ドスパラのCritea(クリテア) VF-HGK1050は、17.3インチの大型ディスプレイを搭載したノートPCです。画面が大きいので、文字や画像が見やすいのがメリット。
Critea VF-HGK1050は一般的な作業向けの「スタンダードノートPC」という位置づけですが、専用グラフィックス機能としてゲーム向けのGeForce GXT 1050が使われています。
今回はメーカーからお借りした実機を使って、Critea VF-HGK1050の本体デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
https://komameblog.jp/notebook-17inch/
Critea VF-HGK1050のスペック
OS | Windows 10 Home ※カスタマイズ可 |
---|---|
CPU | Core i7-7700HQ |
メモリー | 8GB(最大32GB) ※カスタマイズ可 |
ストレージ | 500GB HDD ※カスタマイズ可、SSD対応 |
液晶ディスプレイ | 17.3インチ、1920×1080ドット、非光沢、タッチ非対応 |
グラフィックス | GeForce GTX 1050(2GB) + Intel HD Graphics 630(CPU内蔵) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ ※カスタマイズ可 |
通信機能 | 1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2 |
インターフェース | USB3.0✕2、USB3.1 Gen1(Type-C)×1、USB2.0✕1、HDMI、Mini-DisplayPort、有線LAN、SDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力/マイク入力 |
拡張スロット | SATA×1、M.2✕1 |
セキュリティ機能 | TPM 2.0、セキュリティースロット |
カメラ | HD画質(92万画素) |
サイズ/重量 | 幅420×奥行き285×高さ38.5mm/約2.9kg |
バッテリー駆動時間 | 約2.8時間 |
※2018年4月2日時点。構成や価格は変更される場合があります
パーツアップグレード対応
Critea VF-HGK1050は購入時の注文画面で、パーツをアップグレードできます。追加料金が必要ですが、メモリー容量やストレージの種類を変えるとパフォーマンスが大きくアップするのでおすすめです。
主なパーツの選び方
OS | 基本的にはWindows 10 HomeでOK。Hyper-V(仮想マシン)などの高度な機能を使うならProを選択 |
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メモリー | 8GB以上を強く推奨。サイズの大きな画像を扱うなら16GB以上推奨 |
SSD | 250GBあたりのSSDの追加がおすすめ。システムの快適さが大きく向上する |
HDD | データ保存用に1~2TB程度がおすすめ。HDDをSSDに変更して1台のみで使うなら、なるべく容量の大きいものを選ぶ |
光学ドライブ | DVDやブルーレイを使う人は追加。最近は使う機会が減ってきているので、絶対に必要というわけではない |
本体デザイン
本体はかなり大きい
Critea VF-HGK1050は17.3インチの大型ディスプレイを搭載したノートPCです。一般的な13~15インチクラスのモデルに比べて画面が大きいので、そのぶん本体もかなり大きめ。
見やすい大きな画面
液晶ディスプレイのサイズは17.3インチで、解像度は1920×1080ドット。デスクトップの拡大率は100%(ドットバイドット)で文字が多少小さく表示されますが、読めないほどではありません。拡大率を125%以上に設定すると、一般的なノートPCよりも文字がかなり読みやすくなります。
映像は比較的自然な色合いです。キャリブレーターでの計測結果はやや青みが強調されていましたが、違和感を感じるほどではありませんでした。ただ若干彩度が高く、色味が派手な印象を受けます。
静音性の高いキーボード
バックライト対応のキーボードはテンキー付きで、キーピッチ(キーとキーの間隔)は実測で18mm程度でした。理想とされる19mmよりもやや小さく、ちょっと窮屈に感じます。ただこのくらいの大きさであれば、使っているうちに慣れるでしょう。
キーストロークは実測で約2mm弱と深め。ストロークが深いだけあって底打ち感は感じませんが、キーボード端のキーでややたわみが生じます。キー入力時のクリック感はやや固めで、十分な手応えを感じられました。
タイプ音はかなり静かです。指を横に滑らせるようにして軽めに打つと「トクトクトク」という控えめな音がしますが、ほとんど気になりません。上から打ち下ろすように入力すると多少響きますが、「トストストス」とわずかな音がする程度でした。
豊富なインターフェース
周辺機器接続用のインターフェース(端子類)は充実しています。デスクトップPCほどではありませんがノートPCとしては十分な構成です。
左側面のインターフェース
- ① セキュリティースロット
- ② 1000BASE-T対応有線LAN
- ③ USB3.0
- ④ HDMI
- ⑤ Mini-DisplayPort
- ⑥ USB3.0
- ⑦ USB3.1 Gen1(Type-C)
- ⑧ ヘッドホン出力/マイク入力
左側面のインターフェース
- ⑨ 光学ドライブ
- ⑩ USB2.0
- ⑪ SDメモリーカードスロット
- ⑫ 電源コネクター
消費電力と駆動音、CPU温度について
消費電力は高め
スタンダードタイプのノートPCとしては、消費電力は高めです。これは高性能なCPUと専用グラフィックスとしてGeForce GTX 1050を搭載しているため。Critea VF-HGK1050はゲーミングノートPCにはカテゴライズされていませんが、同クラスのパーツを使っているので消費電力も同程度の結果となりました。
1分間の平均消費電力
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム |
---|---|---|---|
46.8W | 49.2W | 92.4W | 99W |
※消費電力の計測方法はコチラ
高負荷時の音が大きい
高性能で発熱量の大きいパーツを使っているため、内部を冷却するために空冷ファンが常時稼働しています。負荷の高い処理では排気音がかなり大きく聞こえました。
駆動音の計測結果
電源オフ | 36.8dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 38.2dBA | 排気音が少し聞こえる |
動画視聴 | 39.6dBA | 待機中よりも排気音が少し大きくなるが、気になるほどではない |
動画変換 | 46.2dBA | 排気音がけっこう大きい |
3Dゲーム | 41.7dBA | 排気音がはっきり聞こえる |
※駆動音の計測方法はコチラ
バッテリーは2時間もたない
バッテリー駆動時間は約2.8時間とされていますが、当サイトの計測方法では2時間もちませんでした。負荷の高い処理では、駆動時間はさらに短くなるでしょう。もっともCritea VF-HGK1050は据え置き用のノートPCですので、バッテリー性能が低い点はあまり問題ではありません。
バッテリー駆動時間のテスト結果
BBenchによる計測 | 1時間54分 |
---|---|
PCMark 8による計測 | 1時間31分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
CPUの熱は高い
検証/ベンチマーク中のCPU温度は最大で99度程度でした。CPUの限界温度(100度)ギリギリで、高温状態が長時間続くとパーツの劣化が進む可能性があります。
キーボード面はけっこう温かいのですが、熱く感じるほどではありません。
※本体温度の計測方法はコチラ
キーボード上部のボタンを押すと空冷ファンを強制的にフル稼働できるのですが、温度が少し下がる程度でした。99度よりはマシかもしれませんが、排気音がかなり大きくなってしまいます。
通常時とファン強制回転時の違い(動画変換時)
通常時 | ファン強制回転時 | |
---|---|---|
CPU最大温度 | 99度 | 97度 |
消費電力 | 92.4W | 96W |
駆動音 | 46.2dBA | 52.7dBA |
処理時間 | 6分36秒 | 6分30秒 |
HDDは起動が遅い
起動時間(電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまでの時間)は平均35.02秒でした。システムストレージがHDDなので、起動は早くありません。快適に使いたい場合はSSDの利用をおすすめします。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
39.2秒 | 34.8秒 | 39.2秒 | 31.3秒 | 30.6秒 | 35.02秒 |
Critea VF-HGK1050のベンチマーク結果
ストレージ性能
標準構成ではストレージに1TB HDDが使われています。アクセス速度はHDDとしては標準的。システムストレージをSSDに変更すれば、より快適に使えるでしょう。
PCとしての基本性能
CPUにクアッドコアのCore i7-7700HQを使っているだけあって、CPUの基本性能は高めです。しかし全体的に見ると、ストレージ性能の低さが足を引っ張っている印象を受けます。
3D性能
専用グラフィックス機能としてGeForce GTX 1050を搭載しているため、スタンダードノートPCとしては3D性能が優れています。ゲーミングノートPCとしてはやや性能が低いものの、中規模クラスのタイトルなら問題なく楽しめるでしょう。
ノートPC向けdGPUの性能差(当サイトの計測値)
GPU | Fire Strikeスコア(平均値) |
---|---|
GeForce GTX 1070 |
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GeForce GTX 1060 |
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GeForce GTX 1050 Ti |
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GeForce GTX 965M |
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GeForce GTX 1050 |
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GeForce GTX 960M |
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■ゲーム系ベンチマークの結果(1920×1080ドット)
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) | |||
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最高品質 | 高品質(ノートPC) | 標準品質(ノートPC) | |
6222(とても快適)※平均42.008 FPS | 9311(非常に快適)※平均63.063 FPS | 11172(非常に快適)※平均78.533 FPS | |
ドラゴンクエストX | |||
最高品質 | 標準品質 | - | |
14691(すごく快適)※最高評価 | - | - |
作業の快適さ
PCを使った作業の快適さを計測する「PCMark 10」では、そこそこ高めの結果が出ています。ストレージにSSDが使われていれば、スコアはさらに大きくアップするでしょう。
ちなみにGeForce GTX 1050がクリエイティブな作業にどのくらいの影響を及ぼすのかを調べるためにグラフィックス機能を切り替えてテストを行なったところ、3D制作以外はスコアが微増という結果でした。専用グラフィックス機能があれば多少は有利であるものの、体感速度が劇的に変わるほどではないようです。
VR性能
Oculus RiftやHTC Vive向けVRコンテンツの快適さを計測したところ、とりあえず動くけど快適ではないという結果でした。
ただしWindows MR(Mixed Reality) Ultraの推奨スペックは満たしています。一般的なVRゲームは厳しいものの、Windows MR向けのコンテンツであればなんとか楽しめそうです。
1台で仕事とゲームをこなしたい人向け
Critea VF-HGK1050は一般的な作業向けのスタンダードノートPCという位置づけですが、各部の検証結果やベンチマーク結果を見る限りではややゲームよりのモデルだと言えます。
GeForce GTX 1050を搭載しているので確かにクリエイティブな作業は多少有利ですが、劇的に快適になっているわけではありません。むしろ液晶ディスプレイの色再現性が低いので、色にこだわる作業には不向きです。
高品質な外付けディスプレイを利用すれば、プロの作業にも利用できるでしょう。また写真の現像が目的ならHDDよりもSSDを使ったほうが効果が高く、巨大な画像ファイルを扱うならメモリーを16GB以上にアップグレードするべきです。
いろいろ買い足すとなるとクリエイター向けノートPCのほうがおすすめなのですが、Critea VF-HGK1050はそこまでは必要ないという人向けのモデルです。動画や写真、画像などをそこそこ扱うけれど、プロレベルほどこだわらなくてもOKというあたり。そのへんの作業をしっかりこなして、ときどきゲームで遊びたいという用途に向いています。一部で「ビジネスとゲーミングのコンボノートPC」と言われるカテゴリーですね。仕事をサクッとこなせてゲームもそこそこ楽しめるノートPCを探している人におすすめします。
Critea VF-HGK1050のまとめ
- 大きくて見やすい画面
- ゲームの楽しめる性能
- 駆動音が大きい
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※記事中の価格や構成は、記事執筆時のものです。予告なく変更される場合もございますので、あらかじめご了承ください。