ゲーミングPCレビュー

OMEN 45L Desktop 2023年モデルレビュー:HPのフラグシップゲーミングPC

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OMEN 45L Desktop 2023年モデル
HPの『OMEN by HP 45L Desktop GT22-1000jpシリーズ』(以下、”OMEN 45L”)は、第13世代のCore i7 / i9とRTX 40シリーズのハイエンドクラスGPUを搭載した超高性能クラスのゲーミングPCです。ゲームはもちろん、動画編集などの重い処理にも十分活用可能。HPのゲーミングPCのなかではフラグシップモデルに相当するだけあって、非常に高いパフォーマンスを実現しています。

 

OMEN 45L

OMEN 45L

 

このメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。

 

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OMEN 45L Desktop

OMEN 45L Desktop

スペック

スペック

OS Windows 11 Pro
CPU Core i7-13700K / Core i9-13900K
チップセット Z790
グラフィックス RTX 4080 Ti(16GB) / RTX 4090(24GB)
メモリー 32GB(16GB×2) / 64GB(16GB×4) ※DDR5-5200、最大128GB、スロット×4
ストレージ 2TB SSD (WD Black、PCIe Gen4x4)、2TB HDD
拡張スロット PCI Express Gen5 x16×1、PCI Express Gen3 x4×1、M.2×3
ドライブベイ 2.5/3.5インチ兼用×2、2.5インチ×2
通信 Wi-Fi 6E、Bluetooth5.3、有線LAN(1Gb)
サイズ / 重量 幅204×奥行き470×高さ555mm / 約22.6kg
電源 1200W 80PLUS Gold

本体デザイン

大きさと重さ

OMEN 45L

OMEN 45Lの本体はかなり巨大です。メーカーは「ミニタワー型」としていますが、体感的にはフルタワー型と変わりません。重さは22.6kgで、かなりの重量級です

 

 

OMEN 45L

24.5インチディスプレイと組み合わせた際の設置イメージ

 

OMEN 45L

本体前面部は幅20.4cm。幅はミドルタワークラスですが、高さは55.5cmでフルタワークラスです

 

OMEN 45L

奥行きは47cm。左側面には強化ガラスパネルがはめ込まれています

 

OMEN 45L

筐体が大きく見えるのは、上部に冷却ユニット「OMEN Cryoチェンバー」を搭載しているため。この部分がなければ、ケースの大きさはミドルタワークラスです

 

OMEN 45L  箱

OMEN 45Lの箱。非常に大きく、重さは24kgもありました。運ぶ際には腰を痛めたり落としたりしないように注意してください ※写真は同型の前モデル

LEDイルミネーション

OMEN 45L

前面はOMENエンブレムと3連ファンが発光します

 

OMEN 45L

本体内部は上部のLEDバーとメモリー、CPUクーラー、グラボが光ります

 

OMEN 45L ライティング

標準収録ユーティリティー「OMEN Gaming Hub」の「LEDコントロール」で光の色や発光パターンをカスタマイズできます

 

OMEN 45L

本体内部のRGBボード

 

本体の外観とエアフロー

OMEN 45L

前面と背面。前面は光沢ありのアクリルパネル

 

OMEN 45L

フロントパネルとフレームのあいだから冷却用の空気が入り込みます

 

 

OMEN 45L

左側面と右側面

 

OMEN 45L

CPUクーラーは簡易水冷式。CPUの熱をOMEN Cryoチェンバー側へ逃がし、下からの吸気&上からの排熱を行ないます

インターフェースについて

OMEN 45L

天面手前部分に電源ボタンとUSB端子、ヘッドホン/マイク端子。端子内にはホコリが溜まりやすいので、こまめに掃除したほうがいいでしょう

 

 

OMEN 45L

背面のインターフェース構成

分解方法とパーツ交換について

右側面(裏配線)

OMEN 45L

左右側面のパネルは、OMEN Cryoチェンバー下のボタンを押せば簡単に外れます

 

OMEN 45L

右側面のパネルを外した状態

 

OMEN 45L

2.5インチ用のドライブベイ

 

OMEN 45L

3.5インチ用ドライブベイ

 

OMEN 45L

電源ユニット

左側面

OMEN 45L

左側面のパネルは強化ガラス製

 

OMEN 45L

パネルを外した状態

 

OMEN 45L

グラボが大型のサポートツールによって固定されており、取り外しは困難です。不可能ではないと思いますが、基本的にはグラボはそのまま使うほうがいいでしょう

 

OMEN 45L

M.2スロットがこの位置にあるはずなのですが、グラボを取り外さないと利用できないかもしれません

 

OMEN 45L

CPUクーラーとメモリースロット

ベンチマーク結果

試用機のスペック

試用機① 試用機②
CPU Core i7-13700K Core i9-13900K
メモリー 32GB 64GB
ストレージ 2TB SSD 2TB SSD+2TB HDD
グラフィックス GeForce RTX 4080(16GB) GeForce RTX 4090(24GB)

 

OMEN 45L

Windows 11の電源プランを「バランス」に設定。さらに「OMEN Gaming Hub」の「パフォーマンスコントロール」で「電源モード」を「最適」に、「温度コントロール」を「自動」の「標準」に設定した上でベンチマークテストを行なっています

 

※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります

CPU性能

CPUとしては、インテル第13世代のCore i7-13700KまたはCore i9-13900Kが使われています。両モデルでCPUベンチマークを行なったところ、パフォーマンス設定が標準状態あるにも関わらず、非常に優秀な結果が出ました。

 

ただしCore i9-13900Kモデルについては、一般的な平均値よりも低めの結果が出ています。パフォーマンス設定を最大に変更すればスコアは伸びると思われますが、そのぶんパーツへの負荷が大きくなるので注意してください。普通に利用するぶんには、これで十分な結果です。

 

CPUマルチスレッド性能

CPU 3DMark CPU Profile Max threads
Core i9-13900K
16473
Ryzen 9 7950X
16065
OMEN 45L(Core i9-13900K)
14819
Ryzen 9 7950X3D
14412
Ryzen 9 7900X
12891
Core i7-13700K
12676
OMEN 45L(Core i7-13700K)
12585
Core i7-13700
12017
Core i9-12900K
11874
Ryzen 9 7900X3D
11641
Core i5-13600K
10334
Core i7-12700K
10141
Core i7-12700
9590
Core i5-13500
9110
Ryzen 7 7700X
9075
Core i5-13400
7358
Ryzen 5 7600X
7071
Core i3-13100
4238

※そのほかのスコアは3DMark公式サイトによる平均値

 

CPUシングルスレッド性能

CPU 3DMark CPU Profile 1 threads
OMEN 45L(Core i9-13900K)
1215
Core i9-13900K
1211
Core i7-13700K
1150
OMEN 45L(Core i7-13700K)
1138
Ryzen 9 7950X
1112
Ryzen 9 7900X
1109
Core i7-13700
1103
Ryzen 7 7700X
1102
Core i5-13600K
1092
Core i9-12900K
1091
Ryzen 9 7950X3D
1084
Ryzen 5 7600X
1084
Ryzen 9 7900X3D
1072
Core i7-12700K
1053
Core i7-12700
1022
Core i5-13500
1016
Core i5-13400
971
Core i3-13100
947

※そのほかのスコアは3DMark公式サイトによる平均値

グラフィックス性能

グラフィックス機能としては、GeForce RTX 4080(16GB)またはRTX 4090(24GB)が使われています。2種類のモデルで3Dベンチマークテストを行なったところ、それぞれ非常に優秀な結果が出ました。RTX 4090モデルについては平均値をやや下回っているものの、パフォーマンス的には十分です。

 

GPU性能(DirectX 12,WQHD)

GPU 3DMark Time Spy Graphics
RTX 4090
36195
OMEN 45L(RTX 4090)
34862
RX 7900 XTX
29877
OMEN 45L(RTX 4080)
28249
RTX 4080
28127
RX 7900 XT
26105
RTX 4070 Ti
22746
RTX 3090 Ti
21766
RX 6900 XT
20697
RTX 3090
19903
RTX 3080 Ti
19600
RX 6800 XT
19256
RTX 4070
17861
RTX 3080
17654
RX 6800
16086
RTX 3070 Ti
14839
RTX 3070
13647
RTX 4060 Ti(8GB)
13447

※そのほかのスコアはUL Solutionsによる平均値

 

レイトレーシングを含むより高度なテストでは、一般的な平均値と遜色ない結果が出ています。PCに高い負荷がかかるレイトレーシングでも、問題なく利用できるでしょう。

 

GPU性能(DirectX 12 Ultimate)

GPU 3DMark Speed Way Graphics
RTX 4090
10008
OMEN 45L(RTX 4090)
9861
RTX 4080
7172
OMEN 45L(RTX 4080)
7149
RX 7900 XTX
6259
RTX 3090 Ti
5885
RTX 4070 Ti
5437
RTX 3090
5362
RTX 3080 Ti
5303
RX 7900 XT
5240
RTX 3080
4604
RTX 4070
4445
RX 6900 XT
3888
RTX 3070 Ti
3749
RX 6800 XT
3632
RTX 3070
3441
RTX 4060 Ti(8GB)
3159
RX 6800
3055
RTX 3060 Ti
2949
RTX 4060
2518
RTX 3060
2173

※そのほかのスコアはUL Solutionsによる平均値

熱と騒音について

CPU温度

高負荷時におけるCPUの状態を計測したところ、ストレステスト開始直後は高クロック&高温状態を維持していたものの、40秒後には温度とクロックが大きく低下しました。特に温度は64度前後を推移しており、まったく問題のない状態です。

 

ただしこれはCore i7-13700Kのときの結果で、Core i9-13900Kでは多少温度が高くなるかもしれません。※Core i9-13900Kの計測データは誤って削除してしまいました。

 

OMEN 45L

Core i7-13700KモデルでCINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPUクロックとCPU温度の推移

GPU温度

GPU温度については、RTX 4090 / RTX 4080どちらも73度前後を推移しています。ただし部分的な最大温度である”GPUホットスポット温度”とグラボのメモリー(VRAM)温度を表わす”GPUメモリジャンクション温度”は82度と、やや高めの温度で推移していました。

 

OMEN 45L

Core i9+RTX 4090モデルで3DMark Speed Wayストレステストを10分間実施した際のGPU温度

 

OMEN 45L

Core i7+RTX 4080モデルで3DMark Speed Wayストレステストを10分間実施した際のGPU温度

 

このままでも大きな問題はないのですが、長期間安定して使いたいなら、GPU温度をもう少し下げたいところです。「MSI Afterburner」などのチューニングソフトを使って、メモリーのクロックやファンの回転数などを調整するといいでしょう。3D性能に多少の影響が出るものの、おそらく誤差の範囲内に収まるはずです。

 

ちなみに2022年発売の前モデルからは、GPU温度が10度くらい下がっています。温度については、多少改善されているようです。

駆動音

ファンの音は標準設定であれば、たまに大きく聞こえる程度です。ファンの回転音や排気口からの風切り音が大きくなっても、1分程度で収まります。よっぽど重いゲームでは音が気になるかもしれませんが、ヘッドセットを着用すれば気にならないレベルです。

 

ちなみに標準収録ユーティリティー「OMEN Gaming Hub」ではファンの回転数を最大化することができますが、耐えられないほど大きくなるので注意してください。ファンの音が大きい状態でベンチマークテストを行ないましたが、スコアに大きな違いは見られませんでした。標準設定のまま使い続けるのがベストだと思います。

 

駆動音の計測結果(Core i7+RTX 4080モデル)

電源オフ 37dBA
高負荷時
標準設定
52.5→41.1dBA 最初の1分間程度音が大きくなるが、あとは通常時と変わらない
高負荷時
パフォーマンス設定
58dBA (手動変更時)ファンの回転音がかなり目立ち、排気音も大きく聞こえる。爆音とまではいかないが、音は気になる
高負荷時
ファン最大設定
75.9dBA (手動変更時)強めのドライヤーレベルで、部屋の外にまで聞こえる。住宅環境によっては、近隣からクレームがくるかも

 

ゲーム性能

ゲーム系ベンチマークを試したところ、非常に優秀な結果が出ました。特にRTX 40シリーズから採用されたDLSS3の対応タイトルでは、フレームレートがかなり伸びる傾向にあります。およそどんなゲームでも、快適に楽しめるでしょう。

※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安

サイバーパンク2077 (重い / DX12)

サイバーパンク2077

※フルレイトレーシング対応 / DLSS3対応

Core i9+RTX 4090モデル

解像度 画質 ※DLSS:自動 平均FPS / 最低FPS
フルHD レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG 179.41 / 78.45
レイトレーシング:オーバードライブ 107.23 / 65.01
ウルトラ DLSS FG 303.30 / 176.11
ウルトラ 158.62 / 76.99
4K レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG 98.9 / 80.9
レイトレーシング:オーバードライブ 63.24 / 50.59
ウルトラ DLSS FG 117.99 / 97.64
ウルトラ 82.44 / 62.73

Core i7+RTX 4080モデル

解像度 画質 ※DLSS:自動 平均FPS / 最低FPS
フルHD レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG 144.75 / 65.65
レイトレーシング:オーバードライブ 85.25 / 61.39
ウルトラ DLSS FG 294.49 / 173.16
ウルトラ 169.55 / 87.25
4K レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG 70.14 / 59.36
レイトレーシング:オーバードライブ 43.68 / 34.88
ウルトラ DLSS FG 114.78 / 90.79
ウルトラ 74.22 / 61.25

Portal with RTX(激重)

Portal with RTX

※フルレイトレーシング対応 / DLSS3対応

Core i9+RTX 4090モデル

解像度 画質 平均FPS / 低位1%
フルHD 最高画質 DLSS FG 204.2 / 171
最高画質 60 / 55.2
4K 最高画質 DLSS FG 109.5 / 97.6
最高画質 60 / 55.5

Core i7+RTX 4080モデル

解像度 画質 平均FPS / 低位1%
フルHD 最高画質 DLSS FG 157.1 / 129.1
最高画質 60 / 56.2
4K 最高画質 DLSS FG 73.8 / 65.3
最高画質 46.1 / 39.2

ファークライ6(そこそこ重い / DX12)

ファークライ6

※レイトレーシング対応 / DLSS非対応

Core i9+RTX 4090モデル

解像度 画質 平均FPS / 低位1%
フルHD レイトレ 最高画質 127 / 107
最高画質 159 / 126
4K レイトレ 最高画質 108 / 98
最高画質 129 / 118

Core i7+RTX 4080モデル

解像度 画質 平均FPS / 低位1%
フルHD レイトレ 最高画質 125 / 106
最高画質 146 / 116
4K レイトレ 最高画質 93 / 85
最高画質 108 / 93

アサシン クリード ヴァルハラ (激重)

アサシン クリード ヴァルハラ

※DLSS非対応

Core i9+RTX 4090モデル

解像度 画質 平均FPS / 低位1%
フルHD 最高画質 198 / 138
4K 最高画質 121 / 88

Core i7+RTX 4080モデル

解像度 画質 平均FPS / 低位1%
フルHD 最高画質 185 / 129
4K 最高画質 100 / 73

エーペックスレジェンズ 射撃訓練場(中量級)

エーペックスレジェンズ

※DLSS非対応

Core i9+RTX 4090モデル

解像度 画質 平均FPS / 低位1%
フルHD 最高画質 299.2 / 239.7
4K 最高画質 292.3 / 216.8

Core i7+RTX 4080モデル

解像度 画質 平均FPS / 低位1%
フルHD 最高画質 297.1 / 197.3
4K 最高画質 299.3 / 198.6

※実際のプレーではこの結果よりもFPSが低下します

レインボーシックス シージ(軽い) ※Vulkan

レインボーシックス シージ

※DLSS非対応

Core i9+RTX 4090モデル

解像度 画質 平均FPS / 最低FPS
フルHD 最高画質 520 / 424
4K 最高画質 497 / 405

Core i7+RTX 4080モデル

解像度 画質 平均FPS / 最低FPS
フルHD 最高画質 465 / 374
4K 最高画質 446 / 369

※最高画質設定。ゲーム内ベンチマークの結果

CS:GO FPS Benchmark(軽い)

CS:GO

※DLSS非対応

Core i9+RTX 4090モデル

解像度 画質 平均FPS
フルHD 最高画質 817
4K 最高画質 486.76

Core i7+RTX 4080モデル

解像度 画質 平均FPS
フルHD 最高画質 761.06
4K 最高画質 365.15

※ワークショップ内のマップ「FPS Benchmark」を使用、画質は最高設定

セール時の大幅値引きが狙い目

OMEN 45L

 

2022年4月、当時はCore i9-12900K + RTX 3090の構成で60万円あたりが相場だった時期に、OMEN 45Lが36万円台で販売され大きな話題を呼びました。筆者も思わず購入し、現在もメインPCとして使っています。

 

現行モデルは2023年7月末時点で、Core i7-13700K+RTX 4080モデルが約42万円、Core i9-13900K+RTX 4090モデルが約55万円です。去年のように大幅に値引きされるかはわかりませんが、HPはゲーミングPCをちょくちょくたたき売りレベルの値段で売ることがあるので、もしかしたら安く買えるチャンスがくるかもしれません。そのときが狙い目です。

 

OMEN 45L Desktop

OMEN 45L Desktop

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こまめ(タカハシリョウ)

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