デルのAlienware Aurora R12は、ユニークな本体デザインが特徴のゲーミングPCです。丸みを帯びた愛嬌のある見た目とは裏腹に、パフォーマンス面は超優秀。パーツカスタマイズで、バリバリのハイエンドゲーミングPCに仕上げられます。
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
- ▶ スペック
- ▶ 本体の外観
- ▶ 分解方法とパーツ交換について
- ▶ ベンチマーク結果
- ▶ まとめ
Alienware Aurora R12
※2021年9月16日時点
Alienware Aurora R12のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
---|---|
APU | ・Core i5-11400F ・Core i7-11700F ・Core i7-11700KF ・Core i9-11900F ・Core i9-11900KF |
メモリー | 16~128GB ※スロット4基、DDR4-3200、最大128GB |
ストレージ | ・2TB HDD(標準) ・SSDのみ ・SSD+HDD |
グラフィックス | ・GTX 1660 Ti ・RTX 3060 ・RTX 3060 Ti ・RTX 3070 ・RTX 3080 ・RTX 3080 Ti ・RTX 3090 |
電源 | 1000W |
サイズ | 幅222.8mm 奥行き431.9mm 高さ481.6mm 容量:33.8L |
重量 | 約17.8kg |
※2021年9月16日時点。構成は変更される場合があります
フォームファクター | Micro ATX ※独自仕様? |
---|---|
SATAポート | 4 |
M.2スロット | 2 (Wi-Fi用×1、ストレージ用×1) |
光学ドライブ | なし |
ドライブベイ | 2.5インチ×2 3.5インチ×1 |
拡張スロット | PCI Express x16 Gen4×2 PCI Express x4 ×2 |
有線LAN | 2.5Gbps |
無線LAN | Wi-Fi 6(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.1 |
USB3.2 | 7(Gen1:前面3+背面3、Gen2:背面1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | 6(背面) |
USB Type-C | 2(USB3.2 Gen1 前面、USB3.2 Gen2 背面) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | - |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | 3 |
DVI | - |
シリアルポート | - |
PS/2 | - |
付属品 | 電源アダプターなど |
オフィス | ※オプション |
本体の外観
サイズについて
Alienware Aurora R12の筐体はかなり巨大です。デスクトップPCのなかではミドルタワー型に分類されるだけあって、かなりの存在感があります。そのぶん接地面積も広いので、十分なスペースを確保したほうがいいでしょう。重量は17.8kgあるので、持ち上げるときは腰を痛めないよう注意してください。
インターフェースについて
周辺機器接続用のインターフェース(端子類)は、数も種類も十分な構成です。特に困る場面はないでしょう。ただし光学ドライブ非搭載である点に注意してください。
前面のインターフェース
- ① 電源ボタン
- ② USB3.2 Gen1
- ③ USB3.2 Gen1 Type-C
- ④ ヘッドホン出力/マイク入力
背面のインターフェース
- ① SPDIFデジタル出力(同軸)
- ② SPDIFデジタル出力(オプティカル)
- ③ USB2.0×6+有線LAN
- ④ USB3.2 Gen2 Type-C
- ⑤ USB3.2 Gen2
- ⑥ USB 3.1 Gen1×3
- ⑦ オーディオ端子類
- ⑧ HDMI
- ⑨ DisplayPort
分解方法とパーツ交換について
側面のパネルを外すと、内部のメンテナンスやパーツ交換などが行なえます。背面レバーのネジを外すだけで、あとは基本的にツールレスで作業が可能です。側面パネルを外したあと、スイングアームを電源ユニットごと開くことでマザーボードにアクセスできます。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | スプレマシー ※カスタマイズ済み |
---|---|
CPU | Core i9-11900KF |
メモリー | 32GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | GeForce RTX 3090 |
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
ストレージ性能
ストレージの標準構成は2TB HDDです。そのままではアクセス速度が遅すぎるので、かならずSSDを追加してください。試用機で使われていた512GB SSDはPCIe 3.0 x4接続の超高速タイプで、アクセス速度は優秀でした。負荷の高いテストを連続して行なうとシーケンシャルアクセスの速度が若干低下するのですが、ゲームでは特に影響ないでしょう。大容量のデータを長時間連続で書き込むような作業では、アクセス速度が低下する可能性があります。
CPU性能
試用機では第11世代(Rocket Lake-S)のCore i9-11900KFが使われていました。CPU性能を計測するベンチマークテストでは非常に高い結果が出ていますが、ガチガチの水冷PC▶「サイコム G-Master Hydro Z590-Mini」で使われていたCore i7-11700Kのほうが高いスコアが出ています。とは言えパフォーマンスは非常に高く、ゲームや動画編集などに向いています。
CPUの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-11700K |
5741
|
Alienware Aurora R12(Core i9-11900KF) |
5345
|
Ryzen 7 4700G |
4953
|
Core i7-10700KF |
4922
|
Ryzen 7 PRO 4750G |
4705
|
Ryzen 7 PRO 4750GE |
4093
|
Core i7-10700 |
3856
|
Ryzen 5 PRO 4650G |
3507
|
Ryzen 5 PRO 4650GE |
3291
|
Core i5-10400 |
3176
|
Ryzen 5 3500 |
2594
|
Ryzen 3 PRO 4350G |
2343
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
試用機ではグラフィックス機能として、NVIDIA GeForce RTX 3090が使われていました。ハイエンドGPUだけあって、ゲーム/一般向けとしては最高クラスのパフォーマンスです。4K解像度でのプレーや、レイトレーシング対応タイトルを十分に堪能できるでしょう。
GPUの性能比較 (DirectX 12、WQHD)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
Alienware Aurora R12(RTX 3090) |
18521
|
RTX 3080 |
16515
|
RTX 2080 Ti |
13077
|
RTX 3070 |
13072
|
RTX 2080 SUPER |
11327
|
RTX 2080 |
10305
|
RTX 2070 SUPER |
10151
|
RTX 2070 |
8738
|
RTX 2060 SUPER |
8289
|
RTX 2060 |
6754
|
GTX 1660 Ti |
6238
|
GTX 1660 |
5303
|
GTX 1650 SUPER |
4614
|
GTX 1650 |
3383
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能比較 (DirectX 11、フルHD)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
Alienware Aurora R12(RTX 3090) |
44130
|
RTX 3080 |
39977
|
RTX 3070 |
32448
|
RTX 2080 Ti |
32170
|
RTX 2080 SUPER |
27932
|
RTX 2080 |
25358
|
RTX 2070 SUPER |
25322
|
RTX 2070 |
22766
|
RTX 2060 SUPER |
20640
|
RTX 2060 |
17645
|
GTX 1660 Ti |
15747
|
GTX 1660 |
13004
|
GTX 1650 SUPER |
11853
|
GTX 1650 |
9005
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能比較 (レイトレーシング)
GPU | 3DMark Port Royalスコア |
---|---|
Alienware Aurora R12(RTX 3090) |
12485
|
RTX 3080 |
10813
|
RTX 3070 |
8109
|
RTX 2080 Ti |
7911
|
RTX 2080 SUPER |
6883
|
RTX 2080 |
5926
|
RTX 2070 SUPER |
5996
|
RTX 2070 |
4922
|
RTX 2060 SUPER |
4858
|
RTX 2060 |
4164
|
GTX 1660 Ti |
1610
|
GTX 1660 |
1405
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
クリエイティブ性能
UL Procyonは、アドビ製プロクリエイター向けソフトの快適さを計測するベンチマークテストです。「Photo Editing」ではPhotoshopとLightroom Classicを、「Video Editing」ではPremiere Proを利用します。テスト結果の比較用にGPUなしのデスクトップPC▶Lenovo V55t Mini-Tower(Ryzen 7 4700G+16GBメモリー)と、ハイエンドゲーミングノートPCの▶ROG Strix SCAR 15 G533QS(Ryzen 9 5900HX+ 32GBメモリー+RTX 3080 )の結果もまとめました。
Procyonベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Photo Editing |
7925
5378
6811 |
Image Retouching |
7631
5264
6896 |
Batch Processing |
8232
5495
6728 |
Video Editing |
6262
2366
5901 |
さすがに試用機はCore i9 + RTX 3090の組み合わせだけあって、非常に優秀な結果です。特に動画編集性能を表わす「Video Editing」で高いスコアが出ています。クリエイティブな用途でも十分に活用できるでしょう。
本体の熱と騒音について
CINEBENCH R23を10分間実行し続けた際のCPU温度を計測したところ、CPUは平均74.7度ででした。数値としては低めに抑えられています。処理の序盤だけクロックがグッと上がり、22~23秒経過すると4GHz前後に抑えられているようです。おそらく熱が高くなり過ぎるのを防いでいるのでしょう。
駆動音(排気音やファンの回転音)は大きく聞こえました。ただ思ったほどムチャな音ではありません。ヘッドホンを着用すれば気にならない程度です。空冷式のCPUクーラーだと、水冷式よりも駆動音が大きく聞こえるでしょう。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.1dBA | - |
---|---|---|
通常時 | 48.3dBA | それなりに大きい音が聞こえる。排気音が中心 |
高負荷時 | 49dBA | 通常時とあまり変わらないが、水冷式特有のモーター音のような音が聞こえる |
ゲーム系ベンチマーク結果
RTX 3090搭載モデルでゲーム系ベンチマークテストを試したところ、一般的なゲームであれば4K解像度で快適なプレーが見込めそうです。レイトレ対応ゲームであれば、フルHDで快適に楽しめるでしょう。4Kレイトレはタイトルによっては厳しそうです。
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
フルHD
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 23512 / 172.5 FPS |
高品質 | 23782 / 174.8 FPS |
標準品質 | 24645 / 181.4 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
4K
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 15219 / 104.4 FPS |
高品質 | 16336 / 113.1 FPS |
標準品質 | 21824 / 159.6 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
フルHD
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 24213 / すごく快適 |
標準品質 | 24354 / すごく快適 |
低品質 | 24714 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
4K
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 23790 / すごく快適 |
標準品質 | 23995 / すごく快適 |
低品質 | 24454 / すごく快適 |
※3240×2160ドットの結果
PSO2 ニュージェネシスベンチ(やや重い / DX11)
フルHD
画質 | スコア / 平均FPS |
ウルトラ | 30658 |
中 | 45856 |
最低 | 49760 |
※5000以上が快適に遊べる目安
フルHD
画質設定 | 平均FPS |
ウルトラ | 26374 |
中 | 44998 |
最低 | 49616 |
※5000以上が快適に遊べる目安
サイバーパンク2077 (重い / DX12)
FPS計測結果 ※テクスチャの質:高
画質設定 | 平均FPS / 最低FPS |
フルHD/レイトレーシングウルトラ/DLSS:自動 | 72.5 FPS / 39.1 FPS |
4K/レイトレーシングウルトラ/DLSS:自動 | 54.7 FPS / 36.5 FPS |
4K/レイトレーシングウルトラ/DLSS:クオリティ | 38.8 FPS / 28 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
フルHD
画質設定 | 平均FPS |
画質:ウルトラ/DLSS:ウルトラパフォーマンス | 55 FPS |
画質:中/DLSS:ウルトラパフォーマンス | 71.5 FPS |
画質:レイトレーシングウルトラ/DLSS:ウルトラパフォーマンス | 40.9 FPS |
画質:レイトレーシング中/DLSS:ウルトラパフォーマンス | 40.5 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
アサシン クリード ヴァルハラ (重い / DX12)
フルHD
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 86 FPS / 44 FPS |
中 | 109 FPS / 66 FPS |
低 | 122FPS / 79 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
4K
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 56 FPS / 33 FPS |
中 | 73 FPS / 48 FPS |
低 | 85 FPS / 37 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
とことんパワフルに仕上げられる大手メーカー製PC
よかった点
柔軟なパーツカスタマイズに対応している点が魅力です。BTOメーカーほどではありませんが、グローバルメーカーでこれだけのカスタマイズに対応しているところはありません。メーカーの規模が大きいだけあって、組み合わせによっては価格も抑えられています。たまに値引き額の大きいセールが行なわれるのも魅力。グローバル規模のブランド力と価格を重視したい人向けです。
気になる点
海外で組み立てるので、到着までに時間がかかります。特にいまはどこもパーツ不足で、2ヵ月程度かかる点に注意してください(2021年9月中旬時点)。
Alienware Aurora R12
※2021年9月16日時点
*
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