ポイント
- 頑丈で重厚感のあるボディ
- 512GB SSD標準搭載
- 2-in1-なのに薄くてコンパクト
HP ENVY x360 15-ds0000のスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Ryzen 5 3500U ・Ryzen 7 3700U |
メモリー | ・8GB ・16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | ・Radeon Vega 8 (Ryzen 5) ・Radeon RX Vega 10 (Ryzen 7) |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 359×245mm |
厚さ | 18mm |
重量 | 約1.98kg |
バッテリー | 最大13時間 |
※2019年12月9日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ナイトフォールブラック |
---|---|
画面の表面 | 光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | 対応 ※ペンは別売り |
光学ドライブ | ー |
テンキー | あり |
有線LAN | ー |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
USB3.1 | 2 (Gen1) |
USB3.0 | ー |
USB2.0 | ー |
USB Type-C | 1 (Gen1) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | HD (92万画素) |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | あり |
付属品 | ACアダプター、電源コードなど |
オフィス | なし ※有料オプションで追加可能 |
この記事ではメーカーからお借りしたHP ENVY x360 15 (AMD)について、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶価格について
- ▶まとめ
HP ENVY x360 15 (AMD)
税込8万3050円~
デザインと使いやすさ
くるっと回る2-in-1
HP ENVY x360 15 (AMD)は、液晶ディスプレイが回転する2-in-1ノートPCです。普通のノートPCとして使えるのはもちろん、動画視聴向きのテントモードやWebページ / 電子書籍を見るのに適したタブレットモードなど、さまざまなスタイルで利用できます。
一般的なタブレットは画面サイズが8~10インチ程度ですが、HP ENVY x360 15 (AMD)は15.6インチでかなり大きめ。そのぶん文字が見やすく、動画の迫力が増すのがメリットです。
本体の外観
本体カラーはナイトフォールブラック。基本的には黒ですが、明るい場所だとわずかに紫がかっています。写真では赤みがやや強く出ていますが、通常の照明の下では落ち着いた重厚感のある外観です。
本体サイズと重さ
大きさは幅359×奥行き245mmで、B4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりひと回り小さめ。15インチノートPCとしてはコンパクトです。高さは公称値で18mm、実測では17.3mmでした。2-in-1タイプは普通のノートPCよりも大きくて厚くなりがちですが、HP ENVY x360 15 (AMD)は普通のノートPCよりもコンパクト&スリムです。
画面サイズ
液晶ディスプレイの大きさは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットです。デスクトップの文字の大きさは2~3mm程度で (標準スケーリング125%時)、見づらくは感じません。かと言って大きすぎるわけではなく、個人的にはちょうどよく感じました。
映像品質
液晶ディスプレイには発色に優れるIPSパネルが使われています。実際に写真や動画で映像を確認したところ、自然な色合いで映し出されました。若干暗く感じますが、視聴や作業には問題ないレベルです。ただ表面が光沢ありのグレアタイプなので、画面の角度によっては照明や背景が映り込みます。
国内ブランドの15インチノートでは、IPSパネルではなくTNパネルが使われていることがあります。画面の色が青みがかってしまう上に角度によっては色や明るさが変わるので、国内ブランドの15インチノートPCを購入する際は注意してください。
キーボード
キーボードはテンキー付きの日本語配列で、バックライトに対応しています。キー配列に違和感はありませんでした。キーピッチ (キーとキーの間隔)は18.7mmで、標準の19mmよりもやや短めです。しかしこの点についても違和感はなく、普通に扱えます。強いて言うなら、カーソルキーがわずかに小さいかなという程度です。
キーのタイプ感とタイプ音
キーボードのタイプ感は軽めです。キーストローク (キーを押し込む深さ)は1.5mmで、標準的なノートPCと同じ。押した瞬間のクリック感はやや固いのですが押し込む力が軽いので、スコッと抜けるような感覚があります。また軸にブレがあるので、押したときに若干グラつきました。
タイプ音は軽めのタッチなら控えめでした。若干カタカタという音が聞こえますが、気になるほどではありません。強めのタッチだとトントンと音が響き、底打ち感があります。軽めのタッチで入力する人向きです。
インターフェース
周辺機器接続用のインターフェース (端子類)は、多くありません。USB端子はフルサイズが2ポートとType-Cが1ポート。SDカードスロットやHDMIには対応していますが、光学ドライブや有線LAN、VGA (D-sub15ピン)には非対応です。とは言え手に持って使うことが多い2-in-1タイプですので、困る場面はそれほどないでしょう。
USB Type-Cの機能
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | ◯ |
USB PD 65W充電 | ◯ |
映像出力 | ◯ |
USB Type-C端子は映像出力 (DP)が可能です。USB PD対応の充電器は、45Wから充電できることを確認しました。対応出力は高めですが、Type-Cで充電できるのは便利です。
スピーカーの品質
スピーカーはキーボード上部に配置されています。音が耳にダイレクトに届くのでサウンドはクリアーでサラウンド感も上々です。ただ本体が薄いため、スピーカーの音にはあまり厚みがありません。たとえば4打ちのキックはプチプチと聞こえます。大きめの15インチタイプとは言え、本体がこれだけ薄けれ仕方がないでしょう。とは言え、標準的なノートPCよりも音質は若干上です。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | スタンダードモデル |
---|---|
CPU | Ryzen 5 3500U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | Radeon Vega 8 (CPU内蔵) |
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、この記事ではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します
CPU性能
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-1065G7 |
12518
|
Core i5-1035G4 |
11379
|
Core i5-10210U |
9988
|
Core i7-8565U |
9814
|
Core i5-1035G1 |
9164
|
HP ENVY x360 15 (Ryzen 5 3500U) |
8906
|
Core i5-8265U |
8593
|
Ryzen 5 3500U |
8475
|
Ryzen 7 3700U ※2 |
8041
|
Core i3-8145U |
5549
|
Core i3-10110U |
5534
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Core i3-7020U |
3769
|
Celeron 4205U |
2026
|
Celeron N4000 |
1553
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均、※2はPassMark CPU Benchmarksのデータを参考にしました
Ryzen 5 3500Uを搭載した試用機では、ベンチマークテストで高めの結果が出ました。最新の第10世代Core i5 / i7には及ばないものの、第8世代のCore i5相当のパフォーマンスです。ビジネスやプライベートでしっかり使えるのはもちろん、多少重めの画像処理や動画加工なども行なえるでしょう。
上位モデルで使われているRyzen 7 3700Uについては当サイトで検証していないのですが、他サイトの参考データを見る限りではあまりスコアが伸びないようです。さすがにRyzen 5 3500Uよりも下ということはないにしても、Core i7相当ではないでしょう。コスパの面で考えると、Ryzen 5モデルを選んだほうが良さそうです。
3Dグラフィックス性能
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8770
|
GTX 1050 |
6008
|
MX250 |
3711
|
MX150 |
3386
|
Iris Plus (Core i7) |
2981
|
HP ENVY x360 13 (Radeon Vega 8) |
2798
|
Iris Plus (Core i5) |
2136
|
UHD (Ice Lake Core I5) |
1396
|
Radeon Vega 3 (Ryzen 3) |
1372
|
UHD (Comet Lake Core I5) |
1251
|
UHD 620 (Core i7) |
1265
|
UHD 620 (Core i5) |
1186
|
UHD 620 (Core i3) |
975
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ゲームの快適さやクリエイター向けソフトの操作感に影響するグラフィックス性能については、CPU内蔵タイプとしてはかなり優れています。インテル製CPUに内蔵されている通常タイプのUHD / UHD 620を大きく上回り、上位のIris Plus相当です。さすがに本格的なPCゲームを楽しむにはパワー不足ですが、ちょっとしたゲームや動画編集、画像加工などでは効果が見られるでしょう。
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲームについてはドラクエ10やリーグ・オブ・レジェンドなどのごく軽いゲームであれば、快適に楽しめます。やや処理が重いFF14ベンチでは普通~快適の評価ですが、シーンによっては動きがかなりカクカクします。軽いゲームを息抜き程度と考えたほうが無難です。
※テストはフルHDで実施
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 2046 / 普通 / 13.2 FPS |
高品質 | 2992 / やや快適 / 19.7 FPS |
標準品質 | 3913 / 快適 / 26.7 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 7111 / とても快適 |
標準品質 | 8281 / とても快適 |
低品質 | 10071 / すごく快適 |
ストレージ性能
試用機ではストレージにPCIe 3.0 x2タイプの高速SSDが使われていました。PCIe 3.0 x4よりもアクセス速度は落ちますが、それでもHDDやSATA接続のSSDよりもはるかに高速。ファイル操作もストレスを感じることなく行なえます。
そしてなにより注目したいのが、512GBの大容量SSDを標準で搭載している点です。これだけの容量があれば、スマホで撮影した写真や動画も、たっぷり溜め込めるでしょう。256GBだと1~2年で足りなくなることもありますが、512GBであれば長期間でも空き容量不足で困ることは少ないはずです。
起動時間
ウィンドウズの起動時間は平均11.18秒でした。SSD搭載機種の平均が17秒、HDD搭載機種の平均が40秒以上であるので (筆者調べ)、なかなか優秀な結果です。なおスリープ時のネット接続&高速復帰のモダンスタンバイ (コネクテッドスタンバイ)に対応しています。スリープ状態から画面を開いたり電源ボタンを押したりすると、瞬時にロック解除用の画面が表示されます。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 11.3秒 |
---|---|
2回目 | 10.8秒 |
3回目 | 10.3秒 |
4回目 | 10.3秒 |
5回目 | 13.2秒 |
平均 | 11.18秒 |
価格について
HP ENVY x360 15 (AMD)には、パーツ構成の異なる2種類のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下のとおりです。
ラインナップ
スタンダード | |
---|---|
8万3050円 | |
パフォーマンス | |
9万8450円 |
※価格は税込
大容量の512GB SSD搭載で8万円台前半の価格はかなりお買い得。国内ブランドの15インチノートPCであれば、10万円は余裕でオーバーするでしょう。またRyzen 5モデルはプラス3300円 (税込)でメモリー容量を16GBにアップグレードできます。512GB SSD + 16GBメモリーで税込8万円台半ば (Ryzen 5モデル)は激安!
お値段以上の大画面2-in-1
HP ENVY x360 15 (AMD)は2-in-1タイプとしては画面が大きいのですが、そのぶん文字が読みやすく映像に迫力があるのがメリットです。本体はアルミ製で質感がとても高く、その上頑丈。CPUとして使われているRyzen 5の性能も高く、512GBの大容量SSDも搭載しています。
それでいて価格は税込8万円台前半~と、非常にリーズナブルです。国内ブランドの15インチノートPCなら、10万円以上はするでしょう。その意味ではお値段以上の価値があるモデルです。