通) |
標準品質 | 6385(快適) | |
低品質 | 7550(とても快適) |
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間は公称値で14時間とされています。当サイトの計測方法で実際の駆動時間を計測したところ、最長で13時間という結果でした。公称値には及ばなかったものの、メーカーのテストとは検証方法が異なるため、ある程度の差が出るのは仕方がないでしょう。
ただしBBenchのテストではバッテリー消費量が少ないため、実際の利用では駆動時間が短縮される可能性があります。バッテリー消費が非常に大きいPCMark 8のテストでは5時間24分でしたので、あいだを取って8~9時間といったところでしょうか。モバイルノートPCと比べると長くはありませんが、持ち歩かない大型の15インチタイプとしてはかなり優秀です。
バッテリー駆動時間のテスト結果
公称値 | 14時間 |
---|---|
BBenchによる計測 | 13時間 |
PCMark 8による計測 | 5時間24分 |
フル充電までにかかった時間 | 2時間2分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
価格について
IdeaPad C340 (15)には複数のモデルが用意されていますが、ベースとなるのは以下の3種類です。それぞれCPUの種類やメモリー容量、ストレージ構成などが異なります。またそれぞれにオフィス付きモデルやSSD増量モデルなどが用意されています。
ラインナップ
Core i3モデル | Core i5モデル | Core i7モデル |
---|---|---|
Core i3-8145U | Core i5-8265U | Core i7-8565U |
4GB | 8GB | 8GB |
128GB SSD | 256GB SSD | 512GB SSD |
1920×1080 (IPS) | ||
税込5万5037円 | 税込6万7198円 | 税込8万5288円 |
※2019年8月10日時点
もっとも安いのはCore i3モデルですがメモリー容量が4GBと少なく、処理の待ち時間が多少長く感じるかもしれません。それよりはCore i5搭載でメモリーとSSDの容量が倍の中位モデルのほうがおすすめです。実際に今回の検証で使いましたが、ストレスなく利用できました。
さらに上位のCore i7モデルですが、SSDの容量が512GBと非常に大きい点がポイントです。しかしCore i5から性能が劇的に変わるわけではなく、さらに重い処理に8GBメモリーはやや不安があります。少しでも速いほうがいいのであればアリですが、普通に使うぶんにはCore i5モデルが適しているでしょう。重い作業に使いたいときは、16GB以上のメモリーを搭載できる機種がおすすめです。
超絶コスパの15インチ2-in-1
15インチタイプの2-in-1ノートPCは、他社メーカーからも発売されています。しかし同スペックのモデルで値段を比較すると、IdeaPad C340 (15)は圧倒的に安いことがおわかりいただけるでしょう。なぜこんな値段で販売できるのか、謎のレベルです。
15インチ2-in-1の比較 (Core i5モデル)
IdeaPad C340 (15) | Inspiron 15 5000 2-in-1 | HP ENVY 15 x360 |
---|---|---|
Core i5-8265U | Core i5-8250U | |
8GBメモリー | ||
256GB SSD | 256GB SSD + 1TB HDD | |
ペン付属 | ペン別売り | ペン付属 |
幅364mm 奥行き250mm 高さ20.5mm |
幅363.86mm 奥行き250mm 高さ19.95mm |
幅359mm 奥行き245mm 高さ19~20mm |
約2.0kg | 約2.012kg | 約2.11kg |
13時間駆動 | 8時間38分駆動 | 8時間26分駆動 |
6万7198円 | 11万3813円 | 12万1068円 |
※2019年8月10日時点
安いからと言ってパフォーマンスが低かったり、品質が劣るということはまったくありません。むしろ、他社の機種よりも優れている点がたくさんあります。高いグラフィックス性能や16GB以上のメモリーが必要ないのであれば、もうこれで決まりでしょう。高すぎるコスパで、迷いなくおすすめできる機種です。
2-in-1じゃなくて画面が回転しない普通のノートPCが欲しいなら、IdeaPad S540 (15)がおすすめです。最安のCore i3モデルは5万0544円で、Core i5 + 8GBメモリー + 256GB SSDのモデルは6万4022円と、さらに安い価格で販売されています。
関連記事
👉IdeaPad S540 (15)のセール価格情報
ホント、最近のレノボって価格設定がおかしいですよね……。
※2019年8月10日時点。値段はタイミングで変わるため、最新価格は公式サイトでご確認ください
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