エイサーのAcer Chromebook 712 C871T-A14Nは、12インチのディスプレイを搭載するノートPCです。外観はやや厚くて大きいのですが、そのぶん頑丈に作られている点がポイント。2021年7月下旬時点の価格は2万8000円前後と安く、普段使い用や子供用にも向いています。
Acer Chromebook 712 C871T-A14Nのスペック
OS | Chrome OS |
---|---|
画面サイズ | 12インチ |
解像度 | 1366×912 |
CPU | Celeron 5205U |
メモリー | 4GB ※オンボード |
ストレージ | 32GB eMMC |
HDD | なし |
グラフィックス | UHD(CPU内蔵) |
LTE | - |
堅牢性テスト | MIL-STD 810G |
色域 / 明るさ | - |
幅×奥行き | 296×229mm |
厚さ | 21.5mm |
重量 | 約1.4kg |
バッテリー | 約12時間 |
自動更新ポリシー | 2028年6月 |
※2021年7月27日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | シェールブラック |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | タッチ対応 |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | - |
無線LAN | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 1 |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 2(USB3.1 Gen1、PD/DP対応) |
Thunderbolt 4 | - |
メモリーカード | microSD |
HDMI | - |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | HD 720p(92万画素) |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | - |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | なし |
この記事では筆者が購入したAcer Chromebook 712 C871T-A14Nの実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
※2021年7月27日時点
※本製品はChrome OSを搭載したノートPCです。Windows向けのソフトは利用できないので注意してください。
ラインナップについて
エイサーのChromebook 712シリーズには、全部で4種類のモデルが用意されています。それぞれの違いは、CPUとメモリー/ストレージの容量のみ。重量やサイズ、インターフェース構成などは同じです。微妙にわかりづらいので、購入の際はこの3点に注意してください。
Chromebook 712のラインナップ
型番 | CPU | メモリー | eMMC |
---|---|---|---|
C871T-A38P | Core i3-10110U | 8GB | 64GB |
C871T-A38N | Core i3-10110U | 8GB | 32GB |
C871T-A14P | Celeron 5205U | 4GB | 64GB |
C871T-A14N | Celeron 5205U | 4GB | 32GB |
Core i3搭載モデルについては、別の記事でレビューしています。
https://komameblog.jp/review/acer-cb-712-a38/
デザインと使いやすさ
Acer Chromebook 712 C871T-A14Nの本体デザインや機能、使い勝手は、別モデルのAcer Chromebook 712 C871T-A38Nとまったく同じです。外観については別の記事で解説していますので、そちらでご確認ください。
Acer Chromebook 712シリーズのポイントは、とても頑丈に作られている点です。米国防総省制定の耐久基準「MIL-STD 810G」準拠で、高さ約122cmからの落下試験もクリアーしているとのこと。さらにキーボードは耐水仕様で、最大330mlの水をこぼしても底面下部から排水できます。絶対に壊れないわけではありませんが、一般的なノートPCに比べてはるかに頑丈です。
ベンチマーク結果
ここからは、Acer Chromebook 712 C871T-A14Nのパフォーマンス (性能)について解説します。ベンチマーク結果は環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがある点をあらかじめご了承ください。
試用機のスペック
型番 | C871T-A14N |
---|---|
CPU | Celeron 5205U |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 32GB eMMC |
グラフィックス | UHD Graphics(CPU内蔵) |
Octane 2.0
JavaScritの処理速度を計測する「Google Octane 2.0」を試したところ、当サイトでこれまで計測したなかでは中位クラスの結果が出ました。実売2万円台の機種としては、なかなか優秀です。
ベンチマークスコアの比較
CPU | Octane 2.0スコア |
---|---|
HP x360 13c (Core i7-10510U) |
48847
|
ASUS Flip C436FA (Core i7-10510U) |
48443
|
Acer 712 C871T-A38N (Core i3-10110U) |
44600
|
HP x360 14c (Core i3-10110U) |
43914
|
HP x360 14 (Core i5-8250U) |
34408
|
HP 14a(Pentium N5030) |
21124
|
HP x360 12b (Pentium N5030) |
21081
|
HP x360 14b (Pentium N5000) |
19455
|
Acer 712 C871T-A14N (Celeron 5205U) |
16974
|
Acer CB311 (Celeron N4020) |
16911
|
IdeaPad Flex550i (Celeron 5205U) |
16810
|
IdeaPad Slim 350i (Celeron N4020) |
15729
|
ASUS C223NA (Celeron N3350) |
11585
|
S330(MT8173C) |
11460
|
Acer Tablet CT100PA(OP1) |
10490
|
ASUS Detachable CM3 (MediaTek MT8183) |
10076
|
IdeaPad Slim 360 (MediaTek MT8183) |
9934
|
Acer Spin 311 (MediaTek M8183C) |
9870
|
CrXPRT 2
「CrXPRT 2」はChrome OS機器の総合性能の計測する、HTML 5ベースのベンチマークテストです。このテストでは、中位クラス(4万円台中心)と下位クラス(3万円台中心)の中間に相当する結果でした。遅くはなく十分な結果ですが、やはり2万円台で買えることを考えれば高コスパです。
ベンチマークスコアの比較
CPU | CrXPRT 2 Performanceスコア |
---|---|
Acer 712 C871T-A38N (Core i3-10110U) |
110
|
HP x360 12b (Pentium N5030) |
73
|
HP 14a(Pentium N5030) |
70
|
HP x360 14b (Pentium N5000) |
66
|
IdeaPad Flex550i (Celeron 5205U) |
55
|
Acer 712 C871T-A14N (Celeron 5205U) |
53
|
IdeaPad Slim 360 (MediaTek MT8183) |
40
|
ASUS CM3 (MediaTek MT8183) |
39
|
ASUS C223NA (Celeron N3350) |
37
|
GeekBench 5
Acer Chromebook 712 C871T-A14Nで使われているCeleron 5205Uは、2コア2スレッドで動作するCPUです。CPU性能を計測するGeekBench 5ではマルチコア性能のスコアでARM(MediaTek)系CPUよりも劣りますが、これはコア数が少ないため。複数のコアを使う複雑な数値演算では、やや不利かもしれません。ただし値段的に重い処理向きの機種ではないので、この結果については特に気にする必要はないでしょう。
ベンチマークスコアの比較
CPU | Geekbench 5 マルチコアスコア |
---|---|
ASUS Flip C436FA (Core i7-10510U) |
3626
|
HP x360 13c (Core i7-10510U) |
3146
|
HP x360 14 (Core i5-8250U) |
2938
|
HP x360 14c (Core i3-10110U) |
2209
|
Acer 712 C871T-A38N (Core i3-10110U) |
1812
|
HP x360 14b (Pentium N5000) |
1503
|
HP x360 12b (Pentium N5030) |
1450
|
HP 14a(Pentium N5030) |
1428
|
ASUS Detachable CM3 (MediaTek MT8183) |
1422
|
IdeaPad Slim 360 (MediaTek MT8183) |
1403
|
Acer Spin 311 (MediaTek M8183C) |
918
|
Acer CB311 (Celeron N4020) |
899
|
IdeaPad Flex550i (Celeron 5205U) |
880
|
Acer 712 C871T-A14N (Celeron 5205U) |
814
|
ASUS C223NA (Celeron N3350) |
514
|
ベンチマークスコアの比較
CPU | Geekbench 5 シングルコアスコア |
---|---|
HP x360 14c (Core i3-10110U) |
1015
|
HP x360 14 (Core i5-8250U) |
921
|
Acer 712 C871T-A38N (Core i3-10110U) |
826
|
HP x360 12b (Pentium N5030) |
520
|
HP 14a(Pentium N5030) |
511
|
IdeaPad Flex550i (Celeron 5205U) |
461
|
HP x360 14b (Pentium N5000) |
447
|
Acer 712 C871T-A14N (Celeron 5205U) |
431
|
ASUS Detachable CM3 (MediaTek MT8183) |
301
|
IdeaPad Slim 360 (MediaTek MT8183) |
292
|
ASUS C223NA (Celeron N3350) |
270
|
PCMark / 3DMark
アプリによる軽めの作業の快適さを計測するPCMarkでは、かなり低めの結果でした。同じCeleron 5205U搭載機種よりもスコアが低いので、機種による相性が原因なのかもしれません。
ベンチマークスコアの比較
CPU | PCMark Work 2.0スコア |
---|---|
ASUS Flip C436FA (Core i7-10510U) |
11966
|
HP x360 14c (Core i3-10110U) |
11792
|
HP x360 14 (Core i5-8250U) |
10653
|
HP x360 13c (Core i7-10510U) |
10010
|
HP x360 12b (Pentium N5030) |
9692
|
HP 14a(Pentium N5030) |
9455
|
Acer 712 C871T-A38N (Core i3-10110U) |
9150
|
HP x360 14b (Pentium N5000) |
8714
|
Acer CB311 (Celeron N4020) |
8564
|
IdeaPad Flex550i (Celeron 5205U) |
8249
|
IdeaPad Slim 360 (MediaTek MT8183) |
6743
|
ASUS Detachable CM3 (MediaTek MT8183) |
6655
|
Acer Spin 311 (MediaTek M8183C) |
6307
|
Acer 712 C871T-A14N (Celeron 5205U) |
6177
|
ASUS C223NA (Celeron N3350) |
5195
|
グラフィックス性能については、中の下クラスと言ったところ。ただしAndroid向けの人気3Dゲームを利用するには、Core i7クラスでも全然足りません。ごく軽めのゲームであれば問題なくプレーできるかもしれませんが機種によって対応状況が異なるので、プレーできればラッキーぐらいに考えたほうがいいでしょう。
ベンチマークスコアの比較
CPU | 3DMakr Sling Shotスコア |
---|---|
HP x360 13c (Core i7-10510U) |
5522
|
ASUS Flip C436FA (Core i7-10510U) |
4648
|
Acer 712 C871T-A38N (Core i3-10110U) |
4243
|
HP x360 14c (Core i3-10110U) |
4172
|
HP x360 14b (Pentium N5000) |
2780
|
IdeaPad Flex550i (Celeron 5205U) |
2538
|
HP x360 12b (Pentium N5030) |
2239
|
HP 14a(Pentium N5030) |
2203
|
Acer 712 C871T-A14N (Celeron 5205U) |
2107
|
Acer CB311 (Celeron N4020) |
1871
|
ASUS Detachable CM3 (MediaTek MT8183) |
1796
|
Acer Spin 311 (MediaTek M8183C) |
1458
|
ASUS C223NA (Celeron N3350) |
1445
|
起動時間
電源オフの状態から電源ボタンを押してパスワード入力画面が表示されるまでの時間を計測したところ、平均で11.86秒でした。筆者計測の平均値は10秒前後なので。標準よりもほんのわずかに遅い程度。待たされている感はありません。Windows PCではSSD搭載機種で平均15秒前後(筆者計測)なので、ノートPCとしては非常に優秀です。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 11.8秒 |
---|---|
2回目 | 12.0秒 |
3回目 | 10.8秒 |
4回目 | 12.2秒 |
5回目 | 12.5秒 |
平均 | 11.86秒 |
Core i3モデルとの違いについて
Celeron 5205U搭載のC871T-A14NとCore i3-10110U搭載のC871T-A38Nの2台が手元にあったので、体感速度がどれだけ変わるのかチェックしました。
まず起動時間については、Core i3モデルのほうが3秒程度高速です。普通のWebページ(YouTubeやアマゾンなど)の閲覧では、体感速度は変わりません。ブラウザーベースのWebアプリだとCore i3モデルのほうが2~3秒程度高速で、アプリを使ったデータの読み込み/表示はCore i3モデルのほうが3~4秒程度高速です。設定アプリなど基本的な操作は、ほとんど変わりませんでした。
以上のことからCeleronモデルとCore i3モデルでは、Core i3モデルのほうが概ね3秒程度高速と考えられます(乱暴な結論ではありますが)。3秒というと短い時間のように思えますが、実際にそれだけの時間を待ってみると意外に長く感じました。
またなにかの処理ごとに待ち時間が3秒間増えるわけですから、積み重なると長い時間をムダにしているとも考えられます。時間のムダなく&ストレスなく利用するならCore i3モデルを、なるべく安くすませたいならCeleronモデルを選ぶといいでしょう。
安いのに頑丈である点が魅力
よかった点
実売2万8000円台で、頑丈かつIPSパネル搭載&タッチ操作対応である点が驚きです。値段は多少変動するかもしれませんが、3万円台でもおかしくないクオリティーと言っていいでしょう。上位機種ほどのサクサク感はないものの、十分納得できる範囲内。画面が回転しないクラムシェル型のChromebookのなかでは、非常におすすめの機種です。
気になる点
シリーズ全体にとおして言えることですが、最大の弱点はカッコよくない点。「ゴツい代わりに頑丈」がコンセプトの機種ですので、それに納得できるならアリです。
※2021年7月27日時点
アマゾンでは64GB eMMCモデルが、2万8000円前後で販売されています(2021年7月27日時点)。[wpap service=”with” type=”detail” id=”B08JV6W5J3″ title=”Google Chromebook Acer ノートパソコン C871T-A14P 12.0インチ 日本語キーボード Celeron
楽天ではCore i3 + 8GBメモリー + 32GB eMMCモデルが4万7000円程度、Core i3 + 8GBメモリー + 64GB eMMCモデルが5万円前後で販売中です。タイミングや条件によってはポイント還元を含めて実質3万円台で購入できる場合があります。
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