ASUSのROG Strix G G531GT (G531GT-I5G1650F)は、スタイリッシュなデザインが特徴のゲーミングノートPCです。ユニークなのは標準でOffice Home and Business 2019が付属する点。ここ1~2年で徐々に広まりつつある「ゲーミング&ビジネス」のカテゴリーに属するモデルです。
ゲーム用だけあって性能は高く、仕事での重い処理にも最適。ノートPCをゲームと仕事の両方で使いたい人におすすめします。
今回はメーカーからお借りしたROG Strix G G531GTの実機を使って、デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
※2019年7月3日時点。現在の価格は公式サイトでご確認ください
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ROG Strix G G531GTのスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | Core i5-9300H |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD ※PCIe 3.0 x2 |
グラフィックス | GTX 1650 (4GB) |
幅×奥行き | 360×275mm |
厚さ | 25.8mm |
重量 | 約2.395kg |
バッテリー | 約5.3時間 |
※2019年7月3日時点
OS | Windows 10 Home |
---|---|
本体カラー | ブラック |
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | ※不明 |
タッチ / ペン | 非対応 |
光学ドライブ | ー |
テンキー | ー |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.1 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 3 |
USB2.0 | - |
USB Type-C | ー |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | ー |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | ー |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | ー |
オフィス | Office Home and Business 2019 |
今回取り上げるのはオフィス付きのROG Strix G G531GT (G531GT-I5G1650F)ですが、同じROG Strix G G531シリーズのラインナップとしてオフィスなしでRTX 2070 / 2060、GTX 1660Ti搭載のモデルも用意されています。詳しくは以下のリンクから、公式サイトをご確認ください。
リンク
👉ASUS ゲーミングPC「ROG」シリーズ (ASUSストア)
ベンチマーク結果
3Dグラフィックス性能
ROG Strix G G531GTはゲーミング&ビジネス向け、つまり「ゲームも仕事も両方できる」モデルということもあり、GPU (グラボ)にはエントリー向けのGeForce GTX 1650 (4GB)が使われています。ミドルレンジのGTX 1660 Tiやハイエンド向けのRTX 2070などに比べると性能は控えめ。しかしベンチマークテストでは前世代のエントリー向けであるGTX 1050 / 1050 Tiを大きく上回っています。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark FireStrikeスコア |
---|---|
RTX 2070 |
17333
|
GTX 1070 Max-Q |
13461
|
RTX 2060 |
13121
|
GTX 1660Ti |
13099
|
GTX 1060 |
10100
|
ROG Strix G G531GT (GTX 1650) |
8215
|
GTX 1050 Ti |
6660
|
GTX 1050 |
5375
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ゲーム系ベンチマーク結果
個別タイトルごとのベンチマークテストを実施したところ、重いゲームではやや厳しい結果となりましたが、FF14などの中量級クラスでは最高画質でも快適という評価です。エントリー向けでありながら3~4年前のハイエンドクラスの性能を発揮できます。
FF15 (DX11) ※重量級
|
||
---|---|---|
1920×1080 (フルHD) | 高品質 | 3719(普通) |
標準品質 | 5127(やや快適) | |
軽量品質 | 5988(やや快適) | |
FF14:漆黒のヴィランズ (DX11) ※中量級
|
||
フルHD | 最高品質 | 9170(非常に快適) ※63.32813 FPS |
高品質 | 10743(非常に快適) ※79.70026 FPS | |
標準品質 | 11844(非常に快適) ※96.34359 FPS | |
ドラゴンクエストX(DX9) ※軽量級
|
||
フルHD | 最高品質 | 16376(すごく快適) |
標準品質 | 16773(すごく快適) | |
低品質 | 17694(すごく快適) | |
アサシンクリード オデッセイ (DX11) ※重量級
|
||
フルHD | 最高 | 25 FPS |
中 | 48 FPS | |
低 | 53 FPS | |
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー(DX12) ※重量級
|
||
フルHD | 最高 | 44 FPS |
中 | 54 FPS | |
最低 | 66 FPS |
※平均60FPS以上が快適に遊べる性能の目安
フォートナイト
フォートナイトを実際にプレーしてFPS(描画速度の目安)を計測したところ、最高画質でも平均70.21FPSと、快適に遊べる目安 (平均60FPS)をクリアーしています。カクついてプレーが不利になることはありません。エントリー向けとしては非常に優秀な結果です。
フォートナイトFPS計測結果
画質 | 平均FPS | 最低FPS |
---|---|---|
エピック(最高画質) | 70.21 FPS | 61 FPS |
高 | 84.01 FPS | 69 FPS |
中 | 115.6 FPS | 89 FPS |
低(最低画質) | 143.95 FPS | 114 FPS |
PUBG
PUBGでは最高画質では平均60FPSを下回ってしまいましたが、画質を調整すれば快適に楽しめます。安定した状態でプレーするなら、中画質程度に変更したほうがいいでしょう。
PUBG FPS計測結果
画質 | 平均FPS | 最低FPS |
---|---|---|
ウルトラ(最高画質) | 57.11 FPS | 47 FPS |
高 | 62.83 FPS | 56 FPS |
中 | 71.01 FPS | 61 FPS |
低 | 78.71 FPS | 66 FPS |
非常に低い(最低画質) | 94.46 FPS | 64 FPS |
リーグ・オブ・レジェンド
リーグ・オブ・レジェンド (LoL)は動作が軽いため、それほど高い性能は必要ありません。トレーニングモードでFPSを計測したところ、最高画質でも150.16FPSと十分すぎる結果でした。対戦プレーでの混戦状態でも処理落ちすることはないでしょう。
リーグ・オブ・レジェンド計測結果
画質 | 平均FPS | 最低FPS |
---|---|---|
最高画質 | 150.16 FPS | 138 FPS |
CPU性能
CPUには、第9世代のCore i5-9300Hが使われています。ワンランク上のCore i7-9750Hに比べると性能は劣りますが、モバイル / スタンダードノートPC向けのCore i7-8565Uを大きく上回ります。特に重い処理では一般向けのノートPCよりもはるかに有利です。
CPUの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-9750H |
2686
|
Core i7-8750H |
2625
|
ROG Strix G G531GT (Core i5-9300H) |
2041
|
Core i7-8565U |
1193
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ストレージ性能
ストレージとして使われているSSDはPCIe 3.0 x2接続の高速タイプで、容量は512GB。大作ゲームを何十本もインストールするのには向いていませんが、ちょっと重めの仕事やゲームを数本インストールするには十分でしょう。
CPUの温度について
ROG Strix G G531GTには、ボタン操作で空冷ファンの動作モードを変更できます。用意されているモードは「サイレント」と「バランス」、「Turbo」の3種類。このうちTurboモードを選択するとGPUの動作クロックも上昇し、より快適に動作するようになるのです。
以下のグラフは、もっともパフォーマンスの高い「Turbo」モードでFF15ベンチを30分間実行したときのCPUクロックとCPU温度を表わしたもの。Core i5-9300Hの最大クロックは4.10GHz (1コア動作時)であるのに対し、平均クロックはほぼ一定で4.0GHz前後を推移しています。
またCPUの最大温度は一時的に90度近くに達することはあるものの、平均としては76.7度とかなり低め。この程度なら、熱によるパーツの劣化や不具合の心配はないでしょう。冷却性能は非常に優秀で、CPUの性能を長時間最大限に引き出していると言えます。
駆動音計測結果
本体の冷却性能は優秀ですが、そのぶん駆動音 (ファンの回転音や通風孔からの排気音)は大きめです。しかしゲーミングヘッドセットを使えば音はほとんど気になりません。最近のゲームでは音の出る方向でターゲットの位置を把握したほうがプレーを有利に進められるので、ゲーミングヘッドセットの着用を強くおすすめします。
駆動音の計測結果 (室温23.8℃)
電源オフ | 37.3dBA | - |
---|---|---|
待機中 (サイレント) | 38.2dBA | けっこう静かだが、ファンの回転音がわずかに聞こえる |
待機中 (バランス) | 40.9BA | 排気音と甲高い回転音が少し聞こえる |
待機中 (Turbo) | 40.8dBA | 同上 |
FF15ベンチ (サイレント) | 38.5dBA | けっこう静かだが、ファンの回転音がわずかに聞こえる |
FF15ベンチ (バランス) | 45.2dBA | 排気音がやや大きい |
FF15ベンチ (Turbo) | 48.9dBA | 排気音がけっこう大きく、甲高い回転音も聞こえる |
デザインと使いやすさ
左右非対象の先進的なデザイン
ROG Strix G G531GTの本体は非常にスタイリッシュです。ボディは樹脂 (プラスチック)製ですが、造形や表面処理が凝っているため安っぽさはまったく感じられません。キーボードや底面部が光るのでビジネスシーンではちょっとハデかなという印象ですが、LEDイルミネーションを無効化すれば問題ないでしょう。
一般的な60HzのフルHDディスプレイ
液晶ディスプレイはゲーミング向けとしては一般的な15インチのフルHD (1920×1080ドット)です。パネル名を確認したところどうやらIPSパネルっぽいのですが、真偽は不明です。確かにIPSパネルのように自然な色合いではあるものの、視野角が若干狭く感じました。と言っても、ゲームには関係ないので気にする必要はないでしょう。
キーボードはNキーロールオーバー対応
キーボードはしっかりとゲーミング仕様です。テンキーには非対応であるものの、配列は標準的で違和感がありません。Enterキーの右に特殊キーが縦に並んでいますが、押し間違えることはありませんでした。
公式にはNキーロールオーバー (すべてのキーの同時押しを認識)とのことですが、実際にキーを押して調べたところ30キーあたりで認識されないことがありました。とは言え、これだけの同時押しが認識されるのであれば、問題はないでしょう。またキーの誤認識を防ぐアンチゴースト機能にも対応しており、Fnキー+「@」または「[」キーの同時押しで有効 / 無効を切り替えられます。
ユニークなのは、タッチパッドをテンキー代わりに使える点。タッチパッドの角を操作するだけで、テンキーモードに変わります。
インターフェース類はやや少なめ
主な端子はUSB3.0×3、HDMI、有線LANなど。ゲーミングPCとしては必要最低限といったところです。USB端子が左側のみなので、ゲーミングマウスを使う場合だと左利きの人は端子がジャマに感じるかもしれません。
なおSDメモリーカードスロットとWebカメラは非対応である点に注意してください。
ゲームと仕事をしっかり両立したい人に
ゲーミング&ビジネス向けのノートPCには、2種類のアプローチがあります。ひとつはビジネス向けモデルにGPUを追加してゲーミング性能を強化したもの、そしてもうひとつはゲーミングPCにビジネス向けの機能 / ソフトを追加したものです。
どちらも同じもののように思えるかもしれませんが、冷却性能やキーボード / 液晶ディスプレイが若干異なります。ゲーミングPCをベースにしたほうが、耐久性や操作性の面で有利なのです。
ROG Strix G G531GTのスペックはエントリー向けですが、ハイエンドモデルと同等のパーツが使われているため、ゲーミングPCとしての仕上がりに優れています。またエントリー向けとは言っても一般用途向けのスタンダードノートPCよりははるかに高性能ですので、重い処理でも快適にこなせるでしょう。仕事をバッチリこなしつつ、ゲームもガッツリ楽しみたい人におすすめのモデルです。
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