富士通クライアントコンピューティングは2018年11月6日、13.3インチのモバイルノートPCとして「LIFEBOOK WU2/C3(LIFEBOOK UH-X/C3)」を発表しました。
2018年7月発売の前モデル「LIFEBOOK WU2/C2」からあまり変わっていないように見えますが、新旧モデル2台を比べると多くの点が異なることがわかりました。新モデルは単に重さやCPUが変わっただけでなく、基板設計やボディの再デザインなどフルモデルチェンジに近いくらい手が加えられています。
そこで今回は細かすぎる部分も含めて、LIFEBOOK WU2/C3とLIFEBOOK WU2/C2の違いを解説します。
スペックの違い
まずは大まかなスペック上の違いから。
LIFEBOOK WU2/C3とLIFEBOOK WU2/C2の違い
LIFEBOOK WU2/C3 |
LIFEBOOK WU2/C2 |
|
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発売 | 2018年11月15日 | 2018年7月25日 |
ディスプレイ | 13.3インチ 1920×1080ドット 非光沢 |
13.3インチ 1920×1080ドット 非光沢 |
CPU | Core i3-8145U Core i5-8265U Core i7-8565U |
Core i3-7130U Core i5-8250U Core i7-8550U |
ストレージ | 128GB~1TB SSD | 128GB~512GB SSD |
グラフィックス | UHD Graphics 620 | HD Graphics 620 UHD Graphics 620 |
メモリー | 4/8/16GB | 4/8/12/20GB |
USB端子 | USB 3.1 Gen2 Type-C USB 3.1 Gen1 Type-C USB3.0×2 |
USB 3.1 Gen1 Type-C USB3.0×2 |
大きさ | 幅309mm 奥行き212mm 高さ15.5mm |
幅309mm 奥行き212.5mm 高さ15.5mm |
重さ | 698~934g | 790~935g |
セキュリティー | 顔認証 | 指紋認証 |
駆動時間 | 約11.5時間~24時間 | 約8.3時間~13時間 |
※個人向けモデル
CPUがSky Lake-RからWhisky Lakeに変わった
前モデルではCPUとして、開発コード「Kaby Lake Refresh(ケビーレイク リフレッシュ)」こと第8世代のCore i5-8250U/Core i7-8550Uが使われていました(Core i3-7130Uは第7世代)。新モデルのCPUも同じ第8世代ではありますが、開発コード「Whisky Lake(ウィスキーレイク)」のCore i3-8145U/Core i5-8265U/Core i7-8565Uが使われています。
新CPUはターボブースト時の最大動作周波数がアップしているので、多少のパフォーマンス向上は期待できます。しかし実際のベンチマークテストでは、1~4%程度の微増でした。個体差によって変わるかもしれませんが、性能は大きく向上したわけではありません。ただし発熱対策のために、CPU性能をあえて抑えている可能性もあります。
CPUベンチマーク結果
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
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Core i7-8550U |
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LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U) |
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LIFEBOOK WU2/C2(Core i7-8550U) |
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Core i5-8250U |
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Core i7-7500U |
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※そのほかのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
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SSDの最大容量が1TBに
前モデルでのSSDの最大容量は512GBでしたが、新モデルは購入時のパーツカスタマイズで最大で1TB SSDを選べるようになっています。なお512GBおよび1TBのSSDは、アクセスが高速なPCIe接続タイプです。
メモリーは最大16GB
前モデルでは最大メモリー容量が20GBまででしたが、新モデルでは16GBまで。また12GBのメモリーは選べなくなっています。
USB 3.1 Gen2 Type-Cに対応
新モデルでは、最大10Gbpsの高速なデータ転送が可能なUSB 3.1 Gen2 Type-Cに対応しています(Thunderbolt 3は非対応)。Type-C端子で本体を充電したり(20V/2.5A)、ほかのUSB機器に給電できるのは従来どおり。Type-C端子がひとつ追加されたことで、活用の幅が広がりました。
デザインの違い
重量が軽くなった
新モデルでは最軽量構成時の重量が698g~で、前モデルの790gから92gも軽くなっています。ただし重量の公称値は工場出荷時の平均値であるため、実際の重さとは異なる可能性がある点に注意してください。またパーツの組み合わせや本体カラーによっても、重量は変わります。
LIFEBOOK WU2/C3の重量
最軽量モデル | 軽量モデル タッチパネル搭載 | 軽量モデル タッチパネル非搭載 | |
---|---|---|---|
LIFEBOOK WU2/C3 | 698g~ | 934g | 747g~(25Whバッテリー) / 915g(50Whバッテリー) |
※2018年11月7日時点
LIFEBOOK WU2/C2の重量
タッチパネル搭載 | タッチパネル非搭載 | |
---|---|---|
LIFEBOOK WU2/C2 | 935g | 790g(25Whバッテリー) / 935g(50Whバッテリー) |
※2018年11月7日時点、ピクトブラック選択時
最軽量モデルと軽量モデルの違い
直販モデルのLIFEBOOK WU2/C3には、「最軽量モデル」と「軽量モデル」の2種類が用意されています。どちらもサイズや機能はほぼ同じですが、最軽量モデルのほうが軽量モデルに比べて49g軽量です。これは底面部で使われている素材の違いによるもの。最軽量モデルはマグネシウムリチウム合金で、軽量モデルで使われているマグネシウム合金よりも軽い金属が使われています。
奥行きが0.5mm短くなった
新モデルでは奥行きが前モデルの212.5mmから0.5mm短くなっています。ただし見た目からではほとんどわかりません。
天板の質感が変わった
ピクトブラックの本体カラーでは、新モデルで天板(液晶ディスプレイの裏)部分の色がやや濃くなりました。またうっすらと施された模様が少なくなり、手触りが前モデルに比べてなめらかになっています。
さらにロゴマークの周辺が彫り込まれているほか、ロゴマークの中央は半光沢風の仕上がりになっています。
底面部の手触りとゴム足が変わった
本体底面部も天板部分と同様に、手触りが少しなめらかになっています。また底面を保護するゴム足が厚みのある角丸長方形から、薄い円形に変わりました。
キーボード面の色がグレーからブラックへ
前モデルでは本体カラーがピクトブラックでも、キーボード面はややダークグレー風でした。しかし新モデルでは、天板や底面部と同じブラックに統一されています。
ただし表面の細かな模様が新モデルでは増えており、前モデルに比べてややザラつきのある手触りに仕上がっています。
側面のラインが減って見た目がスッキリした
前モデルでは側面に分割線のようなラインが入っていましたが、新モデルではラインがなくなり見た目がスッキリしました。
側面の説明用プリントが目立つように
端子類やLEDの役割を表わす説明用プリントの色が濃くなり、さらに線が太くなったことでかなり目立つようになりました。わかりやすさは向上しているものの、見た目はあまりよくありません。
設置時の高さが少し低くなった
本体の高さは変わっていませんが、底面部のゴム足の厚みが変わったことで、設置時の高さが微妙に低くなっています。
面の構成が変わり、シンプルになった
ボディの側面や角の部分のデザインが変わり、ラインの少ないスッキリとしたデザインになりました。天板部分と底面部分は強度を増すために、いわゆる「バスタブ構造」のような形状になっています。
使い勝手の違い
排気音が激減した
これまでのモデルは高負荷時の排気音がうるさかったのですが、新モデルでは音がかなり小さくなっています。音はハッキリと聞こえるものの、あまり気にならないレベルです。
駆動音の計測結果
LIFEBOOK WU2/C3 | LIFEBOOK WU2/C2 | |
電源オフ | 37.1dBA | 36.8dBA |
待機中 | 37.3dBA | 36.8dBA |
動画視聴時 | 37.6dBA | 37.2dBA |
高負荷時 | 41.5dBA | 52.5dBA |
これは本体内部の空冷ファンの位置を変えたことで冷却効果が増し、そのぶんファンの回転数を減らすことができたからです。また排気口の穴が大きくなったことで、風切り音が目立たなくなっています。
指紋認証から顔認証に変更
従来モデルではセキュリティー機能として指紋センサーが搭載されていましたが、新モデルでは非対応となりました。そのかわりに、赤外線カメラを使った顔認証サインインに対応しています。
富士通のノートPCは長らく指紋センサー付きであることがウリだったのですが、なくなってしまったのは残念です。おそらく重量を少しでも軽くするためなのでしょう。
本体の強度が増した
フレームの構造が変わり、また液晶ディスプレイ上部に金属カバーが組み込まれたことで天板部分の強度が向上しました。
最軽量モデルでは重量をより軽くするため、底面部にマグネシウムリチウム合金が使われています。しかし材質の強度としては、前モデルで使われていたマグネシウム合金のほうが上。そこで新モデルでは底面部や全体の堅牢性を補強するために、より多くのネジが使われています。
軽さだけでなく完成度も大幅アップ!
ということで、今回はLIFEBOOK WU2/C3とLIFEBOOK WU2/B3の違いをお届けしました。
前述のとおりパッと見た感じは似ているのですが、よく確認すると細かい部分が異なることがおわかりいただけたと思います。端子類の位置やボディの形状が異なるのは、マザーボードやケースを再設計しているため。一部で同じ部品が使われているものの、イチから作り起こしたフルモデルチェンジ版とも言える手の込みようです。
そのかいあって、新モデルは前モデルに比べて完成度の面でもデザイン面でもアップグレードしています。軽さと使いやすさを重視するなら、新モデルのLIFEBOOK WU2/C3がおすすめです。
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