レノボのLegion Y540 (17)は、17.3インチの大型液晶ディスプレイを搭載するゲーミングノートPCです。高リフレッシュレートのディスプレイやアンチゴースト対応キーボードなどゲーマー向けの機能を備えながらも、価格は税込11万円台からと非常に安いのが魅力。パーツカスタマイズに対応している点もポイントです。
今回はメーカーからお借りしたLegion Y540 (17)の実機を使って、デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶ベンチマーク結果
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶価格とおすすめ構成
- ▶まとめ
※2019年9月18日時点。価格や構成は変更される場合があります
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Legion Y540 (17)のスペック
画面サイズ | 17.3インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i5-9300H ・Core i7-9750H |
メモリー | ・8GB ・16GB ・32GB |
SSD | ・256GB ・512GB ・1TB |
HDD | ・なし ・1TB ・2TB |
グラフィックス | ・GTX 1650 ・GTX 1660 Ti ・RTX 2060 |
幅×奥行き | 399.8×290mm |
厚さ | 25mm |
重量 | 最大2.84kg |
バッテリー | 約6.4~7時間 |
※2019年9月18日時点。構成は変更される場合があります
リフレッシュレート | 144Hz |
---|---|
表面処理 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
光学ドライブ | ー |
テンキー | あり |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
USB3.1 | ー |
USB3.0 | 3 |
USB2.0 | ー |
USB Type-C | 1 (USB3.0) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | ー |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | 2 (Mini / Type-C) |
Webカメラ | 720p (92万画素相当) |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | ー |
なおLegion Y540 (17)は全モデルで英語版のWindows 10が搭載されており、キーボードは英字配列です。英語版のWindows 10は「設定」から日本語に変更できます。
ベンチマーク結果
まずはLegion Y540 (17)の性能について紹介します。検証で使った試用機のスペックは以下の表のとおり。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがある点をあらかじめご了承ください。
試用機のスペック
モデル名 | ブラック (81Q4002SJE) ※最上位モデル |
---|---|
CPU | Core i7-9750H |
メモリー | 16GB |
SSD | 1TB SSD |
HDD | なし |
グラフィックス | GTX 1660 Ti |
税込価格 | 16万9206円 |
3Dグラフィックス性能
Legion Y540 (17)ではGPU (グラボ)として、GeForce GTX 1650 / 1660 TiおよびRTX 2060が用意されています。RTX 2060はパフォーマンスモデル (GTX 1660 Ti搭載)のカスタマイズオプションとして用意されており、追加料金を支払うことでGPUのアップグレードが可能です。
試用機で使われているGTX 1660 Tiは、ミドルレンジ (中位クラス)のGPUです。ハイエンド (上位クラス)向けのRTX 2070 / 2080よりもパフォーマンスは低いものの、人気ゲームを楽しむには十分。ほかのモデルで使われているGTX 1650はエントリー (下位クラス)のGPUで、それほど重いゲームをプレーしない人向けです。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 2070 |
19807
|
RTX 2080 Max-Q |
19700
|
RTX 2070 Max-Q |
17147
|
GTX 1070 |
16999
|
RTX 2060 |
14658
|
Legion Y540 (GTX1660Ti) |
14410
|
GTX 1660 Ti |
14300
|
GTX 1060 |
11442
|
GTX 1650 |
9039
|
GTX 1050 Ti |
7594
|
GTX 1050 |
6008
|
UHD 630 |
1176
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
カスタマイズオプションとして用意されているRTX 2060ですが、ベンチマークテストの結果はGTX 1660 Tiとあまり変わりません。RTX 2060はレイトレーシングによる超リアルな映像に対応していますが、そこまで必要ないならGTX 1660 Tiで十分でしょう。
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲーム系ベンチマークや実際のプレーにおけるFPS (画面の滑らかさを表わす目安)計測結果は以下のとおりです。処理の重い重量級のゲームでもGTX 1660 Ti搭載ならフルHDの高画質で楽しめます。
人気のバトロワ系ゲームやFPS / TPSでは80~100FPS程度出ており、高リフレッシュレート対応ディスプレイによるなめらかな動きでプレーを楽しめます。しかしさらになめらかな120~144FPSあたりを狙うには、画質をグッと落とさなければなりません。このあたりがGTX 1660 Tiの限界と言えるでしょう。あくまでも高画質で高FPSを狙うなら、RTX 2070以上のモデルをおすすめします。
なおGTX 1650では、さらにFPSが落ちます。軽量~中量級のタイトルなら問題なくプレーできますが、GTX 1660 Tiほど動きは滑らかではありません。
GTX 1660 Ti / 1650の性能差
GTX 1660 Ti | GTX 1650 | |
---|---|---|
フォートナイト ※フルHD 最高画質 |
90~100 FPS | 60~70 FPS |
PUBG ※フルHD 最高画質 |
80~90 FPS | 50~60 FPS |
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 5600 / やや快適 |
標準品質 | 7705 / 快適 |
軽量品質 | 9829 / とても快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 13777 / 非常に快適 /95FPS |
高品質 | 15685 / 非常に快適 / 118.5FPS |
標準品質 | 17864 / 非常に快適 / 149.9FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 21418 / すごく快適 |
標準品質 | 21545 / すごく快適 |
低品質 | 22651 / すごく快適 |
リーグ・オブ・レジェンド (超軽量級 / DX9)
モード | 平均FPS / 最低FPS |
通常 | 267.1 FPS / 216 FPS |
TFT | 123 FPS / 100 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
フォートナイト (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 98.7 FPS / 83 FPS |
高 | 119.7 FPS / 104 FPS |
中 | 209.7 FPS / 183 FPS |
低 | 267.5 FPS / 183 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
PUBG (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 91.7 FPS / 77 FPS |
高 | 113.6 FPS / 99 FPS |
中 | 123.8 FPS / 105 FPS |
低 | 136.1 FPS / 123 FPS |
非常に低い | 147.6 FPS / 123 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
オーバーウォッチ (軽量級 / DX10)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 83.3 FPS / 72 FPS |
ウルトラ | 112.5 FPS / 99 FPS |
高 | 131.8 FPS / 117 FPS |
NORMAL | 161.9 FPS / 125 FPS |
低 | 233.7 FPS / 192 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
エーペックスレジェンズ (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高設定 | 113.1 FPS / 123 FPS |
最低設定 | 143.8 FPS / 143 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
アサシンクリード オデッセイ (超重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 49 FPS / 19 FPS |
中 | 78 FPS / 18 FPS |
低 | 88 FPS / 22 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー (重量級 / DX12)
画質 | 平均FPS |
最高 | 67 FPS |
中 | 79 FPS |
最低 | 118 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ゴーストリコン ワイルドランズ (重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 45.37 FPS / 32.97 FPS |
中 | 84.81 FPS / 73.12 FPS |
低 | 116.48 FPS / 94.34 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ファークライ ニュードーン (中重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 79 FPS / 62 FPS |
中 | 91 FPS / 75 FPS |
低 | 99 FPS / 82 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
CPU性能
CPUには第9世代のCore i5-9300HとCore i7-9750Hが使われています。試用機でCPUのベンチマークテストを行なったところ、平均値をわずかに上回る結果となりました。特に熱などでパフォーマンスが落ちるようなことはないようです。
Core i7-9750Hは現時点 (2019年9月)ではノートPC向けとしては最高クラスの性能です。ゲームはもちろん、動画編集や写真加工、高度なデータ処理などにも活用できるでしょう。
ゲームだけが目的であれば、Core i5-9300HでもOKです。Core i7-9750Hに比べてゲームのパフォーマンスは多少下がりますが、体感的に大きく変わるほどではありません。コストを安く抑えたいならアリです。
CPUの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Legion Y540 (Core i7-9750H) |
2726
|
Core i7-9750H |
2693
|
Core i7-8750H |
2215
|
Core i5-9300H |
1947
|
Core i7-8565U |
1193
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ストレージ性能
試用機では1TB SSDが使われていました。PCIe 3.0 x4の超高速タイプで、ファイルのアクセスは激速です。ただしSSDは容量が大きいほどアクセス速度が増す特性があるため、256 / 512GBのSSDでは多少変わるかもしれません。
モデルによっては256GB SSDのみ搭載されているものもありますが、複数のゲームをインストールするには容量面でちょっと不安があります。できればゲームインストール用に1TB HDDを追加するか、512GB以上の大容量SSDを利用するといいでしょう。ストレージ構成は、注文時のカスタマイズ画面で変更できます (一部カスタマイズ非対応のモデルあり)。
デザインと使いやすさ
本体サイズは大きい
Legion Y540 (17)は17.3インチの大きなディスプレイを搭載しているだけあって、本体サイズも大きめです。接地面積は幅399.8×奥行き290mmで、A3サイズ (A4用紙2枚分)よりひと回り小さい程度。ヒンジが中央寄りに設置されているぶん、ほかの17インチタイプよりも大きく感じます。
見やすい144HzのフルHDディスプレイ
液晶ディスプレイのサイズは17.3インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHDです。ゲーミングノートPCでは15.6インチが一般的ですがLegion Y540 (17)は画面がひと回り大きく、そのぶん小さなターゲットが大きく表示されるのでゲームに有利です。
液晶ディスプレイのリフレッシュレート (画面の書き換え速度の目安)は144Hzです。一般的な60Hzに比べて、画面の動きが非常になめらか。コマ送りのような画面のカクカク感はなく、画面がとてもスムーズに動きます。
ゲーム向きの英字配列キーボード
Legion Y540 (17)のキーボードは英字配列のみ。英数字キーは日本語配列と同じですが、記号の場所が異なります。またキートップにはかな文字のプリントがない点に注意してください。日本語配列に慣れている人にはちょっと使いづらいかもしれませんが、英字配列のほうが使いやすいという人もいるので、この機会に使いこなせるようになるのもいいでしょう。
キーピッチ (キーとキーの間隔)は19mmで、十分な広さです。ストロークは実測で平均1.52mmでした。キーを押し込む深さは標準的なノートPCと変わりません。ゲーム用としては若干物足りなく感じますが、クリック感は強く手応えはしっかり感じられます。
キーの同時押し認識数は30キー程度でした。一度にたくさんのキーを押してもすべては認識されなかったので、Nキーロールオーバーではないと思います。キーの誤認識を防ぐアンチゴーストに対応しており、ゲームを正確な操作でプレー可能です。
タイプ音は比較的静かで、軽めのタッチならほとんど聞こえません。強めに打つとトントンと響きますが、うるさくは感じませんでした。ゲームのプレー中でも音が気にならないキーボードです。
端子類は十分な構成
周辺機器接続用のインターフェース (端子)類はUSB端子が4ポート (うち1ポートはType-C)で、映像出力はHDMIとMini DisplayPort、有線LANなど。ゲームのプレーには十分な構成ですが、メモリーカードスロットには非対応である点に注意してください。
主要な端子は背面に設置されているので、本体の両サイドがケーブルや端子でゴチャつくことがありません。またUSB端子が左右にあるので、マウスとは逆の位置にUSB端子を接続できます。
ちょっと残念なのは、Webカメラが液晶ディスプレイの下部に設置されている点です。画面を見ながらビデオチャットをすると顔を下からあおるように映ってしまいます。とは言え、ゲームではほとんど影響はないでしょう。
価格とおすすめ構成
Legion Y540 (17)には2種類のカスタマイズ対応モデルと、2種類のカスタマイズ非対応モデルが用意されています。同じスペックならカスタマイズ対応モデルのほうが安いのですが、カスタマイズ非対応モデルのほうが商品が早く到着します。商品の到着までしばらく待てるのであれば、好みのスペックに仕上げられる上に安いカスタマイズ対応モデルのほうがおすすめです。
カスタマイズ対応モデル
スタンダード | パフォーマンス |
---|---|
Core i5-9300H | |
8GBメモリー | |
256GB SSD | |
GTX 1650 | GTX 1660 Ti |
11万5128円 | 13万0572円 |
※2019年9月18日時点
ただし、標準ではCPUがCore i5-9300Hでメモリーが8GB、ストレージが256GB SSDである点に注意してください。これでもゲームは可能ですが、より快適に使いたいならパーツのアップグレードをおすすめします。
おすすめ構成 その1
ベースモデル | パフォーマンス |
---|---|
CPU | Core i7-9750H |
メモリー | 16GB |
SSD | 512GB |
HDD | なし |
グラフィックス | GTX 1660 Ti |
税込価格 | 15万7356円 |
※2019年9月17日時点
上記構成に3300円程度プラスすると、グラフィックスをRTX 2060に変更できます。GTX 1660 Tiと性能はあまり変わらないのですが、これだけ安いのなら軽い気持ちでアップグレードするのもいいでしょう。
おすすめ構成 その2
ベースモデル | パフォーマンス |
---|---|
CPU | Core i7-9750H |
メモリー | 16GB |
SSD | 512GB |
HDD | なし |
グラフィックス | RTX 2060 |
税込価格 | 16万0704円 |
※2019年9月17日時点
17インチでは激安のゲーミングノートPC
ということで、今回はLegion Y540 (17)のレビューをお届けしました。
17インチの大画面で高リフレッシュレート、さらにキーの同時押し認識数も多くインターフェース配置も優秀。これだけゲーマー向けに配慮されたモデルで税込11万円台からというのは、かなりお買い得だと思います。キーボードが英字配列という点が気になる人は、ゲーミングキーボードを追加してはいかがでしょうか。
※2019年9月18日時点。価格や構成は変更される場合があります
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