
ドスパラのTHIRDWAVE F-14ICは、14インチディスプレイを搭載したノートPCです。洗練された本体デザインを採用しながらも、価格が異様に安い点が魅力。Core i5-1035G1 + 16GBメモリーの構成で、6万3280円(本体価格5万9980円+送料3300円)で販売されています。

THIRDWAVE F-14IC
ポイント
- 薄くて軽くて高質感
 - 手首に優しい傾斜キーボード
 - 16GBメモリーで6万円台
 
THIRDWAVE F-14ICのスペック
| OS | Windows 10 Home | 
|---|---|
| 画面サイズ | 14インチ | 
| 解像度 | 1920×1080 | 
| CPU | Core i5-1035G1 | 
| メモリー | 16GB | 
| SSD | 256GB | 
| HDD | なし | 
| グラフィックス | UHD | 
| LTE | - | 
| 堅牢性テスト | - | 
| 色域 | ※表記なし | 
| 幅×奥行き | 321×216.5mm | 
| 厚さ | 17.3mm | 
| 重量 | 約1.2kg | 
| バッテリー | 約14.4時間 | 
※2021年12月17日時点。構成は変更される場合があります
| 本体カラー | シルバー | 
|---|---|
| 画面の表面 | 非光沢 | 
| パネルの種類 | ※表記なし (IPS相当) | 
| タッチ / ペン | - | 
| 光学ドライブ | - | 
| テンキー | - | 
| 有線LAN | - | 
| 無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) | 
| Bluetooth | 5.1 | 
| USB3.2 | 2 (Gen1) | 
| USB3.0 | - | 
| USB2.0 | - | 
| USB Type-C | 2(USB3.2 Gen1) | 
| Thunderbolt 3 | - | 
| メモリーカード | microSD | 
| HDMI | - | 
| VGA (D-sub15) | - | 
| DisplayPort | - | 
| Webカメラ | あり | 
| 顔認証カメラ | - | 
| 指紋センサー | 搭載 | 
| 付属品 | ACアダプターなど | 
| オフィス | なし ※オプションで追加可能 | 
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
 - ▶デザインと使いやすさ
 - ▶ベンチマーク結果
 - ▶まとめ
 

※2021年12月17日時点
デザインと使いやすさ
外観について

THIRDWAVE F-14ICの外観はとてもスリムです。アルミ素材を使用したボディの質感も高く、非常にスタイリッシュな印象を受けました。従来のドスパラ製品よりもさらに洗練されており、グローバールメーカーの高級モデルにも劣らないほどの完成度です。

THIRDWAVE F-14ICの外観。非常に薄くコンパクトにまとまっています

本体カラーはスペースグレイ風のやや暗いシルバー。ボディにはアルミ素材が使われています。表面はつや消しで指紋のあとが目立ちません

パームレストは天板と同じ仕上がり。キートップの文字がややゴチャついた印象です

ベゼル幅は左右5.7mm、上部8mm、下部6.9mm。思わず「これがドスパラ製?」と感じるくらい洗練された作りです

排気口はこのあたり

底面部はシンプルな作り

接地面積は幅321×奥行き216.5mm。天板にはロゴもエンブレムもありません

A4サイズ(オレンジの部分)とのサイズ比較。14インチとしてはコンパクトです

厚さは実測で14.8mm、ゴム足を含めた設置時の高さは17.2mm

背面

前面

重さは実測で1.194kg。非常に軽量です

付属の電源アダプター。重さは222g
ディスプレイについて

ディスプレイのサイズは14インチ。一般的な15.6インチよりもひと回り小さいものの、そのぶん本体が軽量コンパクトです。解像度は1920×1080ドットで、このタイプとしてはスタンダードなスペック。表面は非光沢のノングレアで、映り込みが抑えられています。
映像は自然な色合いで、違和感はありません。テレビやスマホ、タブレットと比べると赤みがやや弱く感じるかもしれませんが、ノートPCではよく見られるクオリティーです。明るさも十分で、動画視聴や作業で見づらく感じることはないしょう。

デスクトップの文字の大きさは2.1~2.6mm(スケーリング150%)。新聞よりもやや小さめ

映像はやや暖色系で赤みが弱い(黄色っぽい)のですが、違和感はありません

問題なく作業できる明るさ
キーボードについて

キーボードはテンキーなしの日本語配列で、バックライト対応です。パッと見る限りでは、配列に違和感はありません。従来のドスパラ製品では配列になにかしら変則的な部分があったのですが、THIRDWAVE F-14ICではほぼ完璧なJIS配列のように見えます。
タイプ感は軽めながらも、しっかりと感じられました。ただキーピッチが実測で19.4mmと標準値である19mmよりもやや大きく、指をわずかに広げて打つような感覚でした。その点を除けば、普通に使えるキーボードです。

キーピッチがわずかに広い印象。キーを押しやすいのですが、指を少し広げるようにして打つ感覚です

キーストロークは実測1.29mmとやや浅め。入力時にややグラつきがありますが、気になるほどではありません。押した瞬間のクリック感は固めです

ディスプレイを開くとキーボードが傾くリフトアップ機構。手首を自然な角度にキープしたまま入力できます

タイプ音は軽めのタッチでもカタカタと聞こえます。キーを強く叩くと底面部の空きで反響してタイプ音が大きく響くので注意

タッチパッドのボタンが固く、クリックしたときに「カコッ」と音が2重に聞こえました
インターフェース/機能について

周辺機器接続用のインターフェース類は、種類があまり多くありません。USB端子は合計4ポート(うち2ポートはType-C)と十分ですが、映像出力用のHDMIや有線通信用のLANポートがない点に注意してください。ただType-C端子が映像出力や充電にも対応しているので、機能が少ないわけではありません。Type-Cドックを追加すれば、さまざまな端子利用可能です。あと試用機だけかもしれませんが、USB端子が固く抜き差ししづらく感じました。
Type-C端子の機能
| USB PD 18W充電 | ○ | 
|---|---|
| USB PD 30W充電 | ○ | 
| USB PD 45W充電 | ○ | 
| USB PD 65W充電 | ○ | 
| USB PD 100W充電 | ○ | 
| 映像出力 | ○ | 

電源ボタンは指紋センサー内蔵。軽く押しただけでは電源が入りにくく、グッと押し込む必要がありました

スピーカーはキーボード左右。サラウンド感は高いものの、音はわずかにこもり気味。またWindows 10のシステム音が震えて聞こえることがあります
ベンチマーク結果
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
THIRDWAVE F-14ICで使われているCore i5-1035G1はひと世代前のCPUで、2021年2月時点での位置付け的には中位クラスです。普段使いはもちろん、ビジネス作業にも問題なく利用できます。同じCore i5-1035G1の平均値よりもベンチマークスコアが下がっていますが、おそらく内部の熱が上がりすぎるのを防ぐためにあえて性能を抑えているのでしょう。特に大きな影響はないと思います。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
| CPU | PassMark CPU Markスコア | 
|---|---|
| Ryzen 7 4700U | 
 15264 
 | 
| Ryzen 5 4500U | 
 12892 
 | 
| Core i7-1165G7 | 
 12116 
 | 
| Core i7-1065G7 | 
 12016 
 | 
| Core i7-10510U | 
 10257 
 | 
| Core i5-1035G1 | 
 9667 
 | 
| Core i5-10210U | 
 9329 
 | 
| Ryzen 3 4300U | 
 9154 
 | 
| THIRDWAVE F-14IC(Core i5-1035G1) | 
 8942 
 | 
| Ryzen 5 3500U | 
 8398 
 | 
| Core i3-10110U | 
 5553 
 | 
| Ryzen 3 3250U | 
 4968 
 | 
| Athlon Silver 3050U | 
 3851 
 | 
| Celeron N4120 | 
 2771 
 | 
| Celeron N4020 | 
 1658 
 | 
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のUHD Graphicsが使われます。ベンチマークスコアは同じUHD Graphicsの平均値を上回ったものの、性能的にはいまひとつなレベル。ゲームやクリエイティブ系ソフトでの効果は期待できません。文字や写真主体の作業中心と考えたほうがいいでしょう。
GPUの性能差
| GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア | 
|---|---|
| GTX 1650 | 
 8513 
 | 
| Iris Xe (Core i7) | 
 5028 
 | 
| MX250 | 
 3400 
 | 
| Radeon (Ryzen 7) | 
 3384 
 | 
| Iris Plus(Core i7) | 
 2880 
 | 
| THIRDWAVE F-14IC(UHD) | 
 1496 
 | 
| UHD (Core i7) | 
 1335 
 | 
| UHD (Core i5) | 
 1273 
 | 
| UHD (Core i3) | 
 859 
 | 
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
| テスト | スコア | 
|---|---|
| Essentials (一般的な利用) | 
 4100 
8146 
 | 
| Productivity (ビジネス利用) | 
 4500 
5529 
 | 
| Digital Contents Creation (コンテンツ制作) | 
 3450 
2785 
 | 
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、一般利用(ビデオ会議やWeb閲覧など)やビジネス作業(ワープロや表計算)では快適に使える目安をクリアーしています。しかしコンテンツ制作(3D制作や動画編集など)では目標値をクリアーできませんでした。やはり文字や写真主体の作業用と考えたほうが良さそうです。
ストレージのアクセス速度
ストレージは256GB SSDです。試用機ではPCIe 3.0 x4接続のSSDが使われていました。アクセス速度はそれほど速くないものの、普通に使える品質です。ただし高負荷なテストを繰り返すとアクセス速度が低下しており、サーマルスロットリング(高温による性能低下)が発生していると思われます。

256GB SSDのアクセス速度。左は標準テスト時で右は高負荷テスト時
バッテリー駆動時間
バッテリーの駆動時間は、公称値で14.4時間とされています。ただしこれは電力消費量を抑えた状態での結果。実際の駆動時間はもっと短くなるはずです。
そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、8時間31分でバッテリー残量が3%に達し休止状態へ移行しました。長くはありませんが、フルパワーの状態で8時間もつなら問題ないでしょう。電力プランや電源オプションなどを変更して消費電力量を抑えれば、もっと長く使えるはずです。
バッテリー駆動時間の計測結果
| テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 | 
|---|---|---|
| ※公称値 | 小 | 3.8時間 | 
| Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 8時間31分 | 
| 50%充電までにかかった時間 | - | 61分 | 
| フル充電までにかかった時間 | - | 2時間48分 | 
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
モバイル利用も可能な高品質14インチ

よかった点
これまでに筆者はドスパラのPCを何十台もレビューしましたが、今回取り上げたTHIRDWAVE F-14ICはもっともカッコいいデザインのノートPCです。スリムかつコンパクトで質感も上々。大手メーカーの高級機にも負けない仕上がりと言っていいでしょう。「ドスパラ、どうしちゃったの!?」と言いたくなるベル。
加えて、価格が6万円台と国内ブランドモデルとしてはリーズナブル点もポイントです。重量が軽いので、持ち歩き用で使うのもアリ。満足度の高いモデルとしておすすめします。
気になる点
CPUが最新の第11世代ではなく、第10世代である点が残念です。と言っても性能が劇的に変わるわけではありませんし、そのぶん値段が安く抑えられていると考えれば納得できます。
あとは、SSDの容量がやや少ない点が気になりました。最近はデータ容量が大きくなってきたので、容量が256GBでは将来的に足りなくなるかもしれません。外付けストレージを活用するといいでしょう。

※2021年12月17日時点
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