日本HPの「HP OMEN 15-5100」は、グラフィックス機能としてNVIDIA GeForce GTX 960M(4GB)を搭載した15.6型のゲーム用ノートパソコンです。薄型のボディを採用しながらも、クアッドコアCPUや大容量SSDなどパワフルなパーツを搭載。ドラクエ10やFF14など国内で人気のゲームはもちろん、海外の最新ゲームもサクサク動作する性能を持っています。そこで今回はメーカーからお借りした「HP OMEN 15-5100」を使って、実際の使い勝手やベンチマーク結果などを紹介します。
HP OMEN 15-5100の主なスペック | |||
OS | Windows 8.1 Update 64bit |
光学ドライブ
|
なし |
---|---|---|---|
CPU
|
Core i7-4720HQ(2.60GHz) |
通信機能
|
100BASE-TX対応有線LAN(アダプタ使用)、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0 |
メモリー
|
8/16GB |
Webカメラ
|
200万画素 |
ストレージ
|
512GB SSD(PCIe M.2) |
インターフェース
|
USB3.0×4、HDMI、Mini DisplayPort、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
液晶ディスプレイ
|
15.6型、1920×1080ドット、IPS、タッチ対応 |
サイズ/重量
|
幅383×奥行き251×高さ15.5~19.9mm/約2.15kg |
グラフィックス
|
NVIDIA GeForce GTX 960M(2GB) |
バッテリー駆動時間
|
4時間30分 |
発売
|
2015年5月 |
オフィス
|
なし |
お知らせ
この機種はすでに販売が終了しています。以下のリンクから、別の記事をご覧ください。
HP製品のレビュー一覧
2015年発売のパソコンのレビュー一覧
ゲーミングノートPCとは思えないほどの極薄ボディ!でも熱はどうなの?
実際にHP OMEN 15-5100を手にしてみて、本体が非常に薄い点に驚きました。標準的なゲーム用ノートパソコンは本体の高さが30mm前後である場合が多いのですが、HP OMEN 15-5100は最薄部で15.5mm、最も厚い部分でも19.9mmしかありません。ゴム足を含めると高さは22.6mmとわずかに増えますが、これはほかのモデルでも同じこと。その点を考慮に入れたとしても、この薄さは驚きです。
一般的なゲーム用ノートパソコンがなぜ厚いのかというと、CPUやGPU、HDDなどが高温になるのを防ぐために、空冷ファンやヒートシンクなどの冷却用部品を多めに搭載しているためです。HP OMEN 15-5100でも空冷ファンなどを搭載していますが、この薄さを実現するために、あまり大きな部品を使っていないと思われます。おそらくボディに使われている熱伝導率の高いアルミ素材が、内部の熱を効果的に排出しているのでしょう。またエアフローや基盤の熱設計で工夫しているということも考えられます。
これだけ薄いと本体の熱が心配ですが、実際に使ってみたところ、通常の作業ではほとんど気になりませんでした。ベンチマークなど負荷の高い作業ではキーボードの左上あたりが多少温かくなりますが、触れないほど熱いというわけではありません。CPUの温度は最高で85度と高めになってはいますが、許容範囲内です(CPU自体は100度までOK)。
ベンチマーク中にCPUが高温になっても、温度を下げるために動作周波数が自動的に低下する「サーマルスロットリング」のような症状は見られませんでした。ただし念のため、負荷の高いゲームをプレーする際はファンの速度を手動で調整しておいたほうがいいかもしれません。HP OMEN 15-5100では、標準収録のユーティリティー「HP OMEN Control」でファンの速度を調整できます。
非常にスリムで上質な本体デザイン
少し脇道にそれてしまいましたので、話を本体デザインに戻しましょう。サイズは幅383×奥行き251×高さ15.5~19.9mmで、重量は約2.15kgです。B4サイズ(幅364×奥行257mm)よりもふた回りほど大きいのですが、ゲーム用ノートパソコンとしては比較的コンパクトなほうです。
本体の素材には、アルマイト加工の施されたアルミ素材が使われています。表面には三角形状のテクスチャーパターンが刻み込まれており、高級感のある独特の雰囲気を漂わせています。
堅牢性も高く、本体の端を持って力を入れてねじっても、歪んだりたわむようなことはありませんでした。質感と高級感については、文句なしのできばえと言えるでしょう。
ゲームの映像を美しく映し出すフルHDのIPS液晶パネル
液晶ディスプレイのサイズは15.6型で、解像度1920×1080ドットのフルHD表示に対応しています。パネルの表面は光沢のあるグレア仕上げで、発色に優れたIPSパネルを採用していることもあり、映像のコントラストはかなり高めに感じました。ゲームではメリハリの効いた美しいグラフィックを楽しめるでしょう。またゲーム以外の作業では、タッチ操作が便利です。
イルミネーションやマクロを設定できるキーボード
HP OMEN 15-5100のキーボードは全91キー構成で、標準的な日本語配列を採用しています。キーピッチ(キーの大きさを表わす指針)は約18.6mmでフルサイズ(約19mm)よりもやや小さめですが、テンキーがないため配列がゆったりとしてして余裕のあるように感じます。上下のカーソルキーがかなり小さいのですが、慣れれば特に問題ないでしょう。
キーストロークは約1.8mmで、薄型ノートパソコンとしてはそこそこ深めです(一般的には、キーストロークが深いほど使いやすいとされています)。ただしキータッチはかなり軽めでした。とは言えタイプ時にはしっかりしたクリック感があり、押したことが確実にかわるようになっています。軽い力で入力できるので、長時間使っていても疲れにくいでしょう。もちろん、たわみはほとんど生じませんでした。
特徴的なのは、専用ユーティリティー「HP OMEN Control」からキーボードバックライトの変えられる点です。すべて同じ色に統一したり、各部によって色を変えるなど、さまざまなイルミネーションを楽しめます。
またプログラマブルキーにゲームで使うショートカットキーを登録したり、一連の動作をまとめて登録するキーボードマクロなどを登録可能です。ゲームの操作が非常に楽になるので、積極的に活用するといいでしょう。
タッチパッドはかなり大きく、実測で幅140×奥行65mmでした。これだけ大きければ、ダイナミックな動きにも対応できます。
HP OMEN 15-5100のキーボードは、文章入力用としては標準的な使い勝手を備えています。ゲームプレー用として見ると、同時押しが可能なキーの数はほかのパソコンとほぼ変わらず、特別優れているわけではありません。しかし複雑な操作を簡単に利用できるプログラマブルキーを備えているという点で、ゲームに適していると言えます。
インターフェースは十分な構成
HP OMEN 15-5100はインターフェースとして、USB3.0×4、HDMI、Mini DisplayPort、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロットなどを用意しています。このうちMini DisplayPort端子は3840×2160ドット(60Hz)の4K出力対応しています。ただしゲームを4K解像度でサクサクプレーできる性能ではありませんので、ネットからダウンロード/ストリーミング再生する4Kコンテンツ用に使うといいでしょう。
有線LANを利用する場合は、付属のアダプターを利用します。ただしこのアダプターは最大100Mbpsまでしか対応していない点に注意してください。より高速に通信したい場合は11acの無線LAN機能を利用するか、別途1000BASE-T対応の有線LANアダプターを用意するといいでしょう。
ひとつ注意したいのは、光学ドライブを内蔵していない点です。最近のゲームはダウンロードが主流ですので利用する場面が減ってきていますが、必要な場合は別途外付けドライブを用意してください。
HP OMEN 15-5100のベンチマーク結果をチェック
続いてHP OMEN 15-5100のベンチマーク結果を紹介します。今回試用したのは、16GBのメモリーを搭載した「15-5110TX」です。標準モデル(15-5109TX)のメモリー容量は8GBですが、購入時のオプションで16GBメモリーを選択できます。なおベンチマーク結果はパーツ構成やタイミングによって大きく変わることもある点を、あらかじめご了承ください。
Windowsエクスペリエンスインデックスは高めの結果に
まずはWindows 8.1の快適さを表わす「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果については、以下の表のようになりました。なお結果をイメージしやすいように、「Windowsエクスペリエンスインデックス」に置き換えています。
HP OMEN 15-5100(15-5110TX)のWindowsエクスペリエンスインデックス | |
プロセッサ(CpuScore) | 8.2 |
---|---|
メモリ(MemoryScore) | 8.2 |
グラフィックス(GraphicsScore) | 5.9 |
ゲーム用グラフィックス(GamingScore) | 5.7 |
プライマリハードディスク(DiskScore) | 8.4 |
グラフィックス関連のスコアが低めなのは、テストにCPU内蔵のIntel HD Graphics 4600が使われているためです。ゲームのプレーでは外付けGPUのGeForce GTX 960Mが使われますので、実際のグラフィックス性能はもっと上と考えてください(ただし一部のゲームではCPU内蔵GPUが使われるため、手動による設定が必要)。総合的にはかなり高めの結果で、Windows 8.1を快適に利用できます。
クアッドコアのCore i7-4720HQはかなり高性能
CPUの計算性能を計測する「CINEBENCH R15」では、「CPU」のスコアが「671」とかなり優秀な結果が出ています。Core i7-4720HQは4コア8スレッドで動作するCPUで、並みのデスクトップパソコンよりも高性能です。ゲームだけでなく3D制作や動画編集など負荷の高い作業も快適に行なえるでしょう。
PCI Express M.2接続で高速なSSDを搭載
HP OMEN 15-5100はストレージとして、512GBのSSDを搭載しています。「CrystalDiskMark」でアクセス速度を計測してみたところ、シーケンシャルリードで563.4MB/秒と標準的なHDD(100MB/秒前後)の5倍以上のスピードでした。またシーケンシャルライトが770.9MB/秒と、こちらも高速な結果が出ています。
速度が速いだけでなく、容量が512GBと大きい点も魅力です。これだけの容量があれば、数十GBクラスの大作ゲームでもストレージの残り容量を気にする必要はありません。
「PCMark 8」のスコアは3200オーバー
パソコンの総合的な性能を計測する「PCMark 8」では、3つのテストで優秀な結果が出ています。ノートパソコンとしては非常に高性能で、あらゆる作業に対応できる確かなパワーと高い汎用性を持っています。
3D性能もなかなか高い
総合的な3D性能を計測する「3DMark」では、もっとも負荷の高い「Fire Strike」(DirectX 11相当)で、「3963」という結果でした。国内の人気ゲームはもちろん、海外の大作ゲームでも画質を調整すれば快適に遊べる性能です。
ドラクエ10ベンチは「すごく快適」
「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン(ドラクエ10)」の快適さを計測する「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」では、1920×1080ドットの最高画質で「12318」の「すごく快適」という結果が出ています。高解像度&高画質でもストレスなくプレー可能です。
FF14はフルHDの最高品質で「とても快適」
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」では、解像度1920×1080ドットの最高品質(DirectX 9)で「5806」の「非常に快適」、1920×1080ドットの最高品質(DirectX 11)で「4408」の「快適」という結果でした。60FPSの「非常に快適(7000以上)」には届きませんでしたが、ストレスなく遊べるレベルです。ちなみに画質を最高品質から標準品質に変えれば、「非常に快適」の評価になります。
PSO2はフルHDの最高画質で「13078」
「ファンタシースターオンライン2」の快適さを計測する「PSO2キャラクタークリエイト体験版」では、解像度1920×1080ドットのウィンドウ表示で、簡易描画モード「5(最高画質)」の結果が「12659」でした。スコアは5001以上で快適に動作するレベルとのことですので、軽くクリアーしています。