ASUSのZenBook Duoは、14インチサイズのクリエイター向けノートPCです。最大の特徴は14インチのメインディスプレイに加え、横長のセカンドディスプレイを搭載している点。1台のノートPCにふたつの画面を搭載した、いわゆる”デュアルディスプレイ仕様”です。
メインディスプレイの解像度は1920×1080ドットのフルHDであるのに対し、セカンドディスプレイは1920×515ドットと変則的。これは横幅をメインディスプレイに合わせているからでしょう。合計すると1920×1595ドットということになり、そのぶん一般的なフルHDのモデルよりもデスクトップを広く使えます。
セカンドディスプレイの正式名称は「ScreenPad Plus」で、タッチ操作に対応しています。たとえばブラウザーをセカンドディスプレイにまで広げて表示すれば、タッチ操作でのスクロールが可能。大きなタッチパッドとして使えるのは便利です。
セカンドディスプレイは非常にいいアイデアだと思うのですが、画面が真上を向いているため、光の映り込みが気になります。ここは非光沢(メインディスプレイは光沢)とは言え、照明の下では見づらく感じました。
このようにセカンドディスプレイは意外に画面が見づらいため、文章を読むために使うのはツライのではないかと思います。
ただしこの部分にショートカットボタンやツールのウィンドウ、ソフトのツールバーなどを配置できれば便利ですよね。ドローソフトでブラシのパターンをタッチで変えられたり、DTMソフトでミキシングを調整したりなどできれば、作業効率はアップするはずです。このセカンドディスプレイは情報表示用というよりも、操作をサポートするタッチデバイスとして考えたほうがいいかもしれません。
ベース部分の半分近くをセカンドディスプレイで占められているため、キーボード部分はかなりコンパクトです。キーピッチは許容範囲内でしたが、配置がやや変則的でした。英字配列でもこうなのに、日本語配列だといったいどうなってしまうのでしょうか?
タッチパッドはキーボードの右側に配置されています。実際に使ってみましたが、ちょっと慣れが必要かなと思います。
通常のタッチパッドならキーボードの下にあるので左右両方の手を同時に使えるのですが、このタイプだと右手だけで操作しなければなりません。カーソルの操作だけならともかく、ドラッグ&ドロップなどボタンを含む操作が非常にやりづらく感じます。せめてスペースキーを左ボタン代わりに使えたら、多少はマシになると思うのですが……。とりあえず付いてはいるものの、マウスを使ったほうが良さそうです。
2画面を搭載していることもあって、ZenBook Duoの重量は約1.8kgとやや重めです。14インチタイプの平均重量は1.6kgぐらい(当サイト計測値より)なので、軽量というわけではありません。接地面積はコンパクトですが、やや厚みがあるように感じました。
インターフェースは多くありません。USB端子はフルサイズ×2とType-C×1で映像出力はHDMIのみ、メモリーカードスロットはmicroSD対応です。14インチはどちらかと言うと据え置き向きですので、有線LANやSDサイズのカードスロットがあればよかったと思います。クリエイティブ向けなのに、端子構成はモバイル向け相当です。
スペックはCore i7のUシリーズで、展示機ではCore i7-8565Uが使われていました。メモリー容量は8/16GBで、ストレージは256/512GB SSD(PCIe x2)または1TB SSD(PCIe x4)。上位モデルでは専用グラフィックス機能としてGeForce MX 250に対応しています。クリエイティブノートPCとしてはエントリー~ミドルレンジクラスのスペックと言えるでしょう。高性能ではありますが、動画をガンガン編集するような使い方向きではありません。
ZenBook Duo (UX481)のスペック
画面サイズ | 14インチ 12.6インチ |
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解像度 | 1920×1080 1920×515 |
CPU | Core i7 |
メモリー | 8 / 16GB |
ストレージ | ・256GB SSD ・512GB SSD ・1TB SSD |
グラフィックス | ・UHD 620 ・MX 250 |
幅×奥行き | 323×223mm |
厚さ | 19mm |
重量 | 1.8kg |
バッテリー | 70Wh |
※2019年5月28日時点。構成は変更される場合があります
ちなみに今回取り上げたのは14インチタイプのZenBook Duo (MX481)で、これとは別に15.6インチのZenBook Pro Duoも展示されていました。どちらも2019年第3四半期に発売予定です。
今回は展示機を使った感想をファーストインプレッション的にお伝えしましたが、実機を検証する機会があればより詳細なレビューを公開するつもりです。
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