デルのALIENWARE AREA-51は、非常に存在感のあるデスクトップPCです。本体が巨大であるだけでなく、中身は激しく高性能。最大18コアのCPUに対応する超ハイパフォーマンスモデルなモデルです。
ALIENWARE AREA-51のポイント
今回はメーカーからお借りした実機を使って、ALIENWARE AREA-51のベンチマーク結果や本体デザインなどをレビューします。
この記事の目次
※この記事で取り上げているモデルは2017年9月発売のAREA-51 R4で、現在は2018年2月発売の新モデルAREA-51 R5が発売されています。本体デザインやスペックはほぼ変わりませんが、新モデルのほうが冷却性が高くなっています
ALIENWARE AREA-51
税込み28万円台から
ALIENWARE AREA-51のスペック
ALIENWARE AREA-51にはあらかじめパーツ構成が決められたモデルと、フルカスタマイズに対応したモデルが用意されています。選択可能なパーツの種類は以下のとおり。カスタマイズなしの最小構成なら税込28万円台からですが、最上位パーツを選ぶと100万円以上になります。それだけ豊富で柔軟なカスタマイズが可能というわけです。
OS | Windows 10 Home / Pro |
---|---|
CPU | Core i7-7800X(6コア)/ Core i7-7820X(8コア) / Core i7-7900X(10コア) / Core i7-7920X(12コア) / Core i7-7940X(14コア) / Core i7-7960X(16コア) / Core i7-7980XE(18コア) |
メモリー | 8~64GB |
ストレージ | 2TB HDD または 256~1TB SSD ※SSD+HDD構成も可能 |
グラフィックス | GeForce GTX 1050 Ti(4GB) / GTX 1060(6GB) / GTX 1070(8GB) ※SLI対応 / GTX 1080(8GB) ※SLI対応 / GTX 1080 Ti(11GB) ※SLI対応 |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
通信機能 | 1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB3.1 Gen1(フルサイズ)✕8(前面✕2+背面✕6)、USB3.1 Gen2(フルサイズ)✕1(背面)、USB3.1 Gen2(Type-C)✕1(背面)、USB2.0✕2(背面)、HDMI、DVI、DisplayPort、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、SPDIFデジタル出力、ヘッドホン出力、オーディオ端子類 |
拡張スロット | PCI Express x16✕2、PCI Express x8✕2、PCI Express x4✕1 |
ドライブベイ | 3.5インチ✕3、2.5インチ✕2 |
電源 | 850 / 1500W |
サイズ/重量 | 幅638.96×奥行き272.71×高さ569.25mm/約28kg |
※2018年2月27日時点。構成や価格は変更される場合があります
3DMarkベンチマーク結果
今回のテストでは、ALIENWARE AREA-51 スプレマシー VRモデルを試用しました。主なスペックは以下のとおり。標準価格65万9980円(税別)の超ハイエンドな最上位モデルです。
■試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i7-7980XE(18コア) |
メモリー | 32GB |
ストレージ | 512GB SSD + 2TB HDD |
グラフィックス | GeForce GTX 1080 Ti(11GB) |
3D性能を計測する「3DMark」では、非常に優れた結果となりました。
Time Spy(DX12) | 9,294 |
---|---|
Fire Strike(DX11,FHD) | 23,933 |
Fire Strike Extreme(DX11,WQHD) | 12,684 |
Fire Strike Ultra(DX11,4K) | 6,791 |
Sky Diver(DX10) | 60,763 |
Cloud Gate(DX10) | 45,288 |
Ice Storm(DX9) | 164,738 |
VR性能を計測するVRMarkでは、標準的なテストである「Orange Room」で「SUPER」の評価でした。VRコンテンツを快適に楽しめる性能です。
人気ゲームのベンチマーク結果
国内外で人気のゲームのベンチマーク結果は以下のとおりです。中規模クラスのゲームであれば、4K最高画質でも平均60FPS超えとなりました。しかしグラフィックス重視の重量級ゲームでは、少々厳しいかもしれません。4Kで中~最高画質、あるいはWQHD(2560✕1440ドット)で最高画質あたりでプレーする感じでしょうか。
ちなみに最上位モデルでこの結果ですので、パーツのランクを下げるとFPSは落ちるので注意してください。
■ベンチマーク結果(画質を最高品質に設定)
FF15ベンチ (DX11) | |||
---|---|---|---|
4K | WQHD | フルHD | |
9142(とても快適) | ※未計測 | ※未計測 | |
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) | |||
4K | WQHD | フルHD | |
8503(非常に快適)※平均56.792 FPS | 14311(非常に快適)※平均99.781 FPS | 16528(非常に快適)※平均121.976 FPS | |
ドラゴンクエストX | |||
4K | WQHD | フルHD | |
22648(すごく快適) | - | 23440(すごく快適) | |
Assassin’s Creed Origins (DX11) | |||
4K | WQHD | フルHD | |
48 FPS | 74 FPS | 92 FPS | |
Ghost Recon Wildlands (DX11) | |||
4K | WQHD | フルHD | |
36.8 FPS | 56.33 FPS | 68.83 FPS | |
Rise of the Tomb Raider(DX12) | |||
4K | WQHD | フルHD | |
57.77 FPS | 106.79 FPS | 158.08 FPS | |
Hitman (DX12) | |||
4K | WQHD | フルHD | |
70.91 FPS | 95.97 FPS | 99.92 FPS | |
F1 2017 (DX11) | |||
4K | WQHD | フルHD | |
77 FPS | 131 FPS | 169 FPS |
そのほかのベンチマーク結果
システムストレージに使われているSSDは、HDDに比べて非常に高速です。
CPUの性能を計測する「CINEBENCH R15」では、これまで見たこともないような結果となりました。18コアのCore i9-7980XEは異次元レベルの性能です。
(参考)ほかのCPUとの違い
CPU | CINEBENCH R15 CPUスコア(実測値) |
---|---|
Core i9-7980XE |
|
Core i7-8700K |
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Core i7-7700K |
|
Core i7-7700 |
|
基本性能を計測する「PassMark PerformanceTest 9.0」では、CPUと3D性能、ストレージが非常に優秀。PC全体のなかでも上位1%の性能ということですから、ほぼ最高クラスです。
作業の快適さを計測する「PCMark 10」でも、非常に優れた結果が出ています。ゲームだけでなく、あらゆる作業を快適に行なえるでしょう。
動画の変換処理も非常に高速。Core i7-7700では7~8分ですので、20%以上も快適です。
動画変換にかかった時間
x264 | NVENC |
---|---|
5分58秒 | 5分03秒 |
※5分間の4K映像(XAVC-S、3.51GB)をYouTube向けの1080p(1920✕1080ドット)映像に変換するのにかかった時間
各種ベンチマークテストでは、どれも最高クラスの結果が出ています。さすがに高スペックのモデルだけあって、満足できるパフォーマンスです。
消費電力と駆動音、CPU温度について
消費電力はかなり大きい
さまざまな場面での消費電力を計測したところ、以下の結果となりました。消費電力はかなり大きく、待機中でも65Wもあります(ちなみにCore i7ノートPCで動画変換を行なったときの消費電力は40~50W程度)。最高クラスのパフォーマンスを実現するには、それなりの電力も必要と言うことでしょう。
1分間の平均消費電力
構成 | 待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム |
---|---|---|---|---|
Core i9-7980XE+GTX 1080 Ti | 65W | ※未計測 | 216W | 400W |
(参考)Core i7-7700+GTX 1060 | 48.6W | 51.6W | 124.2W | 133.2W |
(参考)Ryzen 5+RX580 | 42.6W | 60W | 117W | 213.6W |
※消費電力の計測方法はコチラ
高負荷時は駆動音が大きい
利用中の駆動音を計測したところ、CPUに高い負荷がかかる場面では音がかなり大きくなりました。近くに設置すると、音が気になるかもしれません。
駆動音の計測結果
電源オフ時 | 36.8dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 47.5dBA | ファンの回転音がけっこう聞こえる |
動画視聴 | ※未計測 | - |
動画変換 | 50~55dBA | ファンの回転音と排気音がかなり大きい |
3Dゲーム | 51~57dBA | 同上 |
※駆動音の計測方法はコチラ
CPU温度はそこそこ高め
テスト/ベンチマーク中のCPU温度は最大で82度でした。大型のデスクトップPCとしては高めです。
CPUの最高温度
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム |
---|---|---|---|
※未計測 | ※未計測 | 82℃ | 70℃ |
※本体温度の計測方法はコチラ
本体の外観と内部
ALIENWARE AREA-51では、特徴的で巨大なPCケースが使われています。重量は約28kgもあるので、床や丈夫な机の上に設置するといいでしょう。大きくて設置場所に困るかもしれませんが、メンテナンスは比較的容易で拡張性も高く、また余裕のあるエアフローで内部がしっかり冷却されています。
反対側の側面には、ドライブベイが用意されています(撮影するのを忘れてしまいました……)。
とことん究極を追求できるPC
ということで、今回はデルの超ハイエンドゲーミングPC「ALIENWARE AREA-51」のレビューをお届けしました。
検証では18コアのCore i7-7980XE搭載機を試用しましたが、ベンチマーク結果はどれも非常に優秀で驚きました。特にCINEBENCH R15のスコアは見たことのないレベルです。
しかし残念ながら、4K最高品質では平均60FPSを超えられないゲームがいくつかありました。試用機ではGeForce GTX 1080 Tiが1枚しか使われていなかったので、GeForce GTX 1080 Tiの2-way SLIであればひょっとして……、とそんな妄想をサクッとかなえてくれる素敵なモデルです。お金さえあれば、ですが。
ALIENWARE AREA-51のまとめ
- CPUがとにかく高性能
- 拡張性が高くメンテナンスも容易
- デカイ。とにかくデカイ