機材貸し出し:株式会社日本HP
税込み2万7864円の超激安ノートパソコン「HP Stream 11」は、11.6型の液晶ディスプレイを搭載しています。同じサイズのモデルとしてはAppleの「MacBook Air 11インチモデル」があり、こちらも人気を集めています。このふたつのモデルはスペックもOSも異なるので単純に比較できないのですが、同じ11.6型サイズということで、持ち運びやすさや拡張性などについて検証しました。
なお今回の検証ではMacBook Air 11インチモデル(Early 2014)を使っていますが、サイズや重量については最新モデルのEarly 2015と変わりません。またHP Stream 11に関しては、メーカーからお借りした「HP Stream 11-d012TU ブルーモデル」を利用しています。
お知らせ
この機種はすでに販売が終了しています。以下のリンクから、別の記事をご覧ください。
HP製品のレビュー一覧
2015年発売のパソコンのレビュー一覧
本体サイズが小さいのはMacBook Air 11インチモデル!
まずは両モデルの本体サイズから見てみましょう。HP Stream 11の本体サイズは幅300×奥行き207×高さ19~21mmで、MacBook Air 11インチモデルは幅300×奥行き192×高さ17mmです。幅は同じですが奥行きはMacBook Air 11インチモデルのほうが15mm小さく、高さについてもMacBook Air 11インチモデルのほうが4mm薄くなっています。
ボディの質感については、アルミ素材を利用しているMacBook Air 11インチモデルのほうが上です。デザインもシャープで、仕上がりの美しさはさずがApple製品といったところ。
しかしHP Stream 11のデザインも、格安ノートパソコンながらかなり健闘しています。パームレスト周辺はエッジの立った作りで、シャープな印象を受けました。質感についても安っぽさは感じられず、頑丈な作りになっています。
両モデルの重量差は180g
HP Stream 11の重さは約1.26kgであるのに対し、MacBook Air 11インチモデルの重量は約1.08kgです。ふたつの重量差は180gしかありません。タブレットやスマートフォンでこれだけの差があるとかなりの違いを感じますが、ノートパソコンではわずかな違いだと言えます。実際にふたつを持ってみても、それほどの差があるようには感じられませんでした。
液晶ディスプレイの色合いをチェック!
続いて液晶ディスプレイの映像を比べてみましょう。MacBook Air 11インチモデルの色域はそれほど広くはありませんが、普通に見る限りでは自然な色合いです。それに対してHP Stream 11は、若干青みがかっているように見えます。映像については、MacBook Airのほうが自然な色合いと言えるでしょう。解像度は両モデルとも同じなので、精細さについては同等レベルです。
今回はHP Stream 11の液晶ディスプレイについて色合いを変更していませんが、コントロールパネルから映像を調整することでかなり改善されます。色合いが気になる人は、好みに応じて調整するといいでしょう。
キーボードの使い心地は同じ程度
キーボードの使い勝手については、どちらも同じレベルのように感じました。キーピッチ(キーの大きさを表わす指針)はHP Stream 11が18.7mmで、MacBook Air 11インチモデルは19mm程度です。MacBook Airのほうが0.3mm大きいのですが、それほどの違いは感じられません。
キーストロークについては、どちらも約1.5mmです。ただし実際に入力してみたところ、MacBook Air 11インチモデルのほうがタッチが軽く感じました。軽い力で入力できるのでMacBook Air 11インチモデルのほうが疲れにくいとも言えますが、人によっては手応えがあったほうが押したことをちゃんと認識できるのでいいという場合もあるでしょう。そのあたりを加味した上で、筆者の個人的な感想として使いやすさはどちらも同じ程度というところです。
インターフェースはHP Stream 11のほうが汎用性が高い
HP Stream 11では周辺機器等を利用するためのインターフェースとして、USB3.0×1とUSB2.0×1、HDMI端子、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードが用意されています。それに対してMacBook Air 11インチモデルでは、Thunderbolt2ポート×1、USB3.0×2の構成です。MacBook Airのほうが高性能なインターフェースを用意していますが、汎用的に使えるのはHP Stream 11のほうです。特にデジカメやスマートフォンの写真をパソコンで見るなら。メモリーカードスロットが付いているほうが断然便利です。
バッテリー駆動時間はMacBook Air 11インチモデルのほうがやや長い
HP Stream 11のバッテリー駆動時間は、動画の連続再生時で8時間15分とされています。MacBook Air 11インチモデルのバッテリー駆動時間は約9時間と表記されることが多いのですが、これは無線LAN経由でWebページにアクセスし続けたときに結果です。HP Stream 11と同じ動画再生では、最大10時間とされています。MacBook Air 11インチモデルのほうがスタミナ面では上ですが、両モデルにそれほど大きな違いがあるわけではありません。
価格差を考えれば、HP Stream 11のデキはなかなかのもの
MacBook Air 11モデルの販売価格は税込みで11万1024円です。それに対してHP Stream 11は税込み2万7864円。およそ4倍も値段が違うわけですから、各部の性能に違いのあるのは当然のことでしょう。
だからと言って、HP Stream 11がどの部分でも劣っているわけではありません。実際、持ち運びやすさやキーボードの使い勝手については同じレベルですし、インターフェースの使いやすさはHP Stream 11のほうが優っています。CPUやメモリー、ストレージといったパソコンとしての基本性能ではMacBook Air 11インチのほうが圧倒的に上なのですが、ネットを見たり文書を作成する程度のライトな利用なら、体感速度に大きな違いはないかもしれません。
HP Stream 11とMacBook Air 11インチモデルの違い | ||
モデル名 | HP Stream 11 | MacBook Air 11インチモデル |
---|---|---|
型番 | HP Stream 11-d012TU ブルーモデル | MD712J/B |
サイズ | 幅300×奥行き207×高さ19~21mm | 幅300×奥行き192×高さ17mm |
重量 | 1.26kg | 1.08kg |
バッテリー駆動時間 | 8時間15分 | 9時間 |
インターフェース | USB3.0、USB2.0、HDMI,SDメモリーカードスロット | Thunderbolt2、USB3.0×2 |
価格(税込み) | 2万7864円 | 11万1024円(Core i5、4GB、128GB SSD) |
比較的重めの作業でもバリバリこなせるのはMacBook Air 11モデルのほうですが、ネットやメール、文書作成程度の利用ならHP Stream 11でも十分です。「持ち歩けるモバイルノートパソコンが欲しいけど、Macは高いし、Windowsしか使ったことないし……」という人には、HP Stream 11をおすすめします。もちろんMacBook Air 11インチモデルも使いやすいので、おすすめですよ!