HPの『OMEN by HP 45L Desktop GT22-1000jpシリーズ』(以下、”OMEN 45L”)は、第13世代のCore i7 / i9とRTX 40シリーズのハイエンドクラスGPUを搭載した超高性能クラスのゲーミングPCです。ゲームはもちろん、動画編集などの重い処理にも十分活用可能。HPのゲーミングPCのなかではフラグシップモデルに相当するだけあって、非常に高いパフォーマンスを実現しています。
このメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
※OMEN 45Lは、7%オフクーポンを利用するとお得に購入できます。
OMEN 45L Desktop
スペック
スペック
OS | Windows 11 Pro |
---|---|
CPU | Core i7-13700K / Core i9-13900K |
チップセット | Z790 |
グラフィックス | RTX 4080 Ti(16GB) / RTX 4090(24GB) |
メモリー | 32GB(16GB×2) / 64GB(16GB×4) ※DDR5-5200、最大128GB、スロット×4 |
ストレージ | 2TB SSD (WD Black、PCIe Gen4x4)、2TB HDD |
拡張スロット | PCI Express Gen5 x16×1、PCI Express Gen3 x4×1、M.2×3 |
ドライブベイ | 2.5/3.5インチ兼用×2、2.5インチ×2 |
通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth5.3、有線LAN(1Gb) |
サイズ / 重量 | 幅204×奥行き470×高さ555mm / 約22.6kg |
電源 | 1200W 80PLUS Gold |
本体デザイン
大きさと重さ
LEDイルミネーション
本体の外観とエアフロー
インターフェースについて
分解方法とパーツ交換について
右側面(裏配線)
左側面
ベンチマーク結果
試用機のスペック
試用機① | 試用機② | |
CPU | Core i7-13700K | Core i9-13900K |
メモリー | 32GB | 64GB |
ストレージ | 2TB SSD | 2TB SSD+2TB HDD |
グラフィックス | GeForce RTX 4080(16GB) | GeForce RTX 4090(24GB) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、インテル第13世代のCore i7-13700KまたはCore i9-13900Kが使われています。両モデルでCPUベンチマークを行なったところ、パフォーマンス設定が標準状態あるにも関わらず、非常に優秀な結果が出ました。
ただしCore i9-13900Kモデルについては、一般的な平均値よりも低めの結果が出ています。パフォーマンス設定を最大に変更すればスコアは伸びると思われますが、そのぶんパーツへの負荷が大きくなるので注意してください。普通に利用するぶんには、これで十分な結果です。
CPUマルチスレッド性能
CPU | 3DMark CPU Profile Max threads |
---|---|
Core i9-13900K |
16473
|
Ryzen 9 7950X |
16065
|
OMEN 45L(Core i9-13900K) |
14819
|
Ryzen 9 7950X3D |
14412
|
Ryzen 9 7900X |
12891
|
Core i7-13700K |
12676
|
OMEN 45L(Core i7-13700K) |
12585
|
Core i7-13700 |
12017
|
Core i9-12900K |
11874
|
Ryzen 9 7900X3D |
11641
|
Core i5-13600K |
10334
|
Core i7-12700K |
10141
|
Core i7-12700 |
9590
|
Core i5-13500 |
9110
|
Ryzen 7 7700X |
9075
|
Core i5-13400 |
7358
|
Ryzen 5 7600X |
7071
|
Core i3-13100 |
4238
|
※そのほかのスコアは3DMark公式サイトによる平均値
CPUシングルスレッド性能
CPU | 3DMark CPU Profile 1 threads |
---|---|
OMEN 45L(Core i9-13900K) |
1215
|
Core i9-13900K |
1211
|
Core i7-13700K |
1150
|
OMEN 45L(Core i7-13700K) |
1138
|
Ryzen 9 7950X |
1112
|
Ryzen 9 7900X |
1109
|
Core i7-13700 |
1103
|
Ryzen 7 7700X |
1102
|
Core i5-13600K |
1092
|
Core i9-12900K |
1091
|
Ryzen 9 7950X3D |
1084
|
Ryzen 5 7600X |
1084
|
Ryzen 9 7900X3D |
1072
|
Core i7-12700K |
1053
|
Core i7-12700 |
1022
|
Core i5-13500 |
1016
|
Core i5-13400 |
971
|
Core i3-13100 |
947
|
※そのほかのスコアは3DMark公式サイトによる平均値
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、GeForce RTX 4080(16GB)またはRTX 4090(24GB)が使われています。2種類のモデルで3Dベンチマークテストを行なったところ、それぞれ非常に優秀な結果が出ました。RTX 4090モデルについては平均値をやや下回っているものの、パフォーマンス的には十分です。
GPU性能(DirectX 12,WQHD)
GPU | 3DMark Time Spy Graphics |
---|---|
RTX 4090 |
36195
|
OMEN 45L(RTX 4090) |
34862
|
RX 7900 XTX |
29877
|
OMEN 45L(RTX 4080) |
28249
|
RTX 4080 |
28127
|
RX 7900 XT |
26105
|
RTX 4070 Ti |
22746
|
RTX 3090 Ti |
21766
|
RX 6900 XT |
20697
|
RTX 3090 |
19903
|
RTX 3080 Ti |
19600
|
RX 6800 XT |
19256
|
RTX 4070 |
17861
|
RTX 3080 |
17654
|
RX 6800 |
16086
|
RTX 3070 Ti |
14839
|
RTX 3070 |
13647
|
RTX 4060 Ti(8GB) |
13447
|
※そのほかのスコアはUL Solutionsによる平均値
レイトレーシングを含むより高度なテストでは、一般的な平均値と遜色ない結果が出ています。PCに高い負荷がかかるレイトレーシングでも、問題なく利用できるでしょう。
GPU性能(DirectX 12 Ultimate)
GPU | 3DMark Speed Way Graphics |
---|---|
RTX 4090 |
10008
|
OMEN 45L(RTX 4090) |
9861
|
RTX 4080 |
7172
|
OMEN 45L(RTX 4080) |
7149
|
RX 7900 XTX |
6259
|
RTX 3090 Ti |
5885
|
RTX 4070 Ti |
5437
|
RTX 3090 |
5362
|
RTX 3080 Ti |
5303
|
RX 7900 XT |
5240
|
RTX 3080 |
4604
|
RTX 4070 |
4445
|
RX 6900 XT |
3888
|
RTX 3070 Ti |
3749
|
RX 6800 XT |
3632
|
RTX 3070 |
3441
|
RTX 4060 Ti(8GB) |
3159
|
RX 6800 |
3055
|
RTX 3060 Ti |
2949
|
RTX 4060 |
2518
|
RTX 3060 |
2173
|
※そのほかのスコアはUL Solutionsによる平均値
熱と騒音について
CPU温度
高負荷時におけるCPUの状態を計測したところ、ストレステスト開始直後は高クロック&高温状態を維持していたものの、40秒後には温度とクロックが大きく低下しました。特に温度は64度前後を推移しており、まったく問題のない状態です。
ただしこれはCore i7-13700Kのときの結果で、Core i9-13900Kでは多少温度が高くなるかもしれません。※Core i9-13900Kの計測データは誤って削除してしまいました。
GPU温度
GPU温度については、RTX 4090 / RTX 4080どちらも73度前後を推移しています。ただし部分的な最大温度である”GPUホットスポット温度”とグラボのメモリー(VRAM)温度を表わす”GPUメモリジャンクション温度”は82度と、やや高めの温度で推移していました。
このままでも大きな問題はないのですが、長期間安定して使いたいなら、GPU温度をもう少し下げたいところです。「MSI Afterburner」などのチューニングソフトを使って、メモリーのクロックやファンの回転数などを調整するといいでしょう。3D性能に多少の影響が出るものの、おそらく誤差の範囲内に収まるはずです。
ちなみに2022年発売の前モデルからは、GPU温度が10度くらい下がっています。温度については、多少改善されているようです。
駆動音
ファンの音は標準設定であれば、たまに大きく聞こえる程度です。ファンの回転音や排気口からの風切り音が大きくなっても、1分程度で収まります。よっぽど重いゲームでは音が気になるかもしれませんが、ヘッドセットを着用すれば気にならないレベルです。
ちなみに標準収録ユーティリティー「OMEN Gaming Hub」ではファンの回転数を最大化することができますが、耐えられないほど大きくなるので注意してください。ファンの音が大きい状態でベンチマークテストを行ないましたが、スコアに大きな違いは見られませんでした。標準設定のまま使い続けるのがベストだと思います。
駆動音の計測結果(Core i7+RTX 4080モデル)
電源オフ | 37dBA | - |
---|---|---|
高負荷時 標準設定 |
52.5→41.1dBA | 最初の1分間程度音が大きくなるが、あとは通常時と変わらない |
高負荷時 パフォーマンス設定 |
58dBA | (手動変更時)ファンの回転音がかなり目立ち、排気音も大きく聞こえる。爆音とまではいかないが、音は気になる |
高負荷時 ファン最大設定 |
75.9dBA | (手動変更時)強めのドライヤーレベルで、部屋の外にまで聞こえる。住宅環境によっては、近隣からクレームがくるかも |
ゲーム性能
ゲーム系ベンチマークを試したところ、非常に優秀な結果が出ました。特にRTX 40シリーズから採用されたDLSS3の対応タイトルでは、フレームレートがかなり伸びる傾向にあります。およそどんなゲームでも、快適に楽しめるでしょう。
検証結果まとめ
- ・4KフルレイトレならRTX 4090
- ・タイトルによってはRTX 4080でも4KレイトレOK
- ・FPS/TPSは高画質でも240 fps OK
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
サイバーパンク2077 (重い / DX12)
Core i9+RTX 4090モデル
解像度 | 画質 ※DLSS:自動 | 平均FPS / 最低FPS |
フルHD | レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG | 179.41 / 78.45 |
レイトレーシング:オーバードライブ | 107.23 / 65.01 | |
ウルトラ DLSS FG | 303.30 / 176.11 | |
ウルトラ | 158.62 / 76.99 | |
4K | レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG | 98.9 / 80.9 |
レイトレーシング:オーバードライブ | 63.24 / 50.59 | |
ウルトラ DLSS FG | 117.99 / 97.64 | |
ウルトラ | 82.44 / 62.73 |
Core i7+RTX 4080モデル
解像度 | 画質 ※DLSS:自動 | 平均FPS / 最低FPS |
フルHD | レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG | 144.75 / 65.65 |
レイトレーシング:オーバードライブ | 85.25 / 61.39 | |
ウルトラ DLSS FG | 294.49 / 173.16 | |
ウルトラ | 169.55 / 87.25 | |
4K | レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG | 70.14 / 59.36 |
レイトレーシング:オーバードライブ | 43.68 / 34.88 | |
ウルトラ DLSS FG | 114.78 / 90.79 | |
ウルトラ | 74.22 / 61.25 |
Portal with RTX(激重)
Core i9+RTX 4090モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 最高画質 DLSS FG | 204.2 / 171 |
最高画質 | 60 / 55.2 | |
4K | 最高画質 DLSS FG | 109.5 / 97.6 |
最高画質 | 60 / 55.5 |
Core i7+RTX 4080モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 最高画質 DLSS FG | 157.1 / 129.1 |
最高画質 | 60 / 56.2 | |
4K | 最高画質 DLSS FG | 73.8 / 65.3 |
最高画質 | 46.1 / 39.2 |
ファークライ6(そこそこ重い / DX12)
Core i9+RTX 4090モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | レイトレ 最高画質 | 127 / 107 |
最高画質 | 159 / 126 | |
4K | レイトレ 最高画質 | 108 / 98 |
最高画質 | 129 / 118 |
Core i7+RTX 4080モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | レイトレ 最高画質 | 125 / 106 |
最高画質 | 146 / 116 | |
4K | レイトレ 最高画質 | 93 / 85 |
最高画質 | 108 / 93 |
アサシン クリード ヴァルハラ (激重)
Core i9+RTX 4090モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 最高画質 | 198 / 138 |
4K | 最高画質 | 121 / 88 |
Core i7+RTX 4080モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 最高画質 | 185 / 129 |
4K | 最高画質 | 100 / 73 |
エーペックスレジェンズ 射撃訓練場(中量級)
Core i9+RTX 4090モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 最高画質 | 299.2 / 239.7 |
4K | 最高画質 | 292.3 / 216.8 |
Core i7+RTX 4080モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 最高画質 | 297.1 / 197.3 |
4K | 最高画質 | 299.3 / 198.6 |
※実際のプレーではこの結果よりもFPSが低下します
レインボーシックス シージ(軽い) ※Vulkan
Core i9+RTX 4090モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS / 最低FPS |
フルHD | 最高画質 | 520 / 424 |
4K | 最高画質 | 497 / 405 |
Core i7+RTX 4080モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS / 最低FPS |
フルHD | 最高画質 | 465 / 374 |
4K | 最高画質 | 446 / 369 |
※最高画質設定。ゲーム内ベンチマークの結果
CS:GO FPS Benchmark(軽い)
Core i9+RTX 4090モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS |
フルHD | 最高画質 | 817 |
4K | 最高画質 | 486.76 |
Core i7+RTX 4080モデル
解像度 | 画質 | 平均FPS |
フルHD | 最高画質 | 761.06 |
4K | 最高画質 | 365.15 |
※ワークショップ内のマップ「FPS Benchmark」を使用、画質は最高設定
セール時の大幅値引きが狙い目
2022年4月、当時はCore i9-12900K + RTX 3090の構成で60万円あたりが相場だった時期に、OMEN 45Lが36万円台で販売され大きな話題を呼びました。筆者も思わず購入し、現在もメインPCとして使っています。
現行モデルは2023年7月末時点で、Core i7-13700K+RTX 4080モデルが約42万円、Core i9-13900K+RTX 4090モデルが約55万円です。去年のように大幅に値引きされるかはわかりませんが、HPはゲーミングPCをちょくちょくたたき売りレベルの値段で売ることがあるので、もしかしたら安く買えるチャンスがくるかもしれません。そのときが狙い目です。
OMEN 45L Desktop
*
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