アマゾンのFire HD 8は、8インチサイズのタブレットです。ラインナップは2GBメモリー搭載の通常版Fire HD 8と、3GBメモリー搭載でワイヤレス充電に対応するFire HD 8 Plusの2種類。それぞれにストレージ容量が32GBのモデルと64GBのモデルが用意されています。
Fire HD 8 2020年モデルの種類
Fire HD 8 | Fire HD 8 Plus | |
---|---|---|
メモリー | 2GB | 3GB |
ワイヤレス充電 | 非対応 | 対応 |
本体カラー | ブラック/ブルー/ホワイト | ブラック |
32GBモデル | 9980円 | 1万1980円 |
64GBモデル | 1万1980円 | 1万3980円 |
※価格は税込
今回は筆者が購入したFire HD 8 (Fire HD 8 Plus)について、実際の使い勝手や機能などについてレビューします。
この記事の目次
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B07WJSJ28X” title=”【Newモデル】Fire HD 8 タブレット ブラック (8インチHDディスプレイ) 32GB”][wpap service=”with” type=”detail” id=”B0839N8B8V” title=”【Newモデル】Fire HD 8 Plus タブレット スレート (8インチHDディスプレイ) 32GB”]
実際のところFire HD 8ってどうなの?
Fire HD 8がおすすめかそうでないかで言うと、ぶっちゃけタブレット単体で見ればそんなにおすすめではないです。
なぜなら、そんなに品質が高いわけではなないから。解像度は低いしガワの仕上がりもイマイチだし、パフォーマンスもサウンドもそんなによくない。多くの点において、「ま、いっか」と思わせるような最低限ギリギリのレベルです。高く評価できるのは、セールのときはメチャメチャ安いってところぐらいじゃないですかね。
ただし、アマゾンの各種サービスを頻繁に使うにはメチャメチャ便利です。
たとえばプライム・ビデオ。iPadの場合だとまずアプリをインストールしたあとにメールアドレスとパスワードを入力して使えるようになるわけでそれ以降もいちいちアプリを起動するわけですが、Fireタブレットならホーム画面を2回スワイプするだけ。実際にはおすすめ作品がちょろっと一覧表示されているわけですが、視聴中あるいは観たい映画やアニメが手軽に開けるのは超便利です。
Kindle (キンドル)の電子書籍も同様です。ホーム画面を1回スワイプすると持っている電子書籍やおすすめ作品を一覧表示可能。なんならホーム画面に読書中の作品が表示されたりもします。もちろん電子書籍はFire HD 8から購入可能で、買ったその場でダウンロードしたらすぐに読めますし、プライム会員向けの無料読み放題サービス「Prime Reading」や有料サービス「Kindle Unlimited」も利用可能です。
ちなみにiPadだとKindleアプリ内で電子書籍を買えないので、ブラウザーでストアにアクセスする必要があって面倒なんですよね。Android端末ならアプリ内で購入可能ですけど。
ほかにも音楽聴き放題サービス「Prime Music」や「Amazon Music Unlimited」にも素早くアクセスできますし、当然のことながら普段のアマゾンでのお買い物にも利用できます。アマゾンにどっぷりつかったプライム会員ならFire HD 8をはじめとするFireタブレットは必携と言っても過言ではないでしょう。
ただこれらのメリットはFireタブレット全体に言えることで、Fire HD 8特有のことではありません。ではほかのFireタブレットと比較してどうなのかというと、シリーズのなかではFire HD 8がベストな選択だと思います。
筆者はFireタブレットシリーズを全機種持っていますが、いちばん使いやすいと感じるのはFire HD 8です。ちょうどいいサイズでそこそこのクオリティ、そして (セール時には)手頃な値段。3種類のなかで一番バランスに優れています。
Fire 7は安くて小さいのがいいのですが、品質がイマイチ。解像度が低く、サウンドも貧弱なんですよね。あと性能もショボイ。使えることは使えますが、用途によっては動きがカクカクです。まあこれはセールのときに3800円くらいで買って、割り切って使うものかなと。
Fire HD 10は画質もいいしサウンドもそこそこいいんですが、なによりデカいんです。しかもやたら縦長でバランスがよくない。iPadのように3:2の比率ならガジェットとしても美しいフォルムなんですけど、16:9は長すぎます。美しくない。画面の迫力はあるんですけどね。
画面の見やすさや取り回しやすさ、そして性能面で考えると、FireタブレットシリーズのなかではFire HD 8がもっともバランスが取れていると思うわけです。
Fireタブレットの品質面について
Fire 7 | Fire HD 8 | Fire HD 10 | |
---|---|---|---|
画面の精細さ | △ | ◯ | ◎ |
色の鮮やかさ | △ | ◯ | ◯ |
スピーカーの音質 | △ | ◯ | ◯ |
操作時の反応 | △ | ◯ | ◯ |
持ち運びやすさ | ◎ | ◯ | △ |
※評価は筆者の個人的な感想です
ただですね、前述のとおりタブレットとしてはそれほど優れているわけじゃないんですよ。ぶっちゃけたところ、カッコよくて便利で使いやすくてアプリ&アクセサリーが豊富でナイスなタブレットが欲しいゼということならiPad一択です。Androidタブレットもいくつかありますけど、絶対にAndroid OSを使わなきゃならない、もしくは宗教的っぽい理由でiOS製品を使わないって人以外は考えなくていいんじゃないでしょうか。
それでも筆者の場合はFireタブレットを使う機会が多いわけですが、その理由は前述のとおり「Kindleリーダーとして優秀」であり「プライム・ビデオプレーヤーとして使いやすい」、そして「壊れてもまいっかと思える値段」の3点です。無印のiPadならまだしも、iPad AirやiPad Proが壊れるとショックが大きいんですよね。でもFireタブレットぐらいの値段なら、ダメージがないわけではないですが「もー」ぐらいの感じで諦められる。だからiPadとは別の意味で使いやすいんです。ゲームや重いアプリを使うときはiPad、暇つぶしで雑に使いたいときはFireタブレットみたいな感じで使いわけています。
その意味でFire HD 8タブレットは、気兼ねなく使えるタブレットです。プライム会員かつアマゾンのヘビーユーザーで、タブレットをなるべくゆる~く使いたい人におすすめします。
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B07WJSJ28X” title=”【Newモデル】Fire HD 8 タブレット ブラック (8インチHDディスプレイ) 32GB”][wpap service=”with” type=”detail” id=”B0839N8B8V” title=”【Newモデル】Fire HD 8 Plus タブレット スレート (8インチHDディスプレイ) 32GB”]
デザインと使いやすさ
ここからはFire HD 8のサイズや機能について、もうちょっと詳しく説明します。
手頃な大きさ
Fire HD 8の設置面積は幅202mm×奥行き137mm。少年誌の単行本コミックよりふた周り大きい程度です。高さは9.7mmで薄くはないものの、まあこんなものかなと思えるぐらいの厚さ。重量は355gで軽く、片手でも楽々と持ち続けられます。
本体は樹脂 (プラスチック)製です。アルミ製のiPadのようなキリッとした鋭いイメージはまったくなく、丸みを帯びたモサッとした印象を受けます。この点についてはどちらもカバーを付ければまったく意味がなくなるので、あまり気にしなくていいかもしれません。
画面サイズは8インチ。画面の大きさとしては、単行本コミックと同じ程度か少し小さいくらいです。感覚的には30~40cm離せば、全体を楽に見渡せるでしょう。そのくらいの距離であれば、文字が小さくて見づらいということはありません。
端子類は必要最低限
インターフェース (端子)類は多くありません。必要最低限の構成と言っていいでしょう。ただしmicroSDカードが使える点はiPadよりも便利です。iPadにはない3.5mmステレオジャックも用意されています。ただしSIMフリーのLTE通信には対応していません。
カメラはフロント/リアともに200万画素、動画は720p (92万画素)で撮影可能です。画質はかなり悪く、スナップ写真にも向いていません。スマホで撮影したほうが、よっぽど高画質です。
Fire HD 8 Plusでは、ワイヤレス充電に対応しています。専用スタンドやQi対応充電器を利用すれば、電源ケーブルを挿さなくても充電できます。
映像品質はまずまず
映像は自然な色合いで違和感はありません。画面はやや暗めで、激安照度計での計測からルクス→ニト換算したところ200nit程度でした、iPad Proが600nitでiPad Airが500nitですから、タブレットとしてはあまり明るいわけではありません。それでも電子書籍や動画を観るのには支障ありませんでした。
解像度は1280×800ドットで、最近のタブレットとしてはやや低解像度です。動画を観ているときは気にならないのですが、写真やコミックでは若干荒さが気になることがありました。とは言え内容自体は普通に把握できるので、画質にこだわらないならアリでしょう。
サウンドはそれなり
薄型タブレットなので、サウンドはそれほどよくありません。正直なところ、外部スピーカーにつないだほうがよっぽど高音質です。
ただFire 7よりはましですし、Fire HD 8の旧モデルよりも音質は若干上がっているように感じます(気のせいかもしれませんが)。内蔵のDolby Atmosデュアルステレオスピーカーによってサラウンド感はそこそこ感じられるものの、音に厚みがありません。値段相当と言っていいでしょう。
ただし少しでもいい音で聴きたいなら、タブレットだけを机などに寝かせてみてください。接地面との反響によって音に厚みが出て、少し聞きやすくなります。
ちなみにFire HD 8が対応するBluetoothオーディオコーデックはSBCのみです。音質はそれほど高くはなく遅延も多少あるので、ワイヤレスオーディオ機器の利用は音楽目的に留めたほうがいいでしょう。
アプリの利用について
まずあらかじめ言っておくと、アプリは利用可能ですが考えないほうが無難です。
アプリはアマゾンのアプリストアから購入/ダウンロードするのが基本です。数も種類もAppleのApp StoreやAndroid向けのGoogle Playストアには及びません。むしろ海外のアヤシゲなアプリが表示されやすいので、注意しながら利用したほうがいいでしょう。有名どころだけを使うには問題ないかもしません。
いろいろと裏ワザを使えば、Google Playストアを利用できます。ただしCPU性能が低くメモリー容量も少ないので、入手したアプリがサクサク動くとは限りません。Fire HD 8の性能は旧世代のエントリークラスですから、重いアプリを利用するのには向いていないのです。軽いゲームを息抜きとして楽しむ程度と考えることをおすすめします。
Fire 7やFire HD 10との違い
FireタブレットシリーズにはFire HD 8のほかに、Fire 7とFire HD 10もラインナップされています。それぞれの違いは画面サイズだけでなく、映像やサウンドの品質、全体的なパフォーマンスなど。基本的にはFire HD 10がもっとも高性能&高品質で、Fire 7がもっとも安い代わりに低品質です。Fire HD 8はその中間あたりと言っていいでしょう。
Fireタブレットの違い
Fire HD 10 10.1インチ |
Fire HD 8 8インチ |
Fire 7 7インチ |
|
---|---|---|---|
解像度 | 1920×1200 | 1280×800 | 1024×600 |
CPU | MT8183 (8コア) | MT8168 (4コア) | MT8163V/B (4コア) |
メモリー | 2GB | 2GB (標準) / 3GB (Plus) | 1GB |
Wi-Fi | 11a/b/g/n/ac | 11a/b/g/n | |
前面カメラ | 200万画素 | ||
背面カメラ | 200万画素 | ||
センサー | 加速度 / 照度 | 加速度 | |
USB | USB2.0 Type-C | USB2.0 micro-B | |
バッテリー | 最大12時間 | 最大7時間 | |
幅×奥行き×高さ | 262×159×9.8 | 202×137×9.7 | 192×115×9.6 |
重量 | 504g | 355g | 286g |
Fire HD 8旧モデルとの違い
Fire HD 8シリーズはこれまでに6モデル発売されています。最新モデルは「第10世代」と呼ばれますが、これは2020年に発売されたため。2010年から何年たっているかによって、第○世代とカウントされます。
最近のFire HD 8の違い
第10世代 2020年モデル |
第8世代 2018年モデル |
第7世代 2017年モデル |
|
---|---|---|---|
解像度 | 1280×800 | ||
CPU | Cortex-A53 (4コア、2.0GHz) | Cortex-A53 (4コア、1.3GHz) | |
メモリー | 2GB | 1.5GB | |
Alexa / Showモード | 対応 | 非対応 | |
Wi-Fi | 11a/b/g/n/ac | 11a/b/g/n | |
前面カメラ | 200万画素 | 30万画素 | |
背面カメラ | 200万画素 | ||
センサー | 加速度 / 照度 | ||
マルチタッチ | 5点 | 10点 | |
USB | USB2.0 Type-C | USB2.0 micro-B | |
バッテリー | 最大12時間 | 最大10時間 | 最大12時間 |
幅×奥行き×高さ | 202×137×9.7 | 214×128×9.7 | 214×128×9.7 |
重量 | 355g | 369g | 369g |
2018年以前の旧モデルを持っているなら、新モデルへの買い換えをおすすめします。性能が向上しているほか画面が明るくなり、さらにType-Cにも対応することで使い勝手向上しているからです。
アレクサ/Showモードはどうなのか?
FireタブレットにはアマゾンのAIアシスタント「アレクサ (Alexa)」が搭載されており、「アレクサ、○○○は?」と音声で指示を出すことでさまざまな情報を得られます。また音声通話やビデオ通話、アラーム/タイマーの設定、アマゾンでのお買い物などさまざまな用途で利用可能です。
Fire HD 8とFire HD 10ではさらに、アマゾンのスマートディスプレイ「Echo Show」のように使える「Showモード」に対応しています。これが以外に便利。できることは要はアレクサへの指示出しだけなのですが、時間や天気予報、フラッシュニュース、設定されたタスクなどが常時フルスクリーンで画面に表示されるのです。
タブレットって普通は手から離したら役に立たないものですが、情報スタンドとして利用できるShowモードはなかなか便利です。汎用性で言えば、Echow Showシリーズより有効かもしれません。
ただし音に関しては同じインチ数のEchow Show 8のほうが圧倒的に優れています。Fire HD 8がDolby Atmosに対応しているとは言っても、しょせんはバーチャルな高音質化技術を使ったもの。物理的に出力で上回るEcho Show 8のほうが音の広がりも厚みもクリアーさも上です。音質重視でかつ持ち歩かないのであれば、Echo Showを検討してもいいと思います。
アレクサについては最近は精度が上がってきていますし、できることもいろいろ増えています。最近は「アレクサ、峰不二子のモノマネして」と話しかければ、激似のモノマネを返してくれるほど。まだちょっとどんくさい部分はありますが、今後より便利に使えるようになるでしょう。
セール時に安く買うのがおすすめ
Fireタブレットはアマゾンのサービスを利用するにはピッタリですけれども、品質自体はそれほどよくありません。価格は32GBモデルで税込9980円からですが、正直この値段では高いと思います。
しかしアマゾンで定期的に実施されるセールによって、一時的に6000円台にまで下がることがあります。買うならその瞬間が狙い目です。6000~7000円であれば、妥当な金額と言えるでしょう。ぜひセールの機会に入手してください。
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B07WJSJ28X” title=”【Newモデル】Fire HD 8 タブレット ブラック (8インチHDディスプレイ) 32GB”][wpap service=”with” type=”detail” id=”B0839N8B8V” title=”【Newモデル】Fire HD 8 Plus タブレット スレート (8インチHDディスプレイ) 32GB”]
まだプライム会員でないなら、この機会に登録することをおすすめします。
リンク
*
当サイトでは2~3万円台の格安ノートPCから高性能ノートPCまで、さまざまな最新モデルを検証・解説しています。記事の更新情報は当サイトのtwitterアカウントでお知らせしているので、ぜひフォローをお願いいたします。
関連記事
- 新品で2~4万円台の安いノートパソコンおすすめ機種
- モバイルノートPCおすすめモデル
- 初心者におすすめのノートパソコンまとめ