
デルのInspiron コンパクト デスクトップ(3891)(以下、”Inspiron 3891″)は、ミニタワー型のデスクトップPCです。一般的なミニタワー型よりもコンパクトな上に、無線LANやBluetoothに標準対応。価格も安く、第10世代のCore i3搭載で5万円台、第11世代のCore i5搭載で6万円台と手頃な値段で入手できます。

Inspiron コンパクト デスクトップ(3891)
主なラインナップ
| スタンダード | |
|---|---|
|      | 5万3934円 | 
| スタンダード(SSD+HDD搭載) | |
|        | 5万9743円 | 
| プレミアム | |
|      | 6万3894円 | 
| プレミアム(SSD+HDD搭載) | |
|        | 6万8873円 | 
| プレミアム(大容量SSD搭載) | |
|      | 7万1364円 | 
※2021年10月6日時点
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
- ▶ スペック
- ▶ 本体の外観
- ▶ 分解方法とパーツ交換について
- ▶ ベンチマーク結果
- ▶ まとめ

※2021年10月6日時点
Inspiron コンパクト デスクトップ(3891)のスペック
| OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro | 
|---|---|
| CPU | ・Core i3-10105 ・Core i5-11400 | 
| チップセット | Intel B560 | 
| メモリー | 8GB ※スロット2基、最大64GB、DDR4 2666 / 2999 | 
| ストレージ | ・1TB HDD ・256GB SSD + 1TB HDD ・512GB SSD | 
| グラフィックス | ・UHD 630(Core i3) ・UHD 730(Core i5) ・GTX 1650 SUPER | 
| 電源 | ・260W ・360W(グラボあり) | 
| サイズ | 幅154mm 奥行き293mm 高さ324.3mm | 
| 重量 | 最小4.94kg | 
※2021年10月6日時点。構成は変更される場合があります
| フォームファクター | ※独自仕様 | 
|---|---|
| SATAポート | 3 | 
| M.2スロット | 2 (Wi-Fi用×1、ストレージ用×1) | 
| 光学ドライブ | DVDスーパーマルチ | 
| ドライブベイ | 3.5インチ×1 | 
| 拡張スロット | PCI Express x16 ×1 PCI Express x1 ×1 | 
| 有線LAN | 1000Mbps | 
| 無線LAN | Wi-Fi 6 | 
| Bluetooth | Bluetooth 5.1 | 
| USB3.2 | 3(前面×1、背面×2) | 
| USB3.0 | - | 
| USB2.0 | 4(前面×2、背面×2) | 
| USB Type-C | 1(USB3.2 Gen1 前面) | 
| Thunderbolt 3 | - | 
| メモリーカード | SD | 
| HDMI | 1 | 
| VGA (D-sub15) | 1 | 
| DisplayPort | 1(GTX1650搭載) | 
| DVI | 1(GTX1650搭載) | 
| シリアルポート | - | 
| PS/2 | - | 
| 付属品 | USBキーボード、USBマウス、電源ケーブルなど | 
| オフィス | ※オプションで追加可能 | 

付属のUSBキーボードとUSBマウス
本体の外観
サイズについて
Inspiron 3891は、デスクトップPCのなかでは標準的なサイズの「ミニタワー型」に分類されます。ただし一般的なミニタワー型と比べて本体がひとまわりコンパクト。通常のミニタワー型よりも接地面積が小さく、外観の圧迫感もありません。
デスクトップの主な分類
| ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 | 
|  | |||
| 機能:◎ 拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎ | 機能:◎ 拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○ | 機能:○ 拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△ | 機能:△ 拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△ | 

Inspiron 3891の外観

ボックスティッシュとのサイズ比較

前面と背面。幅は15.4cm

左側面(左)と右側面(右)。奥行きは29.3cmで、高さは32.43cm

23.8インチディスプレイと組み合わせたときの設置イメージ
インターフェースについて
周辺機器接続用のインターフェース(端子類)は多くはありませんが、十分な構成です。

前面のインターフェース
- ① DVDスーパーマルチドライブ
- ② 電源ボタン
- ③ SDカードスロット
- ④ ヘッドホン端子
- ⑤ USB2.0
- ⑥ USB3.2
- ④ USB3.2 TypeC

背面のインターフェース
- ① ヘッドホン端子
- ② HDMI
- ③ VGA(D-sub15ピン)
- ④ USB3.2
- ⑤ USB2.0
- ⑥ 有線LAN
- ⑦ DVI(GTX1650搭載時)
- ⑧ HDMI(GTX1650搭載時)
- ⑨ DisplayPort(GTX1650搭載時)
試用機では拡張スロットに、シリアルポートとパラレルポートの拡張ボードが挿されていました。これが標準の機能なのかは不明です。ただ公式サイトでは「実際の商品にはシリアルポートとパラレルポートが実装されています」との表記があるので、もしかすると標準仕様なのかもしれません(そうではない可能性もあります)。

試用機ではレガシーポートの拡張ボードが使われていましたが、これが標準仕様なのかは不明
分解方法とパーツ交換について
内部へのアクセス方法
側面のパネルを外すと、内部のメンテナンスやパーツ交換などが行なえます。サイドパネルのネジは手でも外せるので、作業は簡単です。ネジで固定するSSDを除いてほとんどの作業はツールレスで、ドライバーなどは必要ありません。

側面のパネルを外した状態

フロントパネルも取り外し可能
各部のパーツ

マザーボード全体

CPU部分には空冷ファンの効果を高めるファンエアーフローカバーが取り付けられています。カバーは取り外し可能です

メモリースロットは2基

拡張スロット類
- ① PCI Express x1
- ② PCI Express x16
- ③ ストレージ用M.2スロット(Type-2230/2280対応)

フロント部分に3.5インチドライブベイ

試用機の電源は360W 80PLUS BRONZEでした。現在販売中のモデルは260Wの80PLUS BRONZE

補助電源ケーブルは6ピン用

SATAポートは3基

拡張スロットにはフルハイトの拡張ボードを使用可能。長さは21cm前後までOKです

拡張ボードをロック用のパーツで固定可能。ネジ留めは必要ありません

試用機で使われていたGTX 1650 SUPERのグラボ。現在グラボ付きモデルは販売停止中です
ベンチマーク結果
試用機のスペック
| CPU | Core i5-11400 | 
|---|---|
| メモリー | 8GB | 
| ストレージ | 256GB SSD + 1TB HDD | 
| グラフィックス | GeForce GTX 1650 SUPER | 
※各種ベンチマークテストは、Windows 10の電源プランを「高パフォーマンス」に設定した上で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
ストレージ性能
試用機のストレージ構成は256GB SSD + 1TB HDDでした。アクセス速度はどちらも標準的。実際に使っていて、特に遅く感じる場面はありません。ただし1TB HDDのみのモデルでは、PCの起動やWindowsの更新などに時間がかかるでしょう。SSD付きモデルの利用を、強くおすすめします。

256GB SSD(左)と1TB HDD(右)のアクセス速度
CPU性能
CPUとしては、Core i3-10105またはCore i5-11400が使われています。試用機で使われていたCore i5-11400は第11世代の6コア12スレッドCPUで本来なら第10世代のCore i5-10400よりも高性能であるはずですが、CPUベンチマークでは低めのスコアが出ました。Inspiron 3891全体の症状なのか、それとも試用機固有の症状なのかはわかりません。性能は低くはないものの、ちょっと残念な結果です。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
| CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア | 
|---|---|
| Core i7-11700K | 5741 | 
| Core i9-11900KF | 5345 | 
| Ryzen 7 4700G | 4953 | 
| Core i7-10700KF | 4922 | 
| Ryzen 7 PRO 4750GE | 4093 | 
| Core i7-10700 | 3856 | 
| Ryzen 5 PRO 4650GE | 3291 | 
| Core i5-10400 | 3176 | 
| Inspiron 3891(Core i5-11400) | 2846 | 
| Ryzen 5 3500 | 2594 | 
| Core i3-9100 | 1587 | 
| Celeron G4930 | 535 | 
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
試用機では、GeForce GTX 1650 SUPERが使われていました。ただし現在(2021年10月上旬時点)はGPU搭載モデルが販売されていないので注意してください。GPUなしモデルは電源が260Wしかないため、GTX 1650 SUPERの350WやGTX 1650の300Wといった推奨電源容量をクリアーできません。GPUなしの性能はUHD 630よりやや上程度と考えたほうがいいでしょう。
ベンチマークスコア自体は、GTX1650としては妥当な結果です。
GPUの性能 (DirectX 12、WQHD)
| GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア | 
|---|---|
| RTX 3090 | 18521 | 
| RTX 3080 | 16515 | 
| RTX 3070 | 13072 | 
| RTX 2080 | 10305 | 
| RTX 2070 | 8738 | 
| RTX 2060 | 6754 | 
| GTX 1660 | 5303 | 
| GTX 1650 SUPER | 4614 | 
| Inspiron 3891(GTX 1650 SUPER) | 4470 | 
| GTX 1650 | 3383 | 
| Radeon(Ryzen 7) | 1424 | 
| UHD 630 | 421 | 
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能 (DirectX 11、フルHD)
| GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア | 
|---|---|
| RTX 3090 | 44130 | 
| RTX 3080 | 39977 | 
| RTX 3070 | 32448 | 
| RTX 2080 | 25358 | 
| RTX 2070 | 22766 | 
| RTX 2060 | 17645 | 
| GTX 1660 | 13004 | 
| GTX 1650 SUPER | 11853 | 
| Inspiron 3891(GTX 1650 SUPER) | 11459 | 
| GTX 1650 | 9005 | 
| Radeon(Ryzen 7) | 4328 | 
| UHD 630 | 1329 | 
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ゲーム系ベンチマーク結果
GTX1650搭載の試用機でゲーム系ベンチマークテストを試したところ、やや重い程度のゲームでもフルHDの高画質で快適のとの評価でした。ただし現在はGTX 1650 SUPER搭載モデルが販売されておらず、CPU内蔵のUHD 730ではごく軽めのゲームをなんとか楽しめる程度でしかありません。GPUなしモデルではゲームのプレーを考えないほうがいいでしょう。
FF15ベンチ (重い / DX11)

| 画質 | スコア / 評価 | 
| 高品質 | 3950 / 普通 | 
| 標準品質 | 5434 / やや快適 | 
| 軽量品質 | 5559 / やや快適 | 
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)

| 画質 | スコア / 平均FPS | 
| 最高品質 | 11725 / 82.5 FPS | 
| 高品質 | 12492 / 88.3 FPS | 
| 標準品質 | 16840 / 126.2 FPS | 
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)

| 画質 | スコア / 評価 | 
| 最高品質 | 22069 / すごく快適 | 
| 標準品質 | 21992 / すごく快適 | 
| 低品質 | 23088 / すごく快適 | 
※1920×1080ドットの結果
お手ごろな高性能デスクトップPC

よかった点
6コア12スレッドの高性能なCore i5-11400を搭載した機種が、6万円台で入手できるのは大きな魅力です。メモリーもストレージも最低限の構成ですが、できるだけ安くて高性能なデスクトップPCが欲しい人に向いています。
気になる点
ベンチマークテストの結果がふるわなかった点が気になります。今回のテストでは一般的なスコアに比べて30%程度低かったのですが、これが試用機固有の症状なのかそれともInspiron 3891全般で見られる症状なのかがわかりません。
またGPUなしモデルでは電源が260Wしかないため、GTX系のグラボを追加できない点も残念です。今後GPU付きモデルが再販されるかもしれませんが、現状ではグラフィックス性能は考えないほうがいいでしょう。メモリーを増設して、事務処理やデータ処理などに使うのに向いています。

※2021年10月6日時点
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