富士通の「LIFEBOOK WS1/W」は、13.3型の液晶ディスプレイを搭載したモバイル向けノートパソコンです。コンパクトでありながら、高い機能とユニークなギミックを兼ね備えている点が特徴。社会人や学生向けのメインパソコンとしてはもちろん、これからパソコンを始めたい人にとってもおすすめのモデルに仕上がっています。
今回は「LIFEBOOK WS1/W」のイベント展示機を使って、製品のレビューや前モデルの違い、お得な購入方法などについてお届けします。
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LIFEBOOK SH90とLIFEBOOK WS1の違いは?
ところで読者のみなさんは、富士通のLIFEBOOK WS1というモデルをご存知でしょうか? パソコンに詳しい方なら、13.3型の「LIFEBOOK SH90」というモデルなら目にしたことがあるかと思います。
今回取り上げるLIFEBOOK WS1とは、見た目がまったく同じです。実はLIFEBOOK WS1はLIFEBOOK SH90をベースに作られているので、大きさや基本的な機能はほぼ同じ。ではこのふたつは、どこが異なるのでしょうか?
販売している場所の違い
LIFEBOOK SH90は店頭販売向けの「カタログモデル」と呼ばれており、家電量販店や一般の通販ショップなどで入手できます。一方のLIFEBOOK WS1は「カスタムメイドモデル」と呼ばれるもので、富士通の直販サイト「富士通WEB MART」でしか入手できません。ただしカタログモデルのLIFEBOOK SH90は店頭ですぐに入手できますが、LIFEBOOK WS1は注文してから商品が届くまでに、しばらく待つ必要があります。
LIFEBOOK WS1はすぐに入手できるわけではありませんが、店頭で購入するよりも価格面や性能面などで大きなメリットがあります。多少時間がかかっても自分にピッタリのパソコンをお得に入手したいと考えているなら、LIFEBOOK WS1の購入をおすすめします。
基本性能の違い
店頭販売向けのLIFEBOOK SH90は、CPUやメモリー容量、ストレージの種類などがすべて決められています。あれこれ迷わずに購入できるという利点もありますが、性能面で過不足があってもガマンしなければなりません。パソコンを買ってみたらこんなに高い性能はいらなかった、あるいは思っていたよりも遅かった、なんて経験をしたことはないでしょうか?
LIFEBOOK WS1は購入時に、CPUやメモリー、HDDまたはSSDなどパーツ(部品)の種類を自由に選べます。いわゆる「パーツのカスタマイズ」と呼ばれるものです。パーツの性能を少し低めにしたり、逆に高性能なパーツを選ぶことで店頭モデルよりもパワーのあるマシンに仕上げるなど、自分に合ったパソコンを購入することができます。
パーツのカスタマイズは難しいのでは? と心配になる方もいるかもしれません。しかしご安心ください。カスタマイズは使いたいパーツをクリックして選ぶだけの簡単操作である上に、購入中にそれぞれの説明を確認できます。初心者の方でも、比較的簡単にカスタマイズできるでしょう。どうしても不安に感じるなら、記事後半で紹介する「おすすめ構成例」を参考にしてください。
価格の違い
最新モデルのLIFEBOOK SH90/Wは店頭予想価格が23万円強(税別)で、大手量販店では税込み24万円台(2015年11月18日時点)で販売されています。やや高めの印象を受けますが、これは店頭モデルで性能の高いパーツを使っているためです。
カスタムメイドモデルの最新版であるLIFEBOOK WS1/Wでは、通常のWEB価格が税込み19万4584円となっていますが、現在は20%オフのクーポンを利用することで、税込み15万5667円で購入できます。店頭モデルと比べて9万円近い差があるのですが、これはLIFEBOOK WS1/Wがやや性能の低いパーツを使っているためです。
以下の表は、LIFEBOOK SH90/WとLIFEBOOK WS1/W(最安構成時)のスペックの違いを表わしたものです。LIFEBOOK WS1/Wは価格が安い代わりに、ストレージの種類やバッテリー容量などでやや劣っていることがわかります。
LIFEBOOK SH90/WとLIFEBOOK WS1/W(最安構成時)の違い | ||
モデル | LIFEBOOK SH90/W | LIFEBOOK WS1/W |
---|---|---|
CPU | Core i5-6200U | Core i5-6200U |
メモリー | 4GB | 4GB |
ストレージ | 256GB SSD | 500MB HDD |
ディスプレイ | 2560×1440ドット、タッチ対応 | 1920×1080ドット、タッチ非対応 |
バッテリー | 77Wh(約14.8時間) | 51Wh(10.3時間) |
オフィス | Office Home and Business Premium | なし |
かと言って、LIFEBOOK WS1/Wは必ずしも性能が低いから安いというわけではありません。試しに店頭モデルと同じスペックで構成してみると、税込価格は20万9555円(20%オフクーポン適用、送料無料)と、店頭で買うよりも3万円程度安く入手できます。LIFEBOOK WS1/Wはメーカー直販だからこそ、お得な価格で購入できるのです。
またカスタマイズ時に高性能なパーツを選択することで、店頭モデルよりもはるかにパワフルなマシンに仕上げることもできます。たとえばLIFEBOOK SH90のCPUはCore i5-6200Uでメモリー容量は4GBですが、LIFEBOOK WS1/WではCPUにCore i7-6500Uを選べる上に、メモリー容量を最大12GBに増やせるのです。そのぶん値段も高くなりますが、より高い性能を求めるなら必然的にLIFEBOOK WS1を選ぶことになります。
保証サービスの違い
店頭で購入したパソコンには、通常1年間のメーカー保証が付いています。しかし富士通WEB MARTで購入したカスタムメイドモデルは、メーカー保証が3年間です。 保証期間が過ぎると修理費用が高くつくこともあることを考えれば、無料で3年間保証してもらえるのはかなりお得ではないでしょうか。
さらに落下や水濡れなど不慮の事故にも対応できる「ワイド保証」や、メーカー保証を5年間に延長する「5年保証」などの保証サービスも用意されています。このふたつは有償で提供されていますが、長期間安心して使えることを考慮すれば決して高額なサービスではありません。また現在はWindows 10発売記念キャンペーンとして、通常のサービス価格よりも安く提供されています。このようにLIFEBOOK WS1は、店頭モデルよりも保証サービスが充実しているのです。
店頭モデルでも、ショップが提供する保証サービスを利用することで、長期間安心して使うことができます。しかし故障修理時の対応にかかる時間や安心感を考えれば、メーカーの保証サービスを利用したほうがいいかなと思います。
LIFEBOOK SH90とLIFEBOOK WS1の違いまとめ
ここまで長々と説明してきましたが、LIFEBOOK SH90とLIFEBOOK WS1の違いをまとめると、以下の表のとおりとなります。こうしてみると入手まで時間が多少の時間がかかるものの、LIFEBOOK WS1のほうがメリットが多いことがわかります。ただしショップに寄ってはポイントなど独自のサービスを採用しているところもありますので、これらを駆使すると多少変わってくるかもしれません。
LIFEBOOK SH90とLIFEBOOK WS1の違い | ||
モデル | LIFEBOOK SH90/W | LIFEBOOK WS1/W |
---|---|---|
購入について | 家電量販店や通販サイト。店頭購入ならすぐ入手できる | 富士通直営「富士通WEB MART」限定、商品の到着に1周間程度かかることもある |
性能について | スペック固定の1モデルのみ。性能は標準的 | パーツを組み合わせることで、性能の低い/高いを自分で調整できる |
価格について | ショップによって違いはあるものの、値段は大きく変わらない。2015年11月中旬は税込み24万円台 | スペックを抑えることで価格を安くできる。店頭モデルと同じ性能でも1~2割安い |
保証について | 1年間のメーカー保証が基本。ショップによっては有料の保証サービスを用意 | 標準で3年間のメーカー保証が付属。メーカー提供の有償保証もあり |
LIFEBOOK WS1/Wの外観をチェック
さて前置きが長くなっていましましたが、続いてはLIFEBOOK WS1/Wの外観面について紹介しましょう。本体サイズは幅315.8×奥行き214×高さ11~19.8mmです。A4用紙(幅297×奥行き210mm)よりも、ふた回りほど大きいと考えれば、サイズ感をイメージしやすいでしょう。
重量は約1.2~1.5kgです。パーツ構成によって重量がかわるため、一定ではありません。たとえばストレージにSSDを選び、タッチ非対応の液晶ディスプレイを選択すると、もっとも軽い状態(モバイル・マルチベイ用カバー装着時)で重量は1.2kgとなります。モバイル向けノートパソコンとしては特別軽いわけではありませんが、十分持ち歩ける範囲内だと思います。
今回試用した展示機はスパークリングブラックのモデルで、表面は光沢なしのノングレア仕上げになっていました。反対に、アーバンホワイトのモデルでは、光沢ありのグレア加工になっています。光沢仕上げとブラック塗装の組み合わせは指紋の汚れが非常に目立つので、非光沢を採用しているのでしょう。
単にブラックと言っても、のっぺりとした真っ黒ではありません。わずかにパールパウダーの輝きがあり、落ち着いた色合いながらも高級感のある仕上がりになっています。
ボディの素材は、軽くて強度の高いマグネシウム合金です。さらにマグネシウムには電磁波を遮る特性などもあり、ノートパソコンにはピッタリの素材なのですが、あくまでも個人的な好みを言わせていただくなら、筆者はアルミ素材のほうが存在感があって好きです。マグネシウムのボディって、なんか薄くてベコベコする感じなんですよね。とは言っても頑丈さはちゃんと確保されていますので、ご安心を。単に筆者がMgよりもAlラブというだけの話です。
LIFEBOOK WS1/Wはモバイル向けノートパソコンのなかでは特別コンパクトというわけではなく、最軽量というわけでもありません。しかし豊富な機能を搭載した上で、これほどのサイズと重量を実現しているのは驚きです。詳しくは後述しますが、「全部入り」のモバイルノートパソコンとしては最強クラスの持ち運びやすさだと思います。
ポイント
- 本体カラーはブラックとホワイトの2種類
- サイズと重量は標準的
フルHDとWQHDの液晶ディスプレイを用意
液晶ディスプレイのサイズは13.3型で、高精細で視野角の広いIGZOパネルを採用しています。解像度は1920×1080ドットのフルHDか、2560×1440ドットのWQHDのどちらかを選択可能。またタッチパネルの有無も購入時のカスタマイズ画面から選択できます。
値段が高くなるのは2560×1440ドットのWQHDディスプレイのほうですが、写真や文字の精彩さがフルHDと比べてかなり違います。フルHDのほうではよくみるとドットのギザギザ感が見られますが、WQHDでは細かい部分までシャープです。デジカメやスマートフォンなどで撮影した写真をより美しく表示した方は、WQHDディスプレイを選ぶといいでしょう。
タッチパネルに有無については、好みで選んでOKです。ただタッチパネルを搭載すると、液晶ディスプレイの表面が光沢ありのグレア仕上げになります。強い照明の下では、光の映り込みが気になることがあるかもしれません。ちなみに上の写真の液晶ディスプレイはタッチ対応で、照明の光が写り込んでいることがわかります。一般的に光の映り込みが少ないほうが目が疲れにくいと言われていますので、長時間作業する方にはタッチ非対応の非光沢ディスプレイをおすすめします。
ポイント
- 2560×1440ドットのWQHDディスプレイは写真が細部まで鮮明
- タッチ非対応ディスプレイは光の映り込みが少なく目が疲れにくい
タイプ感に優れるキーボードを採用
キーボードはテンキーなしの86キー構成で、標準的な日本語配列を採用しています。キーピッチ(キーの大きさを表わす目安)は横19mm、縦18mmと、デスクトップ向けのフルキーボード(キーピッチ19mm)と変わらない大きさです。実際に使ってみたところキーの大きさがすべて統一されているので非常に入力しやすく、打ち間違いもありませんでした。
キーストロークは約1.2mmとされています。ストロークが深いほどタイプ感がよく軽快に入力できると言われていますが、LIFEBOOK WS1/Wの1.2mmはそれほど深いわけではありません。しかしよく使う英数字キーの押下圧(キーを押すのに必要な力)はやや大きめになっており、入力に少し強めの力が必要なこともあって、体感的には1.5mmのストロークがあるように感じました。入力に大きな力が必要というわけではなく、ストロークが深くて使いやすいキーボードのようだという意味です。
2014年に発売された「LIFEBOOK SH90/M」ではキーストロークが1.0mmで、入力時の手応えが感じられず「ペタペタ」としたタイプ感でした。それから2015年の春モデル「LIFEBOOK SH90/T」では1.2mmとなりタイプ感は改善されましたが、2015年秋冬モデルでは押下圧を強くしたことでタイプ感がさらに向上しています。
ちなみにスペースキーやEnterキーなどの押下圧は調整されておらず、従来どおり軽い力で入力できます。これは、親指や小指の押す力はほかの指に比べて弱いため。押下圧を2段階に分けることで、タイプ時の心地よさを実現しているのです。筆者は仕事でさまざまなパソコンに触れていますが、LIFEBOOK WS1/Wのキーボードの使いやすさはトップクラスと言っても過言ではありません。
ポイント
- キーが大きくて等幅なので入力ミスが少ない
- 2段階の押下圧で、英数字キーをサクサク快適にタイプできる
ビジネスシーンでも活躍する豊富なインターフェース
LIFEBOOK WS1(LIFEBOOK SH90)シリーズの特徴のひとつに、インターフェースが充実しているという点が挙げられます。実際に用意されているのはUSB3.0端子×3、アナログRGB(D-sub15ピン)端子、HDMI端子、有線LAN端子、NFC、SD/SDHC/SDXC対応メモリカードスロット、ヘッドホン出力など。13.3型のモバイルノートパソコンではUSB3.0端子とHDMI端子しか用意されていないモデルが多いのですが、LIFEBOOK WS1の端子類はかなり多めです。
ここで注目したいのは、有線LAN端子とアナログRGB端子を搭載している点です。このふたつを搭載していることで、ビジネスシーンの「困った!」にも対応できるようになります。
たとえば、アナログRGB端子について。最近の液晶ディスプレイやプロジェクターには標準でHDMI端子が搭載されているので、ケーブルがあればパソコンの映像を大きな画面で表示することができます。しかし会社によっては、HDMI非対応の古い製品や格安モデルを使っていることもあるでしょう。自社の場合ならなんとか解決できますが、外出先の会社でHDMI非対応製品を使っていると、パソコンを接続できずに困ることがあります。
HDMI端子をアナログRGB端子に変換するためのアダプターも販売されていますが、これらのアダプターはとても小さく、ついつい持ち歩くのを忘れがちです。せっかく打ち合わせ先にパソコンを持ち込んだのに、端子の形が合わず使えなかったという経験はないでしょうか? 筆者はあります(涙)。
また最近は無線LANでネットワークに接続するのが主流ですが、セキュリティー上の理由から有線LANを使っているところも少なくありません。ホテルのインターネットサービスも、有線LANのみ対応というケースもあります。
インターフェースの少ないパソコンではアダプター類をいくつも持ち歩く必要がありますが、LIFEBOOK WS1ならアダプター類は不要です。持ってくるのを忘れて困ることもありません。ケーブルは持ち歩く必要があるかもしれませんが、たいていの場合は機材の設置場所に用意されているでしょう。このように豊富なインターフェースを備えるLIFEBOOK WS1は、さまざまなシーンでスムーズに活用できるのです。
ポイント
- ビジネスシーンで使う機会の多いアナログRGB端子と有線LAN端子を用意
- コンパクトなボディでありながら、インターフェースの数/種類が多い
パーツ交換で性能をパワーアップできる「モバイル・マルチベイ」を採用
光学ドライブはDVDの再生やソフトのインストール、ファイルのバックアップなどに必要ですが、いつも使うわけではありません。むしろ使わないときのほうが多いのではないでしょうか?
LIFEBOOK WS1(LIFEBOOK SH90)シリーズでは取り外し可能な光学ドライブを搭載しており、使わないときはカバーを付けておくことで本体の重量を軽量化できます。また別売りのオプションとして用意されている「増設用内蔵ハードディスクユニット」や「増設用内蔵バッテリユニット」を光学ドライブの代わりに装着することで、本体の性能をパワーアップさせることが可能です。この仕組みは、「モバイル・マルチベイ構造」と呼ばれています。
店頭では増設用ユニットは販売されていないため、富士通WEB MARTで購入する必要があります。店頭モデルではあとから買い足すことになりますが、カスタマイズモデルなら本体と同時に購入することで増設ユニットの価格が半額となることもありお得です。キャンペーン内容はタイミングによって変わるので、普段からチェックしておいて、「ここぞ!」という場面でまとめて購入するのもアリでしょう。
ポイント
- 光学ドライブを取り外した場所に、増設用のバッテリパックやHDDを装着できる
- LIFEBOOK WS1なら本体と同時購入で増設ユニットをお得に購入できることがある
長時間駆動&高い堅牢性でモバイル利用にも最適
最新モデルLIFEBOOK WS1/Wのバッテリー駆動時間はパーツ構成によって異なりますが、最短で9時間、最長で15.8時間とされています。実際の利用ではこの数値よりも多少短くなりますが、丸1日は十分利用できるでしょう。
LIFEBOOK WS1/W購入時に注意したい点は、内蔵バッテリパックが標準で4セル(51Wh)になっている点です。店頭モデルLIFEBOOK SH90/Wよりもバッテリー容量が低く、駆動時間は最長でも10.8時間しかありません。より長く使いたい場合は、購入時のカスタマイズ画面で6セル(77Wh)のバッテリパックを選びましょう。オプションとして用意されている増設用バッテリユニットを購入すれば、バッテリー駆動時間は最長で21時間となります。
またバッテリー駆動時間は、ストレージの種類と液晶ディスプレイのタイプによっても変わります。ストレージではSSDのほうがHDDよりも消費電力が小さく、液晶ディスプレイではフルHD(1920×1080ドット)のほうがWQHD(2560×1440ドット)よりも省電力性能に優れています。バッテリー性能を重視するなら、SSDとフルHD液晶ディスプレイの組み合わせがおすすめです。CPUについてはCore i7よりもCore i5のほうが消費電力が小さくなるのですが、パソコンとしての性能に大きく影響する部分なので、バッテリー駆動時間からは判断しないほうがいいでしょう。
LIFEBOOK WS1/Wでは、本体の頑丈さについても保証されています。公式サイトによると、約76cmの落下試験と約200kgfの全面加圧試験、約35kgfの1点加圧試験をクリアーしているとのことです。これまで本体の堅牢性についてには「超圧縮ソリッドコア」と呼ばれるボディについて触れられていた程度ですが、2015年の秋冬モデルからビジネス向けのモバイルノートパソコンとしての実用性/安全性もアピールされるようになりました。
ポイント
- バッテリー駆動時間は長めだが、購入時には77Whのバッテリーパックを選ぶ
- 衝撃や振動にも強く、持ち運びの利用に向いている
Windows Helloを使った指紋認証サインインに対応
LIFEBOOK WS1(LIFEBOOK SH90)シリーズでは、以前から指紋認証センサーを搭載していました。従来は付属ユーティリティーを使うことでアプリやWebサービスのログインが可能でしたが、最新モデルからはWindows 10の新機能「Windows Hello」に対応することで、指紋認証によるサインインが可能になっています。
筆者も試してみたことがありますが、指紋認証によるサインインは非常に簡単です。サインインのたびにパスワードやPINを入力する必要がなく、指をセンサーにすべらせるだけ。サインインの手続きが簡略化されるだけでなく、セキュリティーも強化されるメリットがあります。
いまはまだWindows 10のサインインにしか対応していませんが、今後対応するアプリやWebサービスが増えれば、ログイン手続きがいまよりもグッと手軽になるはずです。これからは指紋認証センサーを搭載したパソコンを買ったほうが、いろいろな場面で便利になるでしょう。
ポイント
- パスワードを入力することなく、指でセンサーに触れるだけでサインインできる
- 対応アプリ/サービスが増えれば、ログイン手続きがより簡単に!
Skylake世代CPU+DDR4で基本性能がアップ!
次に、LIFEBOOK WS1のスペックについて解説します。最新モデルLIFEBOOK WS1/Wは、CPUにSkylakeこと第6世代のCore iプロセッサーを採用しているのが大きな特徴です。CPUの処理性能が向上しているだけでなく、グラフィックス機能もパワーアップしました。またメモリーには従来のDDR3規格よりも高速なDDR4規格を採用しています。CPUとメモリーの性能がアップしたことにより、体感速度の向上も期待できます。
前モデルLIFEBOOK WS1/Tとの違いは、以下の表のとおりです。前モデルに比べてパワーアップしている箇所を赤い字で表わしていますが、かなりの部分が改善されたことがわかります。
LIFEBOOK WS1シリーズ2015年秋冬モデルと2015年春モデルとの違い | |||
分類 | 2015年秋冬モデル | 2015年春モデル | |
---|---|---|---|
製品名 | LIFEBOOK WS1/W | LIFEBOOK WS1/T | |
OS | Windows 10 Home/Pro 64ビット | Windows 8.1/8.1 Pro Update 64ビット | |
CPU | Core i7-6500U(2.50GHz)/Core i5-6200U(2.30GHz) | Core i7-5500U(2.4GHz)/Core i5-5200U(2.20GHz) | |
メモリ | DDR4 4/8/12GB | DDR3L 4/8/12GB | |
グラフィックス | Intel HD Graphics 520 | Intel HD Graphics 5500 | |
ストレージ | 500GB/1TB HDDまたは256/512GB M.2 SSD | 500GB/1TB HDDまたは500GBハイブリッドHDD、または256GB SSD | |
光学ドライブ | BDXL対応ブルーレイディスクドライブ/DVDスーパーマルチドライブ | ||
ディスプレイ | 13.3型、2560×1440ドット/1920×1080ドット、IGZOディスプレイ | ||
タッチパネル | 対応/非対応 | ||
有線LAN | 1000BASE-T対応 | ||
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac | ||
Bluetooth | Bluetooth 4.1 | Bluetooth 4.0 | |
TV機能 | – | ||
センサー | 指紋センサー(Windows Hello対応) | 指紋センサー | |
Webカメラ | 92万画素 | ||
主なインタフェース | USB3.0×3、アナログRGB、HDMI、有線LAN、NFC、SD/SDHC/SDXC対応メモリカードスロット、ヘッドホン出力 | ||
本体サイズ | 幅315.8×奥行き214×高さ11~19.8mm | 幅319×奥行き215×高さ13.6~19.8mm |
実は筆者はとある媒体でベンチマークテストを試しているのですが、新モデルは前モデルに比べてスコアが高くなっています。特にグラフィックス性能が大きく伸びていました。前モデルのLIFEBOOK WS1/TやLIFEBOOK SH90/Tは型落ちして価格が安くなっていますが、性能の高さで考えれば、断然新モデルを選ぶべきだと思います。
ポイント
- CPUやメモリーのアップグレードで、前モデルより基本性能がアップ
- グラフィックス機能は大きく向上している
LIFEBOOK WS1シリーズの気になる点は?
個人的に新モデルのLIFEBOOK WS1/Wは素晴らしいデキだと思っているのですが、ひとつだけ気になる点があります。それはプリインストール済みのソフトがやたら多い点です。個人的には不要なものも多く含まれており、そのぶんストレージの容量やメモリー容量を消費していると思うと「なんだかなー」という気がします。
店頭販売向けのカタログモデルなら仕方がないかなとは思いますが、自分でカスタマイズして購入するLIFEBOOK WS1/Wなら、それほど付属ソフトは多くなくてもいいような気がします。まあそのぶん製造の手間がかかるので、現実的ではないかもしれませんが。
ある程度パソコンに慣れているなら、不要と思われるソフトはアインインストールするといいかもしれません。ただしあとで使いたくなったときのために、バックアップやリカバリー用のディスクは作成しておきましょう。本来必要なソフトまで削除してしまうと、ちょっと面倒なことにもなるので注意してください。ちなみにバックアップディスクの作成には、プリインストール済みの「バックアップナビ」が便利です。あれ、やっぱり付属ソフトは必要かな?
LIFEBOOK WS1/Wのおすすめ構成例を紹介
最後に、LIFEBOOK WS1/Wでおすすめのパーツの組み合わせを紹介します。なおここで紹介している組み合わせの価格は、2015年11月18日時点のものです。20%オフクーポン適用後の価格ですが、タイミングによってはクーポンやキャンペーン内容が変わることもある点に注意してください。
オフィスを安く使いたい人向け
オフィス付きでとにかく安くしたいという人には、以下の組み合わせがおすすめです。性能はそれほど高くはありませんが、店頭モデルに比べて7万円程度予算を低く抑えられます。
オフィス利用の最安パターン | |
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i5-6200U |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 500GB HDD |
ディスプレイ | フルHDタッチ非対応 |
バッテリー | 51Wh(約10.3時間) |
オフィス | Office Home and Business Premium |
その他 | ミニマムサポート(マイナス3000円) |
税込み価格 | 17万1675円(20%オフクーポン適用時) |
ここでのポイントは、電話サポートで「ミニマムサポート」を選んでいる点です。これは1年間無料で使える電話サポートを初回から有料とする代わり、クーポン適用後の価格からさらに3000円割り引きになるというもの。トラブルを自分で解決できるなら、積極的に利用するといいでしょう。なおこのミニマムサポートは、ほかの組み合わせでも利用可能ですが、このあと紹介するパターンでは組み込んでいません。
コストパフォーマンスを重視したい人向け
性能と価格のバランスを重視するなら、CPUにはCore i5-6200Uを選び、メモリー容量は8GBにするといいでしょう。ストレージにSSDを選ぶことで、Windows 10の体感速度が劇的に向上します。またこの組み合わせはもっともバッテリー性能が高く、モバイル用途にも向いています。どんなシーンでもバリバリ使える、汎用性の高い組み合わせです。
コスパ重視パターン | |
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i5-6200U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
ディスプレイ | フルHDタッチ非対応 |
バッテリー | 77Wh(約15.8時間) |
オフィス | なし |
税込み価格 | 19万227円(20%オフクーポン適用時) |
最強モバイルノートパソコンならこれ!
モバイル利用時でも性能に妥協したくないという人には、高いスペックと長時間駆動を実現した下記の組み合わせがおすすめ。上位CPUのCore i7-6500Uと十分なメモリー容量を搭載することで、負荷の高い処理でもサクサク快適にこなせます。また2560×1440ドットのWQHDディスプレイで、画像や文字も鮮明に表示可能。これらのパーツは消費電力が大きくなりますが、モバイル・マルチベイに増設用内蔵バッテリーユニットを装着することで、約19.8時間の長時間駆動を実現します。オフィスは含まれていませんが、ほぼ最強スペックで店頭モデルとあまり値段が変わらないのは驚きです。
最強モバイルPCパターン | |
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i7-6500U |
メモリー | 12GB |
ストレージ | 512GB SSD |
ディスプレイ | WQHDタッチ非対応 |
バッテリー | 77Wh(約19.8時間) |
オフィス | なし |
その他 | 増設用内蔵バッテリユニット |
税込み価格 | 25万707円(20%オフクーポン適用時) |
これまでのSHシリーズでもっとも完成度の高いモデル
筆者は以前からLIFEBOOK SHシリーズをウオッチし続け、実際に試用したりもしていますが、LIFEBOOK WS1/Wはここ2~3年でもっとも完成度の高いモデルだと感じています。性能と機能、操作性がすべて向上し、OSも最新版のWindows 10に変わりました。すべてが要素がガッチリとハマったモデルは、なかなかありません。その意味で、LIFEBOOK WS1/Wはかなりおすすめできるモデルです。
豊富な機能とインターフェースを備え、パソコンに必要な要素を網羅したLIFEBOOK WS1/Wは、いわゆる「全部入り」と呼ばれる構成です。デスクでじっくりと作業するのにはもちろん、外出先でのモバイル用途にも向いています。汎用的に使えるメインのパソコンとして、ビジネスパーソンや学生さんにおすすめします。