日本HPの「HP Pavilion 15-cc000」は、デザイン性の高い15.6型ノートパソコンです。CPUは第7世代のCore i5/i7で、メモリー容量は最大16GB。さらに専用グラフィックス機能に対応するなど、デザインだけでなくスペックの高さも魅力です。
■HP Pavilion 15-cc000のポイント
ここがイイ! | ここが残念 |
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今回はメーカーからお借りしたHP Pavilion 15-cc000を使って、本体デザインや各部の使い勝手、実際の性能などをレビューします。
この記事の目次
HP Pavilion 15-cc000
税込7万円台後半から
HP Pavilion 15-cc000のスペック
HP Pavilion 15-cc000には、CPUやメモリー容量、ストレージ構成などが異なる2種類のモデルが用意されています。それぞれの主な仕様は、以下の表のとおりです。
下位のスタンダードモデルはメモリー容量が4GBでやや少なめです。しかしいまなら購入時に5000円(税別)の追加料金を支払うことで、8GBメモリーにアップグレードできます。Core i7搭載のパフォーマンスモデルなら、6600円(税別)の追加料金で8GBから16GBにアップグレード可能です。
本体デザインをチェック
色鮮やかな2色のカラバリ
本体カラーとしては、「ロイヤルブルー」と「モダンゴールド」の2色が用意されています。15.6型モデルには地味なデザインが多いのですが、HP Pavilion 15-cc000はスタイリッシュな印象です。
大きさはB4サイズ相当
設置面積(フットプリント)は、幅379×奥行き252mmです。B4サイズ(幅364×奥行き257mm)よりもちょっと大きめですが、ほぼB4サイズと言っていいでしょう。
高さは最薄部で22.5mm、最厚部で25mmです。数値としては特別薄いわけではありませんが、本体カラーやデザインが影響しているためか、全体的にスリムに見えます。
重さは2kgオーバーで持ち運び向きではない
重量の公称値は2.17kgです。実際の重さを計測したところ、2.18kgでした。15.6型としては、標準的な重さです。
外出先に持ち歩けないこともありませんが、ひんぱんに持ち運ぶつもりならより軽量なモバイルノートパソコンをおすすめします。
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液晶ディスプレイをチェック
15.6型のフルHDディスプレイ
液晶ディスプレイのサイズは15.6型で、解像度は1920×1080ドットのフルHDです。1366×768ドットの液晶ディスプレイに比べて写真や動画が精細に映し出されるほか、より多くの文字を表示できるので作業効率が大きく向上します。
映像はコントラストが低く青かぶりアリ
液晶ディスプレイに写真を表示してみたところ、やや青みが強く出ていました。IPSパネルではなく、格安モデルで使われるTNパネルを採用しているようです。またコントラスト(色のメリハリ)も若干弱く感じました。
眼にやさしい非光沢パネル
液晶ディスプレイの表面は、光沢なしのノングレア仕上げです。このタイプは光の映り込みが少ないので、眼への負担が少ないと言われています。長時間作業をする人におすすめです。
ただし非光沢パネルとTNパネルの影響で、コントラストがかなり低く感じました。文字や写真がややボンヤリと表示されてしまいます。メリハリのある映像が好みなら、IPSパネルを踏査したほかのモデルを選ぶといいでしょう。
フルHDでIPS液晶搭載の15.6型モデル
キーボードをチェック
数値入力に便利なテンキー付き
HP Pavilion 15-cc000のキーボードは、数値入力に便利なテンキーが付いています。エクセルなど大量の数値データを扱う際に便利です。
キーピッチ(キーとキーの間隔)は18.6mmで、理想とされる19mmよりもわずかに足りません。実際に入力してみると確かにやや窮屈に感じるのですが、すぐに慣れました。縦横の長さが同じでバランスがいいので、入力時に違和感を感じません。
静音性が高くタイプ感に優れる
キーストローク(キーを押し込む深さ)は約1.8mmです。ノートパソコンでは1.5mmのキーストロークが標準的で、それよりもストロークが深いHP Pavilion 15-cc000では、入力時に確かな手応えを感じました。底打ち感はほとんどなく、たわみも少なめです。
タイプ音は控えめです。入力時のカチャカチャとした不快な音は感じられませんでした。強い打てばそれなりに響きますが、軽いタッチならタイプ音はほとんど気にならないでしょう。
キーボードバックライト搭載
キーボードのバックライトがあると、暗い場所でキーが見えやすくなるので便利です。HP Pavilion 15-cc000ではキーボードバックライトに対応しているのですが、ちょっと明るい場所で点灯すると、キートップの文字が見づらくなってしまいました。バックライトを利用するときは、かなり暗い場所に限定したほうが良さそうです。
リフトアップ・ヒンジで入力しやすい
液晶ディスプレイを開くと、キーボード面がわずかに持ち上がります。いわゆるリフトアップ機構と呼ばれる仕組みです。キーボードがやや斜めのほうが入力しやすいと言われており、自然な角度でキーボードを使えます。
ボタン一体型のタッチパッド
マウス代わりに使うタッチパッドは、左右のボタンがパッド部分に組み込まれた一体型です。ボタン分離型のほうが誤操作が少ないと言われていますが、この点については好みがわかれるでしょう。
インターフェースをチェック
USB3.1に対応(ただしGen1)
周辺機器接続用のインターフェース(端子類)としては、USB3.1(Type-A)×2、USB3.1(Type-C)×1、HDMI、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力などに対応しています。
USB端子の規格はすべてUSB3.1ですが、転送速度はUSB3.0と同じ5Gbpsです。10GbpsのGen2ではない点に注意してください。
広がりのあるクリアーなサウンド
スピーカーは、キーボード上部に設置されています。スピーカーは有名メーカー「Bang & Olufsen」のカジュアルブランド「B&O Play」によるもの。HP製のパソコンではおなじみのものです。
実際に音楽を聴いたところ、中音域から高音域にかけてとてもクリアーに感じました。音に広がりもあります。ただし低音部が若干弱く、迫力不足な面も。BGMや動画視聴用には十分ですが、音楽をじっくり楽しむならヘッドセットや外付けスピーカーを利用するといいでしょう。
パフォーマンスをチェック
Core i7搭載モデルで性能テスト
ここからは、HP Pavilion 15-cc000の性能についてレビューします。テストで使ったのは、Core i7+8GBメモリー+SSD/HDD搭載のパフォーマンスモデルです。Core i5搭載のスタンダードモデルでは、ベンチマーク結果が異なる点に注意してください。
Windows 10の快適さ
CPUの計算性能
ストレージのアクセス速度
パソコンとしての総合性能
作業の快適さ
3D性能について
発熱について
ベンチマーク中のCPU温度を確認したところ、最大で96度にまで達していました。かなり高音ではありますが、キーボード面が気になるほど熱くなることはありません。ほんのり温かいかなというレベルです。高い負荷のときでこの程度ですから、普段の作業では熱が気になることはないでしょう。
バッテリー駆動時間は9時間以上
バッテリー駆動時間はCore i5搭載のスタンダードモデルで8時間、Core i7搭載のパフォーマンスモデルで9時間とされています。以下の条件で実際の駆動時間を計測してみたところ、テスト開始から9時間47分でバッテリー切れとなりました。
バッテリー駆動時間計測時のテスト条件
- Windows 10の電源プランを「省電力」に
- 液晶ディスプレイの明るさを40%に設定
- 輝度(明るさ)の自動調節機能はオフ
- 無線LANとBluetoothはオン
- ボリュームは50%に調整
- 「BBench」で10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化
- 満充電の状態からテストを行ない、休止状態へ移行するまでの時間を計測
ただしこのテストはバッテリー消費量が少ないため、実際の作業では駆動時間がもっと短くなるはずです。筆者の経験から考えると、おそらく6~7時間程度でしょう。もっとも据え置きで使うタイプですので、それほど大きな問題ではないはずです。
他機種との比較
HP Pavilion 15-cc000のように15.6型でCPUにCore iプロセッサーを搭載したモデルは、日本HP以外のメーカーからも発売されています。そこで同程度のスペックの他社製品と比較してみました。
値段的には、HP Pavilion 15-cc000が特別有利というわけではありません。ただしメモリー容量を16GBに増設したりSSD+HDDのデュアルストレージ構成では、ほかのモデルよりも若干有利です。
個人的には、HP Pavilion 15-cc000がもっとも外観面が優れていると思います。ほかのモデルは本体カラーが地味ですし、スタイリッシュさがありません。本体デザインにこだわりたい人には、HP Pavilion 15-cc000をおすすめします。
また同じ日本HP「HP 15-bw000スタンダードモデル」を選ぶのもアリです。CPU性能はワンランク下がりますが、8GBメモリー+SSD搭載で実売価格が7万円切りとお買い得。体感速度はCore i5+HDD搭載モデルよりも上に感じるでしょう。
ideapad 520との比較ポイント
- 4コアの第8世代CPU搭載
- 発色に優れるIPSパネル
- 高性能なGeForce MX150対応
- 最大メモリー容量が8GB
ThinkPad E570との比較ポイント
- 信頼のThinkPadブランド
- キーボードが使いやすい
- 豊富なカスタマイズが可能
- デカくてゴツい
Inspiron 15 5000との比較ポイント
- 即納モデルは納期が早い
- 有料ソフトを無料でもらえる
- たまに異様に安いときがある
- キー配列がやや特殊
HP 15-bw000スタンダードモデルとの比較ポイント
- SSD搭載で実売7万円切り
- さわやかなホワイトのカラー
- タッチパッドは分離型
- ボディがやや安っぽい
高品質デザインが魅力!
ということで、今回は日本HPの15.6型ノートパソコン「HP Pavilion 15-cc000」のレビューをお届けしました。本体デザインについては同クラスの他社製品より優れており、見た目にこだわりたい人におすすめです。Core i5搭載のスタンダードモデルを選ぶなら、メモリー容量は8GBにアップグレードしておきましょう。
HP Pavilion 15-cc000は日本HPの公式直販サイト「HP Directplus」で販売中です。支払い方法や納期などについては、公式サイトでご確認ください。