HP ENVY x360 15-ee0000のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
画面サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Ryzen 5 4500U ・Ryzen 7 4700U |
メモリー | ・8GB (4GB×2) ・16GB (8GB×2) |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | Radeon |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 358×230mm |
厚さ | 18.9mm |
重量 | 2.0kg |
バッテリー | 最大17時間 |
※2020年8月19日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ナイトフォールブラック |
---|---|
画面の表面 | 光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | 対応 |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり |
有線LAN | - |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | 2 |
USB3.0 | - |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 1 (Gen2) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | HD (92万画素) |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | 対応 |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | なし ※オプションで追加可能 |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
※2020年8月19日時点
デザインと使いやすさ
クルッと回る2-in-1
HP ENVY x360 15は、ディスプレイが回転する2-in-1ノートPCです。ちょっと大きめのタブレットとして使ったり、動画視聴用にキーボードを隠したりなど、さまざまなスタイルで利用できます。打ち合わせやプレゼンなどで相手に画面を見せるなど、ビジネスシーンでも活用できるでしょう。
重厚感のある外観
HP ENVY x360 15の本体は、高級感のあるデザインです。ボディは質感と強度に優れるアルミ製。本体カラーのナイトフォールブラックは一見するとダークグレーですが、ほんのり紫のような色を帯びています。まるで高級文具のような風合いで、プライベートはもちろんビジネスシーンでも違和感なく使えるでしょう。
クラムシェルノートと変わらない大きさ
接地面積は幅358×奥行き230mm。B4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりもひと回り強小さめです。通常2-in-1タイプはサイズが大きくなりがちですが、HP ENVY x360 15は一般的な15.6インチノートPCの大きさと変わりません。ただ重量は若干重く感じます。タブレットスタイルで持ちながら使うのは少し厳しいかもしれません。
大きくて見やすい15.6インチのフルHD
画面の大きさは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。ノートPCとしてはもっともスタンダードな仕様です。デスクトップの文字の大きさは2~2.5mm (スケーリング125%)。新聞 (3.3~3.7mm)よりも小さいのですが、読みづらくは感じませんでした。モバイルタイプに多い13インチ以下の画面よりも見やすく、文章を読む際にストレスを感じません。
映像は自然な色合い
ディスプレイには、自然な色合いと広い視野角が特徴のIPSパネルが使われています。実際に写真や動画を表示したところ、違和感のない色で映し出されました。色は暖色系で明るく鮮やか。色域も広く、写真や動画などのクリエイティブな用途でも活用できるクオリティーです。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 99.7% |
---|---|
sRGB比 | 103.5% |
Adobe RGBカバー率 | 75.2% |
Adobe RGB比 | 76.7% |
違和感のないキーボード
今回の発売前のテスト機を試用したためキーボードが英字配列ですが、国内で販売されるモデルは日本語配列です。キーボードはテンキー付きでバックライト対応。キーピッチ (キーとキーの間隔)は18.7mmで標準的19mmよりわずかに狭いものの、違和感なく利用できました。使い始めからサクサクと入力できます。
なおF1~12キーには標準でメディアキー (ホットキー)が割り当てられています。かな変換や半角変換などでファンクションキーとして利用する場合はFnキーを併用するか、BIOS設定画面で「Configuration」の「Acition Keys Mode」を「Disabled (無効)」にしてください。
タイプ感は標準的
キーストローク (キーを押し込む深さ)は1.5mmで、ノートPCとしては標準的です。最近はストロークが浅い機種が増えていますが、HP ENVY x360 15は入力時にしっかりと手応えを感じられます。ただタイプ感は若干軽めで、打ち下ろすようにタイプする使い方向きではありません。軽いタッチで入力する人に向いています。
タイプ音は軽めのタッチでもカタカタと聞こえますが、比較的静かです。打ち下ろすようにタイプすればタンタンと響くので、やはり軽いタッチで入力するといいでしょう。
インターフェースは必要十分
インターフェースは少なめです。USB端子は合計3ポートで、うち1ポートがType-C。あとは映像出力としてHDMIとSDメモリーカードスロットが用意されています。2-in-1として手で持って使うなら問題ありませんが、据え置き用の15.6インチタイプとして使うなら物足りなく感じるかもしれません。周辺機器をいろいろ利用するなら、Type-C接続のUSBハブの利用をおすすめします。
指紋センサー標準搭載
HP ENVY x360 15は標準で指紋センサーを搭載しています。センサーの設置場所はカーソルキーの左側。あらかじめ指紋を登録しておけば、軽く触れるだけでウィンドウズにサインインできるので便利です。
Type-Cは充電と映像出力に対応
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | ○ |
USB PD 65W充電 | ○ |
映像出力 | ○ |
USB Type-Cは、充電と映像出力に対応しています。ただしワット数の低い充電器では充電できませんでした。45W以上なら充電できますが、標準付属の電源アダプターが65Wなので、65W以上の充電器を使ったほうがいいでしょう。
スピーカーは比較的高音質
スピーカーはキーボード上部と底面部左右の合計3ヵ所に配置されています。底面部のスピーカーによって音の厚みが増しており、さらにキーボード上部のスピーカーによって音がクリアーに聞こえました。外付けスピーカーほどの厚みはないものの、ノートPCとしては高音質です。音楽をカジュアルに聞くなら十分なクオリティーでしょう。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | パフォーマンスモデル |
---|---|
CPU | Ryzen 7 4700U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics (CPU内蔵) |
※グラフィックス機能を内蔵するAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します。またベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
CPUは驚異のパフォーマンス!
CPUの性能比較 (総合性能)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
HP ENVY x360 15 (Ryzen 7 4700U) |
15767
|
Core i7-10750H |
15694
|
Ryzen 7 4700U |
15046
|
Core i7-10710U |
13685
|
Ryzen 5 4500U |
12892
|
Core i7-1065G7 |
12016
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
Ryzen 3 4300U |
9154
|
Ryzen 5 3500U |
8398
|
Core i3-10110U |
5553
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Celeron N4120 |
2771
|
Celeron 4205U |
2021
|
Celeron N4020 |
1665
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUとしてはAMDの第3世代Ryzenモバイル4000シリーズが使われています。Ryzen 7 4700U搭載の試用機でベンチマークテストを行なったところ、ゲーミングノートPCで使われているインテルのCore i7-10750Hと変わらない結果でした。スタンダードノートPC / モバイルノートPCでよく使われているCore i7シリーズを大きく上回っています。これは驚異的なパフォーマンスです。
HP ENVY x360 15の結果ではありませんが、別の機種ではRyzen 5 4500UでCore i7以上のスコアが出ています。下位モデルでも優れたパフォーマンスを期待していいでしょう。Ryzen 5 4500Uでも十分高度な処理に利用できます。
CPUの性能比較 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-10750H |
2861
|
HP ENVY x360 15 (Ryzen 7 4700U) |
2847
|
Ryzen 7 4700U |
2723
|
Ryzen 5 4500U |
2274
|
Core i5-10300H |
2241
|
Core i7-10710U |
2214
|
Core i7-1065G7 |
1625
|
Ryzen 3 4300U |
1560
|
Core i7-10510U |
1486
|
Core i5-1035G4 |
1480
|
Core i5-1035G1 |
1456
|
Core i5-10210U |
1435
|
Ryzen 5 3500U |
1397
|
Core i3-10110U |
918
|
Ryzen 3 3200U |
643
|
Celeron N4120 |
435
|
Celeron N4020 |
328
|
Celeron 4205U |
293
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
内蔵グラフィックスとしては最高クラス
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
Radeon (Ryzen 7 Dual) |
3612
|
HP ENVY x360 15 (Ryzen 7 4700U) |
3581
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus(Core i7) |
2880
|
Radeon (Ryzen 5 Dual) |
2652
|
Radeon (Ryzen 7 Single) |
2364
|
Radeon (Ryzen 3 Dual) |
2324
|
Radeon (Ryzen 5 Single) |
2302
|
Iris Plus(Core i5) |
2236
|
UHD (Core i7) |
1335
|
UHD (Core i5) |
1273
|
UHD (Core i3) |
859
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsが使われます。3D性能を計測するベンチマークテストでは、CPU内蔵タイプとしては最高クラスの結果が出ました。ゲームやクリエイター向けソフトで、多少の効果を期待できます。Ryzen 5モデルでもそこそこ高性能でしょう。
なおRyzenシリーズはメモリーがデュアルチャネルで動作する際に、グラフィックス性能が大きく伸びることがわかっています。HP ENVY x360 15はデュアルチャネル構成ですので、本来の性能を引き出すことが可能です。
さまざまな用途に使える高い汎用性
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
目安:4100
9111
|
Productivity (ビジネス利用) |
目安:4500
7217
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
目安:3450
5247
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。Ryzen 7 4700Uを搭載した試用機では、すべてのテストにおいて目標値を大きく上回りました。Ryzen 5 4500Uモデルでは多少スコアが低くなることが予想されますが、各テストの目標値はクリアーできるはずです。さまざまな用途で使える高い汎用性を備えています。
SSDは超高速タイプ
発売前の試作段階である試用機では、ストレージに1TB SSDが使われていました。国内向けのモデルは512GB SSDなので注意してください。使用されているのはPCIe 3.0 x4の超高速タイプ。実際のモデルでは異なるSSDが使われている可能性がありますが、概ね近い性能で快適に使えるはずです。
起動は高速
ウィンドウズの起動時間は平均11.66秒でした。アップデート後などに多少時間がかかりますが、通常時は概ね10秒前後で起動します。最近はSSD搭載のノートPCで15秒程度が平均 (筆者調べ)ですので、かなり高速です。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 18.4秒 |
---|---|
2回目 | 10.8秒 |
3回目 | 9.8秒 |
4回目 | 9.7秒 |
5回目 | 9.6秒 |
平均 | 11.66秒 |
バッテリー駆動は11時間程度
バッテリー駆動時間の公称値は最大17時間とされていますが、これはパフォーマンスを極力落とした状態での結果です。実際の利用では駆動時間はもっと短いでしょう。
そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、11時間46分でバッテリー残量が6%に達し休止状態へ移行しました。
最大パフォーマンス時で実駆動11時間以上は、かなり優秀な結果です。自宅や職場内でも電源アダプターなしで作業できるでしょう。
バッテリー駆動時間の計測結果 ※Ryzen 7モデル
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 最大17時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 11時間46分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 25分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 1時間50分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
高負荷時の駆動音がやや大きい
ネットを見たり文書主体の作業をしている際は、駆動音 (通気口からの風切り音やファンの回転音)は気になりません。しかし少し負荷の高い作業を行なうと、排気音がやや目立ちます。静かな場所では負荷の高い作業を行なわないほうがいいかもしれません。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.4dBA | - |
---|---|---|
待機時 | 37.6BA | ほぼ無音 |
低負荷時 | 40.3BA | 「サーッ」という排気音がハッキリと聞こえるが気になるほどではない |
高負荷時 | 44.2dBA | 排気音がやや大きく、甲高い回転音も聞こえる。静かな場所では気になるレベル |
ゲーム性能について
ゲームについては、ドラクエ10やリーグ・オブ・レジェンド (LoL)など超軽量級タイトルであれば、フルHDでも最高画質でも快適にプレーできるでしょう。PSO2などの軽量級タイトルであれば、画質を低くすれば問題ありません。FF14などのやや重い中量級以上のタイトルは厳しく、解像度と画質をグッと落とせばなんとかプレーできるかもといったレベルです。
ゲーミングノートPCほどの性能ではありませんが、ごく軽いゲームを息抜き程度に楽しむならなんとかなるでしょう。
※テストはすべてフルHDで実施
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 753 / 動作困難 |
標準品質 | 1761 / 動作困難 |
軽量品質 | 2261 / 重い |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 2896 / 19.1 FPS |
高品質 | 3908 / 26.4 FPS |
標準品質 | 5187 / 35.4 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 9855 / とても快適 |
標準品質 | 12588 / すごく快適 |
低品質 | 13772 / すごく快適 |
クリエイティブ性能について
Photoshopベンチ
Photoshopベンチマーク「PugetBench for Photoshop」では、なかなか優秀な結果が出ています。GTX / RTXシリーズ搭載のクリエイター向けノートPCには若干及ばないものの、MX250搭載機種や内蔵グラフィックスタイプよりは高性能です。超巨大な画像ファイルに高度なフィルター加工を施すような処理でなければ、問題なく利用できるでしょう。
Lightroomベンチ
RAW現像ソフト「Lightroom Classic」のベンチマーク「PugetBench for Lightroom Classic」でも、かなり優秀な結果が出ました。税込20万円のゲーミングノートPCよりもやや劣る程度ですが、試用機の値段が10万円程度であることを考えればコスパは非常に優秀です。日常的に何百枚もの現像を行なうのでなければ十分でしょう。
Premiere Proベンチ
動画編集ソフト「Premiere Pro」のベンチマークテストでは、極端に低い結果が出ました。性能的にはCore i5搭載のYoga C740を上回っているはずですが、スコアでは下回っています。ほかのRyzenシリーズ搭載機種でも同様の結果が出ているので、Premiereを使った4K動画編集には向いていないのかもしれません。
価格について
HP ENVY x360 15には、パーツ構成が異なる複数のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下の表のとおりです。Ryzen 5モデルはメモリー容量が8GBですが、購入時のオプション選択で16GBにアップグレードできます (追加料金は4400円)。
■価格
CPU | メモリー | ストレージ | 税込価格 |
---|---|---|---|
Ryzen 5 4500U | 8GB | 512GB SSD | 9万0200円 |
Ryzen 7 4700U | 16GB | 512GB SSD | 10万4500円 |
※2020年8月19日時点
なお毎週金~日曜に実施されている週末セールで安く販売されていることがあります。キャンペーン期間内であれば、まずは以下のリンクから価格をチェックしてみてください。
リンク
品質&性能面で満足度の高い機種
よかった点
パフォーマンスについては文句なしです。特に上位のRyzen 7モデルは価格が10万円台でありながら、性能的には15~20万円クラス。下位のRyzen 5モデルでも十分高性能で、重い処理にも活用できるでしょう。
また本体がスリムかつコンパクトでありながら、重厚感あふれる点もポイントです。15インチクラスの2-in-1としては、抜群の高級感と言っていいでしょう。見た目についてもパフォーマンスについても満足できる機種です。
気になる点
タブレットとして使うには、本体が大きすぎ&重すぎに感じます。スタンドスタイルあるいはテントスタイルで利用するべきでしょう。ただしノートPCスタイル以外の形状ではスピーカーが背面側に回ってしまうため、サウンドのクオリティが若干下がってしまうのは残念です。
また高負荷時の駆動音がやや大きい点が気になります。とは言え、高いパフォーマンスを得るためにはある程度仕方がないかもしれません。軽い作業なら音はほとんど気にならないので、作業内容に応じて利用場所を変えることをおすすめします。
※2020年8月19日時点
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