ドスパラのMonarch-X ZK(モナーク エックス ZK)はCPU性能と拡張性に優れたデスクトップPCです。第8世代のCore i7-8700Kを標準搭載することで、高いパフォーマンスを実現。本体は大型ではありますが、そのぶん拡張スロットやドライブベイが豊富で、将来的なパーツアップグレードにも十分対応できます。
Monarch-X ZKの特徴
第8世代Core i7-8700K搭載
6コア12スレッドでオーバークロック対応のCore i7-8700Kを標準搭載。非常に高い性能で、動画編集などの高度な作業も快適に行なえます。
高い拡張性
インターフェースが豊富で拡張スロット、ドライブベイの数も多い点が魅力です。さらにPCIe Gen3 x4対応のM.2スロットの2基搭載しています。
優れた冷却性能
12cmの大型空冷ファンや高性能なCPUクーラーを搭載。メッシュパネルを使った高い冷却性能がポイントです。
今回はメーカーからお借りした実機を使って、Monarch-X ZKの本体デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
- 1:Monarch-X ZKのスペック
- 2:本体の外観と内部
- 3:消費電力と駆動音、CPU温度について
- 4:ベンチマーク結果
- 5:まとめ
https://komameblog.jp/dospara-desktop/
Monarch-X ZKのスペック
OS | Windows 10 Home ※Proに変更可 |
---|---|
CPU | Core i7-8700K |
メモリー | 8GB(最大64GB) ※最大64GBまで変更可 |
ストレージ | 240GB SSD ※カスタマイズ可、PCIe M.2やHDDの追加も可能 |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 630(CPU内蔵) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ ※カスタマイズ可 |
通信機能 | 1000BASE-T対応有線LAN ※無線LAN(Wi-Fi)の利用には別途子機が必要 |
インターフェース | USB3.0×7(前面×2+背面×5)、USB3.0 Type-C×1(背面)、USB2.0×2(前面)、VGA(D-sub15ピン)、HDMI、DVI、有線LAN、PS/2×1、ヘッドホン出力/マイク入力、オーディオ端子類 |
拡張スロット | PCI Express x16 ×1、PCI Express x4 ×1、PCI Express x1 ×3、PCI、SATA✕6(M.2排他)、M.2×2 |
ドライブベイ | 5インチ×5、3.5インチ シャドウ×5 |
電源 | 650W(80PLUS BRONZE) ※カスタマイズ可、最大750W(80PLUS GOLD) |
サイズ/重量 | 幅207×奥行き520.7×高さ450.2mm/約13.9kg |
※2018年5月4日時点。構成や価格は変更される場合があります
パーツアップグレード対応
Monarch-X ZKは標準でメモリー容量が8GB、ストレージが240GB SSDですが、購入時の注文画面でパーツをアップグレードできます。基本パーツ以外にもCPUクーラーの種類やPCケースなど、非常に豊富なオプションが用意されているのが特徴です。
標準の構成でも十分パワフルですが、パーツをアップグレードすることでより快適に使えます。パーツの選び方がわからない人は、以下の内容を参考にしてください。
主なパーツの選び方
OS | 基本的にはWindows 10 HomeでOK。Hyper-V(仮想マシン)などの高度な機能を使うならProを選択 |
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CPUグリス | 変更の必要なし。ものすごくこだわりたい人向け |
電源 | 予算があるなら80PLUS GOLD/PLATINUMがおすすめ |
メモリー | 8GBでもOKだが、高性能CPUを活かした作業には16GB以上を推奨 |
ストレージ | 標準搭載の240GBでは容量が少ないので、大容量HDDの追加がおすすめ。SSDをPCIe NVMeのM.2 SSDに変更すれば、より快適に使える |
光学ドライブ | ブルーレイを再生したりバックアップに使うなら変更する |
ハードディスクの追加、パーティション | よくわからないなら、そのままでも可 |
その他ケースやファンなど | 好みに応じて変更する程度。オーバークロックを検討しているなら、高性能な静音ファンへの変更を |
本体の外観と内部
ミドルタワー型の大型PC
Monarch-X ZKは、「ミドルタワー型」と呼ばれる大型サイズのデスクトップPCです。重量は約13.9kg(標準構成時)と重いので、大きめのデスクに設置するといいでしょう。スペースの関係でデスクの下に設置する場合は、ホコリ対策のために小さめの台の上などに置くことをおすすめします。
主なシリーズの特徴
ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 |
拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎ |
拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○ |
拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△ |
拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△ |
前面のインターフェース ※個体によって変わる場合があります
- ① USB2.0
- ② USB3.0
- ③ ヘッドホン出力/マイク入力
- ④ リセットボタン
- ⑤ 電源ボタン
背面I/Oパネルのインターフェース ※個体によって変わる場合があります
- ① USB3.0
- ② PS/2端子
- ③ DVI端子
- ④ VGA(D-sub15ピン)
- ⑤ HDMI端子
- ⑥ USB3.0 Type-C
- ⑦ USB3.0
- ⑧ USB3.0
- ⑨ 1000BASE-T対応有線LAN
- ⑩ オーディオ端子類
拡張スロットとドライブベイが多い
本体が大きいだけあって、内部にはかなり余裕があります。エアフロー(冷却のための空気の流れ)のとおりもよく、高い冷却効果を期待できるでしょう。またパーツのチェックや交換などのメンテナンス作業も楽に行なえます。
注目したいのは、拡張スロットとドライブベイが充実している点です。PCIe Gen3 x4対応のM.2スロットには超高速なSSDを利用できる上に、PCI Express x16スロットには大型のグラフィックボードをセットできます。ドライブベイは合計10個で、複数のストレージを利用するRAID構成にも問題なく対応可能です。
拡張スロット構成
- ①、⑦ M.2スロット(PCIe Gen3 x4対応)
- ②、④、⑥ PCI Express x1
- ③ PCI Express x16
- ⑤ PCI Express x4
- ⑧ PCI
消費電力と駆動音、CPU温度について
今回の検証では、Monarch-X ZKを標準構成で使用しました。なお検証結果はパーツ構成や個体差、環境、タイミングなどによって大きく変わることがあります。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i7-8700K |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 240GB SSD |
グラフィックス | Intel HD Graphics 630(CPU内蔵) |
消費電力について
Monarch-X ZKは6コア12スレッドの非常に高性能なCore i7-8700Kを搭載しているため、消費電力は高めです。低負荷時は前世代のCore i7-7700とあまり変わりませんが、高負荷時には消費電力が大きくなっています。そのぶんパフォーマンスも向上しているので、やむを得ないでしょう。
1分間の平均消費電力
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム | |
---|---|---|---|---|
Monarch-X ZK(Core i7-8700K) | 27.6W | 30W | 127.8W | 69.6W |
Monarch GE(Core i7-7700) | 27.6W | 31.8W | 105.6W | 60.6W |
※消費電力の計測方法はコチラ
作業中の駆動音について
駆動音(ファンの回転音や排気音など)は高負荷時でも低負荷時とあまり変わりません。ただし低負荷時でも音がハッキリと聞こえます。作業に差し支えるほどではないのですが、少しでも静かにしたい場合は、静音効果の高い空冷ファンや電力効率のいい電源を選ぶといいでしょう。
駆動音の計測結果
電源オフ | 36.8dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 50.8dBA | 低い回転音がわずかに聞こえる |
動画視聴 | 51.3dBA | 同上 |
動画変換 | 52.2dBA | 同上 |
3Dゲーム | 51.4dBA | 同上 |
※駆動音の計測方法はコチラ
CPU温度について
CPUの最大温度は100度で(動画変換時)、かなりの高音です。内部が高温になりすぎるとパーツの劣化が進むため、高い負荷の作業が中心なら冷却対策を考えたほうがいいかもしれません。
CPUの最高温度
待機中 | 動画視聴 | 動画変換 | 3Dゲーム |
---|---|---|---|
50℃ | 49℃ | 100℃ | 92℃ |
※本体温度の計測方法はコチラ
起動について
起動時間(電源ボタンを押してからデスクトップが表示されるまでの時間)は、平均で16.14秒でした。体感的にも起動は速く、使いたいときにすぐ使い始められます。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
18.5秒 | 15.8秒 | 15.6秒 | 15.6秒 | 15.2秒 | 16.14秒 |
Monarch GEのベンチマーク結果
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
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CPU | Core i7-8700K |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 240GB SSD |
グラフィックス | Intel HD Graphics 630(CPU内蔵) |
ストレージ性能
標準搭載の240GB SSDはSATA接続で、SSDとしては標準的なアクセス速度です。
アクセス速度としては十分ですが、ガッツリ使い込むには容量がちょっと足りません。既存のPCからストレージを移動するか、大容量のHDDを追加するといいでしょう。SSDをM.2 NVMeに変更すれば、より快適に使えます。
CPU性能
Monarch-X ZKに搭載されているCore i7-8700Kは、非常に高性能なCPUです。前世代のCore i7-7700は4コア8スレッドでしたがCore i7-8700Kは6コア12スレッドで動作するということもあり、ベンチマークテストでは高いスコアが出ています。
CPUの性能比較
CPU | CINEBENCH R15のCPUスコア |
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Core i7-8700K |
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Monarch-X ZK(Core i7-8700K) |
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Core i7-8700 |
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Core i7-7700 |
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※ほかのCPUの結果は当サイト計測の平均値
CPUの性能比較
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
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Core i7-8700K |
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Monarch-X ZK(Core i7-8700K) |
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Core i7-8700 |
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Core i7-7700 |
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※ほかのCPUの結果は当サイト計測の平均値
動画変換にかかる時間も、前世代のCPUから大きく短縮しています。コア数が増えているため、マルチコアで動作する高度な処理にはCore i7-8700Kのほうが有利です。
動画変換にかかった時間
Core i7-8700K | Core i7-7700 | |
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X264 | 5分53秒 | 7分55秒 |
QSV(CPU内蔵機能を使った動画変換) | 4分44秒 | 5分21秒 |
※5分間の4K映像(XAVC-S、3.51GB)をYouTube向けの1080p(1920✕1080ドット)映像に変換するのにかかった時間
3D性能
グラフィックス機能としてはCPU内蔵のIntel UHD Graphics 630を使います。人気ゲームをストレスなく楽しむにはパワー不足ですが、負荷の軽いゲームであれば解像度や画質を調整することで問題なくプレー可能です。ゲームをプレーしないのであれば、特に気にする必要はありません。
ゲーム系ベンチマーク結果(1920×1080ドット)
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) ※中規模クラスの目安 | |||
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最高品質 | 高品質 | 標準品質 | |
1326(設定変更が必要)※8.263 FPS | 1452(設定変更が必要)※9.142 FPS | 2918(やや快適)※19.431 FPS | |
ドラゴンクエストX ※軽めのゲームの目安 | |||
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
6471(快適) | 8427(とても快適) | 10348(すごく快適) |
※FF14ベンチが標準品質で「やや快適」という評価ですが、実際には画面がかなりカクつきます
パーツ追加であらゆる用途に使える
Monarch-X ZKはCPU性能が非常に高く、動画編集やデータ量の多い事務処理、高度な科学技術計算などに向いています。もちろん、日常作業を快適に行ないたい人にもおすすめ。CPU性能に妥協したくない人のためのモデルです。
ただしバリバリ使うには、メモリーとストレージの容量がやや控えめ。ジックリ使うならメモリー容量は16GB以上にした上で、大容量のHDDを追加するといいでしょう。もしくはいま使っているPCのパーツを追加するのもアリです。
またdGPU(専用グラフィックス機能)非搭載のMonarch-X ZKは本来ゲーム向けのモデルではありませんが、グラフィックボードを追加することでゲーミングPCとしても利用できます。
Monarch-X ZKのまとめ
- 高性能CPUを搭載
- 高い拡張性
- 柔軟なパーツカスタマイズ
※記事中の価格や構成は、記事執筆時のものです。予告なく変更される場合もございますので、あらかじめご了承ください。