HP 15s-eq1000のスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Athlon Silver 3050U ・Ryzen 3 3250U |
メモリー | ・4GB ・8GB |
ストレージ | ・128GB SSD ・256GB SSD |
グラフィックス | ・Radeon (プロセッサー内蔵) |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 358×242mm |
厚さ | 19.5mm |
重量 | 1.6kg |
バッテリー | 最大11時間 |
※2020年5月28日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ピュアホワイト |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり |
有線LAN | - |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 2 |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 1 (USB3.0) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | ー |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | なし |
この記事では筆者が購入した実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶ゲーム性能について
- ▶価格について
- ▶まとめ
HP 15s-eq1000
税込3万9050円~
※2020年7月3日時点
デザインと使いやすさ
お値段以上の高級感
HP 15s-eq1000は5~6万円台の比較的リーズナブルな機種です。ボディには金属素材ではなく樹脂 (プラスチック)が使われていますが、塗装やデザインの影響でそれほど安っぽくは見えません。清潔感のあるたたずまいです。
15インチとしては薄い!
接地面積は幅358×奥行き242mm。B4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりもひと回り小さく、15インチタイプとしては非常にコンパクトです。高さは公称値では19.5mmですが、実測では17.8mm程度でした (ゴム足を含めると21.3mm)。とても薄く、シルエットは高級機並みの仕上がりです。
作業がはかどる15インチのフルHD
画面の大きさは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHDです。1366×768ドットの解像度よりも多くの文字や画像を表示できるので、作業効率が大きくアップします。デスクトップの文字は2~2.7mm程度 (スケーリング125%時)。新聞よりもやや小さいのですが、読みづらくは感じませんでした。
映像は自然な色合い
ディスプレイには、自然な色合いと広い視野角が特徴のIPSパネルが使われています。この価格帯のノートPCで主流のTNパネルに比べて、映像が明るく鮮やかです。
ただしIPSパネルとしては若干暗く、色域もあまり広くはありません。高級機ほど映像品質が優れているわけではないのですが、それでもTNパネルが使われた格安モデルよりも格段に見やすく感じます。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 63.8% |
---|---|
sRGB比 | 63.9% |
Adobe RGBカバー率 | 47.4% |
Adobe RGB比 | 47.4% |
標準的なキー配列
キーボードはバックライトなしの日本語配列で、数値入力に便利なテンキーに対応しています。キーピッチ (キーとキーの間隔)は18.7mmで標準的な19mmよりもわずかに小さいものの、違和感はありませんでした。キー配列も特殊な部分はなく、いい意味で標準的です。使い始めからスラスラと利用できるでしょう。
なおF1~12キーには標準でメディアキー (ホットキー)が割り当てられています。かな変換や半角変換などでファンクションキーとして利用する場合はFnキーを併用するか、BIOS設定画面で「Configuration」タブの「Action Keys Mode」を「Disabled (無効)」にしてください。
タイプ感はイマイチ
キーストローク (キーを押し込む深さ)は1.5mmで、ノートPCとしては標準的です。しかし押し込む力が非常に軽く、カツンと底打ちするような感覚がありました。またキーを押した瞬間に全体が軽くたわみます。キーボードのタイプ感についてはイマイチです。
タイプ音は軽めのタッチでもカツカツと聞こえます。気になるほどうるさくはないのですが、静と言うほどでもありません。打ち下ろすようにタイプするとかなり響くので、軽めのタッチ推奨です。
インターフェースは少ない
インターフェースはフルサイズのUSB端子が2ポートとType-Cが1ポート、映像出力がHDMI、そのほかはSDカードスロットやヘッドホン出力などです。15インチタイプとしては一般的な有線LANには対応していません。また光学ドライブにも非対応です。
端子類は少ないのですが、種類を減らすことで薄さと軽さを実現していることを考えれば、仕方がないでしょう。
Type-Cはデータ通信のみ
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | × |
USB PD 65W充電 | × |
映像出力 | × |
USB Type-Cはデータ通信のみ。USB PDによる充電と映像出力には対応していません。利用用途は限定的です。
スピーカーは音がクリアー
スピーカーはキーボード上部に配置されています。音がダイレクトに耳に届くので、音質はとてもクリアーでサラウンド感も上々。音の厚みは物足りないものの、低価格帯ノートPCとしてはなかなか高音質です。
ただしウィンドウズのシステム音などで、たまにビビり音が聞こえました。スピーカーグリルを指で押さえると聞こえなくなるので、カバー部分の構造的な問題かもしれません。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | エントリープラスモデル |
---|---|
CPU | Athlon Silver 3050U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics (CPU内蔵) |
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記しています。ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
CPU性能は控えめ
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-10710U |
13685
|
Core i7-1065G7 |
11946
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
Ryzen 5 3500U |
8373
|
Core i3-10110U |
5553
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Core m3-8100Y |
4172
|
HP 15s-eq1000 (Athlon Silver 3050U) |
3851
|
Celeron N4100 |
2569
|
Celeron 4205U |
2021
|
Celeron N4000 |
1550
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUとしては、AMDのAthlon Silver 3050UかRyzen 3 3250Uが使われています。Athlon Silver 3050U搭載機でベンチマークテストを行なったところ、低価格PCとしては中位クラスあたりの結果が出ました。インテル系CPUで例えるならCeleron以上Core i3以下のCore m3あたりと言えるでしょう。
上位モデルで使われているRyzen 3 3250Uについては未検証なので、どの程度のパフォーマンスかはわかりません。しかしRyzen 3 3200Uとほぼ同クラスと思われます。おそらくCore i3よりも若干下程度でしょう。
Athlonのグラフィックス性能は低い
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
GTX 1050 |
5912
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus |
2880
|
Radeon Vega 8 (Ryzen 5) |
2251
|
Radeon Vega 3 (Ryzen 3) |
1837
|
UHD (Core i7) |
1335
|
UHD (Core i5) |
1273
|
HP 15s eq-1000 (Radeon) |
909
|
UHD (Core i3) |
859
|
UHD 600 (Celeron) |
422
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス機能はCPU内蔵タイプです。Athlon Silver 3050U搭載機で3Dグラフィックス性能を計測するベンチマークテストを行なったところ、かなり低めの結果が出ました。インテルのCore i3よりも優れてはいますが、性能が低いことには変わりません。
ちなみにRyzen 3 3250Uではもう少し高い結果が出ると思われますが、実際にどの程度なのかはわかりません。Ryzen 3 3200Uと同程度であれば、内蔵グラフィックス機能としてはそこそこ優秀です。
普段使いには十分な性能
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
目安:4100
6362
|
Productivity (ビジネス利用) |
目安:4500
5217
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
目安:3450
1900
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。今回使用したAthlon Silver 3050U搭載機はCPUやグラフィックス機能のベンチマーク結果は低かったものの、PCMark 10のテストでは予想外に優れた結果が出ました。コンテンツ制作には厳しいものの、一般利用とビジネス利用であれば問題なく利用できるとの評価です。
ただしこれは、8GBメモリーとPCIe (NVMe) SSDを搭載しているからかもしれません。4GBメモリーとSATA SSDを搭載した下位のエントリーモデルであれば、ガクッと落ちる可能性があります。下位モデルと中位モデルでは値段もあまり変わらないので、メモリー容量の大きい中位モデルをおすすめします。
256GB SSDは高速タイプ
ストレージは128GB SSDまたは256GB SSDです。128GB SSDはSATA接続で、シーケンシャルリードは500MB/秒程度。256GB SSDにはPCIe 3.0接続の高速タイプが使われています。アクセス速度を計測したところ爆速というほどではありませんでしたが、それでも十分高速でした。
ちなみにテスト機で使われていたのはSK hynixのBC511シリーズで、シーケンシャルリードは2200MB/秒、シーケンシャルライトは900MB/秒です。個体によっては異なるSSDが使われている場合があります。
ウィンドウズの起動は平均14~15秒程度
ウィンドウズの起動時間は平均14.6秒でした。最近のSSD搭載機は15秒程度が多く (筆者調べ)、標準的な結果と言えます。とは言え立ち上がりは早く、待たされている感はありませんでした。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 15.4秒 |
---|---|
2回目 | 14.8秒 |
3回目 | 14.2秒 |
4回目 | 14.2秒 |
5回目 | 14.4秒 |
平均 | 14.6秒 |
バッテリー駆動は7~8時間
バッテリー駆動時間の公称値は最大11時間とされていますが、これはパフォーマンスを極力落とした状態での結果です。実際の利用では駆動時間はもっと短いでしょう。
そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、8時間27分でバッテリー残量が8%に達し休止状態へ移行しました。パフォーマンスをやや落とした状態での動画再生では7時間39分です。
実駆動時間としては7~8時間程度と考えたほうがいいでしょう。特に長いわけではありませんが、そもそも持ち運び向けのモバイルPCではないので、それほど問題ではないはずです。自宅や職場内で場所を変えながら作業する、といった使い方に向いています。
バッテリー駆動時間の計測結果 ※Athlonモデル
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 最大11時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 8時間27分 |
Video (動画視聴) | 中 | 7時間39分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 1時間51分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム性能について
ゲームについては、ドラクエ10やリーグ・オブ・レジェンド (LoL)など超軽量級タイトルであれば、フルHDでも画質調整で快適にプレーできます。PSO2などの軽量級タイトルであれば画質か解像度を低くすればなんとかプレーできるでしょう。やや重い中量級以上のタイトルは考えない方が無難です。
※テストはすべてフルHDで実施
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 3054 / 普通 |
標準品質 | 4375 / 普通 |
低品質 | 5586 / 快適 |
PSO2ベンチ (軽量級 / DX9)
簡易描画設定 | スコア |
6 (最高) | 241 |
3 | 1,577 |
1 (最低) | 16,804 |
※スコア5,000以上が快適に遊べる目安
リーグ・オブ・レジェンド (LoL) (超軽量級 / DX9)
モード | 平均FPS / 最低FPS |
サモナーズリフト (最高画質) | 55.6 FPS / 46 FPS |
TFT (最高画質) | 44.5 FPS / 32 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
価格について
HP 15s-eq1000には、パーツ構成の異なる複数のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下の表のとおりです。
■価格
CPU | メモリー | ストレージ | 税込価格 |
---|---|---|---|
Athlon Silver 3050U | 4GB | 128GB SSD | 3万9050円 |
Athlon Silver 3050U | 8GB | 256GB SSD | 4万3450円 |
Ryzen 3 3250U | 8GB | 256GB SSD | 5万2250円 |
※2020年7月3日時点
満足感の高い低価格モデル
よかった点
非光沢でIPSのフルHDディスプレイは映像が見やすく、長時間の作業に向いています。またボディは非常に薄く、低価格モデルのわりには見た目がさわやかです。CPU性能はそれほど高くはないものの、外観やディスプレイなどの品質面にコストをかけているのでしょう。お値段以上に満足できる仕上がりだと思います。
おすすめは8GBメモリー搭載モデルです。本格的なソフトを使った重い処理には向かないものの、文書作成やネットの調べ物などの軽い処理には問題なく利用できます。光学ドライブや有線LANが必要ない人におすすめします。
気になる点
個人的にはキーボードのタイプ感が気になりました。スイッチがグラついたりキーボード全体がたわむなど、仕上がり的にはイマイチです。その点を気にしなければ普通に使えます。
HP 15s-eq1000
税込3万9050円~
※2020年7月3日時点
*
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