アマゾンのFire HD 10シリーズは、これまでに5モデル発売されています。ラインナップは以下の表のとおり。世代数が連続した数字ではないのは、2010年を「1」としてそこから何年たっているかでカウントしているためです。
これまでに発売されたFire HD 10シリーズ
モデル名 | 発売年 | 世代 |
---|---|---|
Fire HD 10 NEW | 2021年 | 第11世代 |
Fire HD 10 Plus NEW | 2021年 | 第11世代 |
Fire HD 10 | 2019年 | 第9世代 |
Fire HD 10 | 2017年 | 第7世代 |
Fire HD 10 | 2015年 | 第5世代 |
この記事では筆者が購入した実機を使って、Fire HD 10新旧モデルの比較結果を解説します。これから購入しようとしている方や買い換えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Fire HD 10 / 10 Plus
1万5980円~
※2021年6月20日時点
スペックの違い
2021年発売の新モデル(第11世代)と2109年発売の前モデル(第9世代)では、スペックに大きな変化はありません。CPUや画面サイズなど基本のスペックはまったく同じです。異なるのはメモリー容量やカメラの画素数などの細かな部分や、機能面についてです。
新モデルの違いまとめ
- 本体が7%薄く、8%軽くなった
- 画面が10%明るくなった
- メモリー容量と背面カメラ画素数が増えた
- 2画面分割に対応
- ワイヤレス充電に対応(Plus)
新旧Fire HD 10の違い
Fire HD 10 第11世代 |
Fire HD 10 Plus 第11世代 |
Fire HD 10 第9世代 |
|
---|---|---|---|
本体カラー | ブラック デニム オリーブ |
スレート | ブラック ブルー ホワイト |
画面サイズ | 10.1インチ 1920×1200 | ||
CPU | MediaTek MT8183 (8コア、2.0GHz) | ||
メモリー | 3GB | 4GB | 2GB |
Wi-Fi | 11a/b/g/n/ac | ||
Bluetooth | 5.0LE | 4.0LE | |
前面カメラ | 200万画素 | ||
背面カメラ | 500万画素 | 200万画素 | |
センサー | 加速度 / 照度 | ||
USB | USB2.0 Type-C | ||
microSD | 1TB | 512GB | |
バッテリー | 最大12時間 | ||
ワイヤレス充電 | × | ○ | × |
2画面分割 | ○ | × | |
幅×奥行き×高さ | 247×166×9.2 | 262×159×9.8 | |
重量 | 465g | 468g | 504g |
前モデルからの進化点はあまり大きくはありませんが、初代モデルから確認するとかなり変化していることがわかります。
Fire HD 10の違い
第11世代 | 第9世代 | 第7世代 | 第5世代 |
---|---|---|---|
1920×1200 | 1280×800 | ||
MediaTek MT8183 (8コア) | MediaTek MT8173 (4コア) | MediaTek MT8135 (4コア) | |
3GB / 4GB | 2GB | 1GB | |
11a/b/g/n/ac | |||
前面200万画素 | 前面30万画素 | 前面92万画素 | |
背面500万画素 | 背面200万画素 | 背面500万画素 | |
加速度 / 照度 | 加速度 / ジャイロ | ||
USB2.0 Type-C | USB2.0 micro-B | ||
12時間駆動 | 10時間駆動 | 8時間駆動 | |
247×166×9.2 | 262×159×9.8 | 262×159×9.8 | 262×159×7.7 |
465/468g | 504g | 500g | 432g |
外観の違い
Fire HD 10新旧モデルの外観面での大きな違いは、旧モデルが縦向きベースで作られているのに対して、新モデルでは横向きベースで作られている点です。旧モデルは画面が縦向きのときにフロントカメラが上に位置しますが、新モデルでは画面を横向きにしたときにカメラが上に位置します。
新モデルは前モデルに比べて本体が7%薄型化され、さらに重量も8%軽量化されました。しかし実際に手で持ってみたところ、違いはほとんど感じられません。ただ本体の縦横比率が変わったことで、新モデルのほうが手で持ったときの安定感が増しています。
画面は新モデルのほうが10%程度明るくなったとのことです。確かにふたつ並べると微妙に違いがあるのがわかりますが、個別に見るとほとんど変わらないように感じます。また新モデルでは表面のガラスに、強度の高い強化アルミノシリケートガラスが使われています。前モデルに比べて割れにくいと考えていいでしょう。
性能の違い
前述のとおり、新モデルと前モデルでCPUと画面サイズは変わりません。性能面で異なるのは、メモリー容量とカメラの画素数程度です。ただ、メモリー容量が増えたことでパフォーマンスはある程度改善されていると考えられます。
基本スペックの違い
Fire HD 10 第11世代 |
Fire HD 10 Plus 第11世代 |
Fire HD 10 第9世代 |
|
---|---|---|---|
画面サイズ | 10.1インチ 1920×1200 | ||
CPU | MediaTek MT8183 (8コア、2.0GHz) | ||
メモリー | 3GB | 4GB | 2GB |
前面カメラ | 200万画素 | ||
背面カメラ | 500万画素 | 200万画素 |
しかしベンチマークテストを実行したところ、パフォーマンスが大きく改善されているようには見えませんでした。むしろ旧モデルのほうが高いスコアが出ています。
Google Octane 2.0スコア ※アレクサ有効
第11世代 | 第9世代 | 第7世代 | |
---|---|---|---|
メモリー | 4GB | 2GB | |
スコア | 8835 | 8851 | 9080 |
音声アシスタントのアレクサを有効にしているとパフォーマンスが低下するらしいので、無効にしてから再テストを行なったところ、確かに新モデルではパフォーマンスが向上しました。しかし旧モデルではあまり変わっていません。
Google Octane 2.0スコア ※アレクサ無効
第11世代 | 第9世代 | 第7世代 | |
---|---|---|---|
メモリー | 4GB | 2GB | |
スコア | 9134 | 8851 | 9065 |
ベンチマークスコアはタイミングや個体差によって変わることもあるので一概には言えませんが、新モデルではアプリや機能の利用状況によってパフォーマンスが大きく変わる可能性があります。
試しにアプリを3種類ほどインストールしてアレクサを有効化したところ、同じベンチマークテストのスコアが「8069」にまで下がりました。Fire HD 10タブレットを少しでも快適に使うのであれば、余計なアプリや機能は使わないほうがいいかもしれません。メモリー容量の増加は複数アプリの同時使用時に効果があるはずですが、Fireタブレットではアプリの多様は避けたほうがいい気がします。
アウト(背面)カメラについては、新モデルのほうが画素数が高くスペックは上です。実際の写真の解像度は新モデルで2592×1944ドット(503万画素)で、前モデルは1600×1200ドット(192万画素)でした。確かに新モデルのほうが精細に写せますが、そもそもカメラの性能があまりよくないので、いい写真が撮れるというわけではありません。写真を撮るならスマホを利用したほうがいいでしょう。
ということで、今回はFire HD 10の新旧モデルを比較しました。正直なところ、前モデル(第9世代)から買い換える意味はそれほどないと思います。どうしてもワイヤレス充電と2画面分割機能を使いたいなら、買い換えはアリでしょう。第7世代も微妙なところです。第5世代を使っているなら、ぜひ買い換えてください。
Fire HD 10 / 10 Plus
1万5980円~
※2021年6月20日時点
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