アマゾンのFire HD 10 2021年モデル(第11世代)にはアクセサリーとして、キーボードとしても使えるカバーが用意されています(別売り)。Fire HD 10に装着することで、ノートPC風に利用可能です。
この記事では筆者が購入した実機を使って、Fire HD 10とキーボード付きカバーの外観や使い勝手などについて解説します。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Fire HD 10 / 10 Plus
1万5980円~
※2021年6月20日時点
Fire HD 10第11世代用キーボード付きカバー
5980円
※2021年6月20日時点
外観について
まずはキーボード付きカバー単体の解説から。この製品はアマゾンの純正品ではありませんが、「Fintie」というメーカーが製造する 「Made for Amazon」の認定を受けた製品です。Fintieは以前からFireシリーズやiPad向けのアクセサリーを発売しており、出所のアヤシイものではありません。キーボード付きカバーは単体でも販売されていますが、「Fire HD 10 エッセンシャルセット」でセット販売されているものと同じです。
関連リンク
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キーボード付きカバーは、2021年発売のFire HD 10またはFire HD 10 Plusでのみ利用できます。ほかのFireシリーズやFire HD 10の旧モデルでは利用できないので注意してください。
別売りのワイヤレス充電スタンドを使えば、カバーを付けたままでも充電が可能とのこと。しかし実際に試したところ、うまく充電できませんでした。一瞬充電状態に移行するのですが、すぐに接続が切れてしまいます。なにかコツがあるのかもしれません。
配列について
キー配列はかなり特殊です。一応は日本語配列ですが英字配列をベースにソフトウェアで日本語化されているので、一般的な日本語配列(JIS配列やOADG配列)とは異なります。キーの大きさも変則的なので、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
ノートPCのファンクションキーに相当する最上段は、ホットキーとしてさまざまな機能が割り当てられています。
キーボード最上段の機能 ※左から
- ・ホーム画面
- ・検索
- ・戻る
- ・ファイルフォルダーを開く
- ・明るさ減
- ・明るさ増
- ・早戻し
- ・再生/一時停止
- ・早送り
- ・音量減
- ・音量増
- ・ロック画面
- ・Silkブラウザー起動
第11世代から対応する画面2分割機能も、Fn+Sキーで素早く切り替えられます。これは意外に便利。
日本語入力の切り替えまわりはちょっとややこしい印象です。マニュアルには切り替え方法が記載されているのですが、記載されていない方法でも切り替えられることあり、操作が統一されていません。このあたりはiOS / Androidと同じ仕様でよかったのではないかと思います。
入力の切り替え方法
ショートカット | 内容 |
---|---|
Shift+スペース | 日本語入力 / 英数入力の切り替え |
Fn+IME | 日本語入力 / 英数直接入力の切り替え |
Fn+無変換(日本語入力) | 全角かな→全角カタカナ→半角カタカナの切り替え |
Fn+無変換(Shift+スペース時の絵宇数字入力) | 全角英数字→半角英数字の切り替え |
かなローマ字(Shift+スペース時の絵宇数字入力) | 英数字入力→日本語入力の切り替え |
Alt+かなローマ字 | ローマ字入力とかな入力の切り替え |
Fn+変換 | 文字変換 ※スペースキーによる変換と同じ |
キーボードショートカットはおそらくアプリによって異なるはずですが、以下のショートカットについてはいくつかのアプリで利用できることを確認しました。これだけでもスマホやタブレットのタッチ操作よりも作業効率はアップするはずです。
確認済みのショートカット
Ctrl + A | 全選択 |
---|---|
Ctrl + Z | 元に戻す |
Ctrl + Y | やり直し |
Ctrl + X | 切り取り |
Ctrl + C | コピー |
Ctrl + V | 貼り付け |
タイプ感について
正直なところ、タイプ感はよくありません。とは言え、安いことを考えれば仕方がないでしょう。タブレットのソフトウェアキーボードよりはマシです。
キーピッチ(キーとキーの間隔)は実測で17.4mmです。PCで一般的な19mmに比べて、だいぶ狭く作られています。PCのキーボードに慣れている人なら、かなり窮屈に感じるかもしれません。Enterキー周辺のごく小さなキーについては、キーピッチが13mmしかありませんでした。
キーストロークは実測で平均1.49mm。実際には1.3~1.6mmでバラツキがあります。キーを押した瞬間のクリック感は固く、キーの押下圧(押し込む力)も強め。タイプ感はしっかりと感じられました。キーが指を押し戻す力もしっかりあります。スイッチのブレがわずかに感じられますが、気になるほどではありません。
ただキーを押し抜いたときの底打ち感が強く、タイプ感が固い印象です。押下圧も強いので、長時間入力していると少し疲れるかもしれません。
タイプ音について
タイプ時の手応えがしっかりしているぶん、タイプ音も大きめに聞こえます。軽い力でもカタカタと聞こえました。特にスペースキーは大きく、入力時にチャキっと聞こえます。静かな場所では周囲への配慮が必要です。
音が大きく聞こえるのは、おそらく底面部のすきまで反響しているためです。キーボードが持ち上がるリフトアップヒンジは、手首を自然な角度にキープしたまま作業できるのがメリット。しかし接地面と底面部のあいだで音が反響するため、タイプ音が大きく聞こえるのです。少し強めに打つと低音がドンドンと響くので注意してください。
ということで、今回はFire HD 10のアクセサリーとして販売されているカバー付きキーボードを紹介しました。配列が特殊だとは言え、タブレットのソフトウェアキーボードよりは使いやすく感じます。またFireタブレットならではのショートカットを利用できる点も便利です。
ただ長文を入力するなら、ちゃんとした作りのBluetoothキーボードを選んだほうがいいかもしれません。Fire HD 10用のキーボード付きカバーは配列にクセがありますし、タイプ感も固く、長時間使っているとかなり疲れるでしょう。このキーボードに慣れてしまうのも考え物です。
またPC的に使えるとは言っても、低スペックなFireタブレットで意味があるのかという疑問も残ります。使えるアプリ的にも操作のサクサク感的にも、ミドルレンジ以上のPCはもちろんiPadや中位クラスのAndroidタブレットにも及びません。人によってはこれでなんとかなるかもしれませんが、快適に作業を行なうための組み合わせでないのは確かです。
キーボードやオフィスアプリがあればPC代わりになると思うかもしれませんが、そんなことはありませんでした。あくまでもアマゾンのコンテンツ(プライムビデオやKindleなど)を利用する際、検索しやすくするための機器と考えたほうがよさそうです。作業用のPCが必要だけどどうしても予算がない場合は、中古PCを探してください。
Fire HD 10 / 10 Plus
1万5980円~
※2021年6月20日時点
Fire HD 10第11世代用キーボード付きカバー
5980円
※2021年6月20日時点
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