HPのHP ProDesk 405 G8 SFFは、Ryzen PRO 5000シリーズを搭載するスリム型のデスクトップPCです。値段が安いわりに、性能が高い点が特徴。普段使いやビジネス用などに向いています。
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
この記事の目次
- ▶ スペック
- ▶ 本体デザイン
- ▶ 分解方法とパーツ交換について
- ▶ ベンチマーク結果
- ▶ まとめ
スペック
CPU | Ryzen 3 PRO 5350G / Ryzen 5 PRO 5650G / Ryzen 7 PRO 5750G |
---|---|
チップセット | AMD PRO 566 |
メモリー | 4~32GB ※スロット2基、最大64GB、DDR4-3200 |
ストレージ | SSD / HDD / SSD + HDD |
グラフィックス | Radeon |
フォームファクター | 独自仕様 |
M.2スロット | 2 (Wi-Fi用 2230×1、ストレージ用 2280×1) |
光学ドライブ | なし / DVD-ROMドライブ / DVDライター |
ドライブベイ | 3.5 / 2.5インチ×1 |
拡張スロット | PCI Express x16 ×1、PCI Express x1 ×1 ※ロープロファイル(奥行き最大16.7cm) |
ワイヤレス通信 | なし / Wi-Fi 6 + BT 5.2 / Wi-Fi 5 + BT5 |
インターフェース | USB3.2 Gen2×2(前面)、USB3.2 Gen1×5(前面2+背面3)、USB2.0×2(背面)、DisplayPort×2、、オーディオ端子類 ※シリアル/パラレルポート、HDMIなどはオプションで追加可能 |
電源 | 210W 80PLUS Platinum |
サイズ / 重量 | 幅270×奥行き303×高さ95mm / 約3.9kg |
付属品 | USBマウス、USBキーボード、スタンド、電源ケーブルなど |
オフィス | なし ※オプションで追加可能 |
本体デザイン
外観について
インターフェースについて
前面のインターフェース
- ① 光学ドライブ(選択時)
- ② SDカードスロット(選択時)
- ③ USB3.2 Gen2
- ④ USB3.2 Gen1
- ⑤ ヘッドホン出力/マイク入力
- ⑥ 電源ボタン
背面のインターフェース
- ① 音声出力
- ② シリアルポート(選択時)
- ③ DisplayPort
- ④ 選択可能ポート
- ⑤ 有線LAN
- ⑥ USB2.0
- ⑦ USB3.2
分解方法とパーツ交換について
ベンチマーク結果
試用機のスペック
試用機① | 試用機② | |
---|---|---|
CPU | Ryzen 3 PRO 5350G | Ryzen 7 PRO 5750G |
メモリー | 8GB | 8 / 16GB |
ストレージ | 256GB SSD | 1TB HDD |
グラフィックス | Radeon Graphics(CPU内蔵) |
※各種ベンチマークテストは、Windows 10の電源プランを「高パフォーマンス」に設定した上で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、Ryzen PRO 5000Gシリーズが使われています。マルチコア性能を計測するベンチマークテストでは、Ryzen 7 PRO 5750Gは非常に優秀な結果でした。第11世代のCore i7-11700Kよりもスコアは低いのですが、Ryzen 7モデルの値段が8万円台であることを考えればコスパに優れると言ってもいいでしょう(Core i7-11700K搭載機は安くても15万円前後)。
その一方でRyzen 3 PRO 5350Gのスコアはやや低めですが、これはデスクトップPC向けCPUで比較しているためです。ノートPC向けCPUであればRyzen 5 5500U相当で、PCとしては非常に高性能。しかも価格が5万台であることを考えれば、やはりRyzen 3モデルも高コスパです。
CPUの性能(マルチコア)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-11700K |
5741
|
ProDesk(Ryzen 7 PRO 5750G) |
5380
|
Ryzen 7 4700G |
4953
|
Core i7-10700KF |
4922
|
Ryzen 7 PRO 4750G |
4705
|
Ryzen 7 PRO 5750GE |
4550
|
Ryzen 7 PRO 4750GE |
4093
|
Core i7-10700 |
3856
|
Ryzen 5 PRO 4650G |
3507
|
Core i5-11400 |
3397
|
Ryzen 5 PRO 4650GE |
3291
|
Core i5-10400 |
3176
|
ProDesk(Ryzen 3 PRO 5350G) |
2712
|
Ryzen 3 PRO 4350G |
2343
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均。Ryzen 7モデルは16GBメモリー時
CPUの性能(シングルコア)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-11700K |
600
|
Ryzen 7 PRO 5750GE |
585
|
ProDesk(Ryzen 7 PRO 5750G) |
577
|
Core i5-11400 |
533
|
ProDesk(Ryzen 3 PRO 5350G) |
530
|
Core i7-10700KF |
518
|
Ryzen 7 4700G |
506
|
Ryzen 7 PRO 4750G |
502
|
Core i7-10700 |
483
|
Ryzen 5 PRO 4650G |
487
|
Ryzen 5 PRO 4650GE |
481
|
Ryzen 7 PRO 4750GE |
471
|
Ryzen 3 PRO 4350G |
465
|
Core i5-10400 |
442
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均。Ryzen 7モデルは16GBメモリー時
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsが使われます。ゲーム用のGeForce GTX / RTXと比べると性能はかなり控えめですが、内蔵グラフィックスタイプとしてはインテルのUHDシリーズよりも高性能です。とは言えゲームやクリエイター向けでの効果は期待しないほうがいいでしょう。オプションでグラボを追加可能ですが、ゲームを快適に楽しめるほどではありません。
Ryzen 7モデルでは8GB×1と8GB×2の構成でテストを行なっていますが、8GB×2のほうが優れたスコアが出ています。これはメモリーがデュアルチャネルで動作しているため。Ryzenシリーズは特にグラフィックス系でのデュアルチャネルの効果が強く影響するのです。CPU性能についても多少影響する場合があるので、できればデュアルチャネルで利用することをおすすめします。
GPU性能(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア(DX12,WQHD) |
---|---|
GTX 1650 |
3383
|
Radeon(Ryzen 7,16GB) |
1424
|
ProDesk(Ryzen 7,16GB) |
1098
|
Radeon(Ryzen 5,16GB) |
1068
|
ProDesk(Ryzen 3,8GB) |
723
|
ProDesk(Ryzen 7,8GB) |
712
|
UHD 730 |
531
|
UHD 630 |
421
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPU性能(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア(DX11,FHD) |
---|---|
GTX 1650 |
9005
|
Radeon(Ryzen 7,16GB) |
4328
|
ProDesk(Ryzen 7,16GB) |
3586
|
Radeon(Ryzen 5,16GB) |
3459
|
ProDesk(Ryzen 3,8GB) |
2299
|
ProDesk(Ryzen 7,8GB) |
2232
|
UHD 730 |
1931
|
UHD 630 |
1329
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
テスト結果からは、いろいろなことがわかります。まずいくらCPU性能が高くても、ストレージがHDDでは本来の性能を発揮できないという点。一般利用とビジネス利用では、Ryzen 3+SDD構成のほうがRyzen 7+HDD構成よりも高いスコアが出ています。HDDはデータ保存用やバックアップ用に限定したほうがいいでしょう。
Ryzen 7+8GBメモリー構成とRyzen 7+16GBメモリー構成の結果を比較すると、一般利用とビジネス利用ではメモリーの容量とデュアルチャネルの効果は小さいことがわかります。逆にコンテンツ制作ではCPUとメモリーの効果が強く出るようです。専用GPUなしであれば、インテルCPUを搭載した機種よりも、高い効果を期待できます。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
9762
7828
7915
9728
9750
10912 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
9081
7818
8040
6650
9127
9188 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
5035
5680
6374
4297
7322
12282 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶Magnate IM | Core i5-11400 / 8GB |
---|---|
▶Inspiron 3891 | Core i5-11400 / 8GB / GTX 1650S |
▶G-Master Hydro Z590-Mini | Core i7-11700K / 16GB / RTX 3070 |
パーツカスタマイズしだいでお得に購入可能
ベンチマーク結果をご覧いただくとおわかりのとおり、CPU性能としては十分です。あとは8GB以上のメモリーとSSDがあれば、とりあえずは問題なく利用できるでしょう。端子類は十分ですが、拡張ボードについてはサイズ制限の影響で使えるものが少ないかもしれません。
あとは価格について。2022年2月末時点ではRyzen 3 / 4GB / 256GB構成で5万2000円前後、Ryzen 5 / 8GB / 256GB構成で6万2000円前後、Ryzen 7 / 16GB / 256GB SSD + 1TB HDD構成で8万円台後半で販売されています。あとは必要に応じて、パーツカスタマイズを行なってください。Wi-Fiなどを追加すれば値段は上がりますが、逆に不要なパーツを省略 / ダウングレードすると価格を抑えられます。できるだけ価格を抑え、自分で改造するのもアリです。
おすすめ構成
構成 | 税込価格 |
---|---|
Ryzen 3 / 8GB / 256GB SSD | 5万5880円 |
Ryzen 5 / 8GB / 256GB SSD | 6万2480円 |
Ryzen 7 / 8GB / 256GB SSD | 7万4580円 |
Ryzen 7 / 4GB / 256GB SSD / ODD&HDMI&スタンドなし | 6万6880円 |
※2022年2月23日時点
*
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