機材貸し出し:株式会社日本HP
日本HPの「HP 14-r200」は、最安価格が3万6800円(税別、2015年5月末現在)からの格安な14型ノートパソコンです。安いからと言って性能が劣ることはなく、CPUの処理能力は十分な上に、メモリーやストレージ(HDD)も十分な容量を持っています。そこで今回はメーカーからお借りしたCore i3-4005U搭載モデル「HP14-r229TU」を使って、パーツ構成やベンチマーク結果などを紹介します。
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スペックの異なる2種類のモデルを用意
「HP 14-r200」にはCPUが異なる「HP 14-r237TU」と「HP 14-r229TU」が用意されています。それぞれの違いは、以下の表のとおりです。CPUだけでなく、最大メモリー容量やバッテリー駆動時間など細かな部分も異なっていることがわかります。
「HP 14-r237TU」と「HP 14-r229TU」の違い | ||
製品名 | HP 14-r200 | |
---|---|---|
型番 | HP 14-r237TU | HP 14-r229TU |
OS | Windows 8.1 Update 64ビット | |
CPU | Celeron N2840(2.16GHz) | Core i3-4005U(1.70GHz) |
メモリ | 4GB(最大4GB) | 4GB(最大8GB) |
グラフィックス | Intel HD Graphics | Intel HD Graphics 4400 |
ストレージ | 500GB HDD | |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | |
ディスプレイ | 14型、1,366×768ドット | |
タッチパネル | 非対応 | |
有線LAN | 100BASE-TX対応 | |
無線LAN | IEEE802.11b/g/n | |
Bluetooth | Bluetooth4.0 | |
Webカメラ | 92万画素 | |
主なインタフェース | USB3.0×1、USB2.0×2、アナログRGB、HDMI、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリカードスロット、ヘッドホン出力 | |
バッテリ駆動時間 | 6時間30分(MobileMark 2012) | 6時間(MobileMark 2012) |
本体サイズ | 幅345×奥行き244×高さ26~28mm | |
重量 | 1.94kg |
メーカーである日本HPによると、Core i3-4005UはCeleron N2840よりもCPU性能でおよそ2.3倍、グラフィックス性能でおよそ4倍の性能を持っているとのことです。これだけの違いを体感できるかは、実際のところわかりません。しかし、Core i3-4005Uのほうが高性能であるということだけは確かです。
またCore i3搭載モデルでは、メモリーを8GBに増設することができます。自分でメモリーを購入したり取り付ける必要がありますが、手軽にパワーアップできるのはうれしいとこと。
今回はCore i3-4005Uを搭載した「HP 14-r229TU」の性能を検証しました。Celeron N2840搭載の「HP 14-r237TU」については検証していませんが、「HP 14-r229TU」よりも性能的には低めであると考えてください。
Windows 8.1の操作は快適に行なえるレベル
まずはWindows 8.1の快適さを表わす「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果を見てみましょう。スコアをわかりやすく把握できるよう、Windowsエクスペリエンスインデックス風にまとめると以下の表のとおりとなります。
「HP 14-r229TU」のWindowsエクスペリエンスインデックス | |
プロセッサ(CpuScore) | 6.7 |
---|---|
メモリ(MemoryScore) | 5.9 |
グラフィックス(GraphicsScore) | 4.6 |
ゲーム用グラフィックス(GamingScore) | 4.9 |
プライマリハードディスク(DiskScore) | 5.9 |
「グラフィックス」と「ゲーム用グラフィックス」のスコアが低めですが、このふたつはWindows 8.1の快適さにそれほど影響しないため、気にする必要はありません。「メモリ」は「5.9」で平均的なスコアですが、容量が4GBの場合だとこれ以上のスコアになりません。同様に「プライマリハードディスク」の「5.9」も、HDDを使っている機種の最高スコアです。このあたりは妥当な結果と言えるでしょう。
意外なのは、CPUのスコアが「6.7」と比較的高めである点です。試用機で使われているCore i3-4005UはHaswell世代でひと世代古いCPUですが、現役でもまだまだ通用するほどのスコアだと言えます。総合的に見て、Windows 8.1を普通に使うにはまったく問題ありません。
「CINEBENCH」と「PassMark」の結果は?
CPUの性能について、もう少し詳しく検証してみましょう。CPUの計算能力を計測する「CINEBENCH」では、Core i3としては妥当な結果が出ています。ちなみに10万円クラスのノートパソコンにはCore i5やCore i7が搭載されていますが、それらのCPUと比べるとおよそ60%程度の性能です。価格の割には性能が高いと言えるのではないでしょうか。
ちなみに「HP 14-r237TU」ではないのですが、Celeron N2840を搭載したノートパソコンのベンチマーク結果は以下のとおりです。スコアによっては、Core i3-4005Uの半分以下になっているものもあります。
CPU性能を表わす「PassMark」の「CPU Mark」では「2577」という結果に。7年前のCore 2 Duo E8400(3.00GHz)よりも性能が高いんですね……。
HDDのアクセス速度は順当なスピード
「CrystalDiskmark」によるストレージ(HDD)のアクセス速度計測結果は以下のとおりです。最新バージョン(4.0.3)と旧バージョン(3.0.4)の結果を掲載しています。シーケンシャルリードで110MB/秒前後という結果ですが、HDDとしては標準的な速さです。特別速いわけではありませんが、かと言って遅いわけでもありません。ファイル操作やシステムの起動などについては、標準的なレスポンスを得られます。
ちなみに、試用機ではCドライブに420GBの空き容量が残されていました。
PCMark 8のスコアはやや低め
パソコンの総合的な性能を計測する「PCMark 8」では、日常的な作業の快適さを表わす「Home conventional 3.0」で「1911」という結果でした。個人的にはスコアが2000以下になると少々物足りないイメージがあるのですが、Core i3を搭載した格安モデルであることを考えれば妥当な結果でしょう。ゲーム系テストの結果がいまひとつですが、ゲームを遊ぶのでなければ十分な性能です。
3D性能は低くはないが、あまり期待しないほうが……
総合的な3D描画性能を計測する「3DMark」では、もっとも負荷の軽い「Ice Storm」(DirectX 9相当)で「33431」という結果でした。3D性能は低めといえば低めなのですが、まったくお話にならないレベルではありません。解像度と画質をごく低く設定すれば、軽めの3Dゲームならなんとか遊べるレベルだと思います。
一応「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」や「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」でも「普通」という評価にはなっていますが、解像度を1280×720ドット、画質を標準画質(という名称の低めの設定)にした上での結果です。これ以上の解像度や画質になると、プレーは厳しくなるはず。試しに遊ぶ、あるいは息抜きがてらに遊ぶ程度なら十分かもしれませんが、本格的に遊びたい方はグラフィックス性能の高いゲーム向けパソコンの購入をおすすめします。
メールやネット、文書作成には十分すぎる性能。格安モデルのなかではワンランク上の快適さ
今回はCore i3-4005Uを搭載した「HP14-r229TU」を使って各種ベンチマークを試しましたが、4万5800円の格安ノートパソコンとしては十分すぎるほどの性能を持っていると感じました。標準的な3~4万円台のノートパソコンに比べてCPUの性能が高いので、メールやネット、動画視聴などの日常的な作業は快適に行なえるでしょう。写真の編集や加工についても、軽めのソフトを使えば問題ないはずです。「安くてもスペックが低すぎるのはイヤ!」という人におすすめします。