2015年発売のパソコンHPゲーミングPCデスクトップパソコンレビュー

日本HPの水冷ゲーミングデスクトップPC「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」レビュー

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HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT
機材貸し出し:株式会社日本HP
 

日本HPの「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」は、パワフルなCPUとGPUを搭載したゲーム向けのデスクトップパソコンです。CPUとしてはCore i7-4790またはCore i7-4790Kが用意されており、GPUにはGeForce GTX 770またはGeForce GTX 980を選択可能。海外製の最新ゲームでも最高画質で快適にプレーできます。今回はメーカーからお借りした「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」を使って、拡張性や構成パーツ、パソコンとしての基本性能を詳しくレビューします。

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拡張性の高いミニタワー型ケースを採用

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」の本体サイズは、幅175×奥行き415×高さ412mmです。ケースはミニタワー型でそこそこ大きいのですが、そのぶん内部に余裕があるため、さまざまなパーツを組み込むことができます。

 

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」のフロントパネルとバックパネル。背面には映像出力端子のほか、USB3.0×2、USB2.0×2、有線LAN端子、オーディオ端子類が用意されています ※写真ではTVチューナーボードが搭載されていますが、現在このオプションは利用できません

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」のフロントパネルとバックパネル。背面には映像出力端子のほか、USB3.0×2、USB2.0×2、有線LAN端子、オーディオ端子類が用意されています ※写真ではTVチューナーボードが搭載されていますが、現在このオプションは利用できません

 

上面部にはUSB3.0×2とヘッドホン出力端子、マイク入力端子が配置されています

上面部にはUSB3.0×2とヘッドホン出力端子、マイク入力端子が配置されています

 

フロントパネルのカバー下にはメモリーカードリーダーとUSB2.0×4を用意

フロントパネルのカバー下にはメモリーカードリーダーとUSB2.0×4を用意

 

光学ドライブにはDVDスーパーマルチドライブやブルーレイディスクドライブを選択可能。オプションで光学ドライブを2基搭載することもできます

光学ドライブにはDVDスーパーマルチドライブやブルーレイディスクドライブを選択可能。オプションで光学ドライブを2基搭載することもできます

 

GeForce GTX 980を搭載した試用機では、映像出力用にDVI-I端子、HDMI端子、DisplayPort端子×3が用意されています

GeForce GTX 980を搭載した試用機では、映像出力用にDVI-I端子、HDMI端子、DisplayPort端子×3が用意されています

 

水冷式のCPUクーラーを採用!そのメリットは冷却性能と静音性

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」の特徴のひとつとして、CPUの冷却に水冷式のクーラーを採用している点が挙げられます。CPUクーラーには主に「空冷式」と「水冷式」の2種類があり(なかには液体窒素やドライアイスを使う人もいますが)、ファンからの送風でCPUの熱を下げる空冷式が一般的です。しかし空冷式はファンの動作音が大きく、騒音がゲームのプレーを妨げてしまうこともあります。超巨大なヒートシンクを備えた空冷式ファンならそれほどうるさくはないのですが、そのようなファンを使うにはより巨大なケースが必要となります。

 

右側面のカバーを開けた状態

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」右側面のカバーを開けた状態

 

しかし水冷式なら送風よりも冷却効果が高く、CPUの熱を効果的に下げることが可能です。CPUから伝わった熱は最終的にラジエターファンで排熱するのですが、空冷式ファンよりも回転数が少ないため、動作音が静かになるというメリットもあります。特に高性能なCPUを使っていると熱が高くなりがちですので、冷却効果の高いクーラーを搭載したモデルを選ぶべきでしょう。

 

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」の水冷ユニット。CPUの熱が水に伝わり、パイプを経由してファンの位置から排熱される仕組みです

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」の水冷ユニット。CPUの熱が水に伝わり、パイプを経由してラジエターファンの位置から排熱される仕組みです

 

実際に「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」を使ってみたところ、高い負荷のかかるベンチマークテストや海外製ゲームでも動作音が気になる場面はありませんでした。水冷クーラーがその役割をバッチリはたしているからでしょう。

 

電源を入れると、背面のラジエターファンが赤く輝きます。フロントパネルの一部分もイルミネーションが輝き、なかなかのインパクトがあります

電源を入れると、背面のラジエターファンが赤く輝きます。フロントパネルの一部分もイルミネーションが輝き、なかなかのインパクトがあります

 

3.5インチベイはメンテナンスがしやすいように、斜めに傾いています

3.5インチベイはメンテナンスがしやすいように、斜めに傾いています。合計3台のストレージを搭載可能で、ネジではなくレバーで固定されているため取り出しも簡単です

 

Core i7-4790K+GeForce GTX 980の驚異のパフォーマンス

続いて、「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」のベンチマーク結果について見てみましょう。今回テストに使った試用機のパーツ構成は以下のとおりです。なおベンチマーク結果はパーツ構成や実施タイミングによって大きく変わることがある点をあらかじめご了承ください。

 

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」試用機の主なスペック
OS Windows 8.1 Update 64bit
光学ドライブ
なし
CPU
Core i7-4790K(4.00GHz)
通信機能
1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0
メモリー
16GB
Webカメラ
なし
ストレージ
512GB SSD+2TB HDD(1TB×2)
インターフェース
USB3.0×4、USB2.0×6、DVI-I、HDMI、DisplayPort×3、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、オーデオ端子類
液晶ディスプレイ
なし(外付け)
サイズ/重量
幅175×奥行き412×高さ415mm/約10.3kg
グラフィックス
NVIDIA GeForce GTX 980
バッテリー駆動時間
発売
2014年12月
オフィス
なし

 

まずWindows 8.1の快適さを表わす「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果については、以下の表のとおりです。さすがに高性能なパーツを搭載しているだけあって、どの項目も「8」を超える非常に高い結果が出ました。

 

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」試用機のWindowsエクスペリエンスインデックス
プロセッサ(CpuScore) 8.4
メモリ(MemoryScore) 8.4
グラフィックス(GraphicsScore) 8.9
ゲーム用グラフィックス(GamingScore) 8.9
プライマリハードディスク(DiskScore) 8.15

 

試用機のWindowsシステム評価ツールの結果(Windowsエクスペリエンスインデックス)

試用機のWindowsシステム評価ツールの結果(Windowsエクスペリエンスインデックス)

 

オーバークロックなしでもCPUベンチは優秀なスコア

CPU性能を計測する「CINEBENCH R15」では、「CPU」のスコアが「797cb」と非常に高いスコアが出ています。動画の編集やエンコード、仮想マシンの利用など、負荷の高い作業でも楽々とこなせるパワーです。また「PassMark」の「CPU Mark」でも「10895」とかなり優秀な結果となっています。

 

「CINEBENCH R15」(写真左)と「CINEBENCH R11.5」(写真右)のベンチマーク結果

「CINEBENCH R15」(写真左)と「CINEBENCH R11.5」(写真右)のベンチマーク結果

 

「PassMark」の「CPU Mark」結果

「PassMark」の「CPU Mark」結果

 

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」は、CPUとしてCore i7-4790(3.6GHz)かCore i7-4790K(4.0GHz)のどちらかを選択できます(モデルによって異なります)。高性能なのは動作周波数の高いCore i7-4790Kのほうですが、このCPUはさらにオーバークロックを行なうことで性能をより高くすることが可能です。と言っても性能が劇的に変わるわけではなく、さらに過剰なオーバークロックを行なうとCPUが破損する可能性もあります。ゲームや動画編集などの利用にオーバークロックは必要ありませんので、このまま利用したほうがいいでしょう。

 

タスクマネージャーの「パフォーマンス」によるCPUの稼働状況。4コア8スレッドで動作しています

タスクマネージャーの「パフォーマンス」によるCPUの稼働状況。4コア8スレッドで動作しています

 

「CPU-Z」による、Core i7-4790Kの詳細情報。今回はオーバークロックすることなく、定格の4.0GHzで試用しました

「CPU-Z」による、Core i7-4790Kの詳細情報。今回はオーバークロックすることなく、定格の4.0GHzで試用しました

 

メモリー容量は16GB搭載したい

試用機では16GBのメモリーが搭載されていました。メモリーの規格は PC3-12800 (1600MHz) で、最大32GBまで増設可能です。実際のところゲームを快適にプレーするには、8GBの容量もでも十分。しかしクリエイティブ系ソフトを使うなど負荷の高い作業を行なう場合は、メモリー容量が多いほうが有利です。高性能なCPUやGPUを活かすことを考えれば、16GB程度搭載していたほうがいいかもしれません。ちなみにファイルサイズの大きい画像や動画を扱うならメモリー容量は32GBのほうがいいのですが、それ以外の用途なら16GBで十分すぎるほどです。

 

メモリーの使用状況。試用機では16GB搭載されていました

メモリーの使用状況。試用機では16GB搭載されていました

 

メインストレージにSSDを選ぶとシステムが高速化!

「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」は、合計3台のストレージを搭載することが可能です。購入時のオプションではWindows 8.1とインストールするシステムストレージとして1TB/2TB/3TBのHDDと256GB/512GBのSSDの合計5種類が用意されています。SSDを選択するとシステムの体感速度が大きく向上するので、システムストレージにはSSDを選びましょう。ゲームの起動やデータの読み込みが高速されるメリットもあります。

 

「CrystalDiskInfo」によるシステムストレージのS.M.A.R.T情報。試用機ではサンディスク製の「SD7SB2Q-512G」が使われていました

「CrystalDiskInfo」によるシステムストレージのS.M.A.R.T情報。試用機ではサンディスク製の「X300Sシリーズ(SD7SB2Q-512G)」が使われていました

 

さらにデータ保存用のセカンド/サードストレージとして、1TB/2TB/3TBのHDDを選択できます。大容量の写真や動画を保存するつもりなら、データ保存用に用意するのがおすすめです。同じ容量のHDDを利用して、Windows 8.1の「記憶域」機能からドライブに冗長性を持たせるのもいいでしょう。

 

セカンド/サードストレージのS.M.A.R.T情報、試用機ではシーゲート製の「ST1000DM003-1ER162」が使われていました

セカンド/サードストレージのS.M.A.R.T情報、試用機ではシーゲート製の「ST1000DM003-1ER162」が使われていました

 

試用機のパーティション構成。Cドライブには460.28GB割り当てられています

試用機のパーティション構成。Cドライブには460.28GB割り当てられています

 

Cドライブの空き容量は423GBでした

Cドライブの空き容量は423GBでした

 

ストレージのアクセス速度を計測する「CrystalDiskMark」を試してみたところ、システムドライブとして利用しているSSDではシーケンシャルリードが421.2MB/秒、データストレージ用のHDDではシーケンシャルリードが224MB]/秒という結果でした。さすがにSSDはHDDよりも高速なのですが、HDDでも一般のもの(およそ100~110MB/秒)よりはるかに高速です。この構成なら、巨大なファイルでもストレスなく操作できるでしょう。

 

SSDの「CrystalDiskMark」計測結果

SSDの「CrystalDiskMark」計測結果

 

HDDの「CrystalDiskMark」計測結果

HDDの「CrystalDiskMark」計測結果

 

「Windowsシステム評価ツール」を使った結果では、シーケンシャルリードで473.9MB/秒という結果が出ています

「Windowsシステム評価ツール」を使った結果では、シーケンシャルリードで473.9MB/秒という結果が出ています

 

「PCMark 8」の結果はかなり高い

総合系ベンチマークソフトの「PCMark」では、3種類のテストでいずれも高い結果が出ています。筆者としては2700~3000を超えれば高性能という目安で考えていますので、「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」はかなり高性能だといえます。

 

ネットや写真編集、軽めのゲームなど、日常的な作業の性能を計測する「PCMark 8」の「Home conventinal 3.0」ベンチマーク結果

ネットや写真編集、軽めのゲームなど、日常的な作業の性能を計測する「PCMark 8」の「Home conventinal 3.0」ベンチマーク結果

 

ゲームやクエ入りティブ系ソフトの快適さを計測する「Creative conventinal 3.0」ベンチマーク結果

ゲームやクエ入りティブ系ソフトの快適さを計測する「Creative conventinal 3.0」ベンチマーク結果

 

文書作成やビデオチャットなど、ビジネス関連の作業の快適さを計測する「Work conventinal 2.0」

文書作成やビデオチャットなど、ビジネス関連の作業の快適さを計測する「Work conventinal 2.0」

 

「PassMark」の「PerfomanceTest 8.0」は、「4868.8」という結果でした。エントリー(初心者)向けパソコンがおよそ1000前後ですので、その4倍以上のスコアということになります。とりあえずなにをするのにも困らない、非常に高いスペックです。

 

総合的な性能を計測する「PassMark」のスコアは「4868.8」

総合的な性能を計測する「PassMark」のスコアは「4868.8」

 

FireStrikeは余裕の1万超え!

3D性能を計測する「3DMark」では、もっとも負荷の高い「Fire Strike」で「10546」という結果になりました。これだけの性能であれば海外の3Dゲームを最高画質で楽しめる上に、4K解像度(3840×2160ドット)でもプレーできるでしょう。さすがハイエンド向けGPUであるGeForce GTX 980を搭載しているだけのことはあります。

 

「3DMark」ベンチマーク結果

「3DMark」ベンチマーク結果

 

「GPU-Z」によるGeForce GTX 980の詳細情報

「GPU-Z」によるGeForce GTX 980の詳細情報

 

ドラクエ10ベンチとFF14ベンチは?

「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」では、フルHD(1920×1080ドット)の最高画質で「18090」の「すごく快適」という評価でした。「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」ではDirectX 11を利用した1920×1080ドットの最高画質で「11302」の「非常に快適」という結果に。どちらも最高解像度の最高画質で快適にプレーできるとの結果が出ています。

 

「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」ベンチマーク結果

「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」ベンチマーク結果

 

「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」ベンチマーク結果

「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」ベンチマーク結果

 

「ファンタシースターオンライン2」の快適さを計測する「PSO2キャラクタークリエイト体験版」でも、1920×1080ドットの簡易描画設定「5」(最高画質)で「92708」と快適な動作を見込める結果が出ています。国内向けのゲームであれば、高解像度の最高画質でもストレスなくプレーできるはずです。

 

「PSO2キャラクタークリエイト体験版」ベンチマーク結果

「PSO2キャラクタークリエイト体験版」ベンチマーク結果

 

エントリー向けのQuadroよりも高いOpenGL性能

ハイエンド向けGPUを搭載しているということで、一応OpenGLのベンチマーク「SPECViewperf 12」もテストしてみました。結果は下記のとおりです。GeForceシリーズは本来DirectXに最適化されたGPUでOpenGLはQuadroのほうがパフォーマンスが高いのですが、GeForece GTX 980についてはQuadroのエントリーGPUよりもはるかに高いスコアが出ています。3D CGソフトやOpenGLを利用したゲーム、CAD/CAMソフトなども快適に利用できるでしょう。

 

ベンチマーク結果

「SPECViewperf 12」ベンチマーク結果

ゲーミングPCとしてはトップクラスの性能

以上のように、「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」はどのベンチマークでも非常に高いスコアが出ています。クアッドコアCPUを搭載した個人向けデスクトップパソコンとしては、トップクラスの性能を持っていると言えるでしょう。海外製の最新ゲームでも、高解像度&高画質で楽しむことができます。このスペックなら2~3年は最新ゲームを楽しめるでしょうし、それ以降も問題なく動作するはず。5年程度利用できるゲーミングPCとして考えれば、それほど高くはないようにも思えます。

 

ということで、今回は「HP ENVY Phoenix 810-480jp/CT」の外観と内部構造、およびベンチマーク結果について紹介しました。ほかの記事では実際のゲームを試してみた結果について紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

 

記事を書いた人
こまめ(タカハシリョウ)

お買い得パソコン評論家。毎日各メーカー・各ショップのWebページを500p以上チェックして、安くてお得なパソコンを探しています。元雑誌・書籍編集者で、PC系フリーライターでもあるオジサン。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月

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