レノボのスペックリファレンスサイト「PSREF」に、ゲーミングPCの新モデル「Legion T5 26IRX9」が追加されました。一見すると普通のミニタワー型に見えますが、スペックを確認すると……
また本体内部の写真を見ると……
どうやらこの機種は見た目はデスクトップ型でありながら、一部にノートPC向けのパーツが使われているようです。ミニPCでノートPC向けCPUが使われているのはよくあるというかそれが普通ですが、ミニタワー型ゲーミングPCでは珍しいのではないでしょうか。
マザーボード上にはPCIe 4.0 x16スロットが用意されており、グラボは普通にデスクトップPC向けのようです。パッとみた感じで普通と異なるのは、CPUの冷却周りとメモリーぐらいでしょうか。
簡易スペック
OS | Windows 11 Home / Pro |
---|---|
GPU | UHD Graphics または RTX 4060 / 4060 Ti / 4070 SUPER / 4070 Ti SUPER またはRX 7600 |
CPU | Core i7-13650HX / Core i7-14650HX / Core i9-14900HX |
メモリー | DDR5-5600 SO-DIMM(スロット×2、最大64GB) |
ストレージ | PCIe 4.0 x4 SSD (M.2×2、3.5″×2) |
電源 | 500Wまたは850W |
サイズ / 重量 | 幅205×奥行き396.9×高さ425.9mm(26L) / 14kg |
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ノートPC向けCPUはデスクトップPC向けCPUよりも性能が低いのですが、Legion T5 26IRX9で使われるCPUはデスクトップPC向けのCore i5-14500やCore i7-14700Fと同等クラス。エントリー~ミドル向けであれば十分なのかもしれません。
CPU性能の比較
CPU | 3DMark CPU Profile Max threads |
---|---|
Core i9-14900K |
16707
|
Core i7-14700K |
14738
|
Core i7-14700F |
13348
|
Core i9-14900HX |
12723
|
Core i7-14650HX |
9850
|
Core i5-14500 |
9337
|
Core i7-13650HX |
8931
|
※スコアは3DMark公式サイトによる平均値で、実機の結果ではありません
ミニタワーにノートPC向けのパーツを利用するのは、おそらくパーツを共通化することでコスト削減を狙っているのでしょう。またノートPC向けCPUのほうが消費電力が低いことから発熱を抑えられるでしょうし、熱対策のための部品や工程をある程度省略できるのかもしれません。
第13/14世代の不具合対策ではとも考えられますが、PCは年単位で生産を計画するはずですから、インテルの不祥事よりも前に進められていた可能性があります。そうではなくインテルが原因なら、今回はとんでもないゴリ押しがあったのかもしれません。
それはともかく、ノートPCのパーツがミニタワー型ゲーミングPCに使われるなんて、ちょっと新しい時代に突入した感があります。非常に興味深い機種ではあるものの、残念ながら日本向けのモデルはまだ未登録で発売されるかはわかりません。現在は欧州地域向けモデルが公開されているだけ。日本でも発売されると、おもしろいんですけどね……。
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