レノボの『Legion Pro 5i Gen 8 16型』は、16インチ2560×1600ドットディスプレイ搭載のゲーミングノートPCです。CPUは第13世代Coreプロセッサのなかでも、特に高性能なゲーミングノートPC向けのHXシリーズ。GPU(専用グラフィックス)はエントリー向けのRTX 4050からミドルレンジのRTX 4060、ミドルハイ向きのRTX 4070が使われています。
記事執筆時の価格
スペック | 価格 |
---|---|
RTX 4050 / Core i5-13500HX / 165Hz | 19万4491円 |
RTX 4060 / Core i7-13700HX / 240Hz | 19万9980円 |
RTX 4070 / Core i7-13700HX / 240Hz | 24万9810円 |
※2023年11月10日時点
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、主に見た目について紹介します。
おことわり
このレビュー記事では、メーカー貸し出し機材を1週間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。
スペック
発売日 | 2023年3月24日 |
---|---|
OS | Windows 11 Home |
ディスプレイ | 16インチ、2560×1600、IPS、非光沢、165Hzまたは240Hz |
CPU | Core i5-13500HX(14C20T) / Core i7-13700HX(16C24T) |
メモリー | 16 / 32GB ※DDR5-4800、スロット×2 |
ストレージ | 512GB / 1TB PCIe Gen4 TLC NVMe SSD |
グラフィックス | RTX 4050(6GB) / RTX 4060(8GB) / RTX 4070(8GB) |
通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.1、有線LAN(1Gbps) |
インターフェース | USB3.2 Gen2 Type-C(DP/PD)×1、USB3.2 Gen1×4、HDMI2.1、有線LAN、ヘッドセット端子 |
生体認証 | なし |
サイズ / 重量 | 幅363.4×奥行き260.4×高さ22~27mm / 約2.5kg |
バッテリー | 約5時間 ※ゲームプレー時は極端に短くなります |
本体デザイン
ディスプレイについて
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i7-13700HX(16コア24スレッド) |
---|---|
メモリー | DDR5 16GB |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
グラフィックス | RTX 4070(8GB) |
最大グラフィックスパワー | 140W |
※ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを標準の「Legion Balance Mode」、電源モードを「バランス」に設定した上で、電源アダプターを接続した状態で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
パフォーマンス設定について
標準収録の設定ユーティリティ『Lenovo Vantage』を使えば、パフォーマンスの調整が可能です。今回のベンチマークテストでは、最大設定の「パフォーマンス・モード」で行ないました。
なおLegion Pro 5i Gen 8 16型では「LA-2Q」と呼ばれる専用のAIチップを搭載しており、「バランス・モード」の「Legion AI Engine+」を有効にすることで、パフォーマンスを最適化した状態でゲームを楽しめます。
CPU性能
CPUとしてはインテル第13世代のCore i5-13500HX(14コア20スレッド) / Core i7-13700HX(16コア24スレッド)が使われています。HXシリーズはハイエンドゲーミングノートPC向けで、ゲーミングノートPCでは一般的なHシリーズよりもPBP(プロセッサーベースパワー、TDPとほぼ同意)が高く、そのぶん高いパフォーマンスを発揮できます。
Core i5-13700HX搭載機でCPUベンチマークテストを行なったところ、現行のゲーミングノートPC向けCPUとしては非常に優秀な結果が出ました。同じCPUの平均値を上回っており、高いパフォーマンスを期待できます。
ゲーミングノートPC向けCPUのマルチコア性能
CPU | 3DMark CPU Profile Max threads |
---|---|
Ryzen 9 7945HX |
14024
|
Core i9-13900HX |
11887
|
検証機(Core i7-13700HX) |
9892
|
Core i7-13700HX |
8890
|
Core i5-13500HX |
8264
|
Ryzen 7 7745HX |
8256
|
Core i7-13700H |
7838
|
Ryzen 7 7840HS |
7407
|
Ryzen 7 7735HS |
6826
|
Core i5-13500H |
6386
|
Ryzen 5 7640HS |
5902
|
Core i5-13420H |
5789
|
Ryzen 5 7535HS |
5447
|
※そのほかのスコアはUL Solutionsによる平均値
ゲーミングノートPC向けCPUのシングルコア性能
CPU | 3DMark CPU Profile 1 thread |
---|---|
Core i9-13900HX |
1113
|
Ryzen 9 7945HX |
1067
|
検証機(Core i7-13700HX) |
1043
|
Ryzen 7 7745HX |
1030
|
Core i7-13700HX |
1029
|
Core i7-13700H |
1022
|
Ryzen 7 7840HS |
1009
|
Core i5-13500HX |
970
|
Ryzen 5 7640HS |
951
|
Ryzen 7 7735HS |
920
|
Ryzen 5 7535HS |
878
|
※そのほかのスコアはUL Solutionsによる平均値
グラフィックス性能
グラフィックス機能としてはNVIDIA GeForce RTX 4050(6GB) / RTX 4060(8GB) / RTX 4070(8GB)が使われています。RTX 4050は現行世代のエントリー(入門)向けで、RTX 4060はミドルレンジ(中級)、RTX 4070はミドルハイ(中上級)向け相当です。
RTX 4070モデル(最大グラフィックスパワー140W)で3Dベンチマークテストを行なったところ、同GPUの平均値を大きく下回る結果が出ました。発熱がどうこうと言ったレベルの話ではないので、おそらく検証機になんらかの不具合があったか、筆者が誤ってパフォーマンス設定を静音設定に変更してしまったのかもしれません。通常ならこの結果の2割増し程度になるはずです。
ノートPC向けGPUの性能(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphics |
---|---|
RTX 4090 |
21665
|
RTX 4080 |
18891
|
RTX 3080 Ti |
13004
|
RTX 4070 |
12053
|
RTX 3080 |
12032
|
RTX 3070 Ti |
11398
|
RTX 3070 |
10497
|
RTX 4060 |
10463
|
検証機(RTX 4070) |
9025
|
RTX 3060 |
8350
|
RTX 4050 |
8341
|
RTX 3050 Ti |
5345
|
RTX 3050 |
4852
|
GTX 1650 |
3445
|
※そのほかのスコアはUL Solutionsによる平均値
ノートPC向けGPUの性能(DirectX 12 Ultimate)
GPU | 3DMark Speed Way Graphics |
---|---|
RTX 4090 |
5612
|
RTX 4080 |
4705
|
RTX 3080 Ti |
3177
|
RTX 3080 |
3045
|
RTX 3070 Ti |
2840
|
RTX 4070 |
2821
|
RTX 3070 |
2664
|
RTX 4060 |
2575
|
検証機(RTX 4070) |
2228
|
RTX 3060 |
1893
|
RTX 4050 |
1788
|
RTX 3050 Ti |
445
|
RTX 3050 |
427
|
※そのほかのスコアはUL Solutionsによる平均値
熱と騒音について
CPU温度
高負荷時のCPU温度を計測したところ、平均温度は91.9度とかなり高めでした。高出力状態は開始から2分前後続き、そのあいだに最高温度は99度にまで達しています。おそらくこれは最大パフォーマンス設定で利用しているから。CPU温度が上がりすぎるのを防ぐためにも、パフォーマンスをやや落としたほうがいいでしょう。
GPU温度
逆にGPU温度はかなり低めの結果です。というよりも、なにかが原因でGPUのパフォーマンスがかなり落ちているものと思われます。実際の温度とは異なる可能性が大です。
駆動音
駆動音はだいぶ大きく聞こえます。スピーカーからでは音が聞き取りづらいので、ゲーミングヘッドセットなどを着用してプレーすることになるでしょう。
駆動音の計測結果(Core i7+RTX 4070モデル)
電源オフ | 37dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 37.2dBA前後 | 耳を近づければうっすらと音が聞こえるが、体感的にはほぼ無音 |
高負荷時 標準設定 |
56.1dBA前後 | 排気音が大きく聞こえる。ヘッドセットを着用しても聞こえるが、BGMや効果音が再生されれば気にならない |
ゲーム性能
ゲーム系のベンチマークテストも試していますが、やはり3Dベンチマークテスト時と同様に、RTX 4070としては低めの結果が出ました。あまり参考になりませんが、結果だけは掲載します。
※計測結果はパフォーマンス設定を「バランス(AIなし)」に設定したときのものです
サイバーパンク2077 (重い / DX12)
1920×1200
画質 ※DLSS:自動 | 平均FPS / 最低FPS |
レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG | 47.61 / 37.57 |
レイトレーシング:オーバードライブ | 26.99 / 9.11 |
ウルトラ DLSS FG | 113.19 / 87.6 |
ウルトラ | 76.33 / 55.58 |
2560×1600
画質 ※DLSS:自動 | 平均FPS / 最低FPS |
レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG | 33.47 / 12.07 |
レイトレーシング:オーバードライブ | 20.1 / 14.65 |
ウルトラ DLSS FG | 65.6 / 55.21 |
ウルトラ | 44.98 / 36.41 |
Portal with RTX(激重)
解像度と画質 | 平均FPS / 低位1% |
1920×1200 DLSS FG | 67.3 / 46.7 |
1920×1200 | 41.6 / 35.6 |
2560×1600 DLSS FG | 38.8 / 25.1 |
2560×1600 | 24.1 / 21.1 |
※最高画質
ファークライ6(そこそこ重い / DX12)
解像度と画質 | 平均FPS / 最小FPS |
1920×1200 レイトレ 最高画質 | 86 / 77 |
1920×1200 最高画質 | 101 / 88 |
2560×1600 レイトレ 最高画質 | 68 / 59 |
2560×1600 最高画質 | 59 / 53 |
アサシン クリード ヴァルハラ (激重)
解像度と画質 | 平均FPS / 低位1% |
1920×1200 最高画質 | 96 / 69 |
2560×1600 最高画質 | 69 / 50 |
エーペックスレジェンズ 射撃訓練場(中量級)
画質 | 平均FPS / 低位1% |
1920×1200 最高画質 | 188.9 / 129.4 |
2560×1600 最高画質 | 135.7 / 94.6 |
※実際のプレーではこの結果よりもFPSが低下します
レインボーシックス シージ(軽い) ※Vulkan
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
1920×1200 最高画質 | 316 / 251 |
2560×1600 最高画質 | 310 / 242 |
※最高画質設定。ゲーム内ベンチマークの結果
CS:GO FPS Benchmark(軽い)
解像度 | 平均FPS |
1920×1200 | 401.05 |
2560×1600 | 255.91 |
※ワークショップ内のマップ「FPS Benchmark」を使用、画質は最高設定
なかなかの高コスパ
今回は諸々のトラブルにより、実機を正しく評価できませんでした。しかし不具合(的な症状)がなければ、なかなか高コスパだと思います。特に上位モデルはCore i7-13700HXとRTX 4070の高性能な組み合わせで、さらにディスプレイは240Hz&HDR対応。キーボードもしっかりゲーミング仕様です。これだけの仕上がりであれば、他社製品なら安くても25万円前後あたりといったところでしょう。今回は試していませんが、AIによる最適化機能「Lenovo AI Engine+」があるぶん、同価格帯製品よりもアドバンテージがあると考えていいかもしれません。
*
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