VAIO SX12は、12.5インチの液晶ディスプレイを搭載したコンパクトなノートPCです。本体がとても小さいにも関わらず、メインPCとして十分に通用する使いやすさと豊富な機能、そして高いパフォーマンスを備えている点が特徴。外出先でガッツリ仕事をする人のためのモバイルPCです。
VAIO SX12にはいくつかのバリエーションモデルが用意されていますが、特におすすめしたいのがVAIO SX12 | ALL BLACK EDITIONです。黒で統一されたボディは重厚感満点。さらに独自のチューニング技術を採用することで、ひときわ高いパフォーマンスを実現しています。
注目ポイント
- 11インチクラスの小さなボディ
- ストレスを感じないフルピッチキーボード
- SIMフリーのLTEに対応
今回はメーカーからお借りした実機を使って、VAIO SX12 | ALL BLACK EDITIONのデザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶まとめ
3万円オフクーポン適用時
VAIO SX12 | ALL BLACK EDITIONのスペック
画面サイズ | 12.5インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | Core i7-8565U |
メモリー | ・8GB ・16GB |
ストレージ | ・256GB SSD ・512GB SSD ・1TB HDD |
グラフィックス | UHD 620 |
LTE | 対応 |
幅×奥行き | 287.8×203.3mm |
厚さ | 15.7~18mm |
重量 | 約888~897g |
バッテリー | 13~14.5時間 |
※2019年9月25日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ブラック |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | 非対応 |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.1 |
USB3.1 | 1 (Gen 2) |
USB3.0 | 2 |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 1 (USB3.1 Gen2) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | 1 |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | あり |
その他 | ー |
オフィス | ※オプションで追加可能 |
デザインと使いやすさ
粋を極めた漆黒のボディ
VAIO SX12 | ALL BLACK EDITIONはその名のとおり、ボディ全体を黒で統一した特別バージョンのモデルです。
VAIO SX12の標準モデルでは、オーナメント (ヒンジ部分)や天板のロゴがシルバーの鏡面仕上げです。また本体カラーとしてブラックとシルバー、ブラウン、ピンクのバリエーションが用意されています。
VAIO SX12 | ALL BLACK EDITIONは天板やパームレスト、底面部などをすべて黒で統一した上で、さらにオーナメントや天板のロゴまでもが黒に染め上げられています。標準モデルでも十分スタイリッシュですが、VAIO SX12 | ALL BLACK EDITIONの重厚感にはさらにその上をいくインパクトです。
凝った仕上がりだけあって、VAIO SX12 | ALL BLACK EDITIONは標準モデルよりも値段がややお高め。しかし驚くべきことに、このALL BLACK EDITIONはVAIO SX12以外の機種も含めて非常に人気が高いのです。まさに「わかる人にはわかる」モデルといったところでしょう。
1kgを切る軽さでコンパクトな本体
VAIO SX12の重量は最大で約897g。1kgを切る軽さで、ストレスなく持ち歩けます。実際に手で持ってみると非常に軽くてビックリするほどです。
また、本体サイズが小さい点も特徴です。接地面積は標準的な紙のノート (B5サイズ)よりもふた周り大きい程度。コンパクトなのでバッグや引き出しなどに手軽に収納できます。
カーボンを使った壊れにくいボディ
モバイルノートPCでは堅牢性、つまり頑丈さも大切です。落として故障したり満員電車の圧迫で液晶ディスプレイが割れるなど、持ち歩く機会が多いほど壊れる可能性は高まります。
しかしVAIO SX12では天板に弾力性の高い”UDカーボン”と呼ばれる素材を使用することで高い堅牢性を実現。さらに頑丈な内部フレームで、デリケートなパーツをしっかりと保護しています。
作業がはかどるフルHDディスプレイ
液晶ディスプレイの大きさは12.5インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHDです。表面は光沢を抑えたノングレア仕上げで映り込みは控えめ。長時間利用しても、眼が疲れにくい仕上がりです。
ただ実際に使ってみたところ、文字が小さくて読みづらく感じることがありました。デスクトップのスケーリング (拡大率)は125%で、文字の大きさは1.5~2mm程度。新聞の文字が3.3~3.7mmなので、人によっては新聞よりも読みづらく感じるかもしれません。そのような場合は、デスクトップのスケーリングを150%以上に変更するといいでしょう。
液晶ディスプレイでは、自然な発色と視野角の広さが特徴のIPSパネルが使われています。エンタメ / クリエイティブ用途のノートPCほど色が鮮やかではありませんが、文書主体の利用には十分なクオリティーです。色の正確さが求められる作業では、外付けディスプレイを利用するといいでしょう。
画面の輝度は測定値で239nitでした。特別明るいわけではありませんが、作業には十分。むしろまぶしすぎないほうが眼への負担を減らせます。
フルピッチで使いやすいキーボード
個人的に素晴らしいと感じたのは、キーボードが大きくて使いやすい点です。11~12インチクラスのモバイルノートPCではキーが小さくて窮屈に感じることが多いのですが、VAIO SX12ではキーピッチ (キーとキーの間隔)が19mmと理想的なサイズ。キー配列にも無理やり押し込めたような違和感はありません。
キーストロークは約1.2mmで、ノートPCとしては浅めです (標準は1.5mm)。ストローク感が薄いとキーを押したかどうかわからないことがあるのですが、VAIO SX12では押した瞬間に固めのクリック感があるので手応えはしっかりと感じられます。とは言えしっかり押し込むようにして打つと指への反動が感じられるので、どちらかと言えば軽めのタッチで入力する人向きです。
ちょっと気になったのは、タッチパッドが小さい点です。マルチジェスチャーは普通に利用できますが、パッド部分の面積が狭いぶん (幅80×奥行き45mm)ダイナミックな操作には向いていません。本体が小さいことを考えれば仕方がないでしょう。
タイプ音は軽めのタッチであれば静かです。まったく音がしないわけではありませんが、「タクタク」といった感じの控えめな音で気になりませんでした。Enterキーも「チャッ」という音がなく、とても静かです。ただしキーボードが浮いて底面部に空きがあるため、強めに打つとタイプ音が反響して低音域の音が響きます。
充実したインターフェース構成
周辺機器接続用のインターフェース類は、豊富に用意されています。なかでもビジネスシーンで利用する機会が多い有線LANとVGA (D-sub15ピン)に対応している点がポイント。変換アダプターを持ち歩く手間がなく、また忘れる心配もありません。
SIMフリーのLTE通信にも対応しており、MVNOの格安SIMなどを利用可能です。通常は有料のオプション扱いですが、VAIO公式ストアならVAIO SX12全モデルがLTEに対応。さらに32GB / 1年間のデータ通信専用SIMカードを無料でもらえます。初年度は通信費がかからないので非常にお得!
セキュリティー機能としては、指紋センサーに対応。VAIO SX12の標準モデルでは有料オプション扱いですが、VAIO SX12 | ALL BLACK EDITIONでは標準で搭載されています。
スピーカーの音質はビデオチャットやテレカン向きで、音楽視聴には向いていません。人の声が含まれる中音域は比較的クリアーに聞こえるものの、低音域は弱く高音域はシャカシャカした印象を受けました。いわゆる”かまぼこ型”のような感じで、人の声にフォーカスしたチューニングなのかもしれません。
Type-C端子はUSB3.1 Gen2で、Thunderbolt 3には非対応です。DisplayPort出力が可能なほか、USB PDによる充電にも対応しています。さらにUSB PD非対応のモバイルバッテリーや充電器にも対応。USB PD非対応だと充電時間は長くなるものの、そのへんにあるアダプターでも充電できるのは便利です。
USB Type-Cからの充電
18W | ◯ |
---|---|
24W | ◯ |
30W | ◯ |
45W | ◯ |
65W | ◯ |
ベンチマーク結果
試用機のスペック
OS | Windows 10 Pro |
---|---|
CPU | Core i7-8565U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | UHD Graphics 620 (CPU内蔵) |
CPU性能
CPU性能を計測するベンチマークテストを実施したところ、当サイト計測のCore i7-8565Uの平均値を13%上回る結果となりました。個体差の影響があるのかもしれませんが、それにしても非常に優れた結果です。今回はCore i7モデルを試しましたが、Core i5-8265Uでも高いパフォーマンスを期待してもいいでしょう。
CPUベンチマーク結果
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
VAIO SX12 (Core i7-8565U) |
10978
|
Core i7-8565U |
9693
|
Core i5-8265U |
8851
|
Core i3-8145U |
5549
|
Celeron 4205U |
2026
|
Celeron N4000 |
1553
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
VAIO SX12がこれだけ高いパフォーマンスを実現しているのは、「VAIO TruePerformance」と呼ばれる独自のチューニング技術によるもの。高い排熱性能を活かしCPUの最大性能を発揮できる時間を伸ばすことで、標準的なモデルに比べて高いパフォーマンスを発揮しているのです。
CPU選びの目安
Celeron | ・Webページを見る ・ネット動画の視聴 ・ごく簡単な文書作成 |
---|---|
Core i3 | ・事務処理 ・文字中心の資料作成 ・写真の簡単な加工 |
Core i5 | ・写真や画像の加工 ・データ処理 ・画像入り資料の作成 |
Core i7 | ・プロ用ソフトの利用 ・大規模なデータ処理 ・企業向け機能の利用 ・小規模な動画編集 |
ストレージ性能
ストレージはPCIe 3.0 x4接続の超高速タイプで、アクセス速度は爆速でした。ただしVAIO SXの標準タイプにはSATA接続のSSDもあり、アクセス速度は大きく下がるので注意してください。VAIO SX12 | ALL BLACK EDITIONではすべてPCIe 3.0 x4接続です。
起動時間
ウィンドウズの起動時間は平均14.28秒でした。一般的なノートPCではSSD搭載機種が17秒程度ですので、標準よりはやや速めです。なおスリープ時のネット接続&高速復帰のモダンスタンバイ (コネクテッドスタンバイ)には対応していませんでした。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 14.8秒 |
---|---|
2回目 | 14.6秒 |
3回目 | 14.3秒 |
4回目 | 13.9秒 |
5回目 | 13.8秒 |
平均 | 14.28秒 |
3Dグラフィックス性能
ゲームの快適さに強く影響する3Dグラフィックス性能はごく控えめですが、CPU内蔵のグラフィックス機能としては優れたベンチマーク結果が出ました。VAIO TruePerformanceによる効果が影響しているのかもしれません。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
9039
|
GeForce MX250 |
3595
|
VAIO SX12 (UHD620) |
1315
|
UHD 620 (Core i7) |
1270
|
UHD 620 (Core i5) |
1186
|
UHD 620 (Core i3) |
860
|
UHD 600 |
394
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ゲーム系ベンチマークを試したところ、動作が軽いゲームであれば画質を落とすことで快適に遊べそうです。FF14などの中量級クラスは少々厳しく、解像度を1280×720ドットに落しても平均値で30 FPSを切りました。ごく軽めのゲームを息抜き程度でと考えたほうがいいでしょう。
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 1120 / 設定変更が必要 /6.8 FPS |
高品質 | 1641 / 設定変更を推奨 / 10.6 FPS |
標準品質 | 2422 / 普通 / 16 FPS |
※フルHD。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 5138 / 快適 |
標準品質 | 6437 / 快適 |
低品質 | 7703 / とても快適 |
※フルHD
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間の公称値は13~14.5時間です。ただしこの数値はバッテリー消費量が少なく、実際の利用ではこれより短くなる可能性があります。そこでバッテリー消費量を最大にした状態で実利用に近いテストを行なったところ、7時間5分という結果でした。バッテリー消費を少し抑えると、7時間43分まで伸びます。
バッテリー駆動時間のテスト結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 13~14.5時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 7時間5分 |
Video (動画視聴) | 中 | 7時間43分 |
満充電になるまでの時間 | - | 1時間30分 |
充電率80%になるまでの時間 | - | 1時間1分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ガッツリ使って7時間は、それほど長いわけではありません。ただ7時間連続で使用することはないでしょうから、丸1日は問題なく使えるはずです。
完成度の高い超軽量モバイルノートPC
ということで、今回はVAIO SX12 | ALL BLACK EDITIONのレビューをお届けしました。
レビューをご覧いただくとおわかりのように、VAIO SX12 | ALL BLACK EDITIONはパフォーマンスや機能、デザイン、使いやすさ、堅牢性といったモバイルノートPCに求められる要素すべてにおいて完成度の高い仕上がりを実現しています。特に1kgを切る超軽量タイプで、ここまで性能とデザインに優れる機種はなかなかありません。まさに妥協のないモバイルノートPCです。外出先でも本気で仕事に取り組みたい人に強くおすすめします。
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