ポイント
- スリムで高級感のあるデザイン
- そこそこ高スペックでも手頃な値段
- 平均9.2秒の高速起動
HP Pavilion 15-cs3000のスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i3-1005G1 ・Core i5-1035G1 ・Core i7-1065G7 |
メモリー | ・8GB ・16GB |
ストレージ | ・256GB SSD ・256GB SSD + 1TB HDD ・512GB SSD + Optane |
グラフィックス | ・UHD ・MX250 |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 361×246mm |
厚さ | 20mm |
重量 | 1.82kg~ |
バッテリー | 最大 9~10時間 |
※2020年4月11日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ・セラミックホワイト ・フォグブルー |
---|---|
画面の表面 | 光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | 2 (Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 1 (3.1 Gen1×1) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 200万画素 |
顔認証カメラ | 標準搭載 |
指紋センサー | - |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | ・なし ・搭載モデルあり |
この記事では筆者が購入した実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
※2020年4月11日時点
デザインと使いやすさ
高級感あふれる美しい外観
HP Pavilion 15-cs3000の外観はとても洗練されています。本体カラーはセラミックホワイトかフォグブルーの2色。今回は使用したセラミックホワイトのカラーは色合いも手触りも素晴らしく、高級感は抜群。価格帯としては中級クラスですが、本体の仕上がりはハイエンド (上級)レベルです。
15インチとしては軽量スリム!
接地面積は幅361×奥行き246mm。大きさ的にはB4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりもやや小さい程度で、15インチタイプとしてはコンパクトです。高さの公称値は最厚部で20mm。実測では18.6mm程度で、15インチタイプとしてはとてもスリムに感じました。重量も軽く、力を込めることなく手軽に扱えます。
スタンダードな15インチのフルHD
画面サイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドット。ノートPCとしては標準的な仕様です。デスクトップの文字は2~2.7mm程度 (スケリーング125%時)で新聞よりも小さいのですが、読みづらさは感じませんでした。ただし壁紙の色や文字の影によっては、若干読みづらく感じるかもしれません。
発色に優れるIPSパネル
ディスプレイには自然な発色と広い視野角が特徴のIPSパネルが使われています。実際に写真や動画を表示したところ、とても色鮮やかに映し出されました。特にコントラストが高く、色にメリハリが感じられます。
画面は明るいわけではなく、どちらかと言えばわずかに暗めです。とは言え見えづらく感じるほどではなく、動画の視聴や文書作成作業にはちょうどいい程度でした。
映り込みありの光沢タイプ
ディスプレイの表面は光沢ありのグレアタイプで、背景や照明などの映り込みが生じます。映り込みが気になる人は、画面の角度を調整するといいでしょう。オプションとして用意されている液晶保護フィルムを使うのも手です。
スタンダードなキーボード
キーボードはテンキーありの日本語配列です。キーピッチ (キーとキーの間隔)は18.7mmで、標準とされる19mmよりもやや狭め。と言っても実際に使ってみたところ、特に違和感はありませんでした。キー配列も特殊な部分はなく、いい意味で標準的。普通に使えるキーボードです。
ただし標準ではF1~F12キーにメディアキーが割り当てられています。ファンクションキーとして利用する場合は、BIOS設定画面から「Action Keys Mode」をオフ (Disabled)に変更してください。
バックライト対応
キーボードはバックライト対応です。F5キーで明るさを2段階に調整できます。
タイプ感は軽め
タイプ感はごく軽めです。キーストローク (キーを押し込む深さ)は1.5mmと標準的ですがキーを押した瞬間のクリック感が弱く、軽いタッチでないと手応えがあまり感じられません。普段から押し切るようにしてキーを打つ人には、物足りなく感じるでしょう。もともと軽いタッチの人なら、違和感なく使えるはずです。
タイプ音は軽いタッチなら気になることはありません。ただしカチャカチャと軸がブレるような音がわずかに聞こえます。Enterキーはチャッキと響くので、控えめに押したほうがいいでしょう。強く叩くとダンダンと響くので、軽いタッチを推奨します。
インターフェースは必要十分
周辺機器接続用のインターフェース (端子類)は多くはなく、必要十分な構成です。USB端子は全部で3ポートで、うち1ポートはType-C。映像出力としてHDMIを用意しているほか、有線LANとSDカードにも対応しています。光学ドライブは非搭載ですが、本体の薄さと小ささを考えれば仕方がないでしょう。
Type-Cはデータ通信のみ
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | × |
USB PD 65W充電 | × |
映像出力 | × |
USB Type-C端子はデータ通信のみで、映像出力とUSB PDによる充電には対応していません。1~2年前の古い機種ならともかく、最近発売された機種でこの仕様は残念です。
顔認証サインインに標準対応
液晶ディスプレイ上部には200万画素のWebカメラと、Windows Hello対応の赤外線カメラが配置されています。あらかじめ自分の顔を登録しておけば、カメラをチラッと見るだけでウィンドウズにサインインできるので便利です。
スピーカーはそこそこ高音質
スピーカーはキーボード上部に配置されています。サウンドはとてもクリアーで解像感が高くボリュームも十分大きいのですが、厚みについてはいまひとつに感じました。ただ音楽をBGMとしてカジュアルに楽しむ程度なら、問題なく利用できるクオリティーだと思います。ノートPCとしては、わりと高音質です。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | スタンダードプラスモデルG2 |
---|---|
CPU | Core i5-1035G1 |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD + Optane |
グラフィックス | UHD Graphics (CPU内蔵) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成やユーザーの環境、タイミング、個体差などさまざまな要因で大きく変わることがあります。
高性能な第10世代Core iプロセッサを搭載
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-10710U |
13685
|
Core i7-1065G7 |
11872
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
HP Pavilion 15-cs3000 (Core i5-1035G1) |
10170
|
Core i7-8565U |
9814
|
Core i5-10210U |
9730
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-8265U |
8593
|
Ryzen 5 3500U |
8373
|
Core i3-10110U |
5553
|
Core i3-8145U |
5549
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Celeron N4100 |
2569
|
Celeron 4205U |
2021
|
Celeron N4000 |
1550
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUとしては、第10世代 (Ice Lake)のCore i3 / i5 / i7が使われています。Core i5-1035G1搭載のテスト機でCPU性能を計測するベンチマークテストを行なったところ、ノートPCとしては優れた結果が出ました。上位のCore i7-1065G7搭載機種なら、より高いパフォーマンスを期待していいでしょう。
下位モデルで使われているCore i3-1005G1については過去の計測データはないのですが、同じ第10世代 (Comet Lake)のCore i3-10110Uと同程度と考えれば、それほど悪くはないはずです。少なくとも、軽めの作業には十分だと思われます。
MX250ならグラフィックス性能はそこそこ高性能
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
GTX 1050 |
5912
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus |
2846
|
Radeon Vega 8 (Ryzen 5) |
2193
|
HP Pavilion 15-cs3000 (UHD Core i5) |
1617
|
UHD (Ice Lake Core i5) |
1503
|
UHD |
1335
|
UHD 620 |
1265
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
HP Pavilion 15-cs3000のCore i3 / i5モデルでは、グラフィックス機能としてCPU内蔵のUHD Graphicsが使われます。従来のUHD 620シリーズに比べて性能は向上していますが、ゲームやクリエイター向けソフトで威力を発揮できるほどではありません。特にCore i3モデルではCore i5モデルに比べて、パフォーマンスが大きく落ちると思われます。とは言え、文書作成やネット利用などでは大きな影響はないでしょう。
上位のCore i7モデルではCPU自体にIris Plusという高性能なグラフィックス機能が搭載されていますが、さらに外付けGPUとしてGeForce MX250が使われています。性能はGTX / RTXシリーズには及ばないものの、内蔵グラフィックス機能よりは高性能です。ゲームやクリエイター向けソフトで、多少の効果を見込めます。
普段使いやビジネスには快適
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100 8672
|
Productivity (ビジネス利用) |
4500 6918
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450 3245
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、一般利用とビジネス利用のテストで目標値を大きく上回りました。ただしコンテンツ制作のテストでは目標値を下回っています。Core i7モデルであれば多少は改善されるはずですが、基本的には本格的な動画や写真、3Dなどの作業には不向きです。
Optaneメモリーの効果は体感しづらい?
ストレージ構成としては256GB SSDと256GB SSD + 1TB HDD、512GB SSD + Optaneメモリーの3種類が用意されています。今回は512GB SSD + Optaneメモリー構成のモデルを試したのですが、ベンチマークテストの結果は劇的に速いというほどではありませんでした。リード性能は多少向上しているように見受けられますが、ライト性能についてはいまひとつです。PCMark 10のアプリ起動テストの結果もOptaneメモリー非搭載機種と変わらなかったので、体感的には通常のSSDと変わらないかもしれません。
ウィンドウズの起動は9秒程度
ウィンドウズの起動時間を計測したところ、平均9.2秒でした。最近のSSD搭載機種は15秒前後が平均 (筆者調べ)。10秒を切るのは、かなり優秀です。SSD + Optaneメモリーの効果によるものでしょうか。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 8.6秒 |
---|---|
2回目 | 9.2秒 |
3回目 | 9.2秒 |
4回目 | 9.8秒 |
5回目 | 9.2秒 |
平均 | 9.2秒 |
実駆動時間は6~7時間程度
バッテリー駆動時間は、公称値で9時間 (SSD / SSD + HDD構成の機種)または10時間 (SSD + Optane構成の機種)とされています。しかしこれはパフォーマンスを落とした状態での数値で、実際の利用では駆動時間がもっと短くなることが普通です。
そこで最大パフォーマンス時のビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、6時間27分でバッテリー残量が8%に達しスリープ状態へ移行しました。バッテリー消費をやや抑えた状態での動画再生では7時間20分です。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 約10時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 6時間27分 |
Video (動画視聴) | 中 | 7時間20分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間23分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
HP Pavilion 15-cs3000はモバイルノートPCではないので、駆動時間が長くなくてもそれほど問題ではありません。自宅や職場内で場所を変えて作業する程度なら、支障なく使えるはずです。
ゲーム性能について
Core i5モデルでゲーム系ベンチマークテストを試したところ、超軽量級のタイトルならフルHDで問題なくプレーできそうです。PSO2やPUBG LITEなどのちょっと軽いタイトルであれば、画質か解像度をグッと下げればなんとかプレーできるでしょう。ただしCore i3 / i5モデルでは、基本的にゲームのプレーを考えないほうが無難です。
MX 250搭載のCore i7モデルであれば、多少はゲームを楽しめます。とは言え、軽めのゲームが中心となりそうです。Core i7 + MX250の計測結果については、下記のリンクから関連記事でご確認ください。
関連記事
Core i7-8265U + MX250のゲーム系ベンチマークテスト結果
※テストはすべてフルHDで実施
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 525 / 動作困難 |
標準品質 | 799 / 動作困難 |
軽量品質 | 999 / 動作困難 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 1394 / 設定変更が必要 / 8.5 FPS |
高品質 | 2011 / 普通 / 13 FPS |
標準品質 | 2754 / やや快適 / 18.1 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 5220 / 普通 |
標準品質 | 6773 / 快適 |
低品質 | 7963 / 快適 |
PSO2ベンチ (軽量級 / DX9)
簡易描画設定 | スコア |
6 (最高) | 464 |
3 | 2,186 |
1 (最低) | 25,101 |
※スコア5,000以上が快適に遊べる目安
リーグ・オブ・レジェンド (LoL) (超軽量級 / DX9)
モード | 平均FPS / 最低FPS |
サモナーズリフト (最高画質) | 70.1 FPS / 54 FPS |
TFT (最高画質) | 60.5 FPS / 48 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
価格について
HP Pavilion 15-cs3000には、パーツ構成の異なる複数のモデルが用意されています。主なラインナップは以下の4種類。このうちCore i3モデルについては、楽天のHP直営ショップにて販売されています。
主なラインナップ
CPU | メモリー | ストレージ | 税込価格 |
---|---|---|---|
Core i3-1005G1 | 8GB | 256GB SSD | 7万4500円 |
Core i5-1035G1 | 8GB | 256GB SSD + 1TB HDD | 7万4800円 |
Core i5-1035G1 | 8GB | 512GB SSD + Optane | 7万4800円 |
Core i7-1065G7 | 8GB | 256GB SSD + 1TB HDD | 9万2400円 |
※販売ページにはオフィス付きモデルもあり
楽天直営ショップではCore i3モデルのほかに、Core i5 / i7モデルも販売されています。ポイント還元によっては直販サイトよりも安く買える場合があるので、楽天の会員なら一度チェックしてみてください。
リンク
HP Pavilion 15-cs3000 シリーズ (楽天HP直営ショップ)
直販サイトではプラス3300円でメモリー容量を16GBにアップグレードできます。より高いパフォーマンスを求める人におすすめです。
高品質&高パフォーマンスな15インチノートPC
よかった点
7万円台で買える15インチノートPCとしてはデザインが素晴らしく、さらに高パフォーマンスである点が魅力です。この値段でこれだけの薄さと質感を実現している機種はなかなかありません。見た目を優先するなら、第1候補として考えていいでしょう。
気になる点
USB Type-C端子がデータ通信のみで、充電と映像出力に対応していない点は残念です。それ以外には特に目立った箇所はありませんでした。
※2020年4月11日時点
*
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