ドスパラのmini Magnate GE(ミニマグネイト ジーイー)は非常に小さなデスクトップPCです。どれくらい小さいかというと、↓これぐらい。
mini Magnate GEと小型の液晶ディスプレイを組み合わせれば、超コンパクトなデスクトップPC環境を構築できます。この小ささは「デスクトップPCは場所を取る」という従来の既成概念を覆すほど。
これだけ小さくても、性能はパワフルです。CPUは省電力性能の高いCore i7-7700Tで大容量のメモリーやSSDに対応。普段の作業を快適にこなせるでしょう。
Magnate IMのポイント
今回はメーカーからお借りした実機を使って、mini Magnate GEの本体デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
https://komameblog.jp/dospara-desktop/
mini Magnate GEのスペック
OS | Windows 10 Home ※カスタマイズ可 |
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CPU | Core i7-7700T |
メモリー | 8GB(最大32GB) ※カスタマイズ可 |
ストレージ | 1TB HDD ※カスタマイズ可、SSD対応 |
グラフィックス | Intel HD Graphics 630(CPU内蔵) |
光学ドライブ | なし |
通信機能 | 1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2 |
インターフェース | USB3.0✕2(前面✕1+背面✕1)、USB3.0(Type-C)✕1(前面)、USB2.0✕3(左側面×2+背面×1)、VGA(D-sub15ピン)、HDMI、DisplayPort、有線LAN、ヘッドホン出力/マイク入力 |
拡張スロット | SATA✕2、M.2(PCIe Gen3 x4専用)✕1 |
ドライブベイ | 2.5インチ シャドウ✕2 |
電源 | 120Wアダプター |
サイズ/重量 | 幅80×奥行き155×高さ155mm/約1.35kg |
※2018年3月20日時点。構成や価格は変更される場合があります
パーツアップグレード対応
mini Magnate GEは標準でメモリー容量が8GB、ストレージが1TB HDDですが、購入時の注文画面でパーツをアップグレードできます。
本体の外観と内部
コンパクトで場所を取らない
mini Magnate GEは、本体サイズがとてもコンパクトな点が特徴です。接地面積は幅80×奥行き155mmで、5インチクラスのスマホよりちょっと大きい程度しかありません。本体が小さいので、設置場所に困らないのがうれしいですね。
Mini-STX規格の小型マザーを採用
mini Magnate GEはもともとASRockの Mini-STXベアボーンキット「DeskMini 110/COM」をベースにしたモデルですので、分解はそれほど難しくありません。ただしPCI Expressスロット非搭載なので、拡張ボードが利用できない点に注意してください。
消費電力と駆動音、CPU温度について
今回の検証では、以下の仕様のモデルを使いました。標準構成との違いはWindows 10のエディションがProになっているだけですので、性能的にはほぼ変わらないはずです。ただし検証/ベンチマーク結果はパーツ構成や個体差、環境、タイミングなどによって大きく変わることがあります。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Pro |
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CPU | Core i7-7700T |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 1TB HDD |
グラフィックス | Intel HD Graphics 630(CPU内蔵) |
Core i7としては消費電力が低い
CPUとして使われているCore i7-7700Tは、高性能なCore i7シリーズのなかでも省電力性能を重視したCPUです。確かにCore i7-7700を搭載したモデルよりも消費電力は抑えられていました。ただしほかのパーツが電力消費に多少影響している可能性もあります。
1分間の平均消費電力
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム | |
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mini Magnate GE(Core i7-7700T) | 13.8W | 16.2W | 56.4W | 42.6W |
※参考 Slim Magnate GE(Core i7-7700) | 22.2W | 24W | 115.8W | 54W |
※消費電力の計測方法はコチラ
駆動音は控えめ
駆動音(ファンの回転音や排気音など)はデスクトップPCとしてはかなり控えめです。Core i7搭載で性能が比較的高いことを考えれば、静音性は非常に優秀だと言えます。
駆動音の計測結果
電源オフ | 36.8dBA | - |
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待機中 | 39.7dBA | 回転音がわずかに聞こえるが、気にならない |
動画視聴 | 40.9dBA | 同上 |
動画変換 | 38.7dBA | 同上 |
3Dゲーム | 43.0dBA | 回転音がわずかに聞こえる程度。ときおりHDDのアクセス音が聞こえる |
※駆動音の計測方法はコチラ
CPU温度は低い
CPUの最大温度は、動画変換時で71度でした。Core i7-7700Tの限界温度は80度なので、あまり余裕がありません。これだけ本体が小さいことを考えればやむを得ないでしょう。非常に負荷の高い処理は控えたほうが無難です。
CPUの最高温度
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム |
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37℃ | 43℃ | 71℃ | 64℃ |
※本体温度の計測方法はコチラ
HDD搭載機としては起動が早い
起動時間(電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまでの時間)は、HDD搭載モデルとしては早いほうです。ただし使い続けているうちに起動時間が長くなる可能性が高いので、予算が許すのならSSDへのアップグレードをおすすめします。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
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41.8秒 | 24.8秒 | 17.9秒 | 18.3秒 | 17.3秒 | 24.02秒 |
mini Magnate GEのベンチマーク結果
■(参考)CPUの性能比較 ※当サイト計測値
CPU | CINEBENCH R15のCPUスコア |
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Core i7-7700 |
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Core i7-7700T |
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Core i5-7400 |
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Core i3-7100 |
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総合性能を計測する「Passmark PerformanceTest 9.0」ではエラーが発生して、最後までテストを行なえませんでした。そのため、CPU性能の計測結果だけを紹介します。
■(参考)CPUの性能比較 ※当サイト計測値
CPU | Passmark PerformanceTest 9.0のCPU Mark |
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Core i7-7700K |
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Core i7-7700 |
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Core i7-7700T |
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Core i5-7400 |
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Core i3-7100 |
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3D性能を計測する「3DMark」でも、DirectX 9のテストでエラーが発生しました。そのほかのテスト結果は控えめではありますが、そもそもmini Magnate GEはゲームを楽しむためのPCではないので気にする必要はありません。
作業の快適さを計測する「PCMark 10」では、Webページ閲覧テストでエラーが発生しています。どうも試用機ではグラフィックス周りの調子が悪かったのかもしれません。おそらく個体差によるもので、実際の商品では問題ないでしょう。
CPUとして使われているCore i7-7700Tは省電力性を重視しているだけあって、Core i7-7700よりもパフォーマンスは若干低めです。しかしCore i3/i5に比べて性能は高く、資料や文書の作成、ちょっとした画像編集などには十分。普段遣いのPCとして活用できるでしょう。
省スペース性と静音性に優れた高性能PC
ということで、今回はドスパラの小型デスクトップPC「mini Magnate GE」のレビューをお届けしました。
設置スペースが小さいという理由からノートPCを選ぶ人は多いと思いますが、mini Magnate GEならデスクトップPCでも設置スペースが小さくてすみます。また静音性も高いので、デスクに置いても駆動音が気になることはありません。高負荷の処理はやや苦手ではあるものの、事務系の仕事や普段の作業には十分なパフォーマンスです。場所を取らないパワフルなPCを探している人におすすめします。
mini Magnate GEのまとめ
- デスクトップPCなのに超小さい
- 駆動音が気にならない
- 拡張スロット非搭載
※記事中の価格や構成は、記事執筆時のものです。予告なく変更される場合もございますので、あらかじめご了承ください。