2024年発売のパソコンHPノートパソコンレビュー

HP 15-fd Intel N100モデルレビュー:N100ノートPCのメモリーを4GB→16GBメモリーに増設してみた

3.0
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HP 15-fd

※検証には筆者購入機材を使用しています

HP「HP 15-fd(インテル)」は、15.6インチサイズのスタンダートなノートPCです。大きな画面とテンキー付きキーボードを使って、デスクでガッツリ作業したい人に向いています。

HP 15-fd

15.6インチのディスプレイとテンキー付きキーボードを搭載する「HP 15-fd」

 

この機種にはスペックの異なる8種類のモデルが用意されているのですが、今回取り上げるのは最も安いIntel N100 / 4GBメモリー / 128GB SSD / Windows 10 Home(Sモード)のモデルです。ただしこのままではほとんど使い物にならないため、メモリーを4GBから16GBに増設しています。いまどき4GBメモリーは少なすぎてあり得ませんので、もしIntel N100モデルを購入しようと考えているなら、メモリーの増設を前提に考えてください。もしくはCore i5 / i7の16GBメモリーモデルを選ぶべきです。

 

HP 15-fd メモリー増設

4GBメモリーでは非常に使いづらいため、16GBに改造したモデルでレビューします

 

なおボディはプラスチック製で安っぽく、ディスプレイの映像品質はほどほど。全体的に相当チープな仕上がりに感じます。これはIntel N100モデルだけでなく、Core i5 / i7モデルでも同様です。とは言え、価格しだいではアリではないかと思います。

 

HP 15-fd

エントリー(入門)向けの機種で、カバーやディスプレイはチープな仕上がり

 

ということでこの記事では筆者が購入した実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。

おことわり

このレビュー記事では、筆者購入機材を1週間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。

スペック

発売日 2023年8月
OS Windows 11 Home または Windows 11 Home(Sモード)
ディスプレイ 15.6インチ、1920×1080(フルHD)、非光沢
CPU Intel N100 / Core i3-N305 / Core i5-1334U / Core i5-1335U / Core i7-1355U
メモリー DDR4-3200 4 / 8 / 16GB(N100モデルはスロット×1、ほかはスロット×2)
ストレージ 128 / 256 / 512GB NVMe SSD
グラフィックス UHD Graphics(N100、N305) / Iris Xe Graphics(i5、i7)
通信 Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3
インターフェース USB Type-C(データ通信のみ)×1、USB 3.2 Type-A×2、HDMI(最大1920×1080ドット)、ヘッドホン端子
生体認証 指紋センサー
サイズ / 重量 幅358×奥行き236×高さ19.5mm / 約1.64kg
バッテリー 最大7時間30分(Mobile Mark 2018)

HP 15-fdの価格

この機種は、公式サイト以外の通販サイトで買うべきです。アマゾンや楽天、家電量販店のECサイトのほうが、メーカー直販サイトよりも安く販売されています。

 

価格の例

スペック 直販価格 アマゾン価格
Intel N100 / 4GB / 128GB 5万8500円 4万7254円
Core i5-1334U / 16GB / 512GB 12万5800円 7万5012円
Core i7-1355U / 16GB / 512GB 14万7500円 12万9919円

※2024年8月21日時点。価格はタイミングによって変わります

 

そもそもHPのインテル製CPU搭載格安機種は、量販店での販売がメインです。過去の機種も直販以外の通販サイトのほうが安く販売されていました。この機種を選ぶ場合は、まず直販以外のサイトから探すといいでしょう。

 

ただし直販サイトでも、キャンペーンやアウトレットで安く販売されることがあります。直販サイトを毎日チェックしていれば、タイミングよく入手できるかもしれません。頻繁にチェックするのが面倒な場合は、当サイトのX(旧Twitter)アカウントをフォローしてください。お得な値段まで下がったら、情報を投稿する予定です。

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外観

前述のとおり、HP 15-fdの筐体はチープです。見た目はそれほどでもないものの、実際に手に取るとプラスチック感が強く、とても安っぽく感じます。

HP 15-fd

HP 15-fdの外観。本体カラーはナチュラルシルバーとウォームゴールドの2色 ※写真はナチュラルシルバー

HP 15-fd

ボディは樹脂(プラスチック)製。シルバーの部分は触っても指紋の跡は気になりませんが、鏡面シルバーのロゴの部分は指紋の跡が目立ちます

HP 15-fd

樹脂製のボディは強く押すとたわみます。またキズにも弱いので注意

HP 15-fd

ディスプレイを開いた状態

HP 15-fd

ディスプレイのベゼル(枠)は標準的な太さ

HP 15-fd

キーボード面の見た目

HP 15-fd

底面部はややザラついた仕上がり

サイズと重量

HP 15-fdは、ノートPCとしてはもっともスタンダードな15.6インチタイプです。筐体がほぼプラスチックなので重くはないものの、強度にちょっと不安を感じます。ちょっとしたことでもキズ付きやすいので、扱いには注意してください。持ち歩きよりも、デスクに据え置きで使うほうが向いています。

HP 15-fd

大きさは幅358mm、奥行き236mm

HP 15-fd

A4ノート(ピンク)とB5ノート(ブルー)とのサイズ比較

HP 15-fd

B4サイズ(B5ノートの見開き)よりも少し小さい程度と考えれば、サイズ感をイメージしやすいでしょう

HP 15-fd

厚さ(突起部を除く)は実測で18.5mm。数値としては標準的です

HP 15-fd

底面部のゴム足を含めた高さは21.4mm。設置時には多少の厚みを感じますが、比較的薄いほうです

HP 15-fd

見た目はけっこうスリムな印象

HP 15-fd

重さは実測で1.603kg。15.6インチタイプとしてはやや軽めです

ディスプレイ

ディスプレイには、格安タイプのパネルが使われています。色の鮮やかさやメリハリの強さはほどほどですが、文字中心の作業やカジュアルに動画を観る程度なら問題ないでしょう。

 

ただし格安パネルは品質が一定していないため、まれに「ハズレ」のパネルを引く場合があるので注意してください。ハズレパネルでは色がやや黄色がかって見えたり、明るさが足りずに青みがかって見えたりすることがあります。たとえ色に違和感を感じても、返品や交換は(おそらく)できません。格安PCを入手する場合は、このあたりを覚悟する必要があります。

 

IdeaPad Slim 3 Gen 8 15.6型 (AMD)

2台の同じ機種を並べた状態。同じ条件・表示内容でも、パネルに品質によって色味がこれだけ異なります ※写真は別の機種

HP 15-fd

画面サイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドット

HP 15-fd

ディスプレイの色合い。画面はやや暗めで、色もわずかに色あせて見えます。おそらく格安ノートPC向けの45% NTSCパネルが使われているのでしょう

HP 15-fd

最近のスマホよりも画面が暗く、色のメリハリがいまひとつに感じます ※それぞれの色合いを再現するために、色味を調整した写真です

HP 15-fd

パネルの品質はいまひとつですが、映像をザッと見るぶんには問題ありません。また文字中心の作業であればやや暗く感じるかもしれませんが、色味に違和感を感じる場面は少ないでしょう

キーボード

キーボードはテンキー付きの日本語配列で、バックライトには対応していません。キー配列は、海外メーカー製PCとしてはかなりまとも。Enterキー周辺にやや小さいキーがあるものの、大きな違和感はありません。配列にクセのない格安ノートPCが欲しいなら、HPの15.6インチタイプを選ぶといいでしょう。

 

HP 15-fd

HP 15-fdのキーボード。テンキー付きの日本語配列です

HP 15-fd

キーボード左側

HP 15-fd

キーボード右側

HP 15-fd

電源ボタンは押しまちがえそうな位置にありますが、長押ししないと反応しないので問題ありません

HP 15-fd

普通のキーは15mm前後でやや小さめ

HP 15-fd

Enterキー周辺には13.5mmのやや小さいキーがあります

HP 15-fd

キーピッチは約18.7mm。理想値の19mmよりやや狭く作られています。キーが小さいので、少し窮屈に感じるかもしれませんが、指先で打つように意識すると誤入力が少ないでしょう

HP 15-fd

キートップの文字はシルク印刷ですが、よく使われるコーティングがありません。キーの上部に触ると、インクのデコボコで表面がザラッとしているように感じました。長期間使っていると、文字がかすれて見えづらくなる可能性があります

HP 15-fd

キーストロークはやや浅めの1.3mm。思ったよりストローク感は浅くないものの、軸のブレを感じます。押した瞬間のクリック感はやや固め。タイプ音はカタカタと聞こえます

HP 15-fd

キーボードの中央付近を強く押すと、キーボード面が軽くたわみます

端子やカメラなど

周辺機器接続用のインターフェース類は、15.6インチタイプとしてはやや少なめの印象です。必要に応じて、USBドックなどを利用するといいでしょう。

HP 15-fd

右側面にはUSB Type-Aと電源コネクター

HP 15-fd

左側面にはUSB Type-A、HDMI(最大1920×1080ドット)、USB Type-C(データ通信のみ)、ヘッドホン端子

HP 15-fd

キーボード右下には指紋センサー

HP 15-fd

ディスプレイ上部のWebカメラは720p 30fps対応。プライバシーシャッター付きです

HP 15-fd

スピーカーは底面部手前の左右側面に配置されています。サウンドは格安ノートPCとしては比較的高音質ですが、外付けオーディオ機器ほどではありません。動画やビデオ会議、BGM再生用には十分だと思います

HP 15-fd

排気口はこの部分。温められた空気はディスプレイに直接当たらず、まずはヒンジ部分に当たります

HP 15-fd

付属の電源アダプターは45Wの丸口タイプ。重さは285g

本体の分解

※本体を分解または改造すると、メーカー保証のサポート外となる可能性があります。くれぐれも自己責任の上で行なってください

底面カバーの取り外し

HP 15-fd

底面部を外すために、まずは4本のネジを外します

HP 15-fd メモリー増設

このあたりに固い板を差し込み、こじ開けてスキマを作ります

HP 15-fd メモリー増設

固い板を柔らかい布で包むと、キズが付きにくいのでおすすめ。ヒンジ裏のあたりから外していくと、作業しやすいかもしれません

HP 15-fd

カバーを外した状態

HP 15-fd

本体内部

メモリーの増設

HP 15-fdは、モデルによってメモリースロットの数が異なります。Intel N100モデルは、スロットが1基のみ。それ以外のモデルはスロットが2基用意されているようです(未確認)。Intel N100は16GBメモリーまで対応しているので、16GBのメモリーモジュールを利用するといいでしょう。8GBでもなんとかなるとは思います。

HP 15-fd

Intel N100モデルはメモリースロットが1基のみ

HP 15-fd メモリー増設

別途購入したDDR4-3200のメモリーに換装します

SSDの交換

ストレージ用のM.2スロットは1基のみ用意されています。SSDを交換する場合は、あらかじめ元のSSDのクローン(コピー)を作るか、システムのクリーンインストールを行なってください。

HP 15-fd

検証機ではType-2242が使われていましたが、ネジ穴的にはType-2280にも対応しているようです

ベンチマーク結果

※ここからの内容はマニアックなのでご注意ください

検証機のスペック

CPU Intel N100(Alder-Lake-N、4コア4スレッド、最大3.4GHz、6W)
メモリー DDR4-3200 16GB×1 ※増設済み
ストレージ 128GB SSD
グラフィックス UHD Graphics(CPU内蔵)

※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります

パフォーマンス設定について

ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」、電源モードを「バランス」に設定した上で、電源アダプターを接続した状態で実施しています。専用ユーティリティーによるパフォーマンス調整は行なっていません。

Sモードの解除について

ベンチマークテストを行なうにあたって、UWPアプリしか実行できないWindows 11 HomeのSモードを解除しました。普通のノートPCとして利用するのであれば、Sモードは解除したほうがいいと思います。

HP 15-fd

Sモードを解除して、Windowsストア以外のアプリを実行できるようにしています

ストレージ性能

Intel N100モデルでは128GB、そのほかのモデルでは256~512GBのSSDが使われています。検証機で128GB SSDのアクセス速度を計測したところ、速度としてはやや遅めでした。ただしSSDは容量が大きいほどアクセス速度が高速化する場合があるので、ほかのモデルでは異なるかもしれません。

HP 15-fd

アクセス速度計測結果

HP 15-fd

SSDの情報

CPU性能

CPUとしては、Alder Lake-NのIntel N100およびCore i3-N305と、第13世代Core i5-1334U / Core i5-1335U / Core i7-1355Uが使われています。今回使ったモデルは、Intel N100を搭載しています。

 

CPU性能を計測する「CINEBENCH R23」の結果は以下のとおり。ほかのAlder Lake-N搭載ミニPCと比べてみましたが、だいぶ低い結果が出ました。これはHP 15-fdで電力制限のPL1が6Wに制限されているため。10~30Wあたりに設定されているミニPCよりも消費電力をだいぶ抑えられているため、スコアが伸びていないのです。

 

Alder-Lake N搭載機の性能比較

CPU CINEBENCH R23
HP 15-fd(N100)
S807
M1813
TRIGKEY GREEN G4(N95)
S936
M2797
NucBox G5(N97)
S791
M2877
NucBox G3(N100)
S796
M2882
SkyBarium MN22(N100)
S944
M2643
CHUWI HeroBox 2023(N100)
S926
M2753
CHUWI LarkBox X 2023(N100)
S933
M2996
Acemagic T8 Plus(N100)
S911
M2883

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

 

旧世代のCPUと比較しても、性能がだいぶ低いことがわかります。「N100は第8世代相当」とよく言われますが、消費電力を抑えたHP 15-fdでは第8世代相当の性能を出せていません。

 

旧世代のノートPC向けCPUとの性能差

CPU PassMark CPU Mark Score
Core i7-1065G7
8306
Core i5-1035G4
7882
Core i7-10510U
6588
Core i5-10210U
6195
Core i7-8565U
6089
Core i5-8265U
5963
N100平均値
5549
HP 15-fd(N100)
4604

※そのほかのスコアはPassMark CPU Benchmarksによる集計値

 

これではIntel N100の魅力も半減してしまうわけですが、CPUの消費電力を手動で変更すればパフォーマンスを改善するは可能です。詳しくは後述しますが、PC本体に通常よりも高い負荷がかかる可能性があるため、あくまでも自己責任の上で行なってください。

消費電力を調節してパワーアップ

グラフィックス性能

グラフィックス機能としては、CPU内蔵のUHD Graphicsが使われます。グラフィックス性能を計測する3Dベンチマークテストでは、最近の内蔵グラフィックスとしては非常に低い結果が出ました。ただしAlder Lake-N系としては標準的です。このCPUはもともとグラフィックス性能が低いAtomの流れをくんでいますから、この結果は仕方がありません。ゲームのプレーは期待しないほうが無難です。

 

ノートPC向けGPUの性能(DirectX 12)

GPU 3DMark Time Spy Graphics
Intel Arc Graphics(Meteor Lake)
3759
Radeon 780M(RDNA3)
2727
Radeon 680M(RDNA2)
2350
Radeon 760M(RDNA3)
2282
Iris Xe
1522
Radeon 660M(RDNA2)
1189
検証機(UHD)
321

※そのほかのスコアはUL Solutionsによる平均値

PCを使った作業の快適さ

PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。

 

テスト結果の見方

テスト名 概要
Essentials
(一般利用)
ソフトの起動やWeb閲覧、ビデオ会議など一般的な作業を想定。CPUのシングルコア性能が強く影響する
Productivity
(ビジネス利用)
表計算とワープロにおいて、中規模クラスのデータを扱うテスト。CPUのマルチコア性能が影響しやすい
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
写真加工と3D製作、動画編集を扱うテスト。CPU性能とグラフィックス性能が強く影響する

 

一般利用とビジネス利用のテストでは目標値を上回った、コンテンツ制作のテストでは目標値を下回っています。ネットの調べ物やメールなど、軽めの作業中心で考えたほうがいいでしょう。

 

またミドルレンジ以上のノートPCと比べると、パフォーマンスがだいぶ低いことがわかります。なんとか使えはするものの、快適に作業したいなら上のランクの製品を選んだ方がいいでしょう。

 

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
目標値:4100
検証機6763
Yoga11277
HP2459902
ThinkBook9961
Ins1410649
Aero10100
Productivity
目標値:4500
検証機5347
Yoga8283
HP2459336
ThinkBook9878
Ins1411053
Aero9964
Digital Contents Creation
目標値:3450
検証機2076
Yoga8866
HP2455781
ThinkBook4833
Ins148243
Aero7374

※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの

比較機のスペック

Yoga 7i Gen 9 Core Ultra 7 155H / 16GB / Intel Arc
HP 245 G10 Ryzen 7 7730U / 16GB / Radeon
ThinkBook 16 Gen 6 Ryzen 5 7530U / 16GB / Radeon
Inspiron 14 5445 Ryzen 7 8840U / 16GB / Radeon 780M
HP Pavilion Aero 13-bg Ryzen 5 8640U / 16GB / Radeon 760M

バッテリー性能

HP 15-fd

駆動時間

バッテリー駆動時間の公称値は、最大7時間30分(Mobile Mark 2018)とされています。しかしこれは(おそらく)消費電力を抑えた状態の結果で、実際の利用を想定した測定結果ではありません。実際の利用では、駆動時間が短くなりがちです。

 

そこでPCMark 10のバッテリーベンチマークテストを行なったところ、事務作業で8時間超、動画再生で9時間半程度という結果が出ました。公称値より長い結果でひとまずは安心といったところです。数値としては長いわけではないものの、そもそも持ち歩き用の機種ではないため、これだけでも十分でしょう。

バッテリー駆動時間の計測結果(Ryzen 7モデル)

テスト方法 駆動時間
※公称値 7時間30分((Mobile Mark 2018)
PCMark 10 Modern Office(ビジネス作業) 8時間17分
PCMark 10 Video(動画再生) 9時間39分

※テストの条件や計測方法についてはコチラ

バッテリー駆動時の性能

ノートPCを内蔵バッテリーで利用すると、電源接続時よりもパフォーマンスが低下します。機種によって異なりますが、バッテリー駆動時にはベンチマークスコアが2~3割程度下がるのが一般的です。

 

HP 15-fd Intel N100モデルでバッテリー駆動時のCPUベンチマークテストを行なったところ、シングルコア性能はやはり大きく下がったものの、マルチコア性能はあまり変わりませんでした。おそらく、そのようなチューニングが施されているのでしょう。軽めの作業をサッと終わらせたいときは、電源に接続した状態で行なったほうがいいかもしれません。

 

性能比較

CPU CINEBENCH R23
電源接続時
S807
M1813
バッテリー駆動時
S587
M1875

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

熱と騒音について

※計測時の室温は28度。室温が変わると、結果が異なる場合があります

CPUの熱について

高負荷な「CINEBENCH R23」実行中のCPU温度 / 消費電力 / 動作クロックを調べたところ、テスト開始から一瞬(具体的には10~20秒間程度)は消費電力が14W程度まで上がってクロックも2.9GHzあたりまで上昇するものの、その後は消費電力が6W前後を推移していました。クロックも平均1.7GHzあたりと、だいぶ低めで推移しています。そのぶん温度の上昇は抑えられているものの、ベンチマークテストの結果が低かったのはクロックの低さが原因でしょう。

HP 15-fd

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のモニタリングデータ

各項目の平均値と最大値

コアクロック 平均1716MHz 最大3392MHz
CPU温度 平均51度 最大74度
CPU消費電力 平均6W 最大14.1W

本体の熱と駆動音について

高負荷時でも、本体表面の熱はそれほど感じられませんでした。キーボードがほんのり温かいなと感じる程度です。

HP 15-fd

本体表面の最大温度は、キーボード左側で35度前後。ほんのり温かく感じる程度

 

騒音(空冷ファンの回転音や通気口からの風切り音)を計測したところ、音はハッキリと聞こえたものの気になるほどではありませんでした。

駆動音の計測結果

待機中 37.9dB ほぼ無音
軽作業時
(PCMark 10)
37.8~39.5dB 音が断続的に聞こえる。ハッキリと聞こえるが、うるさくは感じなかった。無音に感じる場面のほうが長い
高負荷時(CINEBENCH) 37.9~39.3dB 音の大きさについては同上。無音に感じる場面と音が聞こえる場面とで半々くらい
(参考)エアコンの最大出力時 48~58dBA前後

消費電力を調節してパワーアップ

HP 15-fdの電力制限(PL1が6W、PL2が25W)は、ほかのIntel N100搭載機と比べてだいぶ低めです。そのため、ベンチマークスコアはだいぶ低く出ています。筆者が他媒体で検証した結果もそうでしたし、ほかの媒体の検証記事を見ると、大手メーカー製の製品でベンチマークスコアが低く出ているように見受けられました。

 

消費電力が低いなら上げてしまえばいいわけで、TechPowerUpの「ThrottleStop」というソフトを使えば、PL1を6Wから引き上げることができます。ただしこの方法は場合によってはPC本体に悪影響を与える可能性があるため、壊れても仕方がないと諦められる人向けです

HP 15-fd

電力制限を調整できる「ThrottleStop」※一般的には非推奨のソフトなので、リンクは設置しません

ThrottleStop

6Wに設定されているPL1を変更。画像では「15W」に設定していますが、実際には10W程度までしか上がらないので、「10W」に設定するほうがいいでしょう

ThrottleStop

PL1調整でマルチが35%アップ、シングルが9%アップ

 

他機種との比較

今回は外観がチープな15.6インチということで、デルとレノボから同カテゴリーの機種を選びました。

Inspiron 15 3535

デル「Inspiron 15 3535」

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本体の質感やディスプレイの映像品質、スペックに関しては、どれも似たり寄ったりです。ですが、キーボードの配列に関しては、HP 15-fdがもっとも違和感のない作りでした。あとはそれぞれのセールのタイミングで買うべきかどうかを選べばいいかと思います。

 

エントリー向け15.6インチタイプの比較

IdeaPad Slim 3 Gen 8 15.6型 (AMD) Inspiron 15 3535 HP 15-fd
IdeaPad Slim 3 Gen 8 15.6型 (AMD) Inspiron 15 3535 HP 15-fd
15.6インチ、1920×1080ドット、IPS、非光沢
Ryzen 3 7330U
Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
Ryzen 3 7320U
Ryzen 5 7520U
Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
Intel N100
Core i3-N305
Core i5-1334U
Core i5-1335U
Core i7-1355U
DDR4-3200 8/16GB(オンボード) LPDDR5 8GB(オンボード)
DDR4-3200 16GB
DDR4-3200 4 / 8 / 16GB
※スロットあり
256GB / 512GB SSD 512GB / 1TB SSD 128 / 256 / 512GB
Type-C(PD/DP) Type-C(データ通信のみ)
指紋センサーあり 指紋センサーなし 指紋センサーあり
幅359.3mm
奥行き235mm
高さ17.9mm
重さ 約1.62kg
幅358.5mm
奥行き235.56mm
高さ18.99mm
重さ 約1.63kg
幅358mm
奥行き236mm
高さ19.5mm
重さ 約1.64kg
約14時間(JEITA2.0) ※駆動時間非公開 最大7時間30分(MobileMark 2018)

考察とまとめ

HP 15-fd

遊ぶならN100、使うならCore i5以上

筐体はチープでディスプレイの映像品質や機能面はほどほどですが、エントリー向けノートPCとしてはかなりまともな日本語配列キーボードを採用している点がポイントです。

Intel N100モデルについては、筆者は楽天のポイント還元を含めて実質3万円台後半で入手しました。さらに16GBメモリーを5000円で購入しているので、かかった金額としては4万円台前半。さらにSSDを換装すれば、4万円台後半――具体的には4万7000円前後――くらいになるでしょう。5万円切りで16GBメモリー搭載と考えれば悪くはありません。

ただ、最近は(記事執筆時)6万円台でRyzen 5+16GBメモリーの機種を買えることを考えると、コスパがいいかは微妙です。プラス1~1.5万円で性能はかなり向上しますから、普通に使いたいならそちらを選んだほうがいいかもしれません。

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その意味で、N100モデルはあれこれ遊びたい人向けです。手持ちのパーツを使って、安く済ませられて良かったね的な。4GBメモリーをそのまま使うことだけは、おすすめしません。

またHP 15-fdを買うなら、16GBメモリーを搭載したCore i5 / i7モデルのほうがいいでしょう。値段はタイミングによって大きく変わりますが、Core i5モデルで7万円台以下ならアリだと思います。直販だとなかなか安くならないので、量販店系をチェックしてみてください。

記事を書いた人
こまめ(タカハシリョウ)

お買い得パソコン評論家。毎日各メーカー・各ショップのWebページを500p以上チェックして、安くてお得なパソコンを探しています。元雑誌・書籍編集者で、PC系フリーライターでもあるオジサン。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月

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