レノボのYoga Tab 13は、13インチサイズのAndroidタブレットです。高性能Snapdragon 870搭載で重いアプリがサクサク動く上に、クアッドスピーカー内蔵でサウンドは高品質。2160×1350ドットの高精細ディスプレイは、PCやゲーム機用の外付けディスプレイとしても使えます。
ポイント
- 😄 可動式スタンドが便利
- 😄 外部ディスプレイとしても使える
- 😄 迫力のあるサウンド
- 🙄 手で持つには大きい
この記事ではYoga Tab 13の実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。なお実機についてはガジェットレビューサイト「SIMPC」を運営するもくめゆうさんにお借りしました。この場を借りてお礼申し上げます。
※2021年11月4日時点
Yoga Tab 13(ZA8E0008JP)のスペック
OS | Android 11 |
---|---|
ディスプレイ | 13インチ 2160×1350 光沢 IPS タッチ対応 |
プロセッサー | Qualcomm Snapdragon 870 |
メモリー | 8GB LPDDR5 |
ストレージ | 128GB eMMC |
通信 | 11a/b/g/n/ac/ax + Bluetooth 5.2 |
カメラ | 800万画素 |
インターフェース | USB3.1 Gen2 Type-C(DP Alt対応)、micro HDMI入力 |
サイズ | 幅293.4×奥行き204×高さ6.2~24.9mm |
重量 | 830g |
バッテリー | 10000mAh、約12時間駆動 |
※2021年11月4日時点
パッケージ
Yoga Tab 13の外箱はシンプルながらもスタイリッシュな印象です。同梱物はマニュアル類のほかに、ACアダプターと充電用のType-Cケーブル、microHDMI to HDMI変換ケーブル、Type-C to 3.5mmオーディオジャック変換ケーブルの構成。
本体デザイン
Yoga Tab 13の外観は、とても特徴的です。本体下部には円筒状の突起があり、そこにバッテリーとスピーカーが内蔵されています。全面フラットな一般的なタブレットとは異なり、見た目的にも重さ的にもややアンバランスな気がするかもしれません。しかしこの円筒部分が、意外にも便利に使えるのです。
Type-C端子の機能
USB PD 18W充電 | ○ |
---|---|
USB PD 30W充電 | ○ |
USB PD 45W充電 | ○ |
USB PD 65W充電 | ○ |
USB PD 100W充電 | ○ |
映像出力 | ○ |
背面にはキックスタンドが用意されています。スタンドの角度を変えることで、本体をさまざまなスタイルで利用可能です。
サウンドが高音質である点もポイントです。スピーカーは合計4つで、ドルビーアトモス対応のJBL製。タブレットとは思えないほどのサウンドを実現しています。
ただチルトスタイルでは高音向けのスピーカーが接地面で反響するため、音がかなりシャカシャカと聞こえました。音楽を楽しむなら、スタンドスタイルがおすすめです。
使い方
Yoga Tab 13は単体でもAndroidタブレットとして利用可能ですが、周辺機器を利用することでより便利に使えます。たとえば文章を入力する機会が多いなら、ワイヤレスキーボードを用意するといいでしょう。細かな作業にはマウスも便利です。
オプションの「Lenovoプレシジョンペン2」を使えば、手書き入力も可能です。筆者の手持ちのペンを試したところSurfaceペンとデル製のペンは利用可能で、Apple PencilとChromebook向けのUSIペンは使えませんでした。もしかするとMPP(Microsoft Pen Protocol)対応ペンなら使えるのかもしれません。
Yoga Tab 13はHDMI入力が可能で、外付けディスプレイのように利用できます。ゲーム機やプレーヤー、PCなどを接続可能です。機器によっては変換アダプターが必要な場合もあるので、適宜用意してください。
なお外部ディスプレイとして利用している最中は、画面をタッチで操作できません。明るさや画面の比率のみ変更できます。
HDMI入力の信号を検知すると、自動的に外部ディスプレイモードに切り替わります。その際2~3秒の待ち時間がありますが、特に気になるほどの時間でもありません。
個人的には、外付けディスプレイとして利用できる点が便利に感じました。たとえば普段はノートPCのセカンドディスプレイとして利用し、仕事以外のときにはハイエンドなAndroidタブレットとしてゲームや動画を楽しむ、といった使い方が可能です。
サイズと重さ
13インチのディスプレイはデスクに置いて使うには手頃な大きさですが、手で持って使うにはかなり大きく感じます。重さは公称値で830g。実際に手で持つとそれほど重くはないのですが、片手で持ち続けるには厳しいでしょう。持ち歩きには問題ありませんが、手で持って使うモノではありません。
また従来のコンパクトなYoga Tabletシリーズは、円筒状の部分がちょうどいい持ち手として機能しました。しかしYoga Tab 13では重心が反対側へ移るため、ほかの機種ほどのグリップ感がありません。一瞬持ち上げる程度ならなんとかなりますが、基本的にはデスク等に設置するものと考えてください。
ディスプレイ
ディスプレイのサイズは13インチで、解像度は2160×1350ドット。アスペクト比(画面の縦横比率)は16:10で、一般的な16:9よりも若干縦長です。フルHDサイズの動画をフルスクリーンで再生すると、上下に黒い帯(非表示領域)が現われます。
パネルは光沢タイプのIPSで、自然な色合いです。色は鮮やかに映し出されますが、iPhoneやiPad、あるいはAndroidスマホのハイエンドモデルほどではありません。感覚的には「ちょっといいディスプレイ」程度です。
Androidタブレットでは色域や輝度を計測できないため、Windows PCの外部ディスプレイとした使った状態で、色域を計測しました。公称値ではsRGB 100%で、実測では99.6%。ほぼ公称値どおりの結果が出ています。プロレベルのクリエイティブワーク向けではありませんが、一般用途であれば問題ないレベルです。
測定結果 ※Windows PC接続時
sRGBカバー率 | 99.6% |
---|---|
Adobe RGBカバー率 | 75.2% |
DCI-P3カバー率 | 75.8% |
輝度 | 376nit(公称値400nit) |
リフレッシュレート | 53Hz |
ベンチマーク結果
※この部分は非常にマニアックなので、よくわからない人は▶最後のまとめまで読み飛ばしてください。
GeekBench 5
当サイトではAndroidデバイスのベンチマークデータが蓄積されていないため、他機種と比べてどうなのかは判断できません。ただしノートPCのデータと比較すると、Yoga Tab 13で使われているSnapdragon 870は2世代前のCore i5に迫る性能であることがわかります。Android OSはWindows 10よりもはるかに軽いため、各デバイスのCPU性能はあまり高くはありません。それでも旧世代のCore i5相当と考えれば、Android端末のなかでは非常に高性能であると言っていいはずです。
CPUの性能差 (マルチコア )
CPU | Geekbench 5 マルチコア |
---|---|
Ryzen 7 4700U |
5677
|
Core i7-1165G7 |
4900
|
Core i7-1065G7 |
4782
|
Core i5-1135G7 |
4746
|
Ryzen 5 4500U |
4468
|
Core i5-1035G1 |
4005
|
Core i7-10510U |
3539
|
Core i5-10210U |
3379
|
Yoga Tab 13 |
3129
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUの性能差 (シングルコア )
CPU | Geekbench 5 シングルコア |
---|---|
Core i7-1165G7 |
1539
|
Core i5-1135G7 |
1385
|
Core i7-1065G7 |
1311
|
Core i7-10510U |
1242
|
Core i5-1035G1 |
1217
|
Ryzen 7 4700U |
1146
|
Ryzen 5 4500U |
1089
|
Core i5-10210U |
1072
|
Yoga Tab 13 |
957
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
3DMark
3Dグラフィックス性能を計測する3DMarkでは、PCだとRyzen 5 5500UのRyzen Graphics相当です。わかりにくいかもしれませんが、PCであれば軽いゲームならそこそこ遊べる性能です。
ただしAndroid向けのゲームアプリはPCよりも動作が軽いため、この程度の性能でも問題ありません。実際に重めのゲームをいくつか試してみましたが、問題なくプレーできました。
CPUの性能差 (グラフィックス )
CPU | 3DMark Wild Lifeスコア |
---|---|
Core i7-1165G7(LPDDR4X) |
12474
|
Core i5-1135G7(LPDDR4X) |
11001
|
Core i7-1165G7(DDR4) |
8472
|
Ryzen 7 5700U |
6822
|
Core i5-1135G7(DDR4) |
6350
|
Core i7-1065G7 |
5291
|
Yoga Tab 13 |
4214
|
Ryzen 5 5500U |
4119
|
Core i5-1035G1 |
3469
|
Core i7-10510U |
3174
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
1台2役でも完成度が高い
よかった点
まずハイエンドなAndroidタブレットとしては、十分な仕上がりである点がポイントです。サウンド面にも映像面にも不満はなく、パフォーマンスも十分すぎるほど。ゲームや音楽、動画を楽しむのに向いています。
モバイルディスプレイとしても、問題ない仕上がりです。やや重い気はしますが、バッテリー内蔵であることを考えれば納得できます。できればType-C入力にも対応してほしかったところですが、そのあたりは仕方がないでしょう。今後のモデルに期待したいところです。
この手の「なんにでも使える」1台2役タイプは結局どちらも中途半端であることが多いのですが、Yoga Tab 13はどちらの用途でもしっかり使えます。この点については、正直なところ驚きました。持ち歩き時の荷物を減らしたり、できることが増えるという点でおすすめです。
気になる点
大きな画面は便利ではあるものの、純粋にタブレットとして利用するには大きくて重いため厳しいかもしれません。映像入力対応のAndroidタブレットと考えるよりも、Androidアプリを使える13インチモバイルディスプレイと考えたほうがいいでしょう。あと個人的には、もう少し安ければよかったと思います。
※2021年11月4日時点
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