ドスパラ(サードウェーブデジノス)の「GALLERIA DT」は、コストパフォーマンスの高さが魅力のゲーミングデスクトップPCです。FF14や海外製ゲームを快適に楽しめる性能を持ちながらも、価格は9万4980円(税別、2016年6月7日時点)と10万円を切っています。ドスパラのゲームPCランキングでも、常に上位に入っている人気モデルです。
安さの理由は、CPUにCore i5を採用しているため。上位のCore i7よりも処理性能は劣りますが、ゲームを楽しむには十分な性能を持っています。そこで今回はCore i5+GTX960を搭載するGALLERIA DTの性能をチェックするとともに、Core i7+GTX960の組み合わせとどの程度ゲーミング性能が異なるのかについてレビューします。
試用機の主なスペック | |
製品名 | GALLERIA DT |
---|---|
OS | Windows 10 Home 64bit |
CPU | Core i5-6500(3.20GHz) |
メモリー | DDR4 8GB |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 960(2GB) |
ストレージ | 1TB HDD |
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GALLERIA DTの注目ポイント
Core i5でもGTX960搭載でゲームが快適!
GALLERIA DTは、外付けGPUとしてGeForce GTX 960(2GB)を搭載しています。GTX 960はミドルレンジクラスのGPUで、現時点では最高性能というわけではありません。しかし人気のゲームを楽しむには、十分な性能を持っています。
またCPUにCore i5-6500を採用していますが、Core i7を搭載した上位モデルと比較してもゲーム性能についてはそれほど大きな差はありません。より快適にプレーしたいなら、CPUよりもGPUをアップグレードするほうがおすすめです。
GALLERIA DT(GTX 960搭載モデル)のベンチマーク結果 ※詳細は後述 | ||
ベンチマーク名 | GALLERIA DT (Core i5-6500搭載) |
GALLERIA XT (Core i7-6700搭載) |
---|---|---|
ドラゴンクエストXベンチマークソフト (1920×1080ドット 最高品質) |
16220 (すごく快適) |
17521 (すごく快適) |
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク (1920×1080ドット DX11最高品質) |
6949 (とても快適) |
7160 (非常に快適) |
ドラゴンズドクマオンライン ベンチマークソフト (1920×1080ドット 最高品質) |
10651 (とても快適) |
11066 (とても快適) |
PSO2 キャラクタークリエイト体験版 Ver.2 (1920×1080ドット、最高品質) |
35446 (5000以上で快適) |
41896 (5000以上で快適) |
3DMark Fire Strike |
6169 | 6628 |
PCMark 8 Creative accelerated 3.0 |
5981 | 5949 |
海外ゲームについては試用機で検証していないのですが、同じGTX 960を搭載した別のPC(CPUはCore i7-6700Kでメモリーは16GB)で、ある程度快適に遊べる結果が出ています。
参考記事
- Fallout 4をクリアー。バニラならGTX960でもOKでした【ネタバレなし】
- DOOMオープンベータ ファーストインプレッション&GTX960でFPSを計測
- GTX960でStar Warsバトルフロントを試めす 最高画質でもなんとか遊べるレベル?
- 徹底検証!GeForce GTX960でマインクラフトを試す(バニラ編)
GTX960搭載モデルの違いは?
ドスパラではGTX960を搭載するゲーミングPCとしてGALLERIA DTのほかに、「GALLERIA XT」や「GALLERIA MT」、「GALLERIA ST」などのモデルも販売しています。それぞれの主な違いは、以下の表のとおり。GALLERIA DTはCPUのランクが下る代わりに、ほかのモデルよりも3万円以上安いのが大きな特徴です。
GALLERIA DTのポイント
- 拡張性と冷却性能に優れるミニタワー型のKTMケースを採用
- 標準で12cmの大型ファンを2基搭載。静音性も高い
- Core i5搭載で価格が安い
- カスタマイズしても注文後2日で出荷! スグに手元に届く!!
- 250GB SSDを無料プレゼント中!(2016年7月4日時点)
GALLERIA DTのセール情報
現在ドスパラでは、7月の大決算セールが実施されています。GALLERIA DTでは以下の特典が適用され、通常時よりもお得に入手可能です。キャンペーン期間は7/31までですので、お早めに!
現在実施中のセール特典(期間限定、価格は税別)
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GALLERIA DTの納期やカスタマイズオプション、支払い方法などについては、下記リンクよりメーカーサイトでご確認ください。
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こちらの機種もおすすめです | ||
GALLERIA ZI | GALLERIA XT | Diginnos DG-D11IW |
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ベンチマーク結果をチェック!
まずはGALLERIA DTのベンチマーク結果から。今回は比較検証用に、Core i7+GTX960搭載の「GALLERIA XT」の結果も掲載しています。
GALLERIA XTの主なスペック | |
OS | Windows 10 Home 64bit |
---|---|
CPU | Core i7-6700(3.40GHz) |
メモリー | DDR4 8GB |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 960(2GB) |
ストレージ | 2TB HDD |
なお各ベンチマークの結果は、パーツ構成や環境、テストのタイミングによって大きく変わることがあります。あらかじめご了承ください。
Windowsエクスペリエンスインデックス
Windows 10の快適さを計測する「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果(Windowsエクスペリエンスインデックス)については、以下の表のとおりとなりました。なおWindows 10ではDirect3Dのテストが正常に行なわれないため、「ゲーム用グラフィックス」のスコアは考えないものとします。
試用機のWindowsエクスペリエンスインデックス | ||
モデル | GALLERIA DT | GALLERIA XT |
---|---|---|
プロセッサ (CpuScore) |
8 | 8.4 |
メモリ (MemoryScore) |
8 | 8.4 |
グラフィックス (GraphicsScore) |
8.4 | 8.4 |
ゲーム用グラフィックス (GamingScore) |
– | – |
プライマリハードディスク (DiskScore) |
5.9 | 5.9 |
Core i5搭載のGALLERIA DTとCore i7搭載のGALLERIA XTでは、スコアにそれほど大きな違いは表われませんでした。メモリーは同じ規格/容量なのにスコアが変わっているのは、チップセットの性能差が表われているのかもしれません。ともかくWindows 10の利用においては、ほとんど変わらないと言えそうです。
CINEBENCHベンチマーク結果
CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH」では、さすがに大きな違いが出ています。特にマルチコア性能を計測する「CPU」で、Core i7-6700の1/2以下のスコアになりました。3D制作や動画の編集/エンコードなど、CPU性能が求められる重い処理では少し厳しいかもしれません。
CrystalDiskMarkベンチマーク結果
「CrystalDiskMark」でストレージのアクセス速度を計測したところ、シーケンシャルリード(Seq Q32T1)で175.2MB/秒という結果になりました。標準的なHDD(100~110MB/秒)よりも高速ですが、SSDよりは格段に劣ります。システムストレージ用としてSSDを追加すれば、Windows 10の体感速度は格段に向上するでしょう。
PCMark 8ベンチマーク結果
総合的なパフォーマンスを計測する「PCMark 8」では、以下のような結果となりました。
「PCMark 8」ベンチマーク結果 | ||
モデル | GALLERIA DT | GALLERIA XT |
---|---|---|
Home conventinal 3.0 | 3811 | 4284 |
Home accelerated 3.0 | 4575 | 4570 |
Creative conventinal 3.0 | 4130 | 4559 |
Creative accelerated 3.0 | 5981 | 5949 |
GALLERIA DTとGALLERIA XTでは、「conventinal 3.0」の結果で10%程度の差が出ています。しかしGPUのOpneCL機能を利用する「accelerated 3.0」では、ほぼ同じ結果となりました。これはGPUの機能を利用するアプリケーションでは性能がほぼ変わらないことを表わしています。
PassMark PerfomanceTest 8.0ベンチマーク結果
「PassMark PerfomanceTest 8.0」では、総合的なパフォーマンスを表わす「PassMark Rating」であまり変わらない結果が出ています。CPUのスコアはGALLERIA XTのほうがだいぶ上ですが、GALLERIA DTの試用機で使われていた東芝製のHDDの性能が高く、最終的に同じようなスコアになったようです。
3DMarkベンチマーク結果
総合的な3D性能を計測する「3DMark」では、もっとも負荷の高い「Fire Strike」(DirectX 11相当)で「6129」という結果となりました。GALLERIA XTと比較すると、全体的にやや低めの結果が出ています。ゲームの快適さはGPU性能に大きく左右されるわけですが、CPU性能も多少は影響すると考えることができます。
ドラクエ10ベンチマーク結果
「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」では、解像度1920×1080ドットの標準品質/最高品質で「すごく快適」という評価が出ています。GELLERIA XTのスコアと数%程度の違いが出ていますが、プレーの快適さはまったく同じと言っていいでしょう。
FF14ベンチマーク結果
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」では1920×1080ドットの最高品質(DirectX 11)でテストを行なったところ、「6949」の「とても快適」という評価でした。GALLERIA XTでは「7160」の「非常に快適」という評価でしたので、多少の差が出ています。
このベンチマークでは、平均FPSが60以上だと7000以上の「非常に快適」となるようです。つまりGALLERIA DTでは、平均FPSが60を超えていないということになります。
しかしながらGALLERIA XTとのスコア差は、わずか3%にしかすぎません。またGALLERIA XTでは平均60FPSを超えていますが、シーンによっては60FPS以下にまで落ちることがあります。評価は違いますが、GALLERIA DTとGALLERIA XTでは体感速度はほぼ同じと言っていいでしょう。常時60FPSを上回る性能を求めるなら、GTX970を選ぶ必要があります。
ドラゴンズドクマオンラインベンチマーク結果
「ドラゴンズドクマオンラインベンチマークソフト」では、1920×1080ドットの最高品質で「10651」の「とても快適」という評価になりました。GALLERIA XTとの差は、わずか3.8%程度です。このゲームでも、体感速度はほぼ変わらないと言えます。
PSO2ベンチマーク結果
「PSO2キャラクタークリエイト体験版」のベンチマークでは、1920×1080ドットの最高画質で「35446」という結果になりました。5000以上で快適にプレーできると言われていますので、まったく問題ないスコアです。GALLERIA XTのスコアとは19%前後の差がでていますが、実際のゲームでその違いは体感できないものと思われます。
マインクラフトFPS計測結果
「マインクラフト」では、1920×1080ドットのフルスクリーンモードでFPSを計測しています。ビデオ設定はほぼ標準のまま(垂直同期はオフ、FPSは無制限に変更)でチャンク(描画距離)を変えてテストを行なったところ、以下の表のような結果となりました。MODなしのいわゆる「バニラ」状態なら、最高設定でも快適にプレーを楽しめます。
マインクラフトFPS計測結果(1920×1080ドット、フルスクリーンモード) | ||||
チャンク | 最小FPS | 最大FPS | 平均FPS | 感想 |
---|---|---|---|---|
12(標準) | 249 | 445 | 337.4 | まったく問題なし! 快適!! |
16 | 162 | 375 | 216.9 | |
20 | 101 | 301 | 171.6 | |
16 | 55 | 296 | 151.1 |
続いて影MODこと「Shaders MOD」も試してみました。シェーダーはおなじみの「Sonic Ether’s Unbelievable Shaders(SEUS)」です。
FPS計測結果については、以下の表のとおりです。標準のチャンク12なら一時的にFPSは落ち込むものの、平均としては60FPSを超えています。ただしチャンク16になると30FPS以下になることがあり、一瞬だけ引っかかるような印象を受けます。最高画質のUltraでも平均FPSは55.2で許容範囲内ですが、ストレスなく楽しむならチャンク12あたりにしておいたほうがいいかもしれません。
影MOD利用時のFPS計測結果(1920×1080ドット、フルスクリーンモード、チャンク12) | |||
Shader | 最小FPS | 最大FPS | 平均FPS |
---|---|---|---|
Lite | 57 | 200 | 122 |
Standard | 43 | 114 | 81.7 |
Ultra | 44 | 93 | 75.8 |
影MOD利用時のFPS計測結果(1920×1080ドット、フルスクリーンモード、チャンク16) | |||
Shader | 最小FPS | 最大FPS | 平均FPS |
---|---|---|---|
Lite | 35 | 117 | 71.3 |
Standard | 22 | 89 | 53.7 |
Ultra | 30 | 78 | 55.2 |
さらに最高画質のUltraでアンプリファイド(地形の高低差が極端になるワールド)を試してみたところ、FPSが20~15にまで低下する場面がちょくちょくありました。見た目的に非常に迫力があるのですが、快適にプレーするのは少々厳しそうです。
Core i5でもCore i7と大差なし!(ゲーム用途についてのみ)
以上の結果から、Core i5搭載のGALLERIA DTでも人気ゲームを快適にプレーできる性能であることがおわかりいただけたと思います。さすがに海外の大作ゲームを最高画質でプレーするには厳しいのですが、解像度や画質を調整すれば問題なく楽しめるでしょう。普通にプレーするには十分な性能ですが、より高画質でトコトン楽しみたいという人には、GTX970以上を搭載したモデルをおすすめします。
またCore i5とCore i7では多少の差は出ていますが、GPUが同じであれば3~5%程度でしかありません。ゲーム用途中心ならCore i5搭載モデルを選ぶのは大いにアリです。ただしゲーム以外で負荷の高い作業を行なうなら、Core i7搭載モデルを選んだほうがいいでしょう。
PCケースとパーツをチェック!
次に、GALLERIA DTの外観と構成パーツについて見てみましょう。
本体の大きさについて
GALLERIA DTの本体サイズは幅185×奥行き395×高さ370mmで、重量は約8.2kgです。PCケースにはミニタワー型のKTMケースを採用しています。それなりに存在感はありますが、ミドルタワーほどの圧倒はありません。
インターフェースについて
周辺機器接続用のインターフェース類は、フロントパネルとバックパネルそれぞれに用意されています。
CPUとメモリー、および冷却性能について
前述のとおり、GALLERIA DTはCPUにSkylakeこと第6世代のCore i5-6500(3.20GHz)を使っています。4コア4スレッドでターボブースト時の最大動作周波数は3.6GHzです。
CPUの最大限界温度は71度とやや低めなので、ケースの冷却性能を意識する必要があります。ですがGALLERIA DTが採用しているKTMケースは12cmの大型空冷ファンを標準で2基搭載しており、十分な冷却性能を持っています。より高い冷却性能にこだわりたい人は、購入時のオプションで「静音パックまんぞくコース」などを追加するといいでしょう。
ストレージについて
ストレージとしては、1TBのHDDを搭載しています。試用機では東芝製のHDDが使われていました。ドライブベイの空きが5インチでひとつ、3.5インチでふたつ余っていますので、ほかのHDDやSSDなどを増設可能です。
電源ユニットについて
電源にはAcBel製の400W静音電源ユニットが使われています。80PLUS BRONZEで十分な性能ですが、高性能なパーツを利用したりより高い静音性にこだわるなら、上位の電源ユニットを選ぶといいでしょう。
付属キーボード/マウスについて
GALLERIA DTには標準で「GALLERIA レーザーマウス」と「GALLERIA Gaming Keyboard」が付属しています。どちらも有線接続ですが、ゲームのプレーに適した高い性能を持っています。こだわりたい人は別途用意するか、購入時のオプションでより上位のゲーミングマウスやゲーミングキーボードを追加することをおすすめします。
ゲーム用途前提ならコスパは非常に高い!
ということで、今回はドスパラのGALLERIA DTをレビューしました。CPUがCore i5-6500ということで実際のゲーム性能に不安がありましたが、ベンチマーク結果を見る限りではCore i7搭載モデルと変わらない性能です。また実際のゲームも問題なくプレーできました。ゲーム以外で負荷の高い作業には使わないというのであれば、価格が安いのでおすすめです。動画編集やエンコードなどを行なうつもりなら、Core i7-6700を搭載したGALLERIA XTを選ぶべきでしょう。
なおGALLERIAシリーズはドスパラのオリジナルモデルで、直販サイトから購入できます。購入やより詳細な情報については、直販サイトをご覧ください。
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