
サイコムのG-Master Hydro Z590-Miniは、専用GPUとしてGeForce RTX 3070を搭載するゲーミンデスクトップPCです。特徴は、CPUとGPUを水冷式の冷却ユニットで冷やす「デュアル水冷システム」を採用している点。一般的な空冷式に比べて内部を効果的に冷却可能で、高い静音性とパフォーマンスを実現しています。

G-Master Hydro Z590-Mini ※ディスプレイは別売り
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
- ▶ スペック
 - ▶ 本体の外観
 - ▶ 分解方法とパーツ交換について
 - ▶ ベンチマーク結果
 - ▶ まとめ
 

※2021年6月14日時点
G-Master Hydro Z590-Miniのスペック
| OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro  | 
|---|---|
| CPU | ・第11世代Core i5 / i7 / i9 ・第10世代Core i9  | 
| チップセット | Intel Z590 | 
| メモリー | 8~128GB ※スロット4基、DDR4 3200  | 
| ストレージ | ・NVMe SSD 最大2TB ・SATA SSD 最大2TB ・HDD 最大8TB  | 
| グラフィックス | RTX 3070 | 
| 電源 | 750W~1200W | 
| サイズ | 幅210mm 奥行き399mm 高さ399mm  | 
| 重量 | ※明記なし | 
※2021年6月14日時点。構成は変更される場合があります
| フォームファクター | Micro ATX | 
|---|---|
| SATAポート | 4 | 
| M.2スロット | 3 (Wi-Fi用×1、ストレージ用×2) | 
| 光学ドライブ | - | 
| ドライブベイ | 3.5インチ×2、2.5インチ×3 | 
| 拡張スロット | PCI Express x16 ×2 PCI Express x1 ×2 ※Quad CrossFireX / CrossFireX対応  | 
| 有線LAN | 1000Mbps | 
| 無線LAN | - | 
| Bluetooth | - | 
| USB3.2 | 2(背面) | 
| USB3.0 | 4(前面×2、背面×2) | 
| USB2.0 | 2(背面) | 
| USB Type-C | - | 
| Thunderbolt 3 | - | 
| メモリーカード | - | 
| HDMI | 1 | 
| VGA (D-sub15) | 1 | 
| DisplayPort | 3 | 
| DVI | - | 
| シリアルポート | - | 
| PS/2 | 1 | 
| 付属品 | キーボード、マウス、マウスパッド、電源アダプターなど | 
| オフィス | ※オプションで追加可能 | 
本体の外観
サイズについて
G-Master Hydro Z590-Mini、デスクトップPCのなかでは標準的なサイズの「ミニタワー型」に分類されます。ただし一般的なミニタワー型と比べて本体がひとまわりコンパクトです。通常のミニタワー型よりも接地面積が小さく、外観の圧迫感もありません。
デスクトップの主な分類
| ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 | 
![]()  | 
|||
| 機能:◎ 拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎  | 
機能:◎ 拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○  | 
機能:○ 拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△  | 
機能:△ 拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△  | 

高性能ゲーミングPCでありながら、本体が比較的コンパクト

ボックスティッシュとのサイズ比較

前面(左)と背面(右)。幅は21cmで、高さは39.9cm

左側面(左)と右側面(右)。奥行きは39.9cm

左側面のパネルは強化ガラス製

底面部には取り外し可能なダストフィルター

天面部にもマグネット式の防塵フィルター

電源を入れるとLEDイルミネーションが点灯

LEDストリップは電源ボックスカバーの上に1箇所

もうひとつは本体上部フレーム

RGBイルミネーションが雰囲気を盛り上げます
インターフェースについて
周辺機器接続用のインターフェース(端子類)は多くはありませんが、十分な構成です。ただしメモリーカードスロットがない点に注意してください。デジカメやスマホなどからカード経由でデータを転送する場合は、別途メモリーカードリーダーが必要です。

前面のインターフェース
- ① ヘッドホン出力 / マイク入力
 - ② リセットボタン
 - ③ 電源ボタン
 - ④ USB3.0
 

背面のインターフェース ※Core i5モデル
- ① P/S2端子(マウス/キーボード用)
 - ② USB2.0
 - ③ HDMI(非使用)
 - ④ DisPlayPort(非使用)
 - ⑤ USB3.2 Gen2
 - ⑥ USB3.2 Gen1
 - ⑦ 有線LAN
 - ⑧ オーディオ端子
 - ⑨ HDMI
 - ⑩ DisplayPort
 
分解方法とパーツ交換について
内部へのアクセス方法
側面のパネルを外すと、内部のメンテナンスやパーツ交換などが行なえます。サイドパネルのネジは手でも外せるので、作業は簡単です。左側面のパネルは強化ガラスですが割れないわけではないので、取り扱いには注意したほうがいいでしょう。

左パネルを外した状態

右パネルを外した状態
各部のパーツ

標準のCPUクーラーは水冷式

メモリースロットは4基で、最大容量は128GB

SSD用のM.2スロット

グラボも水冷式

グラボが落ちないようにサイコムオリジナルのVGAサポートステイでしっかり支えられています

PCIe x16スロットは2基。AMD CrossFire対応です

フロントの空冷ファン
G-Master Hydro Z590-Miniのベンチマーク結果
試用機のスペック
| CPU | Core i7-11700K | 
|---|---|
| メモリー | 16GB | 
| ストレージ | インテル SSD 660p 1TB | 
| グラフィックス | サイコムオリジナル静音仕様 GeForce RTX 3070 | 
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
ストレージ性能
標準構成では、ストレージにインテルのSSD 660p 1TBモデルが使われていました。PCIe 3.0 x4の高速タイプですが、アクセス速度はまずまずといったところです。負荷の高いテストを連続で行なっても速度が低下しなかったので、サーマルスロットリングによる影響は少ないと考えられます。

1TB SSDのアクセス速度。左が標準テストの結果で、右が高負荷テストの結果
CPU性能
CPUは第10世代のCore i9、または第11世代のCore i5 / i7 / i9で、注文時のカスタマイズオプションで変更できます。Core i7-11700K搭載の試用機でCPU性能を計測するベンチマークテストを行なったところ、非常に優秀な結果が出ました。ゲームはもちろん、動画編集などの重い処理でも快適にこなせるでしょう。

CPUベンチマーク(コア性能)の結果 ※そのほかのスコアは当サイト計測の平均値
グラフィックス性能
GPUはミドルハイクラスのGeForce RTX 3070です。3D性能を計測するベンチマークテストでは、前世代のハイエンドGPUであるRT 2080 Tiと変わらない結果が出ました。非常に高性能です。

Time Spy(DirectX 12、WQHD)のスコア ※そのほかのスコアは当サイト計測の平均値

Fire Strike(DirectX 11、フルHD)のスコア ※そのほかのスコアは当サイト計測の平均値
PCとしての汎用性
PCを使った各種作業の快適さを計測する「PCMark 10」を試したところ、前世代のハイエンドクラス相当の結果が出ました。ゲームだけでなく、ビジネスやコンテンツ制作でも活用できます。

PCMark 10ベンチマークスコア ※目標値はPCMark 10公式サイトによるもの
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲーム系ベンチマークテストを試したところ、フルHDでは重量級の重いゲームでも最高画質で快適に楽しめるとの評価でした。WQHD(2560×1440ドット)でも高画質で快適に楽しめるでしょう。4Kについては、重量級では少々厳しいかもしれません。
FF15ベンチ (重い / DX11)

| 画質 | スコア / 評価 | 
| 高品質 | 11523 / とても快適 | 
| 標準品質 | 15476 / 非常に快適 | 
| 軽量品質 | 16652 / 非常に快適 | 
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)

| 画質 | スコア / 平均FPS | 
| 最高品質 | 21091 / 166.1 FPS | 
| 高品質 | 21747 / 176.2 FPS | 
| 標準品質 | 26150 / 229.9 FPS | 
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)

| 画質 | スコア / 評価 | 
| 最高品質 | 24470 / すごく快適 | 
| 標準品質 | 24418 / すごく快適 | 
| 低品質 | 24904 / すごく快適 | 
※1920×1080ドットの結果
PSO2 ニュージェネシスベンチ(やや重い / DX11)

| 画質 | スコア / 平均FPS | 
| ウルトラ | 29515 | 
| 中 | 46129 | 
| 最低 | 49515 | 
※1920×1080ドットの結果。5000以上が快適に遊べる目安
高性能&静かなゲーミングPC

よかった点
実はデスクトップPC向けの第11世代CPUとRTX30シリーズを触るのは初めてだったのですが、非常に高性能で驚きました。今回は検証環境の都合でフルHD以上での解像度でチェックできなかったのですが、おそらくWQHD以上の高解像度でも重いタイトルを快適に楽しめるでしょう。
さらにビックリしたのは、駆動音が静かな点です。高負荷な処理の最中での音の大きさは43.9dBA程度。ファンの音がはっきりと聞こえますが、うるさく感じるほどではありません。場合によっては、G-Master Hydro Z590-MiniよりもうるさいノートPCはけっこうあります。いま使っているデスクトップPC(3年半前に購入)が49dBAでけっこううるさく感じるので、本気で買い替えを検討したくなりました。CPU&GPUのデュアル水冷仕様は効果抜群です。
気になる点
値段は標準構成で32万円台と、ややお高めです。いいものは高いのは当たり前なのですが、気軽に出せる金額ではありません。ちょっと生々しい話ですが、たとえば個人事業主であれば30万円未満までは少額減価償却資産の特例で経費として認められるのでもう少し安ければ……、というのはあるかもしれません。とは言え最近はどこもパーツ不足で値上がり傾向ですので、仕方がないのでしょう。

※2021年6月14日時点
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